農地法 第46条(売払い)
クイックジャンプ
- 農林水産大臣は、前条第一項の規定により管理する農地及び採草放牧地について、農林水産省令で定めるところにより、その農地又は採草放牧地の取得後において耕作又は養畜の事業に供すべき農地又は採草放牧地の全てを効率的に利用して耕作又は養畜の事業を行うと認められる者、農地中間管理機構その他の農林水産省令で定める者(農業経営基盤強化促進法第二十二条の四第一項に規定する地域計画の区域内にある農地又は採草放牧地については、農地中間管理機構)に売り払うものとする。ただし、次条の規定により売り払う場合は、この限りでない。
- 2.前項の規定により売り払う農地又は採草放牧地について、その農業上の利用のため第十二条第一項の規定により併せて買収した附帯施設があるときは、これをその農地又は採草放牧地の売払いを受ける者に併せて売り払うものとする。
この条文の基本情報
売払いとは何ですか?
定義売払いとは、農地法第46条に定められた規定で、「農林水産大臣は、前条第一項の規定により管理する農地及び採草放牧地について、農林水産省令で定めるところにより、その農地又は採草放牧地の取得後において耕作又は養畜の…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 農地法第46条(売払い)は、日本の農地法に含まれる条文です。
- 農地法第46条の条文原文は「農林水産大臣は、前条第一項の規定により管理する農地及び採草放牧地について、農林水産省令で定めるところにより、その農地又は採草放牧地の取得後において耕作又は養畜の…」で始まります。
- 農地法第46条は第五章 雑則に置かれています。
- 農地法の公布日は昭和27年7月15日です。
- 農地法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 農地法第46条の前の条は農地法第45条です。
- 農地法第46条の次の条は農地法第47条です。
- 農地法第46条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
農地法(昭和二十七年法律第二百二十九号)第46条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/327AC0000000229 - 本サイト収録
農地法(昭和二十七年法律第二百二十九号)第46条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/327AC0000000229/46
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点農地法46条は、国が買収し管理する農地等を、全てを効率的に耕作する者や農地中間管理機構などに売り払うと定める。地域計画の区域内では売払い先は機構に限られる。
Q · 国が買収して管理している農地は、誰に売られるの?
入札ではなく、耕作能力と地域計画で相手が決まる
農地法46条1項により、農林水産大臣は、45条で管理する農地・採草放牧地を、取得後に全ての農地を効率的に利用して耕作または養畜を行うと認められる者、農地中間管理機構などに売り払います。地域計画(農業経営基盤強化促進法22条の4)の区域内なら、売払い先は農地中間管理機構だけです。47条による売払いは別扱いとなり、併せて買収した附帯施設は農地の買い手に併せて売り払われます(46条2項)。
解説
国が農地を「持つ」ことはまずない。それでも農地法には、国が強制的に買い上げた農地の行き先を決めるルールがある。それが本条である。国が農地を手に入れるのは、主に農地所有適格法人(農地を持てる要件を満たした農業法人)が要件を欠いたまま是正しなかった場合の買収(7条以下)である。買い取った農地は、農林水産大臣が管理し(45条)、本条に従って売り払う。売り払う先は、取得後に耕作するすべての農地を効率的に使って耕作または養畜(家畜の飼育)を行うと認められる者、農地中間管理機構(いわゆる農地バンク)などに限られる。押さえるべきは括弧書きである。その土地が農業経営基盤強化促進法の「地域計画」(集落で話し合い、10年後に誰がどの農地を耕すかを描いた地図)の区域内にある場合、売払い先は農地中間管理機構だけになる。つまり、地元の有力農家が直接買い戻す道は閉じられ、機構を経由して地域計画どおりに配分される。払い下げの交渉相手は国ではなく、地域計画と機構だと考えるべきである。
法的な位置づけ
農地法46条は国有農地等の売払いを定める規定であり、農林水産大臣が管理する農地・採草放牧地を、取得後に全ての農地等を効率的に利用して耕作または養畜を行うと認められる者、農地中間管理機構その他省令で定める者に売り払う旨を規定する。地域計画の区域内では売払い先を農地中間管理機構に限定し、附帯施設は農地等と併せて売り払う。
よくある質問 AI による整理
Q1国有農地の売払いとは?
国が買収し農林水産大臣が管理する農地等を、効率的に耕作する者や農地中間管理機構などに売り渡す制度です。根拠は農地法46条です。
Q2農地法46条の売払い先は誰ですか?
取得後に全ての農地を効率的に利用して耕作・養畜を行うと認められる者、農地中間管理機構、その他農林水産省令で定める者です。
Q3地域計画の区域内の国有農地は誰が買える?
農地中間管理機構だけです。個人の農家や法人が国から直接買うことはできず、機構を経由して地域計画に沿って配分されます。
Q4国が農地を買収するのはどんなとき?
主に農地所有適格法人が要件を欠き、是正されないまま一定の手続を経た場合などです。買収された農地は45条で国が管理します。
Q5国有農地の払い下げはどこに相談する?
まず市町村の農業委員会で地域計画の区域内かを確認します。区域内なら農地中間管理機構、区域外なら地方農政局に照会するのが一般的です。
Q6農地と一緒に買収された倉庫や水路はどうなる?
12条1項で併せて買収された附帯施設は、その農地等の売払いを受ける者に併せて売り払われます(46条2項)。
Q7農地中間管理機構とは?
いわゆる農地バンクで、都道府県ごとに指定された公的機関です。農地を借り受けたり取得したりして、担い手へ集積・配分します。
Q8国有農地の売払いに入札はある?
農地法46条の売払いは価格競争ではありません。相手方は耕作能力や地域計画上の位置づけで決まり、一般の国有地入札とは仕組みが異なります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1国が持ってる農地って、普通の国有地みたいに入札で買えるんですか?
本条の農地は入札の対象ではない。売払い先は、取得後にすべての農地を効率的に耕作できると認められる者、農地中間管理機構などに限られ、地域計画の区域内なら機構だけである(46条1項)。実務のポイント:国有地の一般競争入札の情報を見張っていても、この種の農地はまず出てこない。見るべきは財務局の公告ではなく、市町村の地域計画と機構の募集情報である
Q2農地と一緒にあった倉庫や用水路はどうなりますか?
農地の農業上の利用のために12条1項で併せて買収された附帯施設は、農地の買い手に併せて売り払われる(46条2項)。実務のポイント:附帯施設が「併せて買収された」ものかどうかで扱いが分かれる。買収の対象から漏れた施設は別の所有者が残っている可能性があり、取得後に水利や通路の使用で揉めやすい。取得前に登記と買収記録を突き合わせる
Q3昔うちの土地だったのに、別の人に売られちゃうんですか?
本条の原則は、効率的に耕作する担い手や機構への売払いである。ただし本条ただし書のとおり、次条(47条)による売払いは別扱いになる。旧所有者への売払いの可否や要件はこちらと政令で定まるため、まず自分の土地がどちらに当たるかを確かめる。実務のポイント:戦後の自作農創設で買収された土地の旧所有者への売払い価格をめぐっては、政令が違法とされた最高裁大法廷判決(最大判昭和46.1.20)もある。古い買収地ほど、制度の経緯を遡る価値がある
間違えやすい点 AI による整理
- 「国の土地の払い下げは入札で一番高い値をつけた人が勝つ」と思われがちだが、本条の売払いは価格競争ではない。取得後に全ての農地を効率的に耕作するかという利用能力と、地域計画上の位置づけで相手が決まる
- 地域計画は「集落の話し合いの紙」程度に見られている。だが令和5年度以降、地域計画の区域内では国有農地の売払い先が農地中間管理機構に一本化された。会合に出なかった一回が、数十年使える農地へのアクセスを左右しうる。その重みを知らない農家が多い
- 「買収された元の地主は当然に優先して買い戻せるか」という問いは、実は本条の守備範囲外である。本条ただし書が示すとおり、旧所有者への売払いなど特別な処理は次条(47条)とその政令で扱われる。どちらの条文の土俵に立っているかを先に確かめないと、議論がかみ合わない(具体的な要件は最新の政令をご確認ください)
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する場面 | 農地法46条:国が管理する農地等の原則的な売払い先 | 農地法45条:国が買収した農地等の管理 農地法47条:政令で定める場合の売払い等(本条ただし書の受け皿) |
| 相手方の決まり方 | 効率的に耕作する者・農地中間管理機構等。地域計画区域内は機構のみ | 売払い前の段階のため相手方の問題は生じない 政令の定める要件による(旧所有者への売払い等を含む。最新の政令要確認) |
| 附帯施設の扱い | 12条1項で併せて買収した附帯施設は農地の買い手に併せて売払い(2項) | 農地等とともに国が管理 政令の定めによる |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では国有の非公用不動産は国有財産法の手続で処分され、日本のように売払い先を耕作能力や地域計画で絞る専用規定は見当たらない
韓国は韓国農漁村公社の農地銀行事業が農地の買入れ・売渡し・賃貸を担い、公的機関を介した配分という点で日本の機構と発想が近い
ドイツでは農地取引に許可制があり、州の入植公社が先買権を行使して取得した農地を農業者へ再配分する仕組みがある
フランスの SAFER は先買権で農地を取得し、地域の農業構造に沿って担い手へ譲渡する。公的仲介機関を通じた配分の代表例
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたの農業法人が株主構成の変更で農地所有適格法人の要件を満たさなくなり、是正しないまま期限を過ぎた。国が農地を買収し、その後この条文で第三者に売り払われる。自分が汗をかいて整えた圃場を、隣の担い手が機構経由で耕すことになる
- 国が管理している農地が近所にあると聞いた。払い下げを受けたいが、どこに申し込めばいい? その土地が地域計画の区域内なら、相手は国の窓口ではなく農地中間管理機構で、地域計画に名前が載っているかどうかが勝負を分ける
- 地域計画の協議の場が来月で締め切られる。あと数週間のうちに担い手として計画に位置づけてもらえなければ、区域内の国有農地も機構からの配分も、あなたには回ってこない
- 買収された農地にあった水路と農業用倉庫。附帯施設として一緒に買収されていれば、農地とセットで新しい耕作者に渡る
取るべき行動
被害を受けた側:国の管理農地を取得したい場合:1. 市町村の農業委員会で対象の農地が地域計画の区域内かを確認する2. 区域内なら農地中間管理機構に相談し、地域計画に担い手として位置づけられているかを確かめる。載っていなければ計画の変更を働きかける3. 区域外なら、取得後に経営するすべての農地を効率的に耕作できることを営農計画と機械・人員の資料で示し、地方農政局に照会する4. 附帯施設(水路、倉庫など)が併せて買収されていないかも確認する
訴えられた側:農地を買収される側になりそうな場合:1. 農業委員会から農地所有適格法人の要件を欠くとの勧告を受けたら、まず議決権・役員構成を是正できるか専門家(司法書士、行政書士、弁護士)と検討する2. 是正が難しければ、買収前に自ら譲渡先を探すほうが価格や相手を選べる3. 買収手続に入ったら、買収令書の内容と対価に不服があるかを確認し、行政不服審査や訴訟の期限を管理する4. 旧所有者として次条以下の特別な売払いの対象になる余地があるかも確認する
時効(請求できる期限):本条の売払いを求める権利についての特定の時効はない。ただし買収処分そのものを争う場合、審査請求は処分を知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条)、取消訴訟は処分を知った日から6か月以内(行政事件訴訟法14条)が原則である(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
- 平成21年(2009年)農地法改正(要確認) 売払いの相手方について、取得後にすべての農地を効率的に利用して耕作等を行う者を基準とする現行の枠組みに改正されたとみられる。改正の範囲は人的検証が必要
- 令和4年(2022年)公布、令和5年(2023年)4月1日施行(要確認) 農業経営基盤強化促進法等の改正に伴い、地域計画の区域内の農地等は農地中間管理機構に売り払う旨の括弧書きが加えられたとみられる
改正の年表
- 1.昭和27年(1952年) 新設:農地法制定。国が買収した農地を売り渡す制度が置かれた(当時の条番号・要件は現行と異なる)
- 2.令和4年(2022年) 改正:農業経営基盤強化促進法等の改正に伴い、地域計画の区域内の農地等は農地中間管理機構に売り払う旨の括弧書きが加えられた(令和5年4月1日施行)
- 農地法 第45条国が買収した農地等の管理
- 農地法 第47条売払いの特例、本条ただし書の受け皿
- 農地法 第12条附帯施設の併せ買収、2項の前提
- 農地法 第7条適格法人の要件欠如時の国の買収(現行効力を要確認)
- 農地法 第3条権利取得の全部効率利用要件と同趣旨
- 農業経営基盤強化促進法 第22条の4地域計画の区域、売払い先の限定
- 農地中間管理事業の推進に関する法律 第2条農地中間管理機構の定義(現行効力を要確認)
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める