税理士法 第60条
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- 次の各号のいずれかに該当する場合には、その違反行為をした者は、一年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金に処する。
- 一第四十二条の規定に違反したとき。
- 二第四十三条の規定に違反したとき。
- 三第四十五条若しくは第四十六条又は第四十八条の二十第一項の規定による税理士業務の停止の処分を受けた場合において、その処分に違反して税理士業務を行つたとき。
- 四第五十四条の二第一項の規定による命令に違反したとき。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 税理士法第60条は、日本の税理士法に含まれる条文です。
- 税理士法第60条の条文原文は「次の各号のいずれかに該当する場合には、その違反行為をした者は、一年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金に処する。」で始まります。
- 税理士法第60条は第八章に置かれています。
- 税理士法の公布日は昭和26年6月15日です。
- 税理士法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 税理士法第60条の前の条は税理士法第59条です。
- 税理士法第60条の次の条は税理士法第61条です。
- 税理士法第60条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
税理士法(昭和二十六年法律第二百三十七号)第60条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/326AC1000000237 - 本サイト収録
税理士法(昭和二十六年法律第二百三十七号)第60条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/326AC1000000237/60
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点税理士法60条は、元公務員の業務制限違反、業務停止処分違反、財務大臣の税務相談停止命令違反などをした者を、一年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金に処すると定める。
Q · 業務停止中の税理士がこっそり顧問先の申告書を作ったら、犯罪になるの?
なる。一年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金の対象
税理士法60条3号により、45条・46条などに基づく業務停止処分を受けた税理士が、その処分に違反して税理士業務を行えば、一年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金に処されます。他人の名義を借りても、実質的に作成や相談をしていれば対象になりえます。業務停止は懲戒処分の上積みでは済まず、刑事罰につながる点に注意が必要です。
解説
業務停止の懲戒を受けた税理士が、長年の顧問先に泣きつかれて「申告書だけなら」と手を貸す。その瞬間、問題は役所の懲戒(行政上の制裁)から刑事事件に変わる。本条は、税理士制度の信頼を支える四つの禁止に違反した者を、一年以下の拘禁刑または百万円以下の罰金に処すると定める。対象は四つある。第一に、税務署などで国税・地方税の事務をしていた元公務員が、税理士として離職後一年以内に、離職前一年内の担当範囲に属する事件を受けること(42条)。第二に、弁護士・公認会計士など他の士業で業務停止中の者や、報酬のある公職に就いている者が税理士業務を行うこと(43条)。第三に、税理士本人または税理士法人が受けた業務停止処分を無視して業務を続けること(45条・46条・48条の20第1項)。第四に、税理士でない者が、財務大臣から受けた税務相談の停止命令に従わないこと(54条の2第1項)。四つ目は資格のない一般人にも直接かかわる。SNS で無料の節税相談を続け、命令が出た後もやめなければ刑事罰の対象になる。「無料だから」「業務停止は役所の話」という言い訳は、本条には通用しない。
法的な位置づけ
税理士法60条は、税理士業務に関する就業制限、業務停止処分および税務相談停止命令の実効性を刑事罰で担保する罰則規定である。対象は42条・43条違反、45条・46条・48条の20第1項による業務停止処分に違反した税理士業務、54条の2第1項の命令違反の四類型で、法定刑は一年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金である。
よくある質問 AI による整理
Q1税理士法60条とは何ですか?
税理士の就業制限・業務停止処分や、非税理士への税務相談停止命令に違反した者を、一年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金に処する罰則規定です。
Q2税理士の業務停止処分に違反するとどうなる?
停止期間中に税理士業務を行えば税理士法60条3号に該当し、刑事罰の対象になります。さらに重い懲戒処分を受けるおそれもあります。
Q3税理士法60条の罰則は懲役ですか?
2025年6月1日施行の刑法等改正により「懲役」は「拘禁刑」に改められ、現行の条文は一年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金です。
Q4税理士法60条違反の時効は何年?
法定刑の長期が一年の拘禁刑なので、公訴時効は三年です(刑事訴訟法250条2項6号)。違反行為が終わった時から起算します。
Q5弁護士が業務停止中に税理士業務はできる?
できません。税理士法43条は、他士業の業務を懲戒で停止された税理士の税理士業務を禁じており、違反すると60条2号で処罰されます。
Q6地方議員になった税理士は業務を続けられる?
43条ただし書により、国会・地方議会の議員の職は報酬のある公職の制限から除かれるため、原則として業務を続けられます。
Q7税理士法人が業務停止になったら職員も処罰される?
48条の20第1項の停止処分に違反して実際に税理士業務を行った者は「違反行為をした者」として処罰されうるため、職員も無関係ではありません。
Q8税理士の懲戒処分はどこで確認できる?
税理士・税理士法人の懲戒処分は官報で公告されるほか、財務省・国税庁のウェブサイトでも公表されています。依頼前の確認が有効です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1税務署を辞めてすぐ税理士になったら、前の管轄の会社はお客さんにできないんですか?
一律に禁じられているわけではない。42条が禁じるのは、離職後一年間、離職前一年内に就いていた職の所掌に属すべき事件を扱うことだ。違反すれば本条第1号で処罰される。実務のポイント:問題になるのは会社名ではなく「事件」の範囲である。同じ会社でも担当外の税目なら判断が分かれうる。開業初年度は、在職最終年の担当範囲をメモに残しておくのが元職員の自衛策になる
Q2SNS でタダで税金の質問に答えてるだけなのに、捕まることってあるんですか?
ある。税理士業務は無償でも対象になる(2条)。無資格で個別の相談に答えれば52条違反の問題が生じ、さらに財務大臣は54条の2第1項にもとづいて停止命令を出せる。命令に違反すれば本条第4号の刑事罰になる。実務のポイント:線を引くのは有償か無償かではなく、具体性の度合いだ。「青色申告の仕組み」という一般論は解説、「あなたの売上なら経費はこれ」は税務相談。この一線を守れているかどうかで、発信者のリスクはまったく違う
Q3業務停止中、知り合いの税理士の名前で申告書を出せば大丈夫ですよね?
大丈夫ではない。実質的に自分が作成や相談をしていれば、名義が誰であっても停止処分違反の税理士業務として本条第3号の対象になる。名義を貸した税理士の側も懲戒を受けうる。実務のポイント:電子申告の送信記録や作成ソフトのログには、実際の作業者の痕跡が残る。名義のすり替えは、発覚したときに処分違反の悪質性を示す証拠になってしまう
間違えやすい点 AI による整理
- 業務停止は行政処分なので、破っても次の懲戒が重くなる程度だと考えがちだ。実際には、停止処分を無視して業務を行った時点で刑事罰の対象になる。懲戒の積み増しでは済まず、前科がつきうる問題だ
- 「無料なら資格がなくても税務相談をしてよい」という発想自体が間違っている。税理士業務は有償か無償かを問わない(2条)。資格のない者が業として税務相談を行えば、命令を待たずに52条違反となり、より重い59条の刑罰が問題になる。54条の2の命令は救済の猶予ではなく、悪質な継続を確実に止めるための追加の仕組みである
- 元国税職員は税務署の手の内を知っている。顧客から見ればそれは強みだが、法から見れば、離職直後の一年間に古巣の担当事件を扱うことは公正さを損なう構造そのものになる。強みとして売り込むほど、42条違反の証拠が積み上がっていく
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 主な対象者 | 60条:制限中・停止中の税理士、元公務員税理士、停止命令を受けた非税理士 | 59条:無資格で税理士業務を行う者、虚偽登録者など 46条:税理士法等に違反した税理士(懲戒の対象) |
| 制裁の性質 | 刑事罰 | 刑事罰 行政上の懲戒処分(戒告・業務停止・業務禁止) |
| 法定刑・処分内容 | 一年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金 | 二年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金(本条より重い) 44条所定の懲戒(二年以内の業務停止等) |
| 本条との関係 | 処分・制限・命令を破った行為を罰する | 無資格業務そのものを罰する 本条3号が担保する業務停止処分の根拠となる |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾には日本型の税理士資格はなく、記帳及報稅代理業務人と会計師が税務代理を担う。処分違反の扱いは主に行政罰で、日本のように停止処分違反を直接刑事罰とする構造とは異なる点に注意(要確認)
韓国も税務士の資格制度と懲戒・罰則を持ち、日本の税理士制度に近い構造をとる
ドイツでは無資格の税務援助は主に秩序違反(過料)として扱われ、刑事罰中心の日本とは制裁の性質が異なる
米国では IRS への代理資格の停止・除名が中心で、税務相談自体は原則として資格独占ではない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 国税調査官を辞めて税理士登録した翌月、在職中に担当していた管内の法人から「事情を分かっている先生にぜひ」と顧問を頼まれた。離職前一年内に担当していた範囲の事件なら、離職後一年が過ぎるまでは受けられない。売りにしたい人脈が、最初の一年は刑事罰の地雷原になる
- あなたは懲戒で六か月の業務停止を受けた税理士だ。三月十五日まで残り十日、顧問先の確定申告がまだ終わっていない。「作成だけして提出は本人に」という抜け道を思いついたとしても、それ自体が税理士業務にあたる。停止期間中にやれば本条第3号に該当する
- YouTube で「個人事業主の経費、これは落とせる」と毎週ライブ配信し、コメント欄で視聴者の個別の申告相談に答えてきた。ある日、財務大臣名の税務相談停止命令が届く。それでも配信で個別相談を続けたら、どうなる? 命令違反として、一年以下の拘禁刑または百万円以下の罰金が待っている
- 税理士法人で働くあなたの事務所が、法人として業務停止処分を受けた。所長は「個人名義で受ければ問題ない」と言う。処分を潜脱して実際に業務をした者は「違反行為をした者」として処罰される。指示に従っただけの職員も、他人事ではない
- 友人が市議会議員に当選した。税理士でもある彼は「議員は兼業していいはずだ」と言う。43条のただし書は議員を例外にしているので、その理解は基本的に正しい。ただ、同じ「公職」でも報酬のある常勤の役職であれば話は変わる。どの職に就くかで線の位置が動く
取るべき行動
被害を受けた側:1. 依頼した税理士が業務停止中だったと分かったら、その期間に作成・提出された申告書や届出を洗い出す2. 別の税理士に申告内容の検証を依頼し、誤りがあれば修正申告や更正の請求を検討する3. 支払った報酬や生じた損害は、民法709条などで請求できる余地がある4. 処分違反の事実は所轄の税理士会や国税当局に情報提供できる。刑事告発までするかは弁護士と相談する
訴えられた側:1. 停止期間、元公務員としての制限期間、命令の日付を正確に確定し、問題の行為がその期間内かどうかを時系列で整理する2. 行為が一般的な制度解説か、個別の事実にもとづく税務相談かを区別できる資料(配信のアーカイブ、メッセージ)を確保する3. 顧問先への引継ぎは別の税理士に正式に委任し、名義だけの外形を作らない4. 捜査や調査の連絡を受けたら、供述する前に弁護士を付ける
時効(請求できる期限):法定刑の長期は一年の拘禁刑なので、公訴時効は三年(刑事訴訟法250条2項6号)。違反行為が終わった時から起算する。42条の制限期間は離職後一年間、43条・45条・46条・48条の20の制限は停止期間中または公職在任中に限られる(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
- 平成13年(2001年)改正 税理士法人制度の創設に伴い、法人に対する業務停止処分への違反が処罰対象に加わったとみられる(号の構成は要確認)
- 令和4年(2022年)改正、令和5年(2023年)4月施行 税理士でない者の税務相談に対する財務大臣の停止命令(54条の2)が新設され、その命令違反が本条の処罰対象に加えられた
- 令和4年(2022年)刑法等改正、令和7年(2025年)6月1日施行 法定刑の「懲役」が「拘禁刑」に改められた
改正の年表
- 1.昭和26年(1951年) 新設:税理士法の制定。税理士の就業制限や懲戒処分に違反した場合の罰則が設けられた
- 2.平成13年(2001年) 改正:税理士法人制度の創設に伴い、税理士法人に対する業務停止処分(48条の20)が整備され、その違反も罰則の対象に加わった
- 3.令和4年(2022年) 改正:税理士でない者の税務相談に対する財務大臣の停止命令(54条の2)が新設され、令和5年4月施行。その命令違反が本条の処罰対象となった
- 4.令和4年(2022年) 改正:刑法等の一部を改正する法律により「懲役」が「拘禁刑」に改められ、令和7年(2025年)6月1日に施行された
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