出入国管理及び難民認定法 第43条(要急事件)
クイックジャンプ
- 入国警備官は、第二十四条各号のいずれかに明らかに該当する者が収容令書の発付を待つていては逃亡のおそれがあると信ずるに足りる相当の理由があるときは、収容令書の発付を待たずに、その者を収容することができる。
- 2.前項の収容を行つたときは、入国警備官は、すみやかにその理由を主任審査官に報告して、収容令書の発付を請求しなければならない。
- 3.前項の場合において、主任審査官が第一項の収容を認めないとき(第二十四条各号のいずれにも該当しないと認めたときに限る。)は、入国警備官は、直ちにその者を放免しなければならない。
この条文の基本情報
要急事件とは何ですか?
定義要急事件とは、出入国管理及び難民認定法第43条に定められた規定で、「入国警備官は、第二十四条各号のいずれかに明らかに該当する者が収容令書の発付を待つていては逃亡のおそれがあると信ずるに足りる相当の理由があるときは、収容令書の発付…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 出入国管理及び難民認定法第43条(要急事件)は、日本の出入国管理及び難民認定法に含まれる条文です。
- 出入国管理及び難民認定法第43条の条文原文は「入国警備官は、第二十四条各号のいずれかに明らかに該当する者が収容令書の発付を待つていては逃亡のおそれがあると信ずるに足りる相当の理由があるときは、収容令書の発付…」で始まります。
- 出入国管理及び難民認定法第43条は第二節 容疑者の身柄に関する措置に置かれています。
- 出入国管理及び難民認定法の公布日は昭和26年10月4日です。
- 出入国管理及び難民認定法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 出入国管理及び難民認定法第43条の前の条は出入国管理及び難民認定法第42条です。
- 出入国管理及び難民認定法第43条の次の条は出入国管理及び難民認定法第44条です。
- 出入国管理及び難民認定法第43条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)第43条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/326CO0000000319 - 本サイト収録
出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)第43条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/326CO0000000319/43
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点入管法43条は、退去強制事由に明らかに該当し逃亡のおそれがある者を、入国警備官が収容令書なしで収容できると定める。収容後は主任審査官の事後審査を受ける。
Q · 入管の警備官は、令状なしで外国人を連れて行けるの?
要件を満たせば可能だが、事後審査で否定されれば即放免
出入国管理及び難民認定法43条1項により、第24条の退去強制事由に「明らかに」該当し、令書を待てば逃亡のおそれがあると信ずるに足りる相当の理由があるとき、入国警備官は収容令書なしで収容できます。ただし同条2項で速やかに主任審査官へ報告し令書の発付を請求する義務があり、3項により主任審査官が24条各号のいずれにも該当しないと認めたときは、直ちに放免しなければなりません。
解説
令状なしで人の身柄を拘束できる。日本の法制度でこれが許される場面は極めて限られているが、入管法43条はその一つだ。入国警備官が「第24条の退去強制事由に明らかに該当する」と判断し、かつ「収容令書の発付を待っていては逃げられる」と信じる相当の理由があるとき、令状なしであなたを収容できる。ただし、この条文には三段構えの安全装置が仕込まれている。第一に「明らかに該当」、疑わしいだけでは足りない。第二に「逃亡のおそれ」、単に不法滞在というだけでは足りず、逃亡の具体的兆候が要る。第三に、収容した警備官は速やかに主任審査官へ報告し、令書の発付を請求しなければならず、主任審査官が24条該当を否定すれば「直ちに放免」される。あなたが知っておくべきは、この三段目だ。警備官の判断は最終決定ではない。上位の審査官による事後チェックが法律上義務付けられており、そこで覆れば即座に解放される。その事後チェックが実際に機能したかどうかは、後の訴訟で争える。
法的な位置づけ
出入国管理及び難民認定法43条は、いわゆる要急事件の収容を定める規定である。退去強制事由(同法24条各号)に明らかに該当する者について、収容令書の発付を待てば逃亡のおそれがあると信ずるに足りる相当の理由がある場合に、入国警備官による令書なしの収容を認め、事後に主任審査官への報告・令書請求と、不該当時の即時放免を義務付ける。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.収容の事実と時刻を記録する 収容された時刻・場所・警備官の所属、告げられた根拠条文(43条の要急収容か、39条の令書による収容か)を本人または目撃者がメモに残す
- 2.地方出入国在留管理局に所在を照会する 家族・支援者が管轄の地方出入国在留管理局に連絡し、所在、面会の可否、43条2項の報告と収容令書発付請求の時期を問い合わせ、回答内容と日時を控える
- 3.弁護士へ即日相談する 入管事件を扱う弁護士に収容当日または翌日に相談し、収容要件(明白な24条該当・逃亡のおそれ)と事後手続の速やかさを検討してもらう
- 4.仮放免申請の資料をそろえる 入管法54条の仮放免申請に向け、身元保証人、住居、生活費の資料を外部の支援者が集める。収容が長引くほど準備が難しくなるため並行して進める
よくある質問 AI による整理
Q1入管の要急収容とは何ですか?
収容令書の発付を待たずに入国警備官が外国人を収容する手続です。入管法43条が根拠で、退去強制事由への明白な該当と逃亡のおそれが要件です。
Q2入管に収容されたら何日で出られますか?
43条自体に日数の定めはありません。主任審査官が24条不該当と認めれば直ちに放免、それ以外は違反審査や仮放免(54条)の結果次第です。
Q3入管 収容 家族に連絡は来る?
自動的に家族へ通知される仕組みは明確ではありません。家族や支援者から地方出入国在留管理局に照会し、所在と面会の可否を確認するのが現実的です。
Q4オーバーステイはすぐ収容される?
不法残留は24条の退去強制事由ですが、令書なしの収容には逃亡のおそれを裏付ける相当の理由も必要です。原則は収容令書による収容(39条)です。
Q5入国警備官と警察官の違いは?
入国警備官は出入国在留管理庁の職員で、退去強制手続のための調査・収容・送還を担います。刑事事件の捜査・逮捕を担う警察官とは根拠法も目的も異なります。
Q6入管の収容は違法になることがありますか?
あります。24条該当が明らかでない、逃亡のおそれに相当の理由がない、報告・令書請求が遅れたなどの場合、取消訴訟や国家賠償で違法性を争えます。
Q7難民申請中でも入管に収容される?
申請中でも退去強制手続は並行し得るため、要件を満たせば収容の対象になり得ます。収容の適法性と送還の可否は別の争点として検討されます。
Q8外国人従業員が入管に収容されたら会社はどうなる?
在留資格の確認状況が問われ、不法就労助長罪(入管法73条の2)の調査につながる可能性があります。在留カード確認記録の保全と弁護士相談が先決です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1令状もないのに連れて行かれるって、憲法違反じゃないんですか?
日本国憲法33条の令状主義は刑事手続を中心に設計されており、退去強制のための行政上の身柄確保には、判例上そのまま適用されないと解されている。ただし31条の適正手続の保障が及ぶかは実務上、解釈が分かれている論点だ。実務のポイント:争うなら「憲法違反だから無効」より、43条1項の「明らかに該当」「逃亡のおそれ」の要件を満たしていなかったという事実論で攻める方が、裁判所が判断しやすい
Q2収容されたら、そのまま強制送還されてしまうんですか?
収容と送還は別の手続だ。43条の収容の後、違反審査(入管法45条以下)、口頭審理、異議の申出という三段階の審査があり、その途中で仮放免(54条)の申請もできる。実務のポイント:異議の申出が退けられた後でも、法務大臣の在留特別許可(50条)という最後の判断枠が残っている。ここは家族関係・在留期間・生活実態が効く領域で、諦めた時点で終わる
Q3友人が収容されたのですが、どこにいるか教えてもらえますか?
本人の同意があれば、地方出入国在留管理局への照会で所在は確認できる場合が多い。家族であれば面会も可能で、面会できれば本人から直接状況を聞き取れる。実務のポイント:収容直後の数日は、本人が何を聞かれ何を答えたかの記憶が最も鮮明な時期だ。この時期の面会記録が、後に「逃亡のおそれ」の有無を争うときの一次資料になる。面会は早いほど価値が高い
間違えやすい点 AI による整理
- 「令状がないから違法だ、その場で抵抗できる」と考えがちだが、問いの立て方自体が外れている。43条は令状なし収容を法律が明示的に許した条文であり、争点は「令状の有無」ではなく「明らかに24条各号該当と言えるか」「逃亡のおそれを裏付ける相当の理由があったか」「事後の報告・請求が速やかだったか」の三点だ。現場で抵抗するのではなく、この三点の事実を記録することが後の勝負を決める
- 43条の存在自体は入管手続を知る人なら知っているが、第3項の重さを理解している人は少ない。主任審査官が24条各号のいずれにも該当しないと認めたとき、警備官は「直ちに放免」しなければならない。速やかにでも、手続を終えてからでもなく、直ちに、である。この時間概念の厳格さが、事後救済で違法性を主張する際の足場になる
- 収容された本人から見れば「捕まった、終わりだ」という絶望の瞬間だが、法律から見れば「暫定的な身柄確保が始まり、事後審査のカウントが走り出した」状態にすぎない。この落差が人を潰す。本人が絶望して何も記録せず、誰にも連絡しない数日が、後で取り返せない証拠の空白になる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 収容の根拠 | 43条:要急事件として令書なしで収容 | 39条:主任審査官が発付する収容令書による収容 54条:収容からの解放(仮放免) |
| 要件 | 24条各号に明らかに該当+令書を待てば逃亡のおそれ | 24条各号に該当すると疑うに足りる相当の理由 申請に基づく判断(保証金・条件付き) |
| 事前チェック | なし(事後に主任審査官が審査) | 主任審査官による令書発付 入国者収容所長等による許否判断 |
| 当事者の対応ポイント | 報告・令書請求の速やかさ、不該当時の即時放免を検証 | 令書の記載事項・発付手続を確認 身元保証人・住居・生活費の資料を準備 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は暫予收容に移民署の処分を要し、一定期間を超える続行収容には裁判所の審査を組み込んでいる点で、司法関与が日本より明確
韓国の긴급보호は、保護命令書なしで保護した後、一定時間内に命令書の発付を受けなければならない構造で、日本の事後令書請求と類似する
ドイツは行政庁による一時的な身柄確保を認めつつ、遅滞なく裁判官の判断を得ることを要求する。事後審査者が裁判官である点が日本と異なる
米国は移民当局職員に、違反を信ずる理由があり令状取得前に逃亡の可能性がある場合の令状なき逮捕を認める。要件構造は日本の43条に近い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 在留期限が2週間切れたまま働いていた知人が、職場の一斉調査で警備官に「今日中に出頭しろ」ではなく、その場で連行された。これが43条の要急収容だ。令状は後から出る。ここで本人と周囲がまず確認すべきは、収容から主任審査官への報告・令書請求が実際にいつ行われたか。時間の記録が後の争点になる
- もし、あなたが会社の外国人従業員が突然出社しなくなった連絡を受けたとしたら? 入管施設に収容されている可能性がある。地方出入国在留管理局に照会すれば所在確認ができる。48時間以内に弁護士を手配できるかどうかで、その後の流れが変わる
- 留学生の同居人が警備官に任意同行を求められた場面に居合わせた。あなたが傍観者としてできることは一つ、時刻と場所を記録し、現場の状況をメモすること。後に「逃亡のおそれ」の有無が争われたとき、荷物をまとめていたのか、普通に生活していたのかが証拠になる
- 難民認定を申請中の人が43条で収容された。申請中であっても退去強制手続は並行して進む。ただし24条該当性の判断には在留資格の有無だけでなく、難民申請の状況も事実関係として関わってくる。収容そのものの適法性と、送還可否は別の争点として分けて組み立てる必要がある
- 警備官から「収容令書を持っていないが連行する」と言われた。その場で拒否する法的手段は実務上ほぼない。ただし「43条の要急事件としての収容か」を明示的に問い、答えを記録すること。根拠条文を口にしない収容は、後の国家賠償請求で最初の突破口になる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 収容された時刻、場所、警備官の氏名または所属、告げられた根拠を可能な限り記憶または記録する2. 収容施設から家族・知人・弁護士へ連絡する権利を主張し、実際に連絡が取れた時刻を控える3. 主任審査官への報告と収容令書発付がいつ行われたかを確認、遅延があれば争点になる4. 並行して仮放免(入管法54条)の準備、身元保証人・住居・生活費の資料を外部の支援者に集めてもらう
訴えられた側:外国人を雇用している事業者の立場であれば:1. 従業員の在留カードの有効期限と資格外活動許可の有無を全件棚卸し2. 収容された従業員について、自社が在留資格を確認していた記録(コピー、確認日付)を保全3. 不法就労助長罪(入管法73条の2)は「知らなかった」だけでは免責されず、確認を怠った過失が問われる4. 入管からの事情聴取に応じる前に、外国人雇用に詳しい弁護士へ相談
時効(請求できる期限):収容後の報告・収容令書発付請求は「すみやか」、主任審査官が24条不該当と認めたときの放免は「直ちに」と定められており、具体的な時間数の法定はない。収容の違法を理由とする国家賠償請求は、損害および加害者を知った時から3年(人の身体を害する場合は5年、民法724条、724条の2)。収容中の処分に対する審査請求・取消訴訟の出訴期間は、処分を知った日から6か月(行政事件訴訟法14条)
学説
通説的理解:退去強制のための収容は行政上の身柄確保であり、憲法33条の令状主義がそのまま適用されるわけではない。ただし43条は例外規定として厳格に解釈され、「明らかに」該当と逃亡のおそれの相当の理由が要件となる
批判的見解:令状なき身柄拘束の実質は刑事の緊急逮捕に近く、事後審査を行政内部の主任審査官に委ねる構造は、司法審査を欠く点で適正手続の観点から不十分だとする指摘がある
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和26年(1951年) 新設:出入国管理令(昭和26年政令第319号)として制定。要急事件の収容を規定
- 2.昭和56年(1981年) 改正:難民条約加入に伴う改正で題名が「出入国管理及び難民認定法」に改められた(昭和57年施行)。本条の実質的内容の変更を示すものではない
- 出入国管理及び難民認定法 第24条退去強制事由、要急収容の実体的前提
- 出入国管理及び難民認定法 第39条収容令書による原則的な収容手続
- 出入国管理及び難民認定法 第40条収容令書の記載事項、発付の形式要件
- 出入国管理及び難民認定法 第44条収容後の違反者の引渡し手続
- 出入国管理及び難民認定法 第54条仮放免、収容からの解放を求める救済手段
- 行政事件訴訟法 第3条収容処分に対する取消訴訟の対象性
- 国家賠償法 第1条違法な収容に対する公務員の職務行為責任
- 刑事訴訟法 第210条緊急逮捕、令状なき身柄拘束の刑事手続上の対応物
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める