税理士法 第42条(業務の制限)
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国税又は地方税に関する行政事務に従事していた国又は地方公共団体の公務員で税理士となつたものは、離職後一年間は、その離職前一年内に占めていた職の所掌に属すべき事件について税理士業務を行つてはならない。但し、国税庁長官の承認を受けた者については、この限りでない。
この条文の基本情報
業務の制限とは何ですか?
定義業務の制限とは、税理士法第42条に定められた規定で、「国税又は地方税に関する行政事務に従事していた国又は地方公共団体の公務員で税理士となつたものは、離職後一年間は、その離職前一年内に占めていた職の所掌に属すべき事件…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 税理士法第42条(業務の制限)は、日本の税理士法に含まれる条文です。
- 税理士法第42条の条文原文は「国税又は地方税に関する行政事務に従事していた国又は地方公共団体の公務員で税理士となつたものは、離職後一年間は、その離職前一年内に占めていた職の所掌に属すべき事件…」で始まります。
- 税理士法第42条は第四章に置かれています。
- 税理士法の公布日は昭和26年6月15日です。
- 税理士法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 税理士法第42条の前の条は税理士法第41条の3です。
- 税理士法第42条の次の条は税理士法第43条です。
- 税理士法第42条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
税理士法(昭和二十六年法律第二百三十七号)第42条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/326AC1000000237 - 本サイト収録
税理士法(昭和二十六年法律第二百三十七号)第42条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/326AC1000000237/42
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点税理士法42条は、国税・地方税の事務に従事していた公務員が税理士となった場合、離職後1年間、離職前1年内の職の所掌事件について税理士業務を禁じる。国税庁長官の承認があれば例外。
Q · 税務署を辞めて税理士になった人は、すぐに古巣の担当案件を受けられるの?
1年間は不可。長官承認があれば例外
税理士法42条により、国税・地方税の事務に従事していた公務員が税理士となった場合、離職後1年間は、離職前1年内に占めていた職の所掌に属すべき事件について税理士業務(税務代理・税務書類の作成・税務相談)を行えません。基準は本人の担当ではなく部署の所掌です。国税庁長官の承認を受けた場合のみ例外となり、違反すれば同法46条による懲戒の対象になります。
解説
税務署を辞めて税理士の看板を掲げた元調査官は、辞めた次の日から何でも引き受けられるわけではない。税理士法42条は、国税または地方税の事務をしていた公務員が税理士になった場合、離職後1年間は「離職前1年内に就いていたポストの担当範囲に入る事件」を扱ってはならないと定めている。昨日まで調べていた会社の側に、今日から立つことはできない。基準になるのは本人の記憶ではなく、どの部署にいたか、その部署が何を担当していたかである。たとえば法人課税部門にいた人なら、その部門が受け持っていた法人の申告、税務調査への立会い、不服申立ての代理は、1年間すべて対象になる。顧問税理士を選ぶ経営者がこれを知らないと、「元国税の先生だから調査に強い」と期待して契約したのに、肝心の調査に立ち会ってもらえない事態になる。例外は国税庁長官の承認を受けた場合だけである。契約前に聞くべきことは一つ。「辞める前の1年間、どこの部署にいましたか」。
法的な位置づけ
税理士法42条は、国税又は地方税に関する行政事務に従事していた国又は地方公共団体の公務員で税理士となった者について、離職後1年間、離職前1年内に占めていた職の所掌に属すべき事件に関する税理士業務を禁止する規定である。国税庁長官の承認を受けた者には適用されない。
手順
- 1.税理士の離職日と前職部署を確認 顧問契約の前に、税理士の離職日と離職前1年間に在籍したすべての部署(税務署名・部門名・国税局の部署名)を経歴書または書面で確認する。最後の肩書だけで判断しない
- 2.自社案件が制限範囲に入るか照合 自社の所轄税務署・税目・法人規模が、その部署の所掌に入るかを照合する。離職から1年以内で範囲に入るなら、調査立会い等は制限対象になる
- 3.別の税理士による担当体制を整える 制限に該当する場合、同じ事務所の別の税理士が担当するか、別事務所の税理士に依頼する。制限期間中は顧問業務の一部切り分けも42条違反になりうる点に注意
- 4.元職員本人は受任前に承認申請または期間経過を待つ 元職員側は、どうしても受任が必要な場合は受任前に国税庁長官の承認を申請する。承認がなければ離職から1年経過するまで正式な委任を待つ
よくある質問 AI による整理
Q1国税 OB 税理士の業務制限とは?
税理士法42条による制限で、元税務公務員は離職後1年間、離職前1年内に在籍した職の所掌事件について税理士業務ができません。
Q2元税務署職員の税理士 業務制限 いつまで?
離職日から1年間です。期間が明ければ、前の部署の所掌事件であっても通常どおり受任できます。
Q3税理士法42条 違反するとどうなる?
税理士法46条により、財務大臣から戒告または2年以内の税理士業務の停止などの懲戒処分を受ける可能性があります。
Q4地方税の元職員にも業務制限はある?
あります。42条は国税だけでなく地方税に関する行政事務に従事していた地方公共団体の公務員も対象にしています。
Q5業務制限中に税務相談だけならできる?
できません。制限対象は税理士業務全般で、税務代理だけでなく税務書類の作成や税務相談も含まれます(税理士法2条)。
Q6国税庁長官の承認はどうやって得る?
受任前に国税庁長官へ承認を申請します。公務の公正さへの疑いを生じないことが前提で、容易に得られるとは考えないほうが安全です。
Q7顧問税理士が元国税か確認する方法は?
経歴書や面談で離職日と離職前1年間の所属(税務署名・部門名・国税局の部署)を書面で確認するのが確実です。
Q8元国税の税理士事務所に依頼しても大丈夫?
問題ありません。ただし制限期間中は、制限対象の事件を同じ事務所の別の税理士が担当する体制か確認しておくと安心です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1元税務署の先生と契約したのに、調査には立ち会えないって言われました。これって詐欺じゃないんですか?
詐欺ではなく、税理士法42条による法律上の制限である可能性が高い。離職後1年間は、前の部署が担当していた事件について税理士業務ができない。ただし契約時にその説明がなかったのであれば、顧問料の減額や解約を話し合う余地はある。実務のポイント:制限は「税務代理だけ」ではなく、税務書類の作成や税務相談も含む税理士業務全般にかかる。立会いだけ別の先生に頼み、その他の業務は顧問に任せるという形は、それ自体が42条違反になりうるので注意が必要である
Q2国税庁長官の承認って、実際に取れるものなんですか?
42条ただし書で承認の道は開かれているが、公務の公正さに対する疑いを生まないことが前提であり、簡単に出るものとは考えないほうがよい。申請は受任前に行うのが当然の前提である。実務のポイント:実務では承認を待つより、制限が明けるまで同じ事務所の別の税理士が担当し、元職員は1年経ってから加わるという分担が現実的な選択肢になっている。事務所を選ぶとき、税理士が一人だけか複数いるかが効いてくる理由がここにある
Q31年って、どこから数えるんですか? 最後の部署に半年しかいなかった場合は?
期間は離職日を起点に1年間である。対象事件は「離職前1年内に占めていた職」の所掌で決まるため、最後の部署に半年しかいなかった場合は、その前の半年に在籍した部署の所掌事件も含まれる。実務のポイント:異動の多い国税職員は、1年内に2つの部署を経験していることが珍しくない。最後の名刺の肩書だけで判断すると、一つ前の部署の分を見落とす。辞令の履歴で確認するのが鉄則である
間違えやすい点 AI による整理
- 「元国税の税理士は調査に強いから安心」という評判は半分しか正しくない。強みは本物でも、離職後1年間は前の部署が担当していた事件に限って、その強みを使うこと自体が法律で禁じられている。いちばん頼りたい地元の税務署の案件こそ、まさに制限の中心にあることが多い
- 「自分が直接担当した会社でなければ大丈夫」と考える元職員がいるが、その問いの立て方そのものが間違っている。42条が見ているのは個人の担当表ではなく、離職前1年内に占めていた「職の所掌」である。同じ部門が受け持っていた事件であれば、自分が一度も書類を見ていなくても対象になる
- 元職員の側から見れば、これは「1年待てば済む、ちょっとした手続」に映る。だが懲戒権者の側から見れば、公務の公正さへの信頼を壊す行為として扱われる。46条の懲戒では戒告のほか、2年以内の税理士業務停止もある。1年の我慢を惜しんだ結果、2年間仕事ができなくなる。この非対称を軽く見ると取り返しがつかない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 制限の対象者 | 税理士法42条:国税・地方税の事務に従事していた元公務員の税理士 | 税理士法43条:報酬のある公職に就いている税理士 国家公務員法106条の4:再就職した元国家公務員全般 |
| 制限の内容 | 離職前1年内の職の所掌事件について税理士業務を行えない | 公職在任中は税理士業務を行えない(一定の公職を除く) 古巣の現役職員への職務上の働きかけ(依頼等)を禁止 |
| 期間 | 離職後1年間 | 公職に就いている間 離職後2年間が原則(類型により異なる) |
| 例外・違反時 | 国税庁長官の承認で例外/違反は46条の懲戒 | 違反は懲戒の対象 違反は過料・刑事罰の対象となりうる |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は税理士に特化した規定ではなく、公務員一般について離職後一定期間、離職前の職務と直接関係する営利事業の職務への就任を制限する
韓国は退職公職者の就業制限を一般法で定め、業務関連性の審査制度を置く
中国は離職後、一定年限内に原職務と直接関連する企業等での就業・営利活動を制限する
米国は元連邦職員による、在職中に関与した事項についての古巣への代理・働きかけを刑事罰付きで制限する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 地元の税務署で法人課税部門の統括官をしていた人が退職し、あなたの会社の顧問税理士になってくれることになった。来月にはその税務署から調査の連絡が来る予定。ところがその調査は、先生が辞める直前まで所属していた部門の担当事件である。42条により、先生は離職後1年間この調査に立ち会えない。契約の際、離職日と前職の部署を確認しておかなかったことが最大のミスだった
- 元国税局調査部にいたあなたは、税理士登録を済ませたばかり。昔の同僚から紹介された大企業の案件が舞い込んだ。しかし、その企業は離職前の1年間にあなたの部署が所管していた法人だった。「担当者は自分ではなかった」は言い訳にならない。基準は個人の担当ではなく、職の所掌である。引き受ければ懲戒処分(46条)の対象になる
- もし都税事務所で固定資産税の課税を担当していた職員が退職して税理士になり、離職から8か月後に、同じ事務所管内のビルオーナーから固定資産税の評価についての審査申出の代理を頼まれたら、引き受けられるのか? 42条は国税だけでなく地方税の公務員も対象にしている。残り4か月待つか、承認を得る以外に道はない
- 離職からまだ11か月。あと30日待てば受けられる案件を、顧問先が「今すぐ」と迫ってくる。受任日を1か月ずらすか、別の税理士と分担するか。判断を誤れば、資格そのものが傷つく
- 同業の税理士が、退職したばかりの元署員を事務所に迎え、その人が元の部署の管轄先を早速受け持っている。おかしいと思うあなたは、どこに何を言えばいいのか?
取るべき行動
被害を受けた側:1. 顧問税理士の経歴書で離職日と、離職前1年間の所属(税務署名・部門名・国税局の部署名)を確認する2. 自社の申告や調査がその部署の担当範囲に入り、まだ1年以内であれば、調査の立会いや不服申立ては別の税理士に依頼するか、共同で受任してもらう体制を整える3. 制限に違反している疑いのある税理士がいる場合は、所属の税理士会や国税庁(税理士監理室など)に情報提供を行う。懲戒の請求は誰でも財務大臣に求めることができる(47条)
訴えられた側:1. 離職前1年内に就いていたポストを辞令ベースですべて洗い出し、それぞれの所掌範囲(担当地域、担当税目、担当法人の規模)を一覧にする2. 新しい依頼は受任前にこの一覧と照らし合わせる3. どうしても受ける必要がある場合は、事前に国税庁長官の承認を申請する。事後承認は想定されていない4. すでに受任してしまった場合は、速やかに辞任して後任に引き継ぎ、経緯を記録として残す
時効(請求できる期限):制限期間は離職後1年間。対象となるのは離職前1年内に占めていた職の所掌事件である。違反した場合の懲戒処分には除斥期間が設けられている(令和4年度改正、最新の改正状況をご確認ください)。民事上の請求は、一般消滅時効(民法166条、債権5年または10年)が適用される
学説
条文解釈(文理):制限範囲は「職の所掌に属すべき事件」で画され、本人が現実に関与したかを問わない。離職前1年内に複数の職を占めた場合は、そのすべての所掌が対象になると解される。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和26年(1951年) 新設:税理士法制定に伴い、元税務公務員の離職後業務制限として規定
- 税理士法 第2条制限対象となる税理士業務の範囲
- 税理士法 第8条国税従事者の試験科目免除、OB 税理士の資格経路
- 税理士法 第43条報酬ある公職在任中の業務停止
- 税理士法 第44条懲戒処分の種類(戒告・業務停止・業務禁止)
- 税理士法 第46条本法違反に対する懲戒処分の根拠
- 国家公務員法 第106条の4再就職者による古巣への働きかけ規制
- 地方公務員法 第38条の2地方公務員の再就職者による依頼等の規制
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