自衛隊法 第73条(不利益取扱の禁止)
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- 何人も、被用者を求め、又は求職者の採否を決定する場合においては、予備自衛官である者に対し、その予備自衛官であることを理由として不利益な取扱をしてはならない。
- 2.すべて使用者は、被用者が予備自衛官であること又は予備自衛官になろうとしたことを理由として、その者を解雇し、その他これに対して不利益な取扱をしてはならない。
この条文の基本情報
不利益取扱の禁止とは何ですか?
定義不利益取扱の禁止とは、自衛隊法第73条に定められた規定で、「何人も、被用者を求め、又は求職者の採否を決定する場合においては、予備自衛官である者に対し、その予備自衛官であることを理由として不利益な取扱をしてはならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 自衛隊法第73条(不利益取扱の禁止)は、日本の自衛隊法に含まれる条文です。
- 自衛隊法第73条の条文原文は「何人も、被用者を求め、又は求職者の採否を決定する場合においては、予備自衛官である者に対し、その予備自衛官であることを理由として不利益な取扱をしてはならない。」で始まります。
- 自衛隊法第73条は第一款 予備自衛官に置かれています。
- 自衛隊法の公布日は昭和29年6月9日です。
- 自衛隊法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 自衛隊法第73条の前の条は自衛隊法第72条の2です。
- 自衛隊法第73条の次の条は自衛隊法第73条の2です。
- 自衛隊法第73条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)第73条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/329AC0000000165 - 本サイト収録
自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)第73条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/329AC0000000165/73
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点自衛隊法73条は、予備自衛官であること又はなろうとしたことを理由に、採用・解雇その他の処遇で不利益に扱うことを禁じる。直接の罰則はなく、民事で争う。
Q · 予備自衛官だという理由で会社にクビにされたり、評価を下げられたりしたら違法ですか?
違法です。自衛隊法73条が明確に禁じています
自衛隊法73条2項は、使用者が被用者を予備自衛官であること、または予備自衛官になろうとしたことを理由として、解雇その他の不利益な取扱いをすることを禁じています。1項は採用段階の不利益取扱いも禁止しています。同条に直接の罰則はないと一般に理解されていますが、違反の解雇は労働契約法16条等により無効を主張でき、降格・減給などは民法709条の損害賠償請求の対象になりえます。
解説
年に数日、迷彩服を着て駐屯地に向かう会社員がいる。予備自衛官である。自衛隊法73条は、その人を採用の場面でも雇用中の場面でも、予備自衛官であることを理由に不利に扱うことを禁じている。1項は「何人も」とあり、求人をする者なら誰でも対象になる。つまり採用段階の不利益な扱いも禁止される。2項は使用者(雇い主)に向けたもので、予備自衛官であることだけでなく、予備自衛官に「なろうとしたこと」を理由とする解雇その他の不利益な扱いも禁じる。志願した段階から保護が始まるということだ。見落とされやすい点が一つある。この条文に違反しても、自衛隊法そのものには直接の罰則が置かれていないと一般に理解されている。守らせる手段は民事にある。解雇は労働契約法16条の解雇権濫用や強行規定違反として無効を主張でき、減給や降格などは民法709条の損害賠償の対象になりうる。罰則がないから無力なのではない。どう使うかを知っている人にだけ効く条文である
法的な位置づけ
自衛隊法73条は予備自衛官の雇用上の地位を保護する規定であり、1項で求人・採否決定における予備自衛官であることを理由とする不利益取扱いを何人に対しても禁止し、2項で使用者に対し、予備自衛官であること又はなろうとしたことを理由とする解雇その他の不利益取扱いを禁止する。
手順
- 1.不利益取扱いと理由を示す証拠を保存する 解雇・降格・減給・配置換え・評価引き下げの内容と、それが予備自衛官であることに結びついていると示す上司の発言やメールを、日時つきで記録・保存する
- 2.自衛隊地方協力本部に相談する 所属する自衛隊地方協力本部に事情を伝え、雇用主への説明や協力要請が可能かを相談する。社内で対立が深まる前に使うと効果的
- 3.解雇理由証明書を書面で請求する 解雇された場合は、労働基準法22条に基づき解雇理由証明書を会社に書面で請求し、会社が主張する理由を確定させる
- 4.労働局相談・労働審判・訴訟を検討する 労働局の総合労働相談コーナー、労働審判、訴訟の順で手段を検討する。解雇無効を争う場合は、他社に就職する前に弁護士へ相談する
よくある質問 AI による整理
Q1予備自衛官 会社にバレたら解雇される?
予備自衛官であることを理由とする解雇は自衛隊法73条2項で禁止されています。解雇されても無効を主張できる可能性が高いです。
Q2予備自衛官 採用面接で不利になる?
自衛隊法73条1項は、採否の決定で予備自衛官であることを理由に不利益に扱うことを禁じています。ただし理由の立証が争点になります。
Q3自衛隊法73条違反 罰則はある?
同条自体に直接の罰則はないと一般に理解されています。実効性は解雇無効の主張や損害賠償請求など民事上の手段で確保されます。
Q4予備自衛官補に応募しただけでも保護される?
2項は「予備自衛官になろうとしたこと」を理由とする不利益取扱いも禁じており、志願段階から保護が及ぶと読めます。
Q5訓練招集で休んだら欠勤扱いは違法?
無給扱い自体は直ちに違法とはいえませんが、欠勤として賞与や評価を下げるなど不利益を上乗せすると73条違反となりえます。
Q6予備自衛官を理由に解雇されたら何をすべき?
解雇理由証明書を書面で請求し(労基法22条)、関連発言を記録したうえで、労働局相談・労働審判・弁護士相談を検討します。
Q7予備自衛官を理由に配置換えされたら違法?
73条2項は解雇だけでなく「その他不利益な取扱」を禁じています。予備自衛官であることが理由なら配置換えも対象になりえます。
Q8予備自衛官を理由にした不利益 相談先はどこ?
所属する自衛隊地方協力本部、都道府県労働局の総合労働相談コーナー、弁護士が主な相談先です。早めの相談が有利です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1訓練で休んだ日の給料が出ないのは、不利益な扱いになりますか?
会社が訓練日を無給の休暇として扱うこと自体は、直ちに73条違反とはならないと一般には考えられている。問題になるのは、その日を欠勤とみなして賞与や評価を下げるなど、休んだこと以上の不利益を上乗せする場合である。実務のポイント:訓練招集の期間中は国から訓練招集手当が支給されるため(金額は最新の改正状況をご確認ください)、会社と交渉するときに「給料を補ってほしい」ではなく「評価に響かせないでほしい」と求めるほうが通りやすい
Q2会社にバレたくないんですが、予備自衛官だと申告する義務はありますか?
法律上、雇用主に申告する義務は特に定められていない。ただし73条の保護は「予備自衛官であることを理由とする」不利益に対するものなので、会社が知らなければ、そもそも理由として争う土台がない。実務のポイント:防衛省には予備自衛官等の雇用に協力する企業を認定する協力事業所表示制度があり、入札の加点などで優遇している自治体もある。勤務先が制度を知れば、協力する立場に回ることもある
間違えやすい点 AI による整理
- 「罰則がないなら、守らなくても実害はない」と考える経営者は多い。刑事罰がないことと、法的に無効にならないことは別の話である。73条違反の解雇は無効と主張される可能性が高く、無効になれば解雇期間中の賃金をまとめて支払う義務が生じうる。罰金よりはるかに大きな額になることも珍しくない
- 予備自衛官本人は「採用のときに黙っていれば問題ない」と考えがちだが、問いの立て方が逆である。隠すかどうかではなく、明かしたうえで不利益を受けたら争える立場にあるという点が要所だ。訓練招集は年に数日あり、隠したまま続ければいずれ無断欠勤と見られる危険のほうが大きい
- 社員の立場から見れば「訓練で休むだけ」だが、会社から見れば繁忙期の人員の穴である。この認識の落差を放置すると、明確な解雇ではなく配置換えや評価の引き下げという見えにくい形で不利益が積み重なる。73条が「解雇」と並べて「その他不利益な取扱」と書いている意味はここにある
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では後備軍人が召集に応じる期間中の原職保留などが規定され、召集を理由とする雇用上の不利益を抑制する仕組みがある(条番号は要確認)
韓国は予備軍の動員・訓練を理由とする解雇や不利益処遇を禁止し、日本より広範な予備戦力の職場保障を定める
ドイツは兵役・予備役勤務中の労働関係の保護を専門法で定め、解約告知の制限など日本より具体的な保護を置く
米国は軍務を理由とする雇用差別と報復を禁じ、復職権まで保障する。日本の73条より保護範囲・救済手段とも具体的である
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 訓練招集で5日間休むと上司に伝えたら、「そういう活動をするなら次の昇格は難しい」と言われた。社内の言葉として流される一言だが、73条2項の「その他不利益な取扱」に正面から当たりうる。言われた日付と言葉を、その日のうちにメモに残すこと
- 面接で趣味を聞かれ、予備自衛官だと答えた。その後、不採用の通知が来た。これは違法になるのか? 1項は採否の決定を明示的に規制している。ただし理由を証明するのは難しく、面接官の発言記録があるかどうかで結論が分かれる
- あなたは中小企業の社長である。人手不足の繁忙期に、若手社員が「予備自衛官補に応募したい」と言ってきた。思わず「うちでは困る」と口にしかけている。その一言が2項の「なろうとしたこと」を理由とする不利益取扱いの入口になる
- 大規模災害で災害招集がかかり、社員が2週間戻ってこなかった。復帰後、人事考課が最低ランクになっていた。不在期間を欠勤として機械的に評価したのか、予備自衛官であることを理由にしたのか。その線引きが争いの中心になる
- 解雇通知を受け取ってから、労働審判を申し立てるかどうか決めるまでの時間は長くない。離職票を受け取って転職活動を始めると、「復職の意思がない」と見られる材料を相手に渡すことになる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 不利益な扱いの内容(解雇・降格・減給・配置換え・評価)と、それが予備自衛官であることに結びついていると示す発言やメールを保存する2. 所属する自衛隊地方協力本部に事情を伝え、雇用主への働きかけが可能か相談する3. 解雇の場合は、解雇理由証明書を会社に書面で請求する(労働基準法22条) 4. 労働局の総合労働相談コーナー、労働審判、訴訟の順で手段を検討する。解雇無効を争うなら、ほかの会社に就職する前に弁護士へ相談する
訴えられた側:1. 問題となった処遇の理由が、予備自衛官であることなのか、業績・勤怠など客観的な事情なのかを文書で整理する2. 訓練招集による不在を欠勤として評価する仕組みがあれば、すぐに見直す3. 管理職に、採用面接や日常の会話で予備自衛官活動を否定する発言を控えるよう周知する4. 社員から申出があれば、懲戒や解雇ではなく協議で決着させる。訴訟になって解雇が無効と判断されれば、それまでの賃金をまとめて支払う危険がある
時効(請求できる期限):本条に固有の時効はない。損害賠償請求は民法724条により損害と加害者を知った時から3年、賃金請求は労働基準法115条により5年(当分の間は3年、最新の改正状況をご確認ください)。解雇の無効を争う場合、期間が空くほど復職の意思を疑われるので、できるだけ早く動くべきである
学説
一般的理解:自衛隊法73条には直接の罰則規定がなく、違反行為の効力は私法上の問題として処理される。解雇は労働契約法16条の解雇権濫用や強行規定違反として無効、その他の不利益取扱いは不法行為として損害賠償の対象となりうると解されている
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和29年(1954年) 新設:自衛隊法(昭和29年法律第165号)の制定により、予備自衛官制度とともに規定された
- 自衛隊法 第66条予備自衛官の設置と任務
- 自衛隊法 第70条防衛招集・災害招集等、職場を離れる根拠
- 自衛隊法 第71条訓練招集、年間の訓練出頭義務
- 自衛隊法 第75条の8即応予備自衛官への準用(現行効力を要確認)
- 労働契約法 第16条解雇権濫用による解雇の無効
- 労働基準法 第22条解雇理由証明書の交付請求
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