銃砲刀剣類所持等取締法 第36条
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第三十二条第三号に規定する犯罪に係る銃砲又は刀剣類で当該犯人が所有し、又は占有するものは、没収することができる。ただし、犯罪の後犯人以外の者が情を知らないで当該銃砲又は刀剣類を取得したと認められる場合においては、この限りでない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 銃砲刀剣類所持等取締法第36条は、日本の銃砲刀剣類所持等取締法に含まれる条文です。
- 銃砲刀剣類所持等取締法第36条の条文原文は「第三十二条第三号に規定する犯罪に係る銃砲又は刀剣類で当該犯人が所有し、又は占有するものは、没収することができる。ただし、犯罪の後犯人以外の者が情を知らないで当該…」で始まります。
- 銃砲刀剣類所持等取締法第36条は第五章に置かれています。
- 銃砲刀剣類所持等取締法の公布日は昭和33年3月10日です。
- 銃砲刀剣類所持等取締法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 銃砲刀剣類所持等取締法第36条の前の条は銃砲刀剣類所持等取締法第35条です。
- 銃砲刀剣類所持等取締法第36条の次の条は銃砲刀剣類所持等取締法第37条です。
- 銃砲刀剣類所持等取締法第36条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
銃砲刀剣類所持等取締法(昭和三十三年法律第六号)第36条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/333AC0000000006 - 本サイト収録
銃砲刀剣類所持等取締法(昭和三十三年法律第六号)第36条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/333AC0000000006/36
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点銃砲刀剣類所持等取締法36条は、32条3号の届出義務違反に係る犯人所有・占有の銃砲刀剣類を没収できると定める。ただし犯罪後に善意の第三者が取得した場合は没収できない。
Q · 相続した日本刀の届出を忘れていたら、刀を取り上げられるの?
裁判所の裁量で没収されうるが、善意の第三者取得なら没収されない
銃砲刀剣類所持等取締法36条により、登録刀剣類を相続・譲受けした後20日以内の届出(17条1項)を怠った罪(32条3号)に係る刀剣類は、犯人が所有又は占有していれば裁判所が没収することができます。没収は「できる」規定のため、実際に没収するかは裁判所の判断です。また犯罪後に事情を知らない第三者が取得した場合は没収できません。まず教育委員会への届出を済ませることが最優先です。
解説
祖父の形見の日本刀が、白鞘に入って押し入れで眠っている。登録証も一緒にある。だから合法、と安心している家は多い。ところが盲点がある。登録を受けた刀剣類や古式銃砲を相続・譲受け・貸付け・保管委託したら、20日以内に登録した都道府県の教育委員会へ届け出なければならない(同法17条1項)。これを怠るか虚偽の届出をすると、1年以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金の対象になる(32条3号)。本条はその先の追い打ちを定める。その刀が犯人の所有物か占有物なら、裁判所は刀そのものを没収できる。罰金は最高30万円でも、没収されるのは数百万円の値がつくこともある美術刀である。ただし「できる」規定なので、没収するかどうかは裁判所の判断に任される。また、犯罪の後に事情を知らない第三者が取得した場合は没収できない。届出一枚を出したかどうかで、家宝が手元に残るかどうかが決まる
法的な位置づけ
銃砲刀剣類所持等取締法36条は、同法32条3号に規定する届出義務違反の罪に係る銃砲又は刀剣類のうち、犯人が所有又は占有するものについて任意的没収を認める規定である。刑法19条の没収の一般規定に対する特則として機能し、犯罪後に情を知らない第三者が取得した物は没収の対象から除外される。
よくある質問 AI による整理
Q1銃刀法の没収とは何ですか?
刑罰に付け加えて、犯罪に関係した銃砲や刀剣類そのものの所有権を国が取り上げる処分です。銃刀法36条は届出義務違反に係る刀剣類を対象にしています。
Q2登録刀剣の名義変更の届出はいつまでに必要?
相続・譲受け・貸付け・保管委託などの時から20日以内です(銃刀法17条1項)。届出先は登録をした都道府県の教育委員会です。
Q3届出違反の刀は必ず没収されますか?
必ずではありません。銃刀法36条は「没収することができる」と定める任意的没収で、没収するかどうかは裁判所が事案ごとに判断します。
Q4中古で買った日本刀が没収されることはある?
前の持ち主の届出違反の後に、事情を知らずに取得した場合は36条ただし書により没収できません。ただし自分の取得の届出は20日以内に別途必要です。
Q5日本刀の届出を忘れたら罰金はいくら?
32条3号により1年以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金の対象になります。これとは別に、36条により刀そのものが没収される可能性があります。
Q6登録刀剣の届出に必要な書類は?
一般に届出書と登録証の写し等が求められますが、様式や添付書類は都道府県教育委員会ごとに異なります。事前に窓口へ確認するのが確実です。
Q7銃刀法の届出違反は時効がある?
32条3号の罪の公訴時効は3年とされます(刑事訴訟法250条2項6号)。起算点の考え方には解釈の余地があるため、放置せず早めの届出が安全です。
Q8家族名義のまま日本刀を持っているのは違法?
相続等で所有者が変わったのに届出をしていなければ、17条1項の届出義務違反になりえます。登録証の所有者欄と実際の持ち主が一致しているか確認が必要です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1おじいちゃんが死んで刀を相続したけど、もう半年経ってます。捕まりますか?
期限の20日(17条1項)を過ぎているので、形式的には32条3号の違反になり、本条による没収の対象にもなりえます。ただ、届出の遅れだけでただちに立件される例は多くないとみられます。最優先は今すぐ教育委員会に届け出ることです。実務のポイント:自治体によっては、遅れた事情を書いた書面を添えれば受理する運用があります。隠し続けるほど、後で発覚したときの悪質性の評価は重くなります
Q2研ぎに出すときも、いちいち教育委員会に届けないとダメなの?
不要です。試験・研究・研磨・修理、または展示で公衆の観覧に供するための貸付けや保管委託は、17条2項により届出が免除されています。実務のポイント:届出は免除されても、刀を預けるときは登録証を一緒に渡す必要があります(18条1項)。刀だけ研師に送り、登録証を自宅に残したまま運送させると、そちらが別の違反(35条2号)になります
Q3登録証がない刀が家から出てきた場合も、教育委員会でいいんですか?
違います。登録証のない刀剣類は、まず最寄りの警察署に発見届を出します(23条)。そのあと、教育委員会の登録審査を受けて美術品として登録されれば、合法的に持ち続けられます(14条)。実務のポイント:審査は年に数回しか開かれない都道府県もあります。発見届の受理証明を大切に保管しておけば、審査を待つ間の所持の説明に困りません
間違えやすい点 AI による整理
- 「登録証があるから、誰が持っていても合法」と考えがちだが、登録は刀そのものに付くもので、持ち主が変わった事実は別に届け出る仕組みになっている。登録証が有効であることと、今の持ち主が届出義務を果たしたかどうかは、法律上まったく別の問題である
- 届出を怠っても最高30万円の罰金で済むと甘く見る人がいる。だが本条による没収は刑とは別の付加刑であり、対象は刀そのものである。名刀なら罰金の何十倍もの価値が一度に失われる。本当の痛みは罰金ではなく没収にある
- 「警察に届けるものだ」と思い込み、相続した登録刀剣を持って警察署に行く人がいる。登録刀剣の名義変更の届出先は、登録をした都道府県の教育委員会である。警察への届出が必要なのは、登録証のない刀剣類を発見・拾得した場合(23条)である。窓口を間違えている間にも20日は過ぎていく
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の役割 | 銃刀法36条:違反に係る刀剣類そのものの没収(付加刑) | 銃刀法32条:届出義務違反などに対する主刑(拘禁刑・罰金) 銃刀法17条:譲受け・相続等の20日以内の届出義務 |
| 対象 | 32条3号の罪に係る銃砲・刀剣類で犯人が所有又は占有するもの | 違反行為をした者(人) 登録を受けた銃砲・刀剣類を取得等した者 |
| 裁量・例外 | 任意的没収。犯罪後に善意の第三者が取得した場合は没収不可 | 法定刑の範囲内で裁判所が量刑 研磨・修理・展示目的の貸付け等は届出免除(17条2項) |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾では刀械の所持は許可制で管理され、没収は刑法総則の没収規定が基本となる。日本のような美術刀剣の登録制度に対応する仕組みはない
ドイツ武器法も違反に係る武器の没収(Einziehung)を定め、刑法典の一般規定を補完する構造は日本と類似する
米国連邦法は銃器関連違反に係る銃器の没収(forfeiture)を定めるが、刀剣類を対象とする連邦レベルの登録制度はない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 四十九日の法要が終わり、遺品整理で父の蔵から登録証付きの脇差が三振り出てきた。兄弟で誰が継ぐか揉めているうちに一か月が過ぎた。名義変更の届出は、誰も出していない
- 骨董市で登録証付きの刀を買った。売主が前の持ち主からの取得を届け出ていなかったと後で知ったら、自分の刀も没収されるのか? 購入時に事情を知らなかったなら、本条ただし書により没収はできない。ただ、自分自身の20日以内の届出は別に必要である
- あなたは居合道の師範で、門下生に真剣を長期間貸したが届け出ていない。研ぎや修理、展示のための貸付けなら届出は不要だが(17条2項)、稽古用に貸すのはその例外に当たらない
- 友人の刀剣コレクターが亡くなり、遺族から「刀を引き取ってほしい」と連絡が来た。譲り受けた日から数えて20日しかない。登録証が刀と一緒に渡されているか(18条)を受取りの場で確認しないと、届出の書類すら揃わない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 登録証付きの刀剣類を相続・購入・預かったら、取得日を記録する2. 登録証に記載された登録元の都道府県教育委員会へ、20日以内に所有者変更などの届出をする(17条1項) 3. 期限を過ぎていたら放置しない。遅れた経緯を添えてすぐ届け出る。遅延届の扱いは自治体ごとに違うので窓口で確認する4. 購入した刀の前の持ち主に届出漏れがあった場合に備え、購入時に事情を知らなかったことを示す取引記録を保存する
訴えられた側:1. 届出漏れを指摘されたら、まず届出を済ませて違反状態を解消する2. 没収は必要的ではなく任意的なので、弁護人を通じて届出の遅れが単純な失念であったこと、刀の文化的価値、保管状況が適正であることを示し、没収しないよう主張する3. 刀が自分の所有物ではなく借り物や預かり物の場合は、所有者に第三者として手続に参加する権利がある(刑事事件における第三者所有物の没収手続に関する応急措置法)。所有者にすぐ知らせる
時効(請求できる期限):届出期限は、譲受け・相続による取得・貸付け・保管委託・返還の時から20日以内(17条1項)。32条3号の罪は法定刑の長期が5年未満の拘禁刑なので、公訴時効は3年(刑事訴訟法250条2項6号)。起算点は届出期限が経過した時と解するのが一般的だが、届出をしない状態が続く限り犯罪も続くとみるかどうかは解釈が分かれうる(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:刑法19条の没収対象(組成物・供用物・生成物等)には届出義務違反の対象物が当然には含まれないため、行政取締の実効性確保の観点から本条が特則として没収を認めたと解される。任意的没収である以上、刀剣類の文化的価値や違反の軽重を考慮した裁量行使が求められる
- 銃砲刀剣類所持等取締法 第32条没収の前提となる届出義務違反の罰則
- 銃砲刀剣類所持等取締法 第17条譲受・相続等の20日以内届出義務
- 銃砲刀剣類所持等取締法 第14条美術刀剣・古式銃砲の登録制度
- 銃砲刀剣類所持等取締法 第34条拘禁刑と罰金の情状併科
- 銃砲刀剣類所持等取締法 第37条刀剣商等法人への両罰規定
- 刑法 第19条没収の一般規定に対する特則
- 刑事事件における第三者所有物の没収手続に関する応急措置法 第2条第三者所有物没収時の告知手続
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