出入国管理及び難民認定法 第63条(刑事手続との関係)
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- 退去強制対象者に該当する外国人について刑事訴訟に関する法令、刑の執行に関する法令又は少年院の在院者の処遇に関する法令の規定による手続が行われる場合には、その者を収容しないとき、又は第四十四条の二第一項の監理措置に付さないときでも、その者について第五章(第二節並びに第五十二条及び第五十三条を除く。)の規定に準じ退去強制の手続を行うことができる。この場合において、第二十九条第一項中「容疑者の出頭を求め」とあるのは「容疑者の出頭を求め、又は自ら出張して」と、第四十五条第一項中「第四十四条の規定による容疑者の引渡し又は第四十四条の七の規定による違反事件の引継ぎを受けたときは」とあるのは「違反調査の結果、容疑者が退去強制対象者に該当すると疑うに足りる理由があるときは」と、第五十条第二項中「収容令書により収容された外国人又は監理措置決定を受けた」とあるのは「第四十五条第一項の規定により入国審査官の審査を受けることとされた」と読み替えるものとする。
- 2.前項の規定に基づき、退去強制令書が発付された場合には、刑事訴訟に関する法令、刑の執行に関する法令又は少年院の在院者の処遇に関する法令の規定による手続が終了した後、その執行をするものとする。ただし、刑の執行中においても、検事総長又は検事長の許可があるときは、その執行をすることができる。
- 3.出国の制限を受けている外国人に係る退去強制令書は、当該出国の制限を受けている間は、その執行を停止するものとする。
- 4.入国審査官は、第四十五条又は第五十五条の八十四第二項の審査に当たつて、容疑者が罪を犯したと信ずるに足りる相当の理由があるときは、検察官に告発するものとする。
この条文の基本情報
刑事手続との関係とは何ですか?
定義刑事手続との関係とは、出入国管理及び難民認定法第63条に定められた規定で、「退去強制対象者に該当する外国人について刑事訴訟に関する法令、刑の執行に関する法令又は少年院の在院者の処遇に関する法令の規定による手続が行われる場合には、その者を…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 出入国管理及び難民認定法第63条(刑事手続との関係)は、日本の出入国管理及び難民認定法に含まれる条文です。
- 出入国管理及び難民認定法第63条の条文原文は「退去強制対象者に該当する外国人について刑事訴訟に関する法令、刑の執行に関する法令又は少年院の在院者の処遇に関する法令の規定による手続が行われる場合には、その者を…」で始まります。
- 出入国管理及び難民認定法第63条は第八章 補則に置かれています。
- 出入国管理及び難民認定法の公布日は昭和26年10月4日です。
- 出入国管理及び難民認定法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 出入国管理及び難民認定法第63条の前の条は出入国管理及び難民認定法第62条です。
- 出入国管理及び難民認定法第63条の次の条は出入国管理及び難民認定法第63条の2です。
- 出入国管理及び難民認定法第63条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)第63条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/326CO0000000319 - 本サイト収録
出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)第63条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/326CO0000000319/63
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点入管法63条は、刑事手続中の外国人でも収容せずに退去強制手続を進められると定める。令書の執行は原則刑事手続終了後で、検事総長等の許可があれば刑の執行中も可能。
Q · 刑事裁判や服役の最中でも、入管の退去強制の手続は進むの?
進む。送還の実行は原則刑事手続の後
出入国管理及び難民認定法63条1項により、刑事訴訟や刑の執行の手続中でも、入国警備官が拘置所等へ出張して違反調査を行い、審査・口頭審理・異議申出まで退去強制手続を並行して進められます。退去強制令書の執行は2項により原則として刑事手続の終了後ですが、検事総長又は検事長の許可があれば刑の執行中でも執行できます。また4項により、審査で犯罪の疑いが出れば入国審査官は検察官に告発します。
解説
外国人が逮捕されると、刑事裁判と入管の手続は「順番に」来ると思われがちだ。実際は違う。本条1項により、拘置所や刑務所にいる間でも、入国警備官が出張して違反調査を行い、入国審査官の審査、口頭審理、法務大臣への異議申出まで、退去強制の手続を並行して進められる。2項は送還のタイミングを決めている。退去強制令書(国外へ送り返すための命令書)は、原則として裁判や服役が終わった後に執行される。そのため、判決の日や刑期満了の日には、送還の結論がすでに出ていることが多い。在留特別許可(本来は送還の対象だが、法務大臣が例外として在留を認める判断)を求める材料は、家族の陳述書や雇用の証明など、刑事弁護と同時に準備を始めないと間に合わない。さらに4項は、入管の審査で犯罪の疑いが出れば検察官に告発すると定めている。入管で口にした一言が、新しい刑事事件の入口になりうる。
法的な位置づけ
出入国管理及び難民認定法63条は、退去強制対象者に該当する外国人について刑事訴訟、刑の執行又は少年院在院者の処遇に関する手続が行われる場合に、収容や監理措置によらず退去強制手続を準用して行うことを認め、退去強制令書の執行時期、出国制限中の執行停止及び入国審査官の告発義務を定める規定である。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.該当しうる退去強制事由を特定する 刑事弁護人に、起訴罪名・予想される量刑と在留資格から、入管法24条のどの号に当たりうるかを確認してもらう。執行猶予の見込みだけで判断しない
- 2.在留特別許可の材料を判決前から集める 婚姻・子の養育・雇用継続・生活基盤を示す資料を家族と雇用主が並行して収集する。刑事用の嘆願書や監督誓約書は写しを取り、入管手続にも提出できる形で保管する
- 3.入管での供述範囲を弁護人とすり合わせる 入国警備官の違反調査や入国審査官の審査に応じる前に、63条4項の告発義務を踏まえ、供述の範囲と順序を刑事弁護人と確認しておく
- 4.3日期限の不服申立てを確実に行う 認定の通知から3日以内に口頭審理を請求し(48条1項)、判定の通知から3日以内に法務大臣へ異議を申し出る(49条1項)。家族側でも通知日を記録する
- 5.令書発付後の選択肢を検討する 退去強制令書が発付されたら、取消訴訟(処分を知った日から6か月以内)と執行停止、あるいは早期帰国を望む場合の2項ただし書の許可や国際受刑者移送の可否を弁護人と比較検討する
よくある質問 AI による整理
Q1入管法63条とは?
刑事裁判や服役の手続中の外国人についても、退去強制の手続を並行して進められると定めた規定です。送還の実行時期や入国審査官の告発義務も定めています。
Q2外国人が逮捕されたら必ず強制送還される?
必ずではありません。送還されるのは退去強制事由(入管法24条)に当たる場合で、該当しても法務大臣が在留特別許可を認める余地があります。
Q3執行猶予でも強制送還される?
罪の種類によります。薬物事犯は有罪判決だけで退去強制事由に当たり(24条4号チ)、執行猶予が付いても送還対象になりえます。
Q4口頭審理の請求はいつまで?
入国審査官の認定の通知を受けた日から3日以内です(入管法48条1項)。拘置所内にいると期限が短く感じられるため、家族側でも通知日を記録しておきます。
Q5在留特別許可はいつから準備すべき?
刑事の判決前から準備を始めるのが実務の定石です。家族の陳述書、戸籍謄本、雇用証明などは集めるのに時間がかかり、判決後では期限に間に合わないことがあります。
Q6入国警備官は拘置所まで来る?
来ます。63条1項の読替えにより、入国警備官は容疑者の出頭を求めるだけでなく自ら出張して違反調査を行えます。拘置所での面会形式の調査は珍しくありません。
Q7退去強制令書の取消訴訟はいつまで?
処分があったことを知った日から6か月以内です(行政事件訴訟法14条1項)。執行停止の申立てを併せて検討することが多いです。
Q8入管で話したことは刑事事件に使われる?
使われる可能性があります。63条4項は、罪を犯したと信ずるに足りる相当の理由があるとき、入国審査官に検察官への告発を義務づけています。
この条文についての質問 AI による整理
Q1夫が起訴されて拘置所にいるのに、入管の人が面会に来ました。判決前に送還されるんですか?
判決前に送還されることは原則としてない。本条1項で手続は並行して進むが、2項により退去強制令書の執行は刑事手続が終わった後になる。ただし、送還の結論が出る時期は早まる。実務のポイント:執行猶予判決で釈放されたその日に、入管の収容へ移される例は珍しくない。判決日に家族が迎えに行っても会えないことがあるため、弁護人を通じて入管側の進み具合を事前に確認しておく
Q2刑務所で服役中だけど、早く国に帰りたい。途中で送還してもらえますか?
本条2項ただし書により、検事総長又は検事長の許可があれば、刑の執行中でも退去強制令書を執行できる。ただし本人が申し出れば当然に認められるものではない。実務のポイント:刑の続きを母国で受ける国際受刑者移送は別の制度で、移送できる国が限られ、刑そのものが消えるわけでもない。どちらを目指すかで、必要な書類も相手となる機関も変わるので、早めに弁護人に確認する
間違えやすい点 AI による整理
- 「執行猶予が付けば日本にいられるか」という問い自体がずれている。退去強制事由は刑の重さだけでは決まらない。薬物事犯は有罪判決だけで該当し(24条4号チ)、不法残留は刑事裁判の結果に関係なく該当する。本当に問うべきなのは「どの退去強制事由に当たるのか、在留特別許可の材料は何か」である
- 入管の審査が刑事裁判とは別物であることは知っていても、そこでの供述が刑事に跳ね返る深刻さは知られていない。本条4項は、罪を犯したと信じるに足りる相当の理由があるとき、入国審査官に検察官への告発を義務づけている。審査で話した就労の実態が、資格外活動などの捜査の端緒になりうる
- 「刑務所にいる間は送還されない」はおおむね正しいが、絶対ではない。2項ただし書により、検事総長又は検事長の許可があれば刑の執行中でも退去強制令書を執行できる。送還の時期は、刑期の終わりが上限であって、必ずその日になるわけではない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象となる場面 | 63条:刑事訴訟・刑の執行・少年院の手続中の外国人 | 64条:刑事手続で身柄拘束を解かれる外国人 65条:司法警察員が逮捕した一定の入管法違反の被疑者 |
| 規律の中心 | 退去強制手続の並行実施と令書の執行時期 | 釈放時の入国警備官への通知と引渡し 検察官送致を経ない入国警備官への引渡しの特例 |
| 刑事手続との順序 | 手続は並行、執行は原則刑事手続の後(例外:検事総長等の許可) | 刑事手続の終了(釈放)を起点に入管へ移る 刑事手続より入管手続を優先させうる |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では外国人に有期徒刑以上の刑を宣告した場合、刑の執行完了又は赦免後に驅逐出境できると刑法に定める。刑の後に送還という順序は日本の63条2項本文と共通する
韓国も刑事手続と強制退去の関係を別条で定め、刑の執行との順序を調整する構造をとるとされる。条文の細部は要確認
ドイツでは退去強制・引渡しがされる場合、執行官庁が自由刑の執行を見合わせることができる。刑の執行中の送還を検察側の判断で認める点で63条2項ただし書と発想が近い
米国は原則として拘禁刑の服役終了まで送還しないが、一定の非暴力犯罪者について司法長官が服役中の送還を認める例外を置く。原則と例外の構造が63条2項と類似する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 妻は日本人、子どもは小学生。覚醒剤所持で起訴されたベトナム国籍の夫の公判中、拘置所に入国警備官が面会に来た。刑事弁護人は「執行猶予が取れれば大丈夫」と言う。しかし薬物事犯は、執行猶予が付いても有罪判決だけで退去強制事由になる(入管法24条4号チ)。家族が動くべき時期は、判決の後ではなく今である
- 服役3年目の受刑者が「刑期満了まで待たずに母国へ帰りたい」と申し出たら、どうなる? 本条2項ただし書により、検事総長又は検事長の許可があれば、刑の執行中でも送還できる。ただし許可は本人の権利ではなく、申し出れば通るものではない。刑の続きを母国で受ける国際受刑者移送とも別の制度である
- 入国審査官から認定の通知が届いた。口頭審理を請求できる期限は3日。拘置所の中では、その3日はあっという間に過ぎてしまう
取るべき行動
被害を受けた側:(本人の家族や雇用主として支える立場)1. 刑事弁護人に、本人がどの退去強制事由に当たりうるかを確認してもらう2. 婚姻、子の養育、雇用継続を示す資料(戸籍謄本、在学証明、雇用契約書)を判決前から集める3. 嘆願書や監督誓約書は写しを取り、入管手続にも出せる形で保管する4. 入管からの通知日を家族側でも記録し、3日の期限を見落とさない
訴えられた側:1. 入管の違反調査や審査で話す前に、弁護人と供述の範囲を確認する(4項の告発に注意) 2. 認定や判定に不服があれば、それぞれ3日以内に口頭審理の請求、異議の申出をする3. 在留を望む事情(家族、生活基盤、更生の見込み)を具体的に書面にまとめる4. 早く帰国したいなら、2項ただし書の許可や国際受刑者移送の可否を弁護人に相談する5. 退去強制令書の発付に不服があれば、取消訴訟を検討する
時効(請求できる期限):入国審査官の認定通知を受けた日から3日以内に口頭審理の請求(入管法48条1項)。特別審理官の判定通知を受けた日から3日以内に法務大臣への異議の申出(同49条1項)。退去強制令書の発付処分の取消訴訟は、処分を知った日から6か月以内(行政事件訴訟法14条1項)。刑事判決への控訴は判決の宣告日から14日以内(刑事訴訟法373条)。令和5年(2023年)改正後の在留特別許可申請の手続期限は、最新の運用を確認すること(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
- 令和5年(2023年)改正(要人的検証) 監理措置制度の創設に伴い、1項に「第四十四条の二第一項の監理措置に付さないとき」等の文言が加わったとみられる。改正年、施行日、他項の変更内容は要確認
改正の年表
- 1.令和5年(2023年) 改正:令和5年法律第56号による監理措置制度の創設に伴い、1項に「第四十四条の二第一項の監理措置に付さないとき」の文言が加わり、50条2項の読替えにも監理措置決定が反映された(施行日は要確認)
- 出入国管理及び難民認定法 第24条退去強制事由、刑事判決との連動
- 出入国管理及び難民認定法 第45条入国審査官の審査、本条で読替え
- 出入国管理及び難民認定法 第50条在留特別許可、本条で対象を拡張
- 出入国管理及び難民認定法 第64条釈放時の入国警備官への通知と引渡し
- 出入国管理及び難民認定法 第65条司法警察員から入管への身柄引渡し特例
- 刑事訴訟法 第239条公務員の告発義務の一般規定
- 行政事件訴訟法 第14条退令発付処分取消訴訟の出訴期間
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