国民健康保険法 第122条の2
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正当な理由なしに第百十一条の三第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による当該職員の質問に対して、正当な理由なしに答弁せず、若しくは虚偽の答弁をし、若しくは正当な理由なしに同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者は、三十万円以下の罰金に処する。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 国民健康保険法第122条の2は、日本の国民健康保険法に含まれる条文です。
- 国民健康保険法第122条の2の条文原文は「正当な理由なしに第百十一条の三第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による当該職員の質問に対して、正当な理由なしに答弁せず、若しく…」で始まります。
- 国民健康保険法第122条の2は第十二章に置かれています。
- 国民健康保険法の公布日は昭和33年12月27日です。
- 国民健康保険法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 国民健康保険法第122条の2の前の条は国民健康保険法第122条です。
- 国民健康保険法第122条の2の次の条は国民健康保険法第123条です。
- 国民健康保険法第122条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
国民健康保険法(昭和三十三年法律第百九十二号)第122条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/333AC0000000192 - 本サイト収録
国民健康保険法(昭和三十三年法律第百九十二号)第122条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/333AC0000000192/122_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点国民健康保険法122条の2は、正当な理由なく報告徴収・質問・検査を拒み、虚偽の報告や答弁をした者を三十万円以下の罰金に処する。過料ではなく刑事罰である。
Q · 役所の立入検査を断ったら、本当に罰金になるんですか?
正当な理由なく拒めば三十万円以下の罰金。前科も残る
国民健康保険法122条の2は、同法111条の3第1項に基づく報告徴収・質問・検査に対し、正当な理由なく報告をしない、虚偽報告をする、答弁しない、虚偽答弁をする、検査を拒み妨げ忌避する行為を、三十万円以下の罰金としています。罰金は行政上の過料と異なり刑事罰であり、略式命令で納付しても前科として残ります。ただし構成要件に「正当な理由なしに」が組み込まれているため、代替日の提示など応じる姿勢を記録に残せば、処罰圏の外に出る余地があります。
解説
「三十万円以下の罰金」。この一句を行政の軽い制裁と読んだなら危ない。罰金は刑事罰である。科されれば前科が残り、手続は刑事訴訟法に乗る。役所が科す過料(秩序罰、前科は残らない)とは別物だ。国民健康保険法122条の2が処罰するのは、111条の3第1項に基づく報告徴収と質問検査に対する三つの行為。①報告をしない、または虚偽の報告をする、②質問に答弁しない、または虚偽の答弁をする、③検査を拒み、妨げ、忌避する。どれも頭に「正当な理由なしに」が付いている。ここがあなたの防御線だ。多忙、担当者不在、書類の所在不明。それが正当な理由になるかどうかは、検査当日のあなたの態度ではなく、残した記録で決まる。何をどう申し出たか、代替日を提示したか、書面にしたか。「拒んだ」という事実だけが調書に残れば、後から「理由はあった」と言っても通らない。
法的な位置づけ
国民健康保険法122条の2は、同法111条の3第1項の報告徴収権および質問検査権の実効性を刑罰により担保する罰則規定である。正当な理由のない不報告、虚偽報告、答弁拒否、虚偽答弁、検査の拒否・妨害・忌避を構成要件とし、法定刑を三十万円以下の罰金に限定する。行政上の秩序罰たる過料とは制度系統を異にする。
よくある質問 AI による整理
Q1国民健康保険法122条の2とは何ですか?
111条の3第1項の報告徴収・質問検査に対し、正当な理由なく拒否や虚偽対応をした者を三十万円以下の罰金に処する罰則規定です。刑事罰であり過料ではありません。
Q2罰金と過料はどう違いますか?
罰金は刑事罰で前科が残り、刑事訴訟法の手続に乗ります。過料は行政上の秩序罰で非訟事件手続により処理され、前科は残りません。制度系統が別です。
Q3立入検査の日程変更をお願いするのは拒否になりますか?
日程調整の申出自体は拒否ではありません。具体的な代替日を示し、その記録を残していれば「正当な理由なしに忌避した」との認定は困難になります。
Q4正当な理由とは具体的に何ですか?
条文に定義はなく個別判断ですが、担当者の急病や書類の物理的滅失など客観的に応じられない事情が典型です。同時点の記録の有無が立証を左右します。
Q5うっかり間違って答えたら虚偽答弁になりますか?
虚偽答弁は故意を要するため、記憶違いは原則として当たりません。ただし確認可能なのに断定した内容が事実と異なる場合、未必の故意を疑われる余地は残ります。
Q6検査を拒否したら逮捕されますか?
本条の法定刑は罰金のみで、懲役刑はありません。通常は略式命令による罰金で処理されますが、刑事手続である以上、捜査対象となる可能性はあります。
Q7この罪の公訴時効は何年ですか?
罰金のみを定める罪のため公訴時効は3年です(刑事訴訟法250条2項)。起算点は犯罪行為が終わった時とされます(同253条1項)。
Q8罰金を受けると医療機関の指定に影響しますか?
保健医療に関する法律違反による罰金刑は、保険医療機関・保険薬局の指定拒否や取消しの判断要素になりうるとされています(健康保険法65条)。
この条文についての質問 AI による整理
Q1役所の検査、都合が悪いから日を変えてくださいって言うのも「拒否」になるんですか?
日程調整の申出そのものは拒否ではない。122条の2が罰するのは「正当な理由なしに」拒み、妨げ、忌避した場合であり、具体的な代替日を示して応じる姿勢を残していれば忌避の認定は難しくなる。実務のポイント:口頭だけの申出は記録に残らない。その日のうちにメールで日程案を送り、送信記録を保存しておく。半年後の立証でここが効く
Q2うっかり間違ったことを答えてしまったら、虚偽答弁になりますか?
虚偽答弁は故意を要するため、記憶違いや単純な誤りは原則として「虚偽」に当たらない。ただし確認可能なのに確認せず断定した内容が事実と違えば、未必の故意を疑われる余地は残る(実務上、解釈が分かれている)。実務のポイント:その場で断定せず「確認のうえ書面で回答します」と述べる。答弁拒否にもならず虚偽答弁も避けられる、唯一の言い方だ
Q3罰金三十万円って、払えば終わりですよね?
終わらない。罰金は刑事罰なので、略式命令で納付しても前科として残る。さらに保健医療に関する法律違反による罰金刑は、保険医療機関・保険薬局の指定拒否や取消しの判断要素になりうる(健康保険法65条)。実務のポイント:略式手続には同意しないという選択肢がある。争う余地があるなら、書面が来た段階で必ず弁護士に見せてから同意欄を埋める
間違えやすい点 AI による整理
- 「役所が科すものだから過料だろう、払えば終わる」と思われがちだが、本条は罰金である。罰金は刑事罰であり、略式命令で納付しても前科として記録に残る。行政上の秩序罰である過料(前科は残らない、非訟事件手続で処理される)とは、そもそも別の制度系統に属する
- 「拒否すれば罰せられる、だから全部出すしかない」。この問いの立て方自体が誤っている。罰せられるのは111条の3第1項の権限の範囲内にある報告・質問・検査を正当な理由なく拒んだ場合に限られる。問うべきは「拒めるか」ではなく「どこまでが応じる義務の範囲か」であり、範囲外の要求に応じなくても本条の罪は成立しない
- あなたから見れば「今は無理だが、後日きちんと出せばいい書類」である。法から見れば、正当な理由なく期限までに報告しなかった時点で行為は完成している。この落差が危ない。後日提出は情状として考慮されうるが、成立してしまった行為を消すものではない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 国保法122条の2:111条の3第1項の報告徴収・質問検査への不応答 | 国保法111条の3:報告徴収・質問検査の権限そのもの 国保法122条:同じ罰則章の直前条(法定刑の比較基準) |
| 制裁の性質 | 刑事罰(罰金)、前科が残る | 制裁規定ではなく権限規定 刑事罰(条文により法定刑が異なる) |
| 免責の入口 | 「正当な理由なしに」の不存在=構成要件不該当 | 権限の範囲外の要求には応じる義務がない 各条の構成要件による |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は同種の査核拒否に対し行政罰(罰鍰)を科す構成で、日本のように刑事罰たる罰金を用いていない点が大きな差異
韓国は検査拒否等を過怠料(과태료)で処理する構成が中心で、刑事罰化の度合いが日本より低い
ドイツは社会保険関係の報告・検査義務違反を秩序違反法上の Bußgeld(過料)で処理し、刑事罰と明確に区別する
米国は民事制裁金(Civil Monetary Penalties)と医療保険プログラムからの排除(exclusion)を組み合わせる点が特徴
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 検査の予告が届いて実施日まであと三日。経理担当は入院中で、原本の所在も分からない。電話一本で「その日は無理です」と伝えただけで済ませたら、何が起きる? 調書に残るのは「拒んだ」という一行だけだ。代替日を具体的に書面で出したかどうかが、三十万円の分かれ目になる
- 質問された書類の数字を、うろ覚えのまま「たしか〇〇だったと思います」と答えた。後で実際と違うと判明する。あなたに悪意はない。だが「虚偽の答弁」の疑いがかかった瞬間、説明の主導権は完全に相手側へ移る
- 検査官が奥の書棚に手を伸ばした。あなたは反射的に「そこは関係ありません」と体で遮った。妨害と書かれるのは、その一瞬である
- 取引先の医療機関から「役所の検査が入って、答弁を断ってしまった。まずいか」と相談された。あなたが最初に聞くべきは断った理由ではない。断ったことを書面に残したか、代替日を示したか。その二点だけが後の結論を動かす
取るべき行動
被害を受けた側:1. 検査を妨害された側(保険者・行政)であれば、拒否と虚偽の事実を時系列で記録化する。誰が、いつ、どの書類について、どう断ったかを調書に落とす2. 相手の「正当な理由」主張を潰すため、代替日の提示と再要請を書面で行い、それにも応じなかった経過を残す3. 内部者として報告拒否や不正の実態を知った場合、まず保険者または都道府県の担当課へ。刑事告発は最終手段で、行政調査ルートに乗せる方が実際には速く動く
訴えられた側:1. その場で「拒否します」と言わない。「本日は担当者不在のため、〇月〇日に対応する」と具体的な代替案を口頭と書面の両方で出す2. 質問には推測で答えず「確認のうえ書面で回答する」と述べる。答弁拒否にも虚偽答弁にもならない3. 権限の範囲外と思われる資料要求には、根拠条文の提示を求める。範囲外であれば応じなくても「正当な理由なし」にはならない4. 略式命令の書面が届いたら、同意欄にサインする前に弁護士に見せる
時効(請求できる期限):罰金のみを定める罪であるため、公訴時効は3年(刑事訴訟法250条2項)。起算点は犯罪行為が終わった時(同253条1項)。報告拒否のような不作為が続いた場合にいつ行為が終わったと見るかは、実務上、解釈が分かれている
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