農地法 第12条(附帯施設の買収)
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- 第七条第一項の規定による買収をする場合において、農業委員会がその買収される農地又は採草放牧地の農業上の利用のため特に必要があると認めるときは、国は、その買収される農地又は採草放牧地の所有者の有する土地(農地及び採草放牧地を除く。)、立木、建物その他の工作物又は水の使用に関する権利(以下「附帯施設」という。)を併せて買収することができる。
- 2.第八条から前条までの規定は、前項の規定による買収をする場合に準用する。この場合において、第八条第一項第二号中「その農地又は採草放牧地の所在、地番、地目及び面積」とあるのは、「土地についてはその所在、地番、地目及び面積、立木についてはその樹種、数量及び所在の場所、工作物についてはその種類及び所在の場所、水の使用に関する権利についてはその内容」と読み替えるものとする。
この条文の基本情報
附帯施設の買収とは何ですか?
定義附帯施設の買収とは、農地法第12条に定められた規定で、「第七条第一項の規定による買収をする場合において、農業委員会がその買収される農地又は採草放牧地の農業上の利用のため特に必要があると認めるときは、国は、その買収され…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 農地法第12条(附帯施設の買収)は、日本の農地法に含まれる条文です。
- 農地法第12条の条文原文は「第七条第一項の規定による買収をする場合において、農業委員会がその買収される農地又は採草放牧地の農業上の利用のため特に必要があると認めるときは、国は、その買収され…」で始まります。
- 農地法第12条は第二章 権利移動及び転用の制限等に置かれています。
- 農地法の公布日は昭和27年7月15日です。
- 農地法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 農地法第12条の前の条は農地法第11条です。
- 農地法第12条の次の条は農地法第13条です。
- 農地法第12条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
農地法(昭和二十七年法律第二百二十九号)第12条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/327AC0000000229 - 本サイト収録
農地法(昭和二十七年法律第二百二十九号)第12条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/327AC0000000229/12
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点農地法12条は、7条の農地買収で農業委員会が農業上の利用に特に必要と認めるとき、国が所有者の土地・立木・工作物・水利権を附帯施設として併せて買収できると定める。
Q · 国に農地を買収されるとき、倉庫や井戸の権利まで一緒に持っていかれるの?
農業上特に必要と認められれば、倉庫も水利権も買収されうる
農地法12条1項により、7条1項の買収をする場合で、農業委員会がその農地等の農業上の利用のため特に必要と認めるときは、国は同じ所有者の土地(農地等を除く)、立木、建物その他の工作物、水の使用に関する権利を「附帯施設」として併せて買収できます。「できる」規定なので自動的ではありません。手続は8条から11条が準用され、公示には附帯施設の種類ごとに特定事項を記載する必要があります。
解説
農地を国に買い取られるとき、対象は田畑だけだと思われがちだ。農地法12条はそこに穴を開ける。農業委員会が「その農地を農業に使い続けるために特に必要だ」と認めれば、国は同じ所有者が持つ農地以外の土地、立木、建物などの工作物、さらに水の使用に関する権利(川やため池から水を引く権利)まで、まとめて買収できる。対象をひとまとめに「附帯施設」と呼ぶ。前提になるのは7条の買収、つまり農地所有適格法人(農地を持てる要件を満たした法人)が要件を欠いた場面などである。押さえておくべき点は二つある。一つ目に、附帯施設の買収は「できる」規定であり、自動的には及ばない。農業委員会の「特に必要」という認定が入口になる。二つ目に、8条から11条の手続がそのまま準用され、公示には土地なら地番と面積、立木なら樹種と数量、工作物なら種類と場所、水利権ならその内容を書かなければならない。何がどこまで持っていかれるのか、公示の記載を一行ずつ照らし合わせることが、あなたの財産を守る最初の作業になる。
法的な位置づけ
農地法12条は附帯施設の買収を定める規定であり、同法7条1項による農地または採草放牧地の買収に際し、農業委員会が農業上の利用のため特に必要と認めた場合に、国が当該所有者の有する土地(農地等を除く)、立木、工作物または水の使用に関する権利を併せて買収できる旨と、その手続について8条から11条を準用する旨を規定する。
よくある質問 AI による整理
Q1農地法の附帯施設とは何ですか?
農地法12条1項が定める、買収される農地等の所有者が持つ農地以外の土地、立木、建物その他の工作物、水の使用に関する権利をまとめた呼び名です。
Q2農地法7条の買収はどんなときに行われますか?
農地所有適格法人が要件を欠いた場合などに、国がその法人等の所有する農地等を買収する仕組みです。12条の附帯施設買収はこの7条の買収が前提になります。
Q3附帯施設の買収に農業委員会の判断は必要ですか?
必要です。農業委員会が、買収される農地等の農業上の利用のため「特に必要」と認めることが要件で、この認定がなければ附帯施設は買収できません。
Q4農地買収の公示には何が書かれますか?
12条2項の読替えにより、土地は所在・地番・地目・面積、立木は樹種・数量・所在の場所、工作物は種類・所在の場所、水利権はその内容が記載されます。
Q5農地 買収 水利権 も対象になる?
なります。12条1項は「水の使用に関する権利」を附帯施設に含めており、ため池や用水路から水を引く権利も買収対象になりえます。
Q6農地買収に不服があるときはどうする?
買収は行政処分にあたるため、一般には審査請求や取消訴訟で争う道があります。期限があるので、処分を知ったらすぐに弁護士等へ相談するのが安全です。
Q7附帯施設の買収対価はどう決まる?
12条2項が8条から11条を準用するため、農地本体と同じ手続の枠組みで対価が扱われます。具体的な算定方法は準用先の条文と運用を確認する必要があります。
Q8他人名義の倉庫も附帯施設として買収される?
条文上の対象は「買収される農地等の所有者の有する」財産に限られます。名義が別人であれば、12条による併せ買収の対象には原則として入りません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1畑と一緒に、自分の家まで国に買われちゃうことってあるんですか?
12条は「建物その他の工作物」も対象にしているので、理屈のうえでは建物も含まれる。ただし要件は、農業委員会がその農地の農業上の利用のため「特に必要」と認めることである。住居のように農業との結びつきが薄い建物でこの要件を満たすのは、ハードルが高いと考えられる。実務のポイント:争点は「必要性」の中身である。認定理由を書面で求めると、相手の論理の弱点が見えやすい
Q2井戸とか用水の権利まで買収されるって本当ですか?
本当である。12条1項は「水の使用に関する権利」を附帯施設として明記しており、準用される公示ではその「内容」を記載しなければならない(12条2項による8条1項2号の読替え)。実務のポイント:慣行上の水利権は書面がないことも多い。どの水源から、どの範囲で水を引いているかを先に自分で整理しておくと、公示の記載が正確かどうかを判断する物差しになる
Q3附帯施設の代金って、ちゃんと払ってもらえるんですか?
12条2項は8条から11条の手続を附帯施設の買収にも準用しているため、農地本体と同じ枠組みで対価が扱われる。根底には、私有財産を公共のために用いるには正当な補償が必要とする憲法29条3項がある。実務のポイント:農地と附帯施設とでは評価の物差しが異なりうる。項目ごとの算定根拠の開示を求めておくと、後で金額を争う際の足場になる
間違えやすい点 AI による整理
- 「農地法は農地だけを扱う法律だ」と思われているが、12条により、農地以外の土地や建物、水利権までもが国の買収対象になりうる。法律の名前で射程を判断すると、範囲を読み違える
- 附帯施設は農地とセットで必ず買収されると考える人がいるが、条文は「できる」と定めているにすぎない。農業委員会が農業上の利用のため「特に必要」と認めることが要件であり、自動的にくっついてくるものではない。必要性の判断そのものが争点になりうる
- 所有者の目には「倉庫も井戸も自分の生活の一部」と映る。しかし法律が見ているのは「その農地を農業に使い続けるために欠かせないか」という一点である。生活上の愛着を訴えても通らず、農業上の必要性の有無で反論を組み立てない限り、話は噛み合わない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 農地法12条:農地以外の土地・立木・工作物・水利権(附帯施設) | 農地法7条:農地および採草放牧地そのもの 農地法8条:買収の公示(記載事項) |
| 発動の要件 | 7条1項の買収があり、農業委員会が農業上の利用のため特に必要と認めること | 農地所有適格法人の要件欠如など7条1項所定の事由 買収の実施(公示は手続要件) |
| 規定の性質 | 「買収することができる」裁量規定 | 国による買収の根拠規定 手続規定(12条2項で附帯施設向けに読替え) |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾では土地を徴収する際、土地改良物(建物・農作物等)を原則として一併徴収し、残余地も所有者の申請により一併徴収できる。日本の12条は農業委員会の「特に必要」認定を要件とする裁量型で、構造が異なる
韓国の土地補償法は、土地と併せて立木・建物・水の使用に関する権利などを取得対象に掲げており、列挙の構成が日本の附帯施設と近い。ただし公益事業一般の収用法であり、農地政策の買収とは目的が異なる
中国では土地征収の際、地上附着物や青苗について補償を行う。集団所有制を前提とするため、私人所有の附帯施設を国が買収する日本の仕組みとは前提が大きく異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 法人化して農業を続けてきたが、役員の構成が変わり、農地所有適格法人の要件を満たさなくなった。農地の買収を告げる公示に、農機具倉庫と井戸の権利まで載っていたらどうなる? 倉庫の地番や水利権の内容が特定されていなければ、手続の瑕疵(手続上の欠陥)を指摘する材料になりうる
- あなたは農地を法人に貸している個人の地主だ。法人の要件が崩れて農地が買収対象になったとき、隣接する自分名義の山林や作業小屋まで同時に買収の検討対象に入る可能性がある。対象になるのは「その農地の所有者」が持つ附帯施設に限られる。名義を確認しておきたい
- 公示が出てから、意見を出せる時間は長くない。家族で揉めているうちに、手続は次の段階へ進んでいく
- 親から農地と果樹園の立木を相続した友人が「国に取られるのは畑だけでしょ」と言っている。立木は附帯施設として買収されうる。樹種と数量が公示に載るはずだ、と伝えてあげられる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 公示に附帯施設が含まれているか、土地の地番・面積、立木の樹種・数量、工作物の種類・場所、水利権の内容が特定されているかを照合する2. 対象が本当に「買収される農地の所有者」名義か、登記簿で確認する3. 農業委員会が「特に必要」と認めた理由を問い合わせ、農業上の必要性がないことを示す資料(使っていない倉庫、別の水源など)を整理する4. 対価の算定根拠を確認し、行政書士や弁護士に早めに相談する
訴えられた側:1. 自分の法人が農地所有適格法人の要件(議決権・役員構成・事業内容)を今も満たしているか、定期的に点検する2. 要件を欠くおそれがあれば、買収に進む前に構成員の変更や農地の譲渡など是正策を講じる3. 附帯施設を守りたい場合は、農地との機能的なつながりが薄いことを客観的な資料で示せるようにしておく4. 買収の処分には審査請求や取消訴訟の道があるので、期限を確認したうえで判断する
時効(請求できる期限):買収は行政処分(役所があなたに直接下す決定)にあたるため、一般には審査請求は処分を知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条)、取消訴訟は処分を知った日から6か月以内(行政事件訴訟法14条)が目安となる。農地法上の特別な不服申立て手続の有無と、対価の争い方は個別に確認が必要である(最新の改正状況をご確認ください)
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