高圧ガス保安法 第78条の2(審査請求の制限)
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第三十九条の規定による処分については、審査請求をすることができない。
この条文の基本情報
審査請求の制限とは何ですか?
定義審査請求の制限とは、高圧ガス保安法第78条の2に定められた規定で、「第三十九条の規定による処分については、審査請求をすることができない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 高圧ガス保安法第78条の2(審査請求の制限)は、日本の高圧ガス保安法に含まれる条文です。
- 高圧ガス保安法第78条の2の条文原文は「第三十九条の規定による処分については、審査請求をすることができない。」で始まります。
- 高圧ガス保安法第78条の2は第五章に置かれています。
- 高圧ガス保安法の公布日は昭和26年6月7日です。
- 高圧ガス保安法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 高圧ガス保安法第78条の2の前の条は高圧ガス保安法第78条です。
- 高圧ガス保安法第78条の2の次の条は高圧ガス保安法第78条の3です。
- 高圧ガス保安法第78条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
高圧ガス保安法(昭和二十六年法律第二百四号)第78条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/326AC0000000204 - 本サイト収録
高圧ガス保安法(昭和二十六年法律第二百四号)第78条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/326AC0000000204/78_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点高圧ガス保安法78条の2は、39条の緊急措置による処分について審査請求を認めないと定める。争う場合は取消訴訟と執行停止、損害は国家賠償で求めることになる。
Q · 高圧ガスの緊急停止命令を受けたら、役所に不服申立てはできるの?
審査請求は不可。取消訴訟・執行停止と国家賠償で争える
高圧ガス保安法78条の2により、39条の緊急措置(使用の一時停止、製造・移動の一時禁止、容器の廃棄・移動命令など)による処分には審査請求ができません。ただし裁判所への取消訴訟(行政事件訴訟法3条)は別に起こせ、停止が長引く場合は執行停止(同法25条)を申し立てられます。命令が違法だった場合の損失は、国家賠償法1条により請求する余地があります。
解説
工場のガス設備が突然止められても、役所に「考え直してほしい」と申し立てる簡易な手続(審査請求:上級の行政庁に処分の見直しを求める不服申立て)は使えない。止める根拠は高圧ガス保安法39条の緊急措置である。経済産業大臣や都道府県知事が、公共の安全や災害防止のために急ぎ必要と判断したとき、施設の使用の一時停止、高圧ガスの製造や移動などの一時禁止・制限、容器の廃棄や移動を命じられる。78条の2は、この39条の処分を審査請求の対象から外している。理由ははっきりしている。数週間から数か月かかる書面審理を待っていては、爆発や漏洩の危険への対応が間に合わないからだ。ただし、争う道が全部ふさがれたわけではない。裁判所への取消訴訟と執行停止の申立て、損害が出た場合の国家賠償という道は残っている。「審査請求ができない」と書かれているのを見て、争う手段がもうないと思い込む事業者は少なくない。実際には、どの手続で争うかが最初から絞られているだけである。
法的な位置づけ
高圧ガス保安法78条の2は、同法39条に基づく緊急措置としての処分を審査請求の対象から除外する規定である。行政不服審査法による行政内部の不服申立てを個別法で排除するものであり、当該処分に対する救済は、行政事件訴訟法上の取消訴訟・執行停止および国家賠償法による損害賠償請求に委ねられる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.命令書の内容を確認する 命令書の日付、根拠条文(39条の何号か)、措置の内容・範囲・期間、発令者(経済産業大臣か都道府県知事か)を確認し、審査請求ではなく取消訴訟が救済手段となることを把握する
- 2.命令に従い、設備の現況を記録する 命令には従ったうえで、命令を受けた時点の設備の状態を写真・計測データ・点検記録で保全する。後の執行停止や国家賠償で、緊急の必要がなかったことを示す唯一の証拠になる
- 3.行政と解除条件を協議する 担当部署に対し、解除に必要な安全確認の内容と見通しを確認し、早期解除に向けた資料を提出する
- 4.停止が長引く場合は取消訴訟と執行停止を申し立てる 損害の拡大が見込まれる場合、弁護士と相談のうえ、出訴期間内に取消訴訟を提起し、あわせて執行停止を申し立てる。解除後では訴えの利益が失われるおそれがあるため、命令継続中に動く
- 5.解除後に国家賠償請求を検討する 命令解除後、停止期間中の売上損失などを整理し、命令が違法(緊急の必要がない、措置が過剰)だったと主張できる場合は国家賠償法1条による請求を検討する
よくある質問 AI による整理
Q1高圧ガス保安法39条の緊急措置とは?
公共の安全維持や災害防止のため緊急に必要なとき、経済産業大臣や都道府県知事が施設の使用一時停止、製造・移動の一時禁止、容器の廃棄・移動などを命じる措置です。
Q2審査請求ができない処分にはどう対処する?
裁判所に取消訴訟を起こし、損害が大きくなりそうなら執行停止を申し立てます。並行して、行政と解除条件を協議するのが実務的です。
Q3緊急停止命令に従わないとどうなる?
命令違反は高圧ガス保安法の罰則の対象になりえます。争う意思があっても、まず命令に従い、別途訴訟などで争うのが原則です。
Q4取消訴訟はいつまでに起こせる?
処分があったことを知った日から6か月以内、処分の日から1年以内です(行政事件訴訟法14条)。正当な理由がある場合の例外もあります。
Q5緊急停止命令が解除されたら訴訟はどうなる?
処分の効果が消えると、取消訴訟を続ける利益(訴えの利益)が失われる可能性が高く、損失の回復は国家賠償請求で争うことになります。
Q6緊急措置の前に意見を言う機会はある?
公益上緊急に処分する必要がある場合は、聴聞や弁明の機会の付与を省略できます(行政手続法13条2項1号)。事前の反論機会がないこともあります。
Q7飲食店のガスボンベも緊急措置の対象?
39条は高圧ガスの容器を所有・占有する者にも廃棄や移動を命じうるため、炭酸ガスボンベを保管する飲食店も対象になりえます。
Q8緊急停止による売上損失は保険でカバーできる?
契約内容次第です。行政命令による休業損失は対象外の保険も多く、事業計画の段階で補償範囲を確認しておく必要があります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1審査請求ができないなら、いきなり裁判しかないってことですか?
不服申立ての制度としてはそのとおりである。78条の2により、39条の処分には審査請求ができないので、争うには行政事件訴訟法3条の取消訴訟を起こすことになる。実務のポイント:実務では、訴訟を起こすより先に、解除の条件を担当部署と詰めて、早く解除してもらうほうが損失は小さくなりやすい。訴訟の準備は、交渉が行き詰まったときのための手段として並行して進めるのがよい
Q2停止中の売上が飛んだ分、国に請求できますか?
39条の措置そのものは法律に基づく適法な権限なので、損害が出たというだけでは請求は認められない。公務員の判断が違法だった場合、つまり緊急の必要がなかった、または措置が必要以上に重かった場合に、国家賠償法1条で請求できる余地がある。実務のポイント:勝敗を分けるのは、命令が出た時点で危険が本当にあったかどうかである。命令を受けた日の点検記録がない事業者は、ここを立証できない
間違えやすい点 AI による整理
- 「審査請求ができない」は「一切争えない」という意味ではない。行政事件訴訟法3条の取消訴訟は別の手続として残っており、裁判所に執行停止(処分の効力を一時的に止める裁判所の決定)を申し立てる道もある
- 緊急措置の怖さは、争えないことではなく、処分の期間が短いことにある。一時停止がすぐに解除されると、処分の効果がなくなり、取消訴訟を続ける意味(訴えの利益)が失われる可能性が高い。そうなると止められていた間の損失は、国家賠償で争うしかなくなる
- 役所の立場から見ると、39条の処分は事前に言い分を聞く手続(聴聞・弁明の機会:処分の前に当事者の意見を聞く手続)を省ける場面が多く(行政手続法13条2項1号)、事後の審査請求もない。事前と事後の両方で、事業者が意見を言う場面が少なくなっている。命令が出る前に記録を整えておかないと、反論の材料が残らない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象となる行為 | 78条の2:39条の緊急措置による処分(使用一時停止、製造・移動の一時禁止、容器の廃棄・移動命令) | 38条:許可の取消し・製造の停止等の通常の監督処分 36条:事業者自身による危険時の応急措置と届出 |
| 審査請求 | できない(明文で除外) | 本条のような除外規定はなく、行政不服審査法の一般ルールに従う 事業者自身の義務であり、処分ではないため不服申立ての対象外 |
| 主な救済手段 | 取消訴訟・執行停止、国家賠償 | 審査請求または取消訴訟(原則自由選択) 救済手段の問題は生じず、措置義務違反の有無が問題となる |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では急迫の危険に対する即時強制が行政執行法で定められ、救済は訴願・行政訴訟と停止執行の申立てによる。緊急措置について訴願を明文で除外する構造かは個別法の確認が必要
韓国でも処分の効力を止める手段として裁判所の執行停止制度がある。高圧ガス安全管理法上の処分への行政審判の可否は個別に確認が必要
ドイツでは法律で異議申立前置(Vorverfahren)を除外でき、即時執行の処分には裁判所に停止効の回復を求める仕組みがある点で、日本の構造と近い
米国では司法審査の係属中に裁判所が処分の効力発生を延期するなどの暫定救済を与えうる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 大地震の翌日、県から「安全確認が終わるまで貯槽の使用を一時停止せよ」と命じられた。もし自社の設備は無傷だと確信していたら、どこに異議を出せばいい? 審査請求の窓口はない。弁護士と相談して、裁判所への取消訴訟と執行停止の申立てを検討することになる
- あなたは化学メーカーの保安統括者で、近隣の火災を理由にガスの移動を禁止された。出荷が止まり、取引先への納期まであと3日しかない。役所に不服申立てをしても結論は出ない。残るのは、執行停止の申立てを準備するか、行政と協議して早く解除してもらうかの二つである
- ビールサーバー用の炭酸ガスボンベを店で保管していたら、容器の所在場所を変えるよう命じられた。高圧ガスの容器を持っている人も、39条の命令を受ける対象になりうる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 命令書の日付・根拠条文・措置の内容と期間を確認し、命令を受けた時点の設備の状態を写真や計測値で記録する2. 命令には従う。違反すると罰則の対象になるため、争うことと従うことは分けて考える3. 停止が長引き損害が大きくなる場合は、取消訴訟と執行停止の申立てを弁護士と検討する4. 命令が解除された後は、売上の損失を整理して国家賠償法1条による請求を検討する
訴えられた側:行政庁側、または命令を出させる立場の場合:1. 「緊急の必要」があると判断した根拠(危険の内容、判断した時刻、使った情報)を記録に残す2. 措置の範囲と期間は必要な最小限に絞り、解除する条件をあらかじめ示す3. 書面で処分する場合は、取消訴訟を起こせること、その相手方と出訴期間を教示する(行政事件訴訟法46条) 4. 安全が確認できたら速やかに解除し、命令が過剰だったと評価されるリスクを抑える
時効(請求できる期限):審査請求はできない。取消訴訟は処分があったことを知った日から6か月以内、処分の日から1年以内(行政事件訴訟法14条)。国家賠償の請求は、損害と加害者を知った時から3年(国家賠償法4条、民法724条)(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:取消訴訟と審査請求は原則として自由選択(行政事件訴訟法8条1項)であり、本条のように個別法で審査請求が除外されても、取消訴訟を直接提起する道は失われない。除外は救済の入口を司法に一本化する趣旨と理解される
- 高圧ガス保安法 第39条審査請求の対象外となる緊急措置本体
- 高圧ガス保安法 第36条事業者自身の危険時措置と届出義務
- 高圧ガス保安法 第38条許可取消し等、通常の監督処分
- 行政不服審査法 第1条他法の特別の定めによる適用除外の受け皿
- 行政事件訴訟法 第25条審査請求に代わる執行停止の救済
- 行政手続法 第13条緊急時に事前の意見聴取を省略できる根拠
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