土地収用法 第5条(権利の収用又は使用)
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- 土地を第三条各号の一に規定する事業の用に供するため、その土地にある左の各号に掲げる権利を消滅させ、又は制限することが必要且つ相当である場合においては、この法律の定めるところにより、これらの権利を収用し、又は使用することができる。
- 一地上権、永小作権、地役権、採石権、質権、抵当権、使用貸借又は賃貸借による権利その他土地に関する所有権以外の権利
- 二鉱業権
- 三温泉を利用する権利
- 2.土地の上にある立木、建物その他土地に定着する物件をその土地とともに第三条各号の一に規定する事業の用に供するため、これらの物件に関する所有権以外の権利を消滅させ、又は制限することが必要且つ相当である場合においては、この法律の定めるところにより、これらの権利を収用し、又は使用することができる。
- 3.土地、河川の敷地、海底又は流水、海水その他の水を第三条各号の一に規定する事業の用に供するため、これらのもの(当該土地が埋立て又は干拓により造成されるものであるときは、当該埋立て又は干拓に係る河川の敷地又は海底)に関係のある漁業権、入漁権その他河川の敷地、海底又は流水、海水その他の水を利用する権利を消滅させ、又は制限することが必要且つ相当である場合においては、この法律の定めるところにより、これらの権利を収用し、又は使用することができる。
この条文の基本情報
権利の収用又は使用とは何ですか?
定義権利の収用又は使用とは、土地収用法第5条に定められた規定で、「土地を第三条各号の一に規定する事業の用に供するため、その土地にある左の各号に掲げる権利を消滅させ、又は制限することが必要且つ相当である場合においては、この法律の…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 土地収用法第5条(権利の収用又は使用)は、日本の土地収用法に含まれる条文です。
- 土地収用法第5条の条文原文は「土地を第三条各号の一に規定する事業の用に供するため、その土地にある左の各号に掲げる権利を消滅させ、又は制限することが必要且つ相当である場合においては、この法律の…」で始まります。
- 土地収用法第5条は第一章 総則に置かれています。
- 土地収用法の公布日は昭和26年6月9日です。
- 土地収用法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 土地収用法第5条の前の条は土地収用法第4条です。
- 土地収用法第5条の次の条は土地収用法第6条です。
- 土地収用法第5条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
土地収用法(昭和二十六年法律第二百十九号)第5条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/326AC0100000219 - 本サイト収録
土地収用法(昭和二十六年法律第二百十九号)第5条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/326AC0100000219/5
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点土地収用法5条は、公共事業のため必要かつ相当な場合、借地権・抵当権・地役権・鉱業権・温泉利用権・漁業権など所有権以外の権利を収用または使用できると定める。
Q · 借りている土地が道路工事で収用されたら、借りている側にも補償は出るの?
出る。借地権も独立した収用・補償の対象になる
土地収用法5条1項は、賃貸借や使用貸借による権利、地上権、抵当権など土地に関する所有権以外の権利も、公共事業のため必要かつ相当な場合に収用または使用できると定めます。これらの権利者は関係人(8条)として扱われ、補償は各人別に支払うのが原則です(69条)。ただし事業認定の告示後に新たに取得した権利は、既存の権利の承継を除き、関係人の権利に含まれません。
解説
収用というと「家と土地の持ち主が立ち退かされる話」と思われがちだが、本条が対象にしているのは所有権の「外側」にある権利である。地上権、地役権、採石権、抵当権、使用貸借や賃貸借による権利、鉱業権、温泉を利用する権利、さらに漁業権や入漁権。公共事業のために必要かつ相当であれば、これらの権利は所有権とは切り離して単独で収用(消滅)されたり、使用(一定期間の制限)されたりすることがある。裏を返せば、借地人、借家人、抵当権者、漁業者は、土地の持ち主の陰にいる脇役ではない。補償を受ける独立の当事者(土地収用法上の「関係人」、8条)である。ただし落とし穴がある。事業認定の告示(国や知事が「この事業には土地を収用できる公益性がある」と公に宣言すること)の後に新しく取得した権利は、既存の権利を承継した場合を除き、関係人の権利に含まれない(8条3項)。補償を受けたいなら、自分の権利がいつ生まれ、何で証明できるかを早い段階で固めておく必要がある。
法的な位置づけ
土地収用法5条は、収用・使用の対象となる所有権以外の権利を定める規定である。3条の事業の用に供するため必要かつ相当な場合、土地に関する所有権以外の権利、鉱業権、温泉を利用する権利、土地に定着する物件に関する所有権以外の権利、漁業権・入漁権その他の水を利用する権利を、収用(消滅)または使用(制限)できる旨を定める。
手順
- 1.自分の権利の種類を特定する 収用予定地や建物に対して自分が持つ権利が、借地権・借家権・地役権・抵当権・温泉利用権・漁業権のどれにあたるかを整理する。5条1項から3項のどこに該当するかを確認する
- 2.権利の存在と取得時期の証拠をそろえる 事業認定の告示前から権利があったことを示すため、契約書、賃料の振込記録、建物登記、漁協の組合員資格の書類などを集める。告示後に取得した権利と疑われないようにする
- 3.起業者へ関係人である旨を書面で通知する 用地担当者に自分が関係人であることを書面で伝え、土地調書・物件調書(36条)に自分の権利が記載されているかを確認する。記載漏れがあれば異議を述べる
- 4.補償の個別払いを求め、期限を管理する 補償は各人別払いが原則(69条)であることを前提に交渉する。裁決に不満があれば、審査請求は送達の翌日から30日、取消訴訟は3か月、損失補償の訴えは6か月以内に起こす
よくある質問 AI による整理
Q1土地収用で収用される権利とは?
所有権だけではありません。土地収用法5条により、地上権、地役権、抵当権、賃借権、鉱業権、温泉利用権、漁業権なども収用・使用の対象になります。
Q2土地収用 借地人 補償 もらえる?
もらえます。借地権は5条1項の「賃貸借による権利」で、借地人は関係人として補償を受けます。補償は原則として各人別に支払われます(69条)。
Q3土地収用 抵当権 どうなる?
起業者が権利を取得すると抵当権は消滅します(101条)。抵当権者は補償金に物上代位できますが、払渡し前の差押えが必要です(104条)。
Q4漁業権 収用 補償 根拠は?
土地収用法5条3項です。ダムや埋立てなどの事業で、漁業権・入漁権その他の水を利用する権利を収用または使用でき、権利者は補償を受けます。
Q5収用と使用の違いは?
収用は権利を消滅させ、使用は一定期間その権利を制限するものです。どちらになるかで補償の算定方法も交渉の論点も変わります。
Q6温泉権 土地収用 対象になる?
なります。5条1項3号が「温泉を利用する権利」を明記しています。登記されにくい権利でも、収用の場面では補償の対象とされます。
Q7事業認定の告示後に設定した借地権は補償される?
原則として補償されません。告示後に新たに取得した権利は、既存の権利を承継した場合を除き、関係人の権利に含まれません(8条3項)。
Q8土地収用 補償額 不服 いつまで?
補償額を争う損失補償の訴えは、裁決書の送達を受けた日から6か月以内に起こす必要があります(133条)。期限を過ぎると裁決額で確定します。
この条文についての質問 AI による整理
Q1借家に住んでるだけでも、立ち退きの補償ってもらえるの?
もらえる可能性がある。建物の賃借権は5条2項の「物件に関する所有権以外の権利」にあたりうるもので、借家人は関係人として扱われる(8条)。実務では、移転先との家賃差額などを補う借家人補償が算定される。実務のポイント:用地担当者は大家との交渉を優先しがちである。自分から関係人として名乗り出た借家人ほど、算定の場にきちんと乗る
Q2抵当権がついたまま土地が収用されたら、銀行はどうなるの?
収用で起業者が権利を取得すると、抵当権は消滅する(101条)。その代わりに抵当権者は補償金に対して物上代位できるが、払渡し前に差押えをしておく必要がある(104条)。実務のポイント:実務では、起業者と抵当権者が事前に協議し、補償金から直接弁済して抹消する段取りを組むことが多い。協議の外で払い渡されると、差押えの機会を失いかねない
Q3補償額って、手続中に地価が上がったら増えるの?
原則として増えない。土地や所有権以外の権利に対する補償は、事業認定告示時の相当な価格を基準に、裁決時までの物価変動を修正して決まる(71条)。最高裁は平成14年6月11日判決でこの仕組みを合憲と判断した。実務のポイント:告示前の段階で不動産鑑定士に独自の評価を依頼しておくと、起業者側の鑑定と比べるための物差しが手に入る
間違えやすい点 AI による整理
- あなたから見れば、借りている土地は「地主のもの」であり、収用は地主と役所のあいだの話に見える。法律から見れば、あなたの借地権そのものが収用の対象であり、補償も各人別に払うのが原則である(69条)。この落差に気付かないまま地主任せにすると、自分の取り分を主張する機会を逃す
- 「出ていかなければならないのか」という問いから考え始める人が多いが、問いの立て方がずれている。5条の「使用」は、権利を消すのではなく一定期間制限するだけの場合もある。消滅か制限かで補償の算定方法も交渉の焦点も変わる。最初に確認すべきは、自分の権利が収用されるのか使用されるのかである
- 抵当権が担保として守られていることは知っていても、収用の場面でどれほど脆くなるかは知られていない。土地が収用されると抵当権は消える(101条)。残るのは補償金への物上代位だけで、それも払渡し前に差押えを済ませるという時間勝負に勝った場合に限られる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の役割 | 土地収用法5条:収用・使用できる所有権以外の権利の範囲 | 土地収用法8条:補償を受ける関係人の範囲 土地収用法101条:権利取得による他の権利の消滅 |
| 主な対象者 | 借地人、地役権者、抵当権者、鉱業権者、温泉利用者、漁業者 | 上記権利者のうち、告示前から権利を持つ者とその承継人 起業者の権利取得時に、なお土地上に権利を持っていた者 |
| 権利者にとっての意味 | 自分の権利そのものが収用・使用の対象になる | 補償交渉の当事者になれるかどうかが決まる 権利は消え、補償金への請求・物上代位に置き換わる |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も土地徴収にあたり、土地上の他項権利や耕作権等の権利者に補償を認める。権利者を所有者と別に扱う点で日本と共通する。
韓国も土地に関する所有権以外の権利、光業権、漁業権、水の使用に関する権利を取得・使用の対象として列挙し、日本5条と構造が近い。
ドイツは収用の対象として土地所有権の剥奪・負担のほか、土地上のその他の権利の剥奪・負担を明示する。
米国は正当補償条項を基礎に、連邦関与事業では借家人を含む移転者に移転支援を行う。権利類型の列挙より移転支援の手続に重点がある。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 親の代から借りている土地に自宅を建てて住んでいる。道路拡幅で土地が収用されると聞いたが、用地担当者は地主の家にしか行っていない。あなたの借地権は5条1項にある「賃貸借による権利」そのものであり、補償は各人別に払うのが原則である(69条)。黙っていると、話は「地主の補償をどう分けるか」にすり替えられてしまう
- あなたが銀行の融資担当者で、担保に取っている土地が収用対象になったと知ったらどうする? 抵当権も5条で消滅させられる権利である。補償金が債務者に払い渡される前に差押えをしなければ、物上代位(担保の代わりに補償金へ権利を及ぼす仕組み、104条)は空振りに終わる
- 事業認定の告示が出た後、あなたは収用予定地の持ち主として、知人に土地を貸す契約を結んだ。補償の上乗せを狙ったのなら当てが外れる。告示後に新たに権利を取得した者は原則として関係人に含まれず、借主が独立の補償を受けることは期待できない
- ダム建設で川の漁業権が消える。漁協に入っている父のもとに届いた補償の話は、5条3項から始まっている。
- 収用委員会の裁決書が届いた。補償額に納得できないなら、送達を受けた日から6か月以内に損失補償の訴えを起こさなければ、その金額で確定する(133条)。今夜のうちにカレンダーへ期限を書き込む
- 旅館が源泉から湯を引く権利も、5条1項3号に「温泉を利用する権利」として明記されている。登記簿に載りにくい権利でも、収用の場面では補償の対象として名指しされている
取るべき行動
被害を受けた側:1. 収用対象の土地や建物について自分が持つ権利(借地権、借家権、地役権、抵当権、漁業権など)を特定し、契約書、登記、振込記録で証明できるようにする2. 起業者に関係人であることを書面で通知し、土地調書や物件調書(36条)に自分の権利が記載されているか確認する3. 補償は個別払いが原則(69条)。地主経由で受け取る前提で話を進めない4. 裁決に不満があれば、期限内に審査請求または損失補償の訴えを起こす
訴えられた側:起業者や用地担当者の立場なら:1. 登記簿だけで権利者を確定せず、現地の占有者、借家人、温泉や水の利用者を実地調査で洗い出す2. 権利者を見落としたまま手続を進めると、後から補償請求や手続の違法を争われる3. 土地所有者の立場なら、告示後に新しく貸したり権利を設定したりしても補償は増えないと心得る4. 抵当権付きの土地は、金融機関と早めに弁済と抹消の段取りを組む
時効(請求できる期限):起業者が事業認定の告示から1年以内に収用裁決を申請しないと、事業認定は失効する(29条、39条1項)。裁決の取消訴訟は裁決書正本の送達を受けた日から3か月以内、補償額を争う損失補償の訴えは6か月以内に起こす必要がある(133条)。審査請求は送達を受けた日の翌日から30日以内(130条)(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:5条は所有権以外の権利を所有権から切り離して収用・使用の対象とし、その権利者を関係人として補償の独立当事者に位置付ける。補償は個別払いが原則で、権利者の生活基盤を個別に保護する趣旨と解される。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和26年(1951年) 新設:現行土地収用法の制定とともに、所有権以外の権利、鉱業権、温泉利用権、漁業権等を収用・使用の対象とする本条が設けられた。
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