国民健康保険法 第121条の2
クイックジャンプ
第百十一条の二第六項の規定による命令に違反した者は、一年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 国民健康保険法第121条の2は、日本の国民健康保険法に含まれる条文です。
- 国民健康保険法第121条の2の条文原文は「第百十一条の二第六項の規定による命令に違反した者は、一年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。」で始まります。
- 国民健康保険法第121条の2は第十二章に置かれています。
- 国民健康保険法の公布日は昭和33年12月27日です。
- 国民健康保険法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 国民健康保険法第121条の2の前の条は国民健康保険法第121条です。
- 国民健康保険法第121条の2の次の条は国民健康保険法第122条です。
- 国民健康保険法第121条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
国民健康保険法(昭和三十三年法律第百九十二号)第121条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/333AC0000000192 - 本サイト収録
国民健康保険法(昭和三十三年法律第百九十二号)第121条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/333AC0000000192/121_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点国民健康保険法121条の2は、被保険者記号・番号の告知要求をやめるよう命じた厚生労働大臣の命令に違反した者を、1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金に処する。
Q · 保険証の記号・番号を集めていた会社は、すぐに逮捕されるんですか?
いいえ。命令に従わなかった場合に初めて刑罰が来ます
国民健康保険法121条の2が処罰するのは、111条の2第6項の中止命令に違反した行為です。番号の告知を求めただけでは刑罰は発動しません。厚生労働大臣がまず中止を勧告し、従わないときに履行期限付きの命令を出し、その命令を破った時点で1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金の対象になります。さらに123条の2の両罰規定により、実行した従業者個人だけでなく法人にも罰金が科されます。勧告書が届いた段階で是正すれば、刑事手続には進みません。
解説
生命保険の申込書、賃貸の入居審査、転職サイトの登録フォーム。そこで「健康保険証の記号・番号を記入してください」と求められた経験はないだろうか。2020年10月以降、それは法が禁じた行為になりうる。国民健康保険法111条の2第3項は、業として行う取引で、契約を申し込む者や契約した相手に対し被保険者記号・番号等の告知を求めることを原則禁止した。第4項は、その番号を含み外部提供が予定されたデータベースを業として構成することも禁じる。違反しただけで刑罰は来ない。厚生労働大臣がまず中止を勧告し、従わないときに期限付きの命令を出す。この命令を破って初めて発動するのが121条の2、1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金だ。さらに123条の2の両罰規定で、担当者個人だけでなく会社にも罰金が科される。協会けんぽや健保組合の番号にも健康保険法194条の2が同じ仕組みを置く。断るのは法が想定した行動だ。
法的な位置づけ
国民健康保険法121条の2は、被保険者記号・番号の告知要求制限(同法111条の2第3項・第4項)に係る厚生労働大臣の中止命令に違反した者に対する罰則規定である。法定刑は1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金であり、勧告および履行期限付きの命令を前置する間接罰の構造をとる。
よくある質問 AI による整理
Q1国民健康保険法121条の2とは何ですか?
被保険者記号・番号の告知要求をやめるよう求めた厚生労働大臣の命令(111条の2第6項)に違反した者を、1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金に処する罰則規定です。
Q2保険証の記号・番号を聞くのはいつから制限されたのですか?
令和元年改正により111条の2の告知要求制限が新設され、関係規定は2020年10月1日に施行されました。番号の個人単位化(枝番の付与)と同じタイミングです。
Q3番号の告知を求めてよい例外はありますか?
あります。111条の2は厚生労働省令で定める場合を例外として残しています。保険診療や資格確認など、制度上番号の授受が必要な場面は禁止の対象外です。
Q4違反した会社の名前は公表されますか?
勧告や命令の事業者名公表は制度として定められていません。外部から違反の有無は見えにくく、実効的な端緒は厚生労働省への情報提供と111条の3の報告徴収・立入検査です。
Q5中止命令はどのような手続で出されますか?
まず反復のおそれが認められる場合に中止の勧告が行われ、勧告に従わないときに履行期限を付した命令が発せられます(111条の2第6項)。刑罰はこの命令違反にのみ及びます。
Q6拘禁刑と懲役は何が違うのですか?
令和4年公布・令和7年6月1日施行の刑法等改正で懲役と禁錮が拘禁刑に一本化されました。本条も懲役から拘禁刑へ置き換わり、刑期の上限と罰金額に変更はありません。
Q7協会けんぽや健保組合の番号も同じ規制ですか?
はい。被用者保険側は健康保険法194条の2が同内容の利用制限を置いています。国民健康保険か被用者保険かで、規制の考え方に差はありません。
Q8マイナンバーの提供制限とどう違うのですか?
マイナンバー法15条が立法モデルですが、対象が個人番号ではなく被保険者記号・番号である点、制裁が勧告と命令を前置する間接罰である点が異なります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1保険証の番号を聞かれたら、断っていいんですか?
原則として断ってよい。国民健康保険法111条の2第3項は、業として行う取引で契約の申込者や相手方に記号・番号の告知を求めること自体を禁じている。実務のポイント:この規制の勧告や命令は事業者名が公表される手続ではなく、外からは違反の有無が見えない。実効的な苦情の入口は厚生労働省の担当部局への情報提供で、そこから111条の3の報告徴収や立入検査が動く
Q2うっかり集めてしまった番号は、どうすればいいですか?
収集済みの番号を削除し、入力欄と業務手順から外す。刑罰の対象はあくまで111条の2第6項の命令違反であり、勧告が出る前に自主的に是正すれば刑事責任には至らない。実務のポイント:111条の3で厚生労働大臣は報告徴収と立入検査ができ、報告拒否や虚偽報告は122条の2で30万円以下の罰金になる。命令違反より先に、検査対応の段階でつまずく事例のほうが現実には起きやすい
Q3罰せられるのは会社ですか、担当した社員ですか?
両方である。121条の2は命令に違反した者を1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金とし、123条の2の両罰規定が、従業者が業務に関して違反したときは法人にも同じ罰金刑を科すと定める。実務のポイント:法人に科されるのは罰金だけで、拘禁刑を受けうるのは行為者である自然人だ。社内で反対意見を書面に残した記録の有無が、後の行為者特定と量刑の分かれ目になる
間違えやすい点 AI による整理
- 保険証の記号・番号は氏名や住所と同じ単なる識別子だと思われている。だが法律はこれだけを特別扱いした。理由は名寄せだ。番号一つで、いつどの医療機関にかかったかという情報へ到達する経路が開く。氏名や住所には存在しない「告知を求める行為そのものの禁止」が、番号にだけ課されているのはそのためである
- 「違反しても行政指導どまりだろう」という理解は、半分は正しい。実際に勧告で収束する事案が大半なのは事実だ。見落とされているのは深刻度のほうで、123条の2の両罰規定により、命令違反が成立した瞬間に実行した従業者個人と法人の両方が処罰対象になる。前科が残るのは法人ではなく担当者個人である
- 「うちは番号を保管していないから大丈夫か」という問いの立て方が、すでにずれている。111条の2第3項が禁じたのは保管ではなく、告知を求める行為そのものだ。フォームに入力欄を置いた時点、口頭で聞いた時点で規制の射程に入る。集めた後にどう扱ったかは、その先の別問題にすぎない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 処罰される行為 | 121条の2:111条の2第6項の中止命令への違反 | 122条の2:111条の3の報告拒否・虚偽報告・検査忌避 120条の2:保険者の役職員等による秘密漏示 |
| 法定刑 | 1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金 | 30万円以下の罰金(拘禁刑なし) 秘密保持義務違反に対する罰則(対象は保険者側) |
| 行政処分の前置 | 勧告 → 履行期限付き命令を経て初めて成立する間接罰 | 前置不要、検査時点の拒否・忌避で直ちに成立 前置不要、漏示行為自体で成立 |
| 両罰規定(123条の2) | 適用あり、法人にも罰金 | 適用あり、法人にも罰金 主体が保険者の役職員等に限定される |
他国ではどう定めているか 6 か国
台湾は医療情報を特種個資として蒐集利用を制限し、主管機関の限期改正命令に従わない場合に罰鍰を科す。日本と異なり制裁は行政罰であり、刑事罰ではない点が対照的
韓国は固有識別情報の処理を原則禁止し、是正命令違反に制裁を置く。識別子そのものを類型化して規制する構造は日本の告知要求制限と近い
中国は医療健康情報を敏感個人情報とし、是正命令に従わない場合に過料・業務停止等を科す。行政制裁中心で、間接罰としての自由刑は置かれていない
ドイツは EU 一般データ保護規則により健康データを特別カテゴリとし、監督機関の命令違反に高額の制裁金を科す。金額水準は日本の50万円と桁が異なる
フランスは CNIL が mise en demeure(催告)を経て制裁を科す二段構造をとり、勧告・命令を前置する日本の設計と機能的に類似する
米国は対象事業者の範囲を限定したうえで、健康情報の不正取得・開示に刑事罰を置く。識別番号の「告知を求める行為」自体を禁じる規定は持たない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし転職エージェントの登録フォームに「健康保険証の記号・番号」の必須入力欄があったら、どうなる? 業として利用契約の申込みを受ける立場でこれを求める行為は、111条の2第3項の射程に入る。厚生労働省へ情報提供すれば勧告の端緒になり、反復のおそれが認められれば中止勧告が飛ぶ
- あなたはマーケティング会社で顧客データベースの設計を担当している。厚生労働省から中止命令が届き、履行期限は残り30日。入力欄を残したまま期限を越えれば、被告人席に立つのは設計したあなた個人で、会社にも同額の罰金が科される。稟議を通した上長ではなく、実行者が行為者になる
- 保険代理店の窓口で、担当者が保険証の番号をそのまま端末に打ち込んでいる。それが契約申込みの手続の一部なら、原則禁止側の行為だ。
- 賃貸の入居審査で保証会社から保険証のコピー提出を求められた友人が、あなたに相談してきた。本人確認のための提示と、記号・番号の告知を求める行為は法的に別物である。番号部分をマスキングして出すという一手を知っているかどうかで、その番号が第三者のデータベースに残るかが変わる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 求められた画面や書面を保存し、いつ誰にどの番号を求められたかを記録する2. 目的が本人確認なら、記号・番号をマスキングした写しで足りるかを先に確認する3. 引き下がらない相手には国民健康保険法111条の2第3項を名指しで指摘する4. それでも改まらなければ厚生労働省の担当部局へ情報提供する。勧告と命令の端緒は行政が握っており、個人が訴えるよりこの通報経路のほうが実効性を持つ
訴えられた側:1. 勧告書が届いたら履行期限を最優先で確認する。ここで止めれば刑事手続には進まない2. Webの入力欄、紙の申込書、コールセンターのトークスクリプトを同時に点検し、番号を求める導線を全部塞ぐ3. 保存済みデータは削除ログを残して消去する4. 111条の3の報告徴収や立入検査を正当な理由なく拒まない。拒否や虚偽報告は122条の2の別罪になる5. 個人情報保護と行政刑罰の双方に対応できる弁護士を選ぶ
時効(請求できる期限):命令には厚生労働大臣が定める履行期限が付され(111条の2第6項)、その期限を徒過した時点で違反が成立する。公訴時効は法定刑が1年以下の拘禁刑であることから刑事訴訟法250条2項6号により3年(最新の改正状況をご確認ください)。起算の基準になるのは勧告書ではなく命令書に記載された期限日である
改正沿革 AI による整理
- 令和元年(2019年) 医療保険制度の適正かつ効率的な運営を図るための健康保険法等の一部を改正する法律により新設。被保険者記号・番号の個人単位化に合わせ、111条の2で告知要求制限と提供データベース構成禁止を設け、その命令違反への罰則として本条が追加された。関係規定の施行は2020年10月1日
- 令和4年(2022年)公布、令和7年(2025年6月1日)施行 刑法等の改正に伴う関係法律の整理により、法定刑の「懲役」が「拘禁刑」へ置き換えられた。刑期の上限と罰金額に変更はない
改正の年表
- 1.令和元年(2019年) 新設:医療保険制度の適正かつ効率的な運営を図るための健康保険法等の一部を改正する法律により新設。被保険者記号・番号の個人単位化に合わせ、111条の2で告知要求制限と提供予定データベース構成の禁止を設け、その命令違反に対する罰則として本条が追加された。関係規定の施行は2020年10月1日
- 2.令和4年(2022年)公布・令和7年(2025年)6月1日施行 改正:刑法等の改正に伴う関係法律の整理により、法定刑の「懲役」が「拘禁刑」に置き換えられた。刑期の上限と罰金額に変更はない
- 国民健康保険法 第111条の2処罰対象となる中止命令の根拠、告知要求とデータベース構成の禁止
- 国民健康保険法 第111条の3命令に至る前段階の報告徴収及び立入検査の権限
- 国民健康保険法 第122条の2報告拒否・虚偽報告・検査忌避に対する30万円以下の罰金
- 国民健康保険法 第123条の2両罰規定、本条違反につき法人にも罰金刑を科す
- 国民健康保険法 第120条の2保険者役職員の秘密漏示罪、情報保護罰則としての比較対象
- 健康保険法 第194条の2被用者保険側の記号・番号について同内容の利用制限を定める
- 行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律 第15条個人番号の提供を求めることの制限、本条の立法モデル(通称 マイナンバー法)
- 個人情報の保護に関する法律 第20条適正な取得義務、告知要求規制と重畳的に適用される一般規範
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める