要点宅地建物取引業法64条の3は、宅地建物取引業保証協会に、苦情の解決・宅地建物取引士等への研修・弁済業務の三つを必須業務として義務づける規定。対象から宅建業者は除かれる。
Q · 不動産会社が加入している「保証協会」は、実際に何をしてくれる組織なんですか?
三業務が義務。弁済の上限は分担金ではなく営業保証金相当額
宅地建物取引業法64条の3第1項は、宅地建物取引業保証協会に、①取引の相手方等からの苦情の解決、②宅地建物取引士等への研修、③社員と取引した者の債権についての弁済業務、という三つを必須業務として義務づけています。第2項では一般保証業務、手付金等保管事業、全国組織による研修費用の助成を任意業務として認めます。弁済業務の還付限度は、その社員が社員でなかったとしたら供託すべきだった営業保証金の額(主たる事務所1000万円、従たる事務所ごと500万円)の範囲内です(法64条の8)。ただし、請求する側自身が宅地建物取引業者に該当する場合は対象外です。
不動産屋の店先に貼られたハトやウサギのステッカー、あれを業界団体のロゴだと思っている人は多い。実態はもっと生々しい。あのマークは、その会社が宅地建物取引業保証協会の社員であり、本来1000万円を法務局に供託すべき営業保証金の代わりに、60万円の分担金だけで営業していることを示している。本条は、その協会に三つの仕事を義務として負わせた。苦情の解決、宅地建物取引士等への研修、そして弁済業務である。あなたが手付金を持ち逃げされたとき、代わりに払われる原資は、その会社が納めた60万円ではない。全社員が積み上げた基金から、営業保証金相当額(主たる事務所1000万円、従たる事務所ごと500万円)を上限に払われる。しかも対象には、その会社が協会に加入する前にあなたと取引した分まで含まれる。ただし、あなた自身が宅地建物取引業者なら、この救済からは明文で外されている。
宅地建物取引業法第64条の3は、宅地建物取引業保証協会の業務範囲を定める規定である。第1項は苦情の解決、宅地建物取引士等への研修、弁済業務の三つを必須業務として義務づけ、第2項は一般保証業務、手付金等保管事業、全国組織による研修費用の助成を任意業務として認める。第3項は国土交通大臣の承認を条件とする付随業務、第4項は業務の一部委託を規定する。
国土交通大臣が指定する団体で、加入した宅建業者(社員)のために苦情の解決、宅地建物取引士等への研修、弁済業務を行います。加入すれば営業保証金の供託が免除され、分担金の納付で足ります(法64条の2、64条の3、64条の9)。
どちらも保証協会の社員であることを示す標識ですが、系列が違います。ハトは全国宅地建物取引業協会連合会系、ウサギは全日本不動産協会系の団体として知られています。制度上の権利義務は法64条の3以下で共通です。
主たる事務所につき60万円、従たる事務所ごとに30万円が政令で定められています(法64条の9)。単独で供託する場合の営業保証金1000万円・500万円と比べると、開業時の資金負担は大きく圧縮されます。
苦情の解決は法64条の3第1項1号の義務業務です。協会は社員に対し文書や口頭での説明、資料の提出を求めることができ、社員は正当な理由がなければ拒めません(法64条の5)。単なる相談窓口ではありません。
第2項2号の任意業務で、協会が指定保管機関として手付金等を預かる仕組みです。完成物件の取引で使われる方式であり、未完成物件では保証委託契約や保険による保全措置が求められます(法41条、41条の2)。
宅地建物取引士のほか、宅地建物取引業の業務に従事し、または従事しようとする者(宅地建物取引士等)が対象です(1項2号)。協会は全国組織が行う研修費用の助成も任意業務として行えます(2項3号)。
できます。第3項により、国土交通大臣の承認を受ければ、宅地建物取引業の健全な発達に必要な業務を行えます。また第4項により、国土交通省令の定めに従い、大臣の承認を得て業務の一部を他者に委託できます。
なります。1項3号のかっこ書きが「社員とその者が社員となる前に取引をした者を含み」と明記しています。取引時点で相手が協会に入っていなかったことは、それだけでは還付を諦める理由になりません。
全額とは限らない。還付の上限は、その会社が社員でなかったとしたら供託すべきだった営業保証金の額(主たる事務所1000万円、従たる事務所ごと500万円)の範囲内であり、同じ会社の被害者全員でその枠を分け合う(法64条の8)。業界裏話ヒント:枠は事務所数で決まるので、被害額が大きいときは相手の支店数を先に調べる。支店が多い会社ほど、実は取り戻せる余地が広い。
対象外である。1項3号は、弁済業務の対象者から「宅地建物取引業者に該当する者」を明文で除外している。プロ同士は自衛できるという前提で、2017年(平成29年)施行の改正により外された(最新の改正状況をご確認ください)。業界裏話ヒント:だから業者間取引では、相手の供託先を確認しても意味がない。手付金の保全方法や決済のタイミングを契約書で握るしか防御手段がない。
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 資力確保の方法 | 法64条の3:協会が弁済業務を実施(社員は分担金を納付) | — |
| 業者の初期負担 | 分担金:主たる事務所60万円、従たる事務所ごと30万円(法64条の9) | — |
| 取引相手が受けられる上限 | 営業保証金相当額の範囲内(社員でなかったとしたら供託すべき額) | — |
| 対象から外れる者 | 宅地建物取引業者に該当する者は弁済業務の対象外(1項3号かっこ書き) | — |
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