土地収用法 第58条の2(抗告訴訟等の取扱い)
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収用委員会は、収用委員会の処分(行政事件訴訟法(昭和三十七年法律第百三十九号)第三条第二項に規定する処分をいう。以下この条において同じ。)又は第六十四条の規定により会長若しくは第六十条の二第二項に規定する指名委員がする処分に係る同法第十一条第一項(同法第三十八条第一項(同法第四十三条第二項において準用する場合を含む。)又は同法第四十三条第一項において準用する場合を含む。)の規定による都道府県を被告とする訴訟について、当該都道府県を代表する。
この条文の基本情報
抗告訴訟等の取扱いとは何ですか?
定義抗告訴訟等の取扱いとは、土地収用法第58条の2に定められた規定で、「収用委員会は、収用委員会の処分(行政事件訴訟法(昭和三十七年法律第百三十九号)第三条第二項に規定する処分をいう。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 土地収用法第58条の2(抗告訴訟等の取扱い)は、日本の土地収用法に含まれる条文です。
- 土地収用法第58条の2の条文原文は「収用委員会は、収用委員会の処分(行政事件訴訟法(昭和三十七年法律第百三十九号)第三条第二項に規定する処分をいう。」で始まります。
- 土地収用法第58条の2は第一節 組織及び権限に置かれています。
- 土地収用法の公布日は昭和26年6月9日です。
- 土地収用法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 土地収用法第58条の2の前の条は土地収用法第58条です。
- 土地収用法第58条の2の次の条は土地収用法第59条です。
- 土地収用法第58条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
土地収用法(昭和二十六年法律第二百十九号)第58条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/326AC0100000219 - 本サイト収録
土地収用法(昭和二十六年法律第二百十九号)第58条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/326AC0100000219/58_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点土地収用法58条の2は、収用委員会の裁決などの取消訴訟で都道府県が被告となる場合、知事ではなく収用委員会が都道府県を代表すると定める規定である。
Q · 収用委員会の裁決を取り消す裁判では、誰を相手に訴状を書けばいいの?
被告は県、県の代表者は収用委員会
行政事件訴訟法11条1項により、取消訴訟の被告は処分をした行政庁が属する都道府県になります。そのうえで土地収用法58条の2により、県を代表するのは知事ではなく収用委員会です。訴状には「被告 ○○県、代表者 ○○県収用委員会、処分行政庁 ○○県収用委員会」と書きます。ただし補償額への不満は、133条の訴えで起業者を相手に争うのが基本です。
解説
収用委員会の裁決に納得できず裁判で争うとき、訴状の被告欄に「○○県収用委員会」と書くのは誤りだ。平成16年(2004年)の行政事件訴訟法改正以降、取消訴訟の被告は処分をした役所(行政庁)ではなく、その役所が属する組織(行政主体)になった。収用委員会は都道府県に置かれているので、被告は「○○県」になる。ただし、県を代表して法廷に出てくるのは知事ではない。この条文により、収用委員会自身が県を代表する。訴状の表示は「被告 ○○県、同代表者 ○○県収用委員会」となり、送達先も知事部局ではなく収用委員会になる。理由は簡単で、裁決の中身を一番よく知っているのは委員会だからである。また、収用委員会は知事から独立して判断する機関であり、県の行政組織とは役割が違う。この形を知らずに知事宛てで手続を進めると、補正の指示を受けて時間を失う。さらに注意したいのは、補償金額への不満はこの訴訟では争えないことだ。補償額は第133条の訴えで、起業者(事業を行う側)を相手に争う。誰を相手にどの訴えを出すかで、結果は大きく変わる。
法的な位置づけ
土地収用法58条の2は、収用委員会の処分、および会長または指名委員が行う処分に関して都道府県を被告とする抗告訴訟等について、収用委員会が当該都道府県を代表する旨を定める規定である。地方自治法上、都道府県を代表するのは知事という原則に対する特則であり、裁決機関の独立性を訴訟の場でも保つ役割を持つ。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.送達日を記録し二つの期限を計算 裁決書正本の送達日を確認し、取消訴訟の期限(三か月、土地収用法133条1項)と損失補償の訴えの期限(六か月、同条2項)を手帳やカレンダーに書き込む
- 2.争点を「違法」と「補償額」に分ける 事業認定や裁決手続の違法を争うのか、補償額の多寡を争うのかを整理する。違法なら県を被告とする取消訴訟、補償額なら起業者を被告とする133条の訴えを選ぶ
- 3.被告・代表者・処分行政庁を正しく表示 取消訴訟の訴状に「被告 ○○県、代表者 ○○県収用委員会、処分行政庁 ○○県収用委員会」と表示する。知事を代表者と書くと補正を求められ、残り期間を失う
- 4.管轄の地方裁判所に提訴し弁護士に確認 行政事件訴訟法12条の管轄に従って地方裁判所へ訴状を提出する。提出前に行政訴訟の経験がある弁護士に表示と請求の趣旨を確認してもらう
よくある質問 AI による整理
Q1収用裁決 取消訴訟 被告は誰?
被告は収用委員会が置かれている都道府県です(行政事件訴訟法11条1項)。収用委員会そのものは被告になりません。
Q2収用委員会の裁決 不服 どうする?
国土交通大臣への審査請求(土地収用法129条)か、地方裁判所への取消訴訟を選べます。補償額だけが不満なら133条の訴えを使います。
Q3収用裁決 取消訴訟 いつまで?
裁決書正本の送達を受けた日から三か月以内です(土地収用法133条1項)。行政事件訴訟法の六か月より短い点に注意が必要です。
Q4損失補償の訴え いつまで?
裁決書正本の送達を受けた日から六か月以内です(土地収用法133条2項)。取消訴訟の三か月とは別に期限を管理します。
Q5収用委員会 知事 違いは?
収用委員会は都道府県に置かれた行政委員会で、知事の指揮監督を受けずに裁決します。訴訟でも知事でなく委員会が県を代表します。
Q6収用裁決 訴状 書き方は?
「被告 ○○県、代表者 ○○県収用委員会、処分行政庁 ○○県収用委員会」と三行で表示します。処分行政庁の記載は行訴法11条4項によるものです。
Q7収用委員会 訴訟 送達先はどこ?
県の代表者が収用委員会なので、訴状は知事部局ではなく収用委員会に送達されます。実務上は委員会事務局が受け付けます。
Q8収用裁決 無効確認訴訟でも同じ?
同じです。本条は行訴法38条1項による準用の場合も含むと明記しており、無効等確認訴訟でも収用委員会が県を代表します。
この条文についての質問 AI による整理
Q1収用委員会の裁決を取り消したいとき、訴状には誰を被告って書けばいいんですか?
被告は収用委員会が置かれている都道府県です(行政事件訴訟法11条1項)。代表者は知事ではなく、その県の収用委員会になります(土地収用法58条の2)。実務のポイント:行政事件訴訟法11条4項により、訴状には処分をした行政庁も書くことになっています。表示例は「被告 ○○県、代表者 ○○県収用委員会、処分行政庁 ○○県収用委員会」で、三行とも書いておくと補正を求められません
Q2補償金が安すぎます。裁決の取消訴訟で増額してもらえますか?
補償額についての不満は、原則として土地収用法133条の損失補償に関する訴えで争います。被告は起業者で、県ではありません。期間は送達日から六か月です。実務のポイント:取消訴訟で裁決が取り消されても、補償額が自動的に上がるわけではありません。増額が狙いなら133条の訴えを選ぶ方が早く結果につながります。両方を争うときは、二つの期限を別々に管理してください
間違えやすい点 AI による整理
- 処分をした役所を被告にすればいいという考え方は、平成16年(2004年)の行政事件訴訟法改正までの話である。いまの被告は都道府県だ。とはいえ、収用委員会がこの訴訟と無関係になったわけではない。県の代表者として、収用委員会は今も中心的な立場にいる
- 「裁決で決まった補償額が安すぎるから裁決を取り消してほしい」という発想は、出発点からずれている。補償額への不満は第133条の損失補償の訴えで、起業者を相手に争うのが基本だ。県を相手に取消訴訟を起こしても、補償額を上げる道にはなりにくい
- 住民から見れば、県も収用委員会も同じ「お役所」である。しかし収用委員会は、起業者と土地所有者の間に立って判断する独立した機関だ。県が起業者となる公共事業でも、裁決は委員会が独立して下す。この距離感を知らずに知事部局と交渉を続けても、裁決は動かない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の内容 | 58条の2:都道府県を被告とする訴訟で収用委員会が県を代表 | 133条:裁決に関する訴えの出訴期間と損失補償の訴え 129条:裁決に対する国土交通大臣への審査請求 |
| 相手方 | 被告は都道府県(代表者は収用委員会) | 補償の訴えは起業者または土地所有者・関係人 審査庁は国土交通大臣 |
| 期限 | 本条自体に期限なし(133条1項の三か月に従う) | 取消訴訟は三か月、補償の訴えは六か月 行政不服審査法の審査請求期間に従う |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾は原処分機関(または訴願決定機関)を被告とする機関主義を採り、行政主体を被告とする日本の現行制度とは構造が異なる
韓国は処分をした行政庁を被告とする。収用裁決を争う場合は土地収用委員会が被告となる点で日本と異なる
ドイツは原則として行政庁の属する権利主体を被告とする権利主体原則を採り、日本の平成16年改正後の構造に近い(州法で行政庁主義も可)
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 道路拡幅で自宅の土地が収用されることになったが、そもそも事業に公共性があるのか疑問だ。裁決の取消しを求めるとき、訴状の宛先はどう書けばいい? 被告は県、その代表者は収用委員会である。知事でも国土交通大臣でもない
- 裁決書の正本が届いてから、すでに二か月半が過ぎた。取消訴訟の出訴期間は送達日から三か月しかない。被告の表示と代表者を今週中に確定できなければ、訴状の提出が間に合わない
- 県の担当職員として、収用委員会の裁決に対する訴状を受け取った。法務担当課に回すか、委員会事務局で対応するか。この条文により訴訟対応は委員会が担う。ただし実務では、事務局と県の法務部門が連携して進めることが多い
取るべき行動
被害を受けた側:1. 裁決書正本の送達日を記録し、取消訴訟(三か月)と補償の訴え(六か月)の期限を計算する2. 争う点を「事業や手続の違法」と「補償額」に分ける3. 違法を争うなら、被告を○○県、代表者を○○県収用委員会と表示して地方裁判所に提訴する4. 補償額を争うなら、第133条に基づき起業者を被告にする5. 行政訴訟の経験がある弁護士に、早めに訴状を確認してもらう
訴えられた側:1. 県側では、訴状が収用委員会宛てに届いたか確認する。届かなければ送達先の誤りを裁判所に伝える2. 委員会事務局が裁決の審理記録や理由をまとめ、県の法務部門と担当を分ける3. 原告が補償額を取消理由にしている場合は、第133条の訴えで争うべきだと主張する4. 指定代理人を定めて答弁書を準備する
時効(請求できる期限):収用委員会の裁決に対する取消訴訟は、裁決書正本の送達を受けた日から三か月の不変期間内に提起する(土地収用法133条1項)。損失補償に関する訴えは、送達を受けた日から六か月以内(同条2項)(最新の改正状況をご確認ください)
学説
一般的な理解:被告を行政主体に一本化して原告の被告選択の誤りを防ぎつつ、裁決の内容を最もよく知り、知事から独立して判断する収用委員会に訴訟追行を委ねることで、準司法的機関の中立性を訴訟の場でも保つ趣旨と理解されている
改正沿革 AI による整理
- 平成16年(2004年)行政事件訴訟法改正関連(要確認) 取消訴訟の被告が行政庁から行政主体に変わったことに合わせて、収用委員会が都道府県を代表する規定が設けられたとみられる。新設の時期と根拠法は人による確認が必要
- 土地収用法 第133条裁決への訴えの出訴期間と補償訴訟
- 土地収用法 第64条会長・指名委員の処分権限
- 土地収用法 第60条の2指名委員による審理の規定
- 土地収用法 第51条収用委員会の都道府県への設置
- 土地収用法 第129条裁決への国土交通大臣への審査請求
- 行政事件訴訟法 第11条取消訴訟の被告を行政主体とする原則
- 地方自治法 第147条知事の代表権に対する例外
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