税理士法 第49条の10(紛議の調停)
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税理士会は、会員の業務に関する紛議について、会員又は当事者その他関係人の請求により調停をすることができる。
この条文の基本情報
紛議の調停とは何ですか?
定義紛議の調停とは、税理士法第49条の10に定められた規定で、「税理士会は、会員の業務に関する紛議について、会員又は当事者その他関係人の請求により調停をすることができる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 税理士法第49条の10(紛議の調停)は、日本の税理士法に含まれる条文です。
- 税理士法第49条の10の条文原文は「税理士会は、会員の業務に関する紛議について、会員又は当事者その他関係人の請求により調停をすることができる。」で始まります。
- 税理士法第49条の10は第六章に置かれています。
- 税理士法の公布日は昭和26年6月15日です。
- 税理士法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 税理士法第49条の10の前の条は税理士法第49条の9です。
- 税理士法第49条の10の次の条は税理士法第49条の11です。
- 税理士法第49条の10には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
税理士法(昭和二十六年法律第二百三十七号)第49条の10 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/326AC1000000237 - 本サイト収録
税理士法(昭和二十六年法律第二百三十七号)第49条の10(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/326AC1000000237/49_10
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点税理士法49条の10は、税理士会が会員の業務に関する紛議について、会員や当事者その他関係人の請求により調停を行えると定める。合意に強制力はない。
Q · 税理士とトラブルになったら、税理士会に間に入ってもらえるの?
請求すれば所属税理士会が調停できるが強制力はない
税理士法49条の10により、税理士会は会員の業務に関する紛議について、会員または当事者その他関係人の請求を受けて調停をすることができます。顧客だけでなく税理士本人も請求できます。ただし調停は話し合いの場であり、税理士会が判決のような判断を下すわけではありません。成立した合意は和解契約(民法695条)の効力にとどまり、相手が履行しなければ別途訴訟等で債務名義を得る必要があります。
解説
税理士とのトラブルに、裁判と泣き寝入りの間の「第三の窓口」があることを知る人は少ない。申告ミスで加算税を払わされた、顧問料を一方的に値上げされた、解約したら帳簿を返してもらえない。こうした「会員の業務に関する紛議」について、税理士会は会員本人、当事者その他の関係人の請求を受けて調停を行うことができる。全国に15ある税理士会は、税理士法により税理士全員の加入が強制される団体である。その税理士が所属する会が間に入るため、相手は自分の業界団体を前に話し合いの席に着くことになる。ただし限界も押さえておく必要がある。調停は話し合いによる解決を助ける手続であり、税理士会が判決のような強制力のある判断を下すわけではない。成立した合意は和解契約(民法695条)としての効力にとどまり、相手が払わなければ別途、訴訟などで強制執行の根拠(債務名義)を得る必要がある。この限界を知ったうえで使えば、弁護士費用をかける前に相手の本気度を測る格好の試金石になる。
法的な位置づけ
税理士法49条の10は、税理士会による紛議調停を定める規定である。税理士会は、会員の業務に関する紛議について、会員または当事者その他関係人の請求により調停を行うことができる。調停は当事者間の合意形成を支援する手続であり、強制的な判断権限を伴わない。成立した合意は和解契約としての効力を有する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.相手の所属税理士会を確認する 日本税理士会連合会の税理士情報検索で、相手の税理士の登録情報と所属税理士会を調べる。調停の請求先はその所属会になる
- 2.証拠を時系列で整理する 契約書、見積書、請求書、メールやメッセージ、加算税の通知書などを日付順に並べ、何がいつ起きたかを一覧にする
- 3.損害額・請求額を項目別に計算する 加算税、延滞税、追加で発生した税理士費用、未払い報酬などを項目ごとに分けて金額と根拠を示す
- 4.所属税理士会に調停を請求する 所属税理士会に申立ての方法と書式を問い合わせ、会則・規則に従って請求する。手続の細部は各税理士会の規則で異なる
- 5.合意内容を書面化し、時効と並行手続を管理する 合意できたら支払期日と不履行時の扱いを書面に明記し、可能なら強制執行認諾文言付き公正証書にする。税務署への不服申立て期限と時効は別途管理する
よくある質問 AI による整理
Q1税理士会の紛議調停とは何ですか?
税理士の業務をめぐるもめ事について、その税理士が所属する税理士会が間に入って話し合いを仲介する手続です。税理士法49条の10が根拠です。
Q2税理士の申告ミスで払った加算税は請求できる?
税理士の過失で生じた損害であれば、損害賠償として請求できる余地があります。訴訟の前に、所属税理士会の紛議調停で話し合う方法もあります。
Q3税理士が帳簿や資料を返してくれない時はどうする?
業務に関する紛議として、所属税理士会に調停を請求できます。並行して、返還を求める内容を書面で相手に送り、記録を残しておくことが大切です。
Q4相手の税理士がどの税理士会に所属しているか調べる方法は?
日本税理士会連合会の税理士情報検索で、氏名や事務所名から登録情報と所属税理士会を確認できます。調停の申立先はその所属会です。
Q5税理士の顧問料の値上げは違法?
税理士報酬は自由化されており、値上げ自体は直ちに違法ではありません。契約内容と事前説明の有無が争点となり、紛議調停の対象にもなり得ます。
Q6税理士会の調停に相手が出てこなかったら?
調停は話し合いの手続であり、出席を法的に強制する力はありません。不調に終われば、裁判所の民事調停や訴訟へ進むことを検討します。
Q7税理士会の調停は家族でも申し立てできる?
本条は会員・当事者のほか「その他関係人」の請求も認めています。相続税申告の報酬をめぐる相続人なども、関係人として請求し得ます。
Q8税理士会の調停で時効は止まる?
申立てだけで時効の完成猶予が生じるとは考えないのが安全です。協議を行う旨を書面で合意すれば、民法151条により時効の完成が猶予されます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1税理士会の調停って、お金かかるんですか?弁護士いりますか?
手続の細部や費用は、本条に基づき各税理士会が会則・規則で定めている(税理士法49条の2)。弁護士なしで本人が申し立てるのが一般的である。実務のポイント:申立書が感情的な非難で埋まっていると、調停委員は「感情的なもつれ」として扱いがちである。損害額の内訳表と時系列表を1枚ずつ添えるだけで、相手側の受け止め方が変わる(各税理士会の規則を要確認)
Q2調停で税理士が「払う」と言ったのに、振り込まれません。どうすればいいですか?
調停で成立した合意は和解契約(民法695条)であり、判決のようにそのまま差し押さえに使うことはできない。合意書を証拠として支払督促や少額訴訟を起こすのが現実的な道である。実務のポイント:合意の段階で、公正証書(強制執行認諾文言付き)にすることを提案しておけば、不払い時に訴訟を経ずに強制執行できる。この一手を知らずに合意書だけで終える人が多い
間違えやすい点 AI による整理
- 「税理士会は税理士の味方だから、顧客の訴えなど握りつぶされる」と思われがちだ。だが本条は調停を当事者その他関係人の請求でも開始できる手続として定めている。また、懲戒権限を持つのは税理士会ではなく財務大臣である(税理士法45条、46条)。何人も財務大臣に懲戒相当の事実を通知し、措置を求めることができる(同47条)。調停と懲戒請求は別ルートであり、併用もありうる
- 調停が成立すれば安心だと思っている人は、調停の効力を過大評価している。成立した合意は和解契約にとどまり、裁判所の調停調書や判決とは違って、そのまま差押えに使える債務名義にはならない。相手が約束を破れば、改めて訴訟を起こす必要がある。合意書には支払期日と遅延時の条項を必ず書き込む
- 「調停中なら税務署への不服申立ての期限も止まるだろう」という発想は危険である。税理士会の調停は税務署との手続とは無関係で、更正処分に対する再調査の請求・審査請求の期限(処分の通知を受けた日の翌日から原則3か月、国税通則法77条)は進み続ける。税理士との争いと税務署との争いは、別々に期限を管理しなければならない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 手続の目的 | 税理士法49条の10:紛議の話し合いによる解決(調停) | 税理士法47条:財務大臣への懲戒措置の請求 民事調停法2条:裁判所での民事調停 |
| 請求できる人 | 会員(税理士)、当事者、その他関係人 | 何人も(事実の通知と措置の請求) 民事に関する紛争の当事者 |
| 成立した場合の効力 | 和解契約(民法695条)としての効力、債務名義にならない | 懲戒処分は財務大臣が判断、金銭回収には直結しない 調停調書は裁判上の和解と同一の効力 |
| 担い手 | 相手の所属税理士会 | 財務大臣 裁判所(調停委員会) |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾にも會計師公會・記帳士公會による自律的規律があるが、日本の税理士会紛議調停に直接対応する規定の有無は要確認
韓国では한국세무사회が税務士の団体として存在する。会員と依頼者間の紛争調停の具体的規定は要確認
ドイツでは税理士会(Steuerberaterkammer)の任務として、会員同士および会員と依頼者間の紛争の仲介が定められており、日本の紛議調停と同種の機能を持つ
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 顧問税理士の申告漏れが税務調査で発覚し、過少申告加算税と延滞税を合わせて80万円を払わされた。税理士は「資料をもらっていなかった」と言い張る。いきなり訴訟を起こす前に、その税理士が所属する税理士会へ紛議調停を申し立てる道がある。業界団体の目の前で、責任の所在と賠償保険の使用について話し合うことになる
- 顧問契約を解約した後、元の税理士が「未払いの決算料を払うまで総勘定元帳のデータは渡さない」と言ってきた。次の決算まで残り1か月、新しい税理士は資料がないと動けない。時間がない中で、調停は訴訟よりはるかに早く話し合いの場を設けられる可能性がある
- あなたが税理士で、顧問先の社長が「成果が出なかった」と半年分の報酬を払わない。紛議調停は顧客側だけの制度ではなく、会員である税理士自身も請求できる
- もし相続税申告の報酬として遺産総額の1% を請求され、相続人の兄弟の1人だけが「高すぎる」と支払いを拒んだら、誰が調停を申し立てられるのか? 当事者だけでなく「その他関係人」も請求できる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 日本税理士会連合会の税理士情報検索で、相手の所属税理士会を確認する2. 契約書、見積書、請求書、メールや LINE、加算税の通知書を時系列で整理する3. 損害額を項目別に計算する(加算税、延滞税、追加の税理士費用など)4. 所属税理士会に紛議調停の申立て方法を問い合わせる5. 合意できた場合は、支払期日と不履行時の扱いを書面に明記する。決裂した場合は訴訟または裁判所の民事調停へ進む
訴えられた側:1. 調停の呼出しを無視しない。所属会での対応は業界内の評価に直結する2. 業務範囲を明記した契約書、顧客に依頼した資料の記録、受け取った資料の授受履歴を揃える3. 賠償責任保険に加入していれば、早めに保険会社へ事故報告をする(報告の遅れが補償に影響しうる)4. 報酬未払いが争点であれば、自分の側から調停を請求することもできる
時効(請求できる期限):本条の調停には特定の申立期限はない。ただし損害賠償・報酬請求には一般消滅時効(民法166条、権利を行使できることを知った時から5年または行使できる時から10年)が適用される。税務署の処分に対する不服申立ての期限(原則3か月、国税通則法77条)は調停中も止まらない(最新の改正状況をご確認ください)
- 税理士法 第49条税理士会の設立と目的
- 税理士法 第49条の2会則に紛議調停規定を定める根拠
- 税理士法 第49条の6税理士の税理士会への強制加入
- 税理士法 第47条何人も財務大臣に懲戒措置を求め得る
- 民法 第695条調停合意の法的性質(和解契約)
- 民法 第151条協議合意による時効完成猶予
- 民事調停法 第2条裁判所の調停との選択関係
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