出入国管理及び難民認定法 第77条(過料)
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- 次の各号のいずれかに該当する者は、五十万円以下の過料に処する。
- 一第五十六条の規定に違反して入国審査官の行う審査その他入国審査官の職務の執行を拒み、又は妨げた者
- 2.1_2 第五十六条の二の規定に違反して、外国人の旅券、乗員手帳又は再入国許可書の確認をしないで当該外国人を本邦に入らせた者
- 二第五十七条第一項若しくは第二項の規定に違反して報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、同条第三項の規定に違反して報告をせず、又は同条第四項から第七項まで若しくは第九項前段の規定に違反して報告をせず、若しくは虚偽の報告をした者
- 三第五十八条の規定に違反して上陸することを防止しなかつた者
- 四第五十九条の規定に違反して送還を怠つた者
この条文の基本情報
過料とは何ですか?
定義過料とは、出入国管理及び難民認定法第77条に定められた規定で、「次の各号のいずれかに該当する者は、五十万円以下の過料に処する。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 出入国管理及び難民認定法第77条(過料)は、日本の出入国管理及び難民認定法に含まれる条文です。
- 出入国管理及び難民認定法第77条の条文原文は「次の各号のいずれかに該当する者は、五十万円以下の過料に処する。」で始まります。
- 出入国管理及び難民認定法第77条は第九章 罰則に置かれています。
- 出入国管理及び難民認定法の公布日は昭和26年10月4日です。
- 出入国管理及び難民認定法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 出入国管理及び難民認定法第77条の前の条は出入国管理及び難民認定法第76条の2です。
- 出入国管理及び難民認定法第77条の次の条は出入国管理及び難民認定法第77条の2です。
- 出入国管理及び難民認定法第77条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)第77条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/326CO0000000319 - 本サイト収録
出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)第77条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/326CO0000000319/77
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点入管法77条は、船舶・航空機の長や運送業者が審査妨害、旅券未確認、報告義務違反、上陸防止懈怠、送還懈怠のいずれかをした場合、50万円以下の過料に処すると定める。
Q · 入管法77条って、誰に何の罰を科す条文なの?
運送業者等の義務違反に50万円以下の過料を科す規定
入管法77条は、船舶・航空機の長や運送業者が、入国審査官の審査を拒み又は妨げたとき(56条違反)、旅券等を確認せず外国人を入国させたとき(56条の2違反)、報告をしない・虚偽報告をしたとき(57条違反)、上陸を防止しなかったとき(58条違反)、送還を怠ったとき(59条違反)に、50万円以下の過料を科す規定です。過料は刑罰ではないため前科はつかず、裁判所が非訟事件手続法に基づいて額を決定します。
解説
空港で乗客を降ろす前に、船長や機長、あるいは船会社・航空会社の担当者がやらねばならない手続きがある。その手続きを怠ると、罰金ではなく「過料」が最大50万円科される。それが入管法77条だ。ここで注目してほしいのは、この条文が狙い撃ちにしている相手が「不法入国した外国人」ではないという点。刑罰の矛先は、船舶・航空機の長と運送業者、つまり人を運ぶ側の事業者に向いている。旅券の確認を怠って外国人を日本に入れた、入国審査官の審査を拒んだ、報告書を出さなかった、上陸を防止しなかった、送還を怠った。この五つのいずれかに当たれば過料の対象になる。さらに知っておくべきは、過料は刑罰ではないので前科がつかず、手続も刑事裁判ではなく非訟事件手続法に基づく簡易な決定で進むこと。前科がつかないから軽いと考えると、その油断が会社の運送許可審査や入管との信頼関係に跳ね返る。
法的な位置づけ
出入国管理及び難民認定法77条は、入国審査官の職務執行の拒否・妨害、旅券等の確認懈怠、運送業者等の報告義務違反、上陸防止義務違反、送還義務違反の五類型について、違反者を五十万円以下の過料に処する旨を定める規定である。過料は刑罰ではなく行政上の秩序罰であり、非訟事件手続法に基づき裁判所が決定する。
よくある質問 AI による整理
Q1入管法77条とは?
運送業者や船舶・航空機の長が、入管法56条から59条の協力・確認・報告・上陸防止・送還義務に違反した場合に、50万円以下の過料を科す罰則規定です。
Q2入管法77条の過料は会社と機長のどちらに科される?
違反した義務の主体によります。審査協力や報告は船舶等の長と運送業者の双方に、旅券確認や送還は主に運送業者に課されており、違反した者が過料の対象になります。
Q3過料の決定はどの裁判所がする?
過料事件は非訟事件手続法に基づき、原則として過料を科される者の住所地等を管轄する地方裁判所が決定します。刑事裁判の法廷は開かれません。
Q4過料を払わないとどうなる?
過料の裁判は検察官の命令によって執行され、その命令は執行力のある債務名義と同一の効力を持ちます。放置すれば財産に強制執行が及ぶ可能性があります。
Q5過料の決定に不服がある場合はどうする?
即時抗告で争えます。ただし抗告期間は短く、決定の告知を受けた日から起算されるため、告知を受けたらすぐに弁護士へ相談し期限を確認してください。
Q6上陸許可のない乗客が空港から出たら航空会社の責任?
入管法58条は運送業者に上陸防止義務を課しており、防止できなかった場合は77条四号の過料対象になり得ます。乗客本人の責任とは別に運送業者の責任が問われます。
Q7乗員手帳とは?
船舶や航空機の乗員が身分を証明するために所持する手帳です。入管法56条の2は、旅券・再入国許可書と並んで運送業者に乗員手帳の確認を義務付けています。
Q8クルーズ船も入管法77条の対象?
対象です。77条は船舶と航空機を区別しておらず、クルーズ船の船長や運航会社が審査を拒んだり報告を怠ったりすれば、過料の対象になり得ます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1過料って、罰金とどう違うんですか。前科になりますか
なりません。罰金は刑法上の刑罰で刑事裁判を経て前科になりますが、過料は行政上の秩序罰で、裁判所が非訟事件手続法により決定します。77条はこの過料を定めた条文です。実務のポイント:前科にならないため軽く扱われがちですが、行政庁は違反歴を記録しており、その後の許認可審査や入管との実務的な関係で不利に働く。金額より記録が残ることの方が長期的には重い
Q2旅券確認を外注のグランドスタッフに任せていた場合、責任はどちらですか
56条の2の確認義務は運送業者自身に課されているため、業務を外注しても法律上の義務主体は変わりません。77条二号の対象は「確認をしないで当該外国人を本邦に入らせた者」です。実務のポイント:外注契約に求償条項を入れておくかどうかで、過料を払った後の回収可能性が変わる。実務では委託契約の責任分担条項がこの局面で初めて読み返されることが多い
Q3報告を出し忘れただけでも50万円取られるんですか
50万円は上限であり、裁判所が事案の内容に応じて額を決めます。77条三号は57条の各種報告義務違反を対象にしており、不報告と虚偽報告の両方が含まれます。実務のポイント:単純な失念と、指摘後も放置した場合とでは評価が大きく変わる。指摘を受けた時点で直ちに報告を追完し、その記録を残しておくことが、額を下げる最も現実的な手段になる
間違えやすい点 AI による整理
- 「過料50万円」と聞いて罰金の一種だと思う人が多いが、過料は刑罰ではない。前科はつかず、刑事訴訟手続も経ず、裁判所が非訟事件手続法に基づいて決定する行政上の秩序罰である。この違いは、会社の役員や従業員の経歴、海外渡航時のビザ申請の際に意味を持つ
- この条文を「知っているが軽く見ている」層が最も危ない。過料それ自体の金額は上限50万円だが、入管法には別に運送業者に対する退去強制対象者の送還費用負担規定があり、実際の経済的打撃は過料額をはるかに超えることがある。過料の額だけを見てリスク評価をすると、本当のコスト構造を見誤る
- 「うちは審査官の職務を妨げたりしない、だから関係ない」と考える事業者は、問いの立て方を間違えている。77条の五号のうち三号は報告義務違反であり、最も発生しやすいのは悪意ある妨害ではなく、書類の出し忘れと記載ミスである。守るべきは態度ではなく、報告フローの設計だ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の性格 | 入管法77条:義務違反に対する制裁(過料) | 入管法56条の2:旅券等の確認義務そのもの 入管法58条:上陸防止義務そのもの |
| 義務・制裁の対象 | 56条〜59条の義務に違反した船舶等の長・運送業者 | 外国人を本邦に入らせる運送業者 上陸を許可されていない乗客等を運んだ運送業者 |
| 違反した場合の効果 | 50万円以下の過料(刑罰ではなく前科なし) | 77条二号により過料の対象 77条四号により過料の対象 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も運輸業者に旅客の証件確認等の義務を課し、違反に行政罰を置く。日本の過料と同じく刑罰ではない行政上の制裁で担保する構造
韓国は運輸業者の遵守事項を定め、違反を과태료(過怠料)で制裁する。刑罰ではない秩序罰で担保する点で日本と近い
ドイツは運送業者に無証件者の輸送禁止と送還義務を課す。EU の運送業者制裁指令を背景に、制裁の水準は日本より重い傾向
米国は無査証外国人を運んだ運送業者に一人当たりの民事制裁金を科す。乗客単位で累積する点が日本の上限制と異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- チャーター便を運航する小規模航空会社。繁忙期に地上業務を外注し、外注先スタッフが乗客一名の旅券確認を飛ばした。その一名が有効な旅券を持っていなかった。責任を問われるのは外注先ではなく、56条の2の義務を負う運送業者本体である
- クルーズ船が入港し、入国審査官が船内で乗員の審査に入ろうとしたところ、船側が「今は出港準備で忙しい」と立ち入りを拒んだ。悪意はなく現場判断のつもりだったが、これは56条違反の「職務の執行を妨げた」に該当しうる。現場スタッフの一言が会社に50万円の過料をもたらす
- もし、退去強制が決まった外国人の送還を航空会社が引き受けたのに、便の手配がつかないまま日が過ぎたらどうなるか? 59条の送還義務違反として過料の対象になる。「席が取れなかった」は原則として免罪符にならない
- 上陸を許可されていない乗客が、乗り継ぎの隙に空港のターミナルへ出てしまった。58条は運送業者に「上陸することを防止する」義務を課しており、防止できなかった事実そのものが過料の理由になる。対応期限は入管からの通知到着後すぐ、事実関係の整理と弁明の準備を数日で仕上げる必要がある
取るべき行動
被害を受けた側:1. 入管から事実確認や通知が来たら、まず77条の五号のうちどれを指摘されているか特定する。号が違えば争点も証拠も全く違う2. 該当行為の時刻・担当者・手順書の有無を時系列で整理、外注先が関与していれば契約上の責任分担も確認3. 過失の程度を示す資料(マニュアル、研修記録、システムログ)を揃える4. 裁判所へ事件が回る前に、調査結果と再発防止策を書面で提出。弁明の機会が形式的に与えられるだけの制度ではない
訴えられた側:1. 過料は刑罰ではないため黙秘権の構造が異なる。事実関係で争えるところと、情状で争うところを最初に切り分ける2. 56条の「拒み、又は妨げた」は積極的行為が必要で、単なる対応の遅れとは区別しうる。妨害の意図がなければその点を主張3. 報告義務違反(三号)は、報告の不存在か内容の虚偽かで評価が大きく変わる。記載ミスと虚偽は別物だと明示する4. 決定が出た後も即時抗告の道があるので、期限管理を最優先
時効(請求できる期限):この条文自体に特定の期間の定めはない。過料事件は非訟事件手続法に基づき裁判所が決定し、決定に不服がある場合の即時抗告には短期の期間制限があるため、決定の告知日を起算点として直ちに確認すること(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:過料は刑罰ではなく行政上の秩序罰であり、刑法総則や刑事訴訟法の適用はない。法律上の過料は非訟事件手続法に基づき裁判所が決定し、刑罰と併科されても二重処罰には当たらないと解されている
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和26年(1951年) 新設:出入国管理令(昭和26年政令第319号)として制定。運送業者等に対する義務と罰則の枠組みが置かれた(法令全体の制定)
- 2.昭和56年(1981年) 改正:難民条約等への加入に伴い、題名が「出入国管理及び難民認定法」に改められた(法令全体の改正)
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