出入国管理及び難民認定法 第71条の6
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第五十五条の五十四第二項の規定により解放された被収容者が、同条第三項の規定に違反して、入国者収容所等又は指定された場所に出頭しないときは、二年以下の拘禁刑に処する。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 出入国管理及び難民認定法第71条の6は、日本の出入国管理及び難民認定法に含まれる条文です。
- 出入国管理及び難民認定法第71条の6の条文原文は「第五十五条の五十四第二項の規定により解放された被収容者が、同条第三項の規定に違反して、入国者収容所等又は指定された場所に出頭しないときは、二年以下の拘禁刑に処す…」で始まります。
- 出入国管理及び難民認定法第71条の6は第九章 罰則に置かれています。
- 出入国管理及び難民認定法の公布日は昭和26年10月4日です。
- 出入国管理及び難民認定法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 出入国管理及び難民認定法第71条の6の前の条は出入国管理及び難民認定法第71条の5です。
- 出入国管理及び難民認定法第71条の6の次の条は出入国管理及び難民認定法第72条です。
- 出入国管理及び難民認定法第71条の6には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)第71条の6 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/326CO0000000319 - 本サイト収録
出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)第71条の6(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/326CO0000000319/71_6
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点入管法71条の6は、災害時に解放された被収容者が55条の54第3項の出頭義務に違反し、入国者収容所等又は指定された場所に出頭しないとき、二年以下の拘禁刑に処すると定める。
Q · 地震や火災で入管の収容施設から解放された人が、戻らなかったらどうなるの?
出頭しなければ二年以下の拘禁刑の対象になる
入管法55条の54第2項は、災害時に避難させる手段がない場合、被収容者を一時的に解放できると定めています。ただし同条3項により、避難の必要がなくなったら入国者収容所等又は指定された場所へ出頭する義務が生じます。この出頭義務に違反すると、入管法71条の6により二年以下の拘禁刑に処されます。解放は収容の終了ではなく一時的な中断であり、行政手続とは別に刑事手続が動き出す点に注意が必要です。
解説
入国者収容所で火災が起きたとする。職員は全員を安全な場所まで護送できない。このとき入管法55条の54第2項は、被収容者を一時的に解放することを認めている。ここで多くの人が読み違える。解放されたのだから収容は終わった、と。違う。同条3項は、避難を必要とする状況が去ったら、入国者収容所等または指定された場所へ自分の足で出頭することを義務づけている。71条の6はその義務違反だけを切り出して、二年以下の拘禁刑という刑事罰に変えた条文である。逃げ隠れしたかどうかは構成要件に書かれていない。連絡がつかないまま出頭しなかった、それだけで成立しうる。あなたが被収容者本人でも、家族でも、支援者でも、災害当日に押さえるべき一点はここにある。解放は手続の終了ではなく、出頭義務という新しい義務が始まる瞬間である。
法的な位置づけ
出入国管理及び難民認定法71条の6は、災害時解放後の不出頭を処罰する罰則規定である。同法55条の54第2項により解放された被収容者が、同条3項の出頭義務に違反して入国者収容所等又は指定された場所に出頭しない場合を構成要件とし、法定刑を二年以下の拘禁刑とする。行政上の収容の実効性を刑罰によって担保する機能を持つ。
よくある質問 AI による整理
Q1入管法71条の6とは何ですか?
災害時に入管の収容施設から解放された被収容者が、定められた場所に出頭しない場合を処罰する規定です。法定刑は二年以下の拘禁刑です。
Q2入管 災害時 解放 いつまでに出頭?
条文は具体的な時間を定めず、避難を必要とする状況がなくなった後の出頭を求めています。出頭場所と時刻は職員の指定に従うことになります。
Q3入管の不出頭罪は前科になる?
起訴され有罪判決が確定すれば前科になります。罰則の法定刑は二年以下の拘禁刑で、罰金刑の選択肢は条文上置かれていません。
Q4災害時解放後の不出頭の時効は何年?
公訴時効は三年と解されます(刑事訴訟法250条2項)。ただし起算点を不出頭の時点とみるかについては解釈が分かれる余地があります。
Q5解放中に出頭場所以外の入管窓口へ行っても大丈夫?
条文は入国者収容所等又は指定された場所への出頭を求めています。指定外の窓口に行く場合は、事前に連絡し記録を残すことが重要です。
Q6入管法71条の6は執行猶予がつく?
法定刑が二年以下の拘禁刑のため、刑法25条の要件を満たせば執行猶予の対象になり得ます。量刑は出頭しなかった事情により左右されます。
Q7災害時解放の出頭義務は仮放免中の人にも関係ある?
本条の対象は55条の54第2項で解放された被収容者です。仮放免中の人は収容されていないため本条の直接の対象ではなく、別の条件・罰則が問題になります。
Q8入管の不出頭罪は誰が捜査する?
刑事事件として警察が捜査し、検察官が起訴を判断するのが一般的な流れです。退去強制手続は入管で別軌道として進みます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1災害で解放された人が、そのまま逃げたらどうなるんですか?
出頭しなければ本条により二年以下の拘禁刑の対象になります。さらに解放中の逃走が刑法97条の逃走罪にも当たるかは、解放中の者を法令により拘禁された者と評価できるかによるため、実務上、解釈が分かれます。実務のポイント:刑事処分が不起訴で終わっても、逃亡歴は入管側で仮放免や監理措置を判断する際の材料として残り続けます。刑事の結末より、その後の身柄の扱いへの影響のほうが長い
Q2けがや入院で出頭できなかった場合は、どう扱われますか?
本条には正当な理由がなくてという限定文言がないため、免責規定としてではなく、出頭しないことの故意があったか、出頭を期待できたかという形で争われます(55条の54第3項の出頭義務が前提)。実務のポイント:診療記録は保存期間が五年ですが、救急搬送そのものの記録は消防側にも残ります。病院への照会が空振りでも、消防本部への情報公開請求という別ルートがあることを知っているかどうかで、証拠の有無が変わる
Q3家族が収容されています。災害のとき連絡は来ますか?
解放や出頭場所の指定を家族へ通知することを義務づける明文は置かれておらず、指定は本人に対して行われる建て付けです(55条の54第2項、第3項)。実務のポイント:面会のたびに緊急連絡先を書面で職員へ渡しておくこと、そして入国者収容所等視察委員会への申出という外部ルートの存在を先に確認しておくこと。災害が起きてから探し始めると、どの窓口も繋がらない
間違えやすい点 AI による整理
- 解放イコール収容の終了と受け取られがちだが、55条の54の解放は収容の一時的な中断にすぎない。退去強制手続も収容の効力も動き続けており、そこへ出頭義務だけが上乗せされる構造になっている
- 戻らなければ入管に連れ戻される、という程度の認識は広く共有されている。だが実際に動き出すのは行政手続ではなく刑事手続である。警察が捜査し、検察官が起訴を判断し、有罪なら前科が残る。その前科は、その後の仮放免や在留の判断で長く評価材料として参照される。深刻度が一段違う
- 正当な理由があれば免責されるのか、という問いの立て方そのものがずれている。本条には正当な理由がなくてという限定文言が置かれていない。したがって争点は免責事由の有無ではなく、出頭しないことの故意があったか、出頭を期待できる状況だったかに移る。この処理は実務上、解釈が分かれる領域である
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 性質 | 入管法71条の6:出頭義務違反に対する刑事罰 | 入管法55条の54:災害時の解放と出頭義務を定める行政手続規定 入管法54条:仮放免による収容の一時停止 |
| 身柄が外に出る理由 | 災害時の解放を前提に、戻らない行為を処罰 | 火災・地震等で避難させる手段がない緊急事態 本人等の請求又は職権による判断 |
| 違反したときの効果 | 二年以下の拘禁刑(刑事手続) | 義務違反の効果は本条(71条の6)に委ねられる 仮放免の取消し・保証金の没取等(行政上の効果) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾の刑事施設では、天災事変時に受刑者を暫行釋放し、期限内に報到しない場合は脫逃罪で処断する仕組みがある。入管収容への同型規定の有無は要検証。
韓国は刑法典に、天災地変等の際に法律により一時釈放された者の集合命令違反を処罰する規定を置く。刑事施設型の設計で、日本本条と発想が近い。
ドイツでは被拘禁者の自己逃走は原則として処罰されず、第三者による解放のみが処罰対象。自ら戻らないことを刑罰で担保する日本の設計とは対照的。
連邦の拘禁からの逃走を処罰する一般規定。移民収容への適用は、拘禁の根拠や事案により扱いが分かれる。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 深夜の地震で施設の一部が損壊し、あなたを含む数十人が屋外へ解放された。翌朝、余震が収まり、職員から出頭場所と時刻が告げられる。残された時間は数時間。携帯の充電が切れ、鉄道も止まっていたとしても、条文には正当な理由という文言が置かれていない。動いた記録を残しながら向かうしかない
- もし解放中に体調を崩して救急搬送され、そのまま入院したら、不出頭罪になるのか。搬送記録が残っていれば故意の認定で争える余地があるが、入管に一報も入れていない時間が長いほど、事情は後から立証しづらくなる
- 支援している被収容者から夜中に着信が入る。施設の外にいるという。この通話の時刻と内容が、数か月後に最重要の証拠になる
- 家族が収容されている施設の近くで大規模火災。報道は避難としか伝えない。解放されたのか、どこへ出頭するのか、家族への通知を義務づける明文は置かれていない。あなたが入管の代表番号にかけ続けた通話履歴が、後で本人の出頭意思を裏づける唯一の材料になることがある
取るべき行動
被害を受けた側:1. 解放の事実を知ったら、本人と話した時刻、場所、体調をその場でメモとスクリーンショットに残す2. 指定された出頭場所と時刻を本人の言葉のまま記録し、入管の代表番号にも確認の電話を入れて通話履歴を作る3. 出頭当日は同行者を付け、到着時刻を写真で残す4. 出頭が遅れる見込みなら、遅れる前に連絡を入れる。事後の説明より、遅れる前の一報のほうが故意の認定では重く働く
訴えられた側:1. 出頭しなかった事実そのものは争わず、いつ出頭意思を持ち、何がそれを妨げたかへ争点を移す2. 救急搬送記録、通話履歴、位置情報、交通機関の運休記録を早期に確保する。消防の救急活動記録は情報公開請求という経路がある3. 取調べでは記憶のない時間帯を推測で埋めない。不正確な供述はそのまま故意の認定材料になる4. 退去強制手続と刑事手続は別軌道で進む。入管の担当官への説明も捜査機関へ渡る前提で話す
時効(請求できる期限):公訴時効は三年(刑事訴訟法250条2項、長期五年未満の拘禁刑に当たる罪)。起算点は犯罪行為が終わった時だが、不出頭を即成犯と見るか継続犯と見るかは実務上、解釈が分かれており、起算点の取り方で結論が変わりうる。退去強制手続の進行とは別に走る(最新の改正状況をご確認ください)
学説
論点:犯罪の終了時期:不出頭を出頭すべき時点で完成する即成犯とみるか、出頭しない状態が続く限り継続する継続犯とみるかで、公訴時効の起算点が変わる。確立した判例・通説は見当たらず、解釈が分かれる領域とされる。
論点:「正当な理由」文言の不存在:本条には正当な理由がなくてという限定がないため、けがや交通途絶などの事情は免責事由ではなく、故意の有無や期待可能性の問題として処理されると解される。
改正沿革 AI による整理
- 令和5年(2023年)改正(施行は令和6年) 被収容者の処遇を法律本体で定める規定群の整備に伴い、災害時の解放と出頭義務(55条の54)およびその違反に対する本条の罰則が置かれたものと解されるが、新設か既存規定の移設かを含め人的検証が必要
- 令和4年(2022年)公布、令和7年(2025年6月1日)施行 懲役と禁錮を拘禁刑へ統合する刑法等の改正に伴い、法定刑の表記が二年以下の懲役から二年以下の拘禁刑へ改められた
改正の年表
- 1.令和5年(2023年) 新設:入管法改正(令和5年法律第56号、令和6年施行)で被収容者の処遇に関する規定群が整備され、災害時の解放と出頭義務(55条の54)および本条の罰則が置かれたものと解される。新設か移設かは要検証。
- 2.令和7年(2025年) 改正:刑法等の一部を改正する法律(令和4年法律第67号)の施行(2025年6月1日)により、懲役と禁錮が拘禁刑に一本化され、法定刑の表記が二年以下の拘禁刑に改められた。
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