国民健康保険法 第75条(都道府県及び市町村の補助及び貸付)
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都道府県及び市町村は、第七十二条の三第二項、第七十二条の三の二第三項、第七十二条の三の三第三項及び第七十二条の四第三項に規定するもののほか、国民健康保険事業に要する費用(前期高齢者納付金等及び後期高齢者支援金等、介護納付金、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律の規定による流行初期医療確保拠出金等(以下「流行初期医療確保拠出金等」という。)並びに子ども・子育て支援納付金の納付に要する費用を含む。)に対し、補助金を交付し、又は貸付金を貸し付けることができる。
この条文の基本情報
都道府県及び市町村の補助及び貸付とは何ですか?
定義都道府県及び市町村の補助及び貸付とは、国民健康保険法第75条に定められた規定で、「都道府県及び市町村は、第七十二条の三第二項、第七十二条の三の二第三項、第七十二条の三の三第三項及び第七十二条の四第三項に規定するもののほか、国民健康保険事業に要…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 国民健康保険法第75条(都道府県及び市町村の補助及び貸付)は、日本の国民健康保険法に含まれる条文です。
- 国民健康保険法第75条の条文原文は「都道府県及び市町村は、第七十二条の三第二項、第七十二条の三の二第三項、第七十二条の三の三第三項及び第七十二条の四第三項に規定するもののほか、国民健康保険事業に要…」で始まります。
- 国民健康保険法第75条は第五章に置かれています。
- 国民健康保険法の公布日は昭和33年12月27日です。
- 国民健康保険法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 国民健康保険法第75条の前の条は国民健康保険法第74条です。
- 国民健康保険法第75条の次の条は国民健康保険法第75条の2です。
- 国民健康保険法第75条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
国民健康保険法(昭和三十三年法律第百九十二号)第75条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/333AC0000000192 - 本サイト収録
国民健康保険法(昭和三十三年法律第百九十二号)第75条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/333AC0000000192/75
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点国民健康保険法75条は、都道府県及び市町村が国保事業の費用に対し補助金を交付し、又は貸付金を貸し付けることができると定める。義務ではなく裁量である。
Q · 国保料が自治体によって違うのは、どの条文のせいなんですか?
義務ではなく「できる」規定。だから自治体ごとに差が出る
国民健康保険法75条は、都道府県及び市町村が国民健康保険事業に要する費用に対し、補助金を交付し、又は貸付金を貸し付けることが「できる」と定めます。第72条の3第2項等の法定負担とは別枠の、任意の財政支援です。義務ではないため、一般会計からの法定外繰入をどこまで行うかは各自治体の判断となり、同じ所得でも住む市町村で保険料額が変わります。なお本条は保険者の財政運営に関する規定であり、住民個人に補助を請求する権利を与えるものではありません。
解説
国民健康保険料の決定通知書を開いて、想像より一桁多い金額に固まったことがあるなら、その数字がどこから来たのかを知る価値がある。国保の財源は、加入者の保険料と国・都道府県の法定負担金だけで組み上がっているわけではない。七十五条は、法定の負担金や交付金とは別枠で、都道府県と市町村が国保事業の費用に対して補助金を交付し、あるいは資金を貸し付けることが「できる」と定める。義務ではない、できる、である。この一語があるために、同じ年収でも住む自治体によって保険料が変わる。さらに条文の括弧の中を読むと、あなたの保険料が支えているのは自分の医療費だけではないと分かる。前期高齢者納付金等、後期高齢者支援金等、介護納付金、感染症の流行初期医療確保拠出金等、そして令和八年度(二〇二六年度)から加わる子ども・子育て支援納付金。国保料は医療費の請求書ではなく、複数の制度への送金伝票である。
法的な位置づけ
国民健康保険法75条は、都道府県及び市町村による国民健康保険事業への任意的財政支援を定める規定である。法定の費用負担とは別枠で、前期高齢者納付金等・後期高齢者支援金等・介護納付金・流行初期医療確保拠出金等及び子ども・子育て支援納付金の納付費用を含む事業費用に対し、補助金の交付又は貸付金の貸付けができる旨を授権する裁量規定である。
手順
- 1.決定通知書の内訳を三区分に分解する 合計額ではなく内訳欄を見る。医療分・後期高齢者支援金等分・介護納付金分の三区分に分け、さらに各区分を所得割と均等割(自治体により平等割)に分解して、どの要素が金額を押し上げているか特定する
- 2.自分が該当する軽減・減免の号を先に読む 市町村の減免条例・要綱をウェブで取得し、所得の減少率、失業、災害、未就学児軽減など自分が当たる号を特定する。窓口では「77条の減免と徴収猶予の相談」と制度名で切り出す
- 3.納期限の前に窓口で相談し記録を残す 減免・徴収猶予は督促や差押えが始まる前に相談するほど通る。納期限前に窓口へ行き、相談日・担当者名・案内内容をメモして残す。払えない場合も無申告で放置せず分納の相談記録を作る
- 4.自治体の財政資料で来年以降を先読みする 都道府県の国民健康保険運営方針(82条の2)と市町村の国保特別会計決算書を取り寄せ、法定外繰入の額と赤字解消計画の年次を確認する。繰入をいつゼロにする計画かで今後の保険料の方向が読める
- 5.制度そのものを動かす場に座る 金額の是非は裁判所では通りにくい。国民健康保険事業の運営に関する協議会(11条)の被保険者代表委員は公募している自治体があり、議会陳情・住民監査請求(地方自治法242条)も併せて検討する
よくある質問 AI による整理
Q1国民健康保険法75条とは?
都道府県と市町村が、法定負担とは別枠で国保事業の費用に補助金を交付し、又は貸付金を貸し付けることができると定めた規定です。義務ではなく裁量です。
Q2法定外繰入とは何ですか?
市町村が法律で義務づけられた負担を超えて、一般会計から国保特別会計へ資金を繰り入れることです。繰入額を削れば保険料率は上がる方向に働きます。
Q3国保料に上限はありますか?
医療分・後期高齢者支援金等分・介護納付金分それぞれに賦課限度額が設定されています。金額は政令で定まり改正が頻繁なため、最新の改正状況をご確認ください。
Q4国保料の時効は何年ですか?
保険料その他の徴収金を徴収する権利は2年で時効消滅します(国民健康保険法110条)。ただし督促や差押えにより時効は中断し得ます。
Q5国保料は確定申告で下げられますか?
国保料は前年の総所得を基礎に算定されるため、青色申告特別控除など所得金額そのものを減らす控除は翌年の保険料に効きます。所得控除だけでは効きません。
Q6非自発的失業者の国保料軽減は申請が必要ですか?
必要です。離職票などで離職理由コードを確認のうえ、市町村へ別途申請します。給与所得を100分の30とみなして算定する軽減が受けられます。
Q7未就学児の国保均等割は軽減されますか?
令和4年度から未就学児の均等割額が5割軽減されています。小学生以上には適用されないため、世帯人数と年齢構成で負担が大きく変わります。
Q8都道府県国民健康保険運営方針はどこで確認できますか?
各都道府県の国民健康保険担当課のウェブサイトで公表されています(82条の2が根拠)。赤字解消計画の年次が、今後数年の保険料の方向を示します。
この条文についての質問 AI による整理
Q1隣の市より国保料が高いんですけど、これって文句を言えるんですか?
保険料率と賦課方式は市町村の条例で決まるため、金額そのものを裁判で下げるのはまず通らない。動かせる場所は議会と国民健康保険事業の運営に関する協議会(十一条)、そして支出の適法性を問う住民監査請求(地方自治法二百四十二条)である。実務のポイント:運営協議会には被保険者を代表する委員の枠があり、公募している自治体がある。年に数回の会議で、翌年度の保険料率の議論に当事者として座れる。
Q2保険料が払えないとき、窓口でまず何を言えばいいですか?
「減免と徴収猶予の相談に来ました」と制度名で切り出す。七十七条が、特別の理由がある者に対する減免と徴収猶予を条例で定める根拠を置いている。実務のポイント:減免の要件は条例と要綱に書かれており、多くの自治体がウェブで公開している。所得の減少率や災害など数値要件があるため、先に要綱を読んで自分がどの号に当たるかを言えると、窓口での扱いが目に見えて変わる。
Q3国保料の中に介護分とか支援金分があるのは、何のためなんですか?
七十五条の括弧書きがそのまま答えになっている。国保事業に要する費用には、前期高齢者納付金等・後期高齢者支援金等・介護納付金、さらに流行初期医療確保拠出金等と子ども・子育て支援納付金が含まれる。保険料は自分の医療費だけでなく、他制度への拠出も運んでいる。実務のポイント:この区分ごとに賦課限度額が別々に設定されており、上限の引き上げはほぼ毎年議論される(最新の改正状況をご確認ください)。
Q4国民健康保険組合って何ですか、市町村の国保と違うんですか?
医師や建設業など同種の事業に従事する人が設立する保険者で、市町村が運営する国保とは別組織である。組合が自治体から補助金や貸付を受ける根拠の一つが、この七十五条にあたる。実務のポイント:建設国保や医師国保は所得にかかわらず定額に近い保険料設計が多く、高所得のフリーランスにとっては市町村国保より安くなる場合がある。加入資格は業種と地域で決まるため、独立する前に自分の業種に国保組合があるか確認する価値がある。
間違えやすい点 AI による整理
- 「国保料はなぜこんなに高いのか」という問いの立て方が、すでに半分ずれている。正確には「なぜこの自治体では、この金額なのか」である。賦課方式(所得割・均等割・平等割の組み合わせ)も料率も市町村の条例で決まり、都道府県が示す標準保険料率をどこまで反映するかも自治体の判断だ。問いを自治体単位まで落とした瞬間、担当課に投げられる具体的な質問に変わる。
- 保険料に介護分や後期高齢者支援金分が含まれることは、知っている人が多い。だがその深刻度までは理解されていない。国保料は医療分・後期高齢者支援金等分・介護納付金分の三本立てで、それぞれに別々の賦課限度額(上限)が設定されている。上限に張り付く世帯は所得が増えても保険料が増えない一方、上限額の引き上げはほぼ毎年のように議論され、気付けば負担が積み上がっている(最新の改正状況をご確認ください)。
- あなたから見れば、自治体の補助は住民サービスである。法律から見れば、七十五条の補助や貸付は保険者の財政運営の問題であって、あなた個人に補助を受ける権利を与える規定ではない。この落差が効いてくるのは争い方を選ぶ場面だ。「隣の市は繰入しているのに、うちはしないのは不公平だ」という主張は、そのままでは司法で通らない。動かす場所は裁判所ではなく、議会、国保運営協議会、住民監査請求である。
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 性質 | 75条:任意(できる規定)の補助金交付・貸付金貸付 | 72条の3第2項等:法定の費用負担・交付金(義務) 77条:条例による保険料の減免及び徴収猶予 |
| 誰に効くか | 保険者(市町村・国保組合)の財政に効く。個人に請求権はない | 保険者の財政に効く。国・都道府県の負担として自動的に入る 被保険者個人の保険料額に直接効く |
| 動かす場所 | 議会・国保運営協議会・住民監査請求(地方自治法242条) | 法改正・政令改正(国会・内閣) 市町村の窓口への申請(納期限前が原則) |
| 自治体差が出るか | 出る。法定外繰入の有無と規模が保険料水準を左右する | 出ない。全国一律の算定基準で配分される 出る。要件は条例・要綱で自治体ごとに異なる |
他国ではどう定めているか 5 か国
台湾は単一保険者(衛生福利部中央健康保険署)による全国一元運営で、政府の負担割合を法律に数値で明記する。日本のように自治体の任意裁量で地域差が生じる構造ではない
韓国も単一保険者(国民健康保険公団)方式で、国庫支援は法律上の枠組みとして全国一律に設計される。日本の市町村ごとの法定外繰入に対応する仕組みは存在しない
基金の収支不足時に県級以上の人民政府が補助を与える構造で、地方財政力による格差が生じる点は日本と類似。統合の単位を省級に引き上げる政策方向も日本の都道府県単位化と重なる
ドイツは疾病金庫(Krankenkassen)への連邦補助と健康基金(Gesundheitsfonds)によるリスク構造調整で財政を均す。地方自治体が個別に補助する日本型の裁量は原則存在しない
Medicaid は州ごとの運営に対し連邦が FMAP 率で財政参加する仕組み。州の裁量により給付範囲と負担が大きく異なる点は、日本の自治体差の構造と対比しやすい
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 退職して国保に切り替えた月、届いた保険料額が前職の健康保険の倍だったとしたら、どう動く? 減免の相談には期限がある。多くの自治体は納期限前の申請を要件にしており、督促が来てから動くと制度に乗り損ねる。窓口では「保険料の減免と徴収猶予の相談」と制度名で切り出す。
- あなたが市の国保担当だとする。一般会計からの繰入を減らせと都道府県の運営方針に書かれ、減らせば保険料率が上がり、上げれば議会で吊し上げられる。七十五条の「できる」は裁量であると同時に、行使しなかった判断の説明責任も担当課に返ってくる仕組みである。
- 建設業で働くあなたは建設国保に加入している。組合の財政が傾けば保険料も給付も揺れる。その組合が自治体から補助や貸付を受けられる根拠の一つが、この条文だ。
- 友人がフリーランス一年目で、国保料と国民年金の合計額に青ざめて相談してきた。聞くべきは年収ではなく、住んでいる市町村と前年の所得、そして世帯の人数である。均等割は加入者の頭数分かかり、未就学児の均等割は令和四年度から五割軽減されるが、小学生以上には効かない。
- 会社都合で離職したのに、届いた保険料が在職中の所得そのままで計算されている。非自発的失業者は前年の給与所得を百分の三十とみなして算定する軽減があるが、ハローワークの離職票に記載された離職理由コードが条件で、自治体への申請は別手続。年度をまたいで放置すると、遡って適用できる範囲が限られる。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 通知書の内訳を医療分・後期高齢者支援金等分・介護納付金分に分解し、所得割と均等割のどちらが効いているか確認する2. 前年より所得が落ちた、失業した、災害に遭ったなら、七十七条の減免と徴収猶予を名指しで窓口に相談する3. 会社都合の離職なら、離職票を持参して非自発的失業者の軽減(給与所得を百分の三十とみなす算定)を申請する4. 払えない場合も無申告で放置せず、分納の相談記録を残す。相談履歴の有無が、その後の滞納処分の温度を変える
訴えられた側:1. 補助や貸付は七十五条の裁量行為であり、支出の公益性と必要性を議会と監査に説明できる形で文書化する2. 法定外繰入を縮小する場合、都道府県の運営方針および赤字解消計画との整合を先に固め、保険料率の激変緩和の年次設計を同時に示す3. 国民健康保険組合への補助は、組合の財政状況と給付水準の資料を毎年更新して保管する4. 住民監査請求(地方自治法二百四十二条)に備え、決定過程の起案文書と算定根拠を残す
時効(請求できる期限):本条自体に期限の定めはない。関係する実務の期限は別にある。保険料その他の徴収金を徴収する権利は二年で時効消滅する(国民健康保険法百十条)。減免や徴収猶予の申請は、自治体の条例・規則で納期限前などの期限が定められていることが多い。住民監査請求は当該行為のあった日から一年以内(地方自治法二百四十二条二項)
学説
通説:75条の補助金交付及び貸付金貸付は保険者の財政運営に係る裁量行為であり、被保険者個人に補助を求める請求権を与えるものではないと解される。支出の適法性は公益性と必要性の観点から議会・監査の統制に服する。
都道府県単位化後の実務的理解:平成30年度からの都道府県単位化により、裁量そのものは残しつつ、その行使は都道府県国民健康保険運営方針(82条の2)と赤字解消計画によって計画的に縛られる構造へ移った。決算補填目的の法定外繰入は解消対象として位置づけられる。
改正沿革 AI による整理
- 平成27年(2015年)改正、平成30年度(2018年度)施行 持続可能な医療保険制度の構築に向けた改正で、都道府県が国保財政運営の責任主体となり、補助及び貸付の主体として都道府県が市町村と並んで位置づけられた
- 令和4年(2022年)改正、令和6年(2024年)4月施行 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律の改正に伴い、流行初期医療確保拠出金等の納付に要する費用が国保事業に要する費用に含まれることを明記した
- 令和6年(2024年)改正、令和8年度(2026年度)から 子ども・子育て支援金制度の創設に伴い、子ども・子育て支援納付金の納付に要する費用が国保事業に要する費用に追加された
改正の年表
- 1.平成27年(2015年)改正・平成30年度(2018年度)施行 改正:持続可能な医療保険制度の構築に向けた改正により、都道府県が国保財政運営の責任主体となり、補助及び貸付の主体として都道府県が市町村と並んで位置づけられた
- 2.令和4年(2022年)改正・令和6年(2024年)4月施行 改正:感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律の改正に伴い、流行初期医療確保拠出金等の納付に要する費用が国保事業に要する費用に含まれることが明記された
- 3.令和6年(2024年)改正・令和8年度(2026年度)から 改正:子ども・子育て支援金制度の創設に伴い、子ども・子育て支援納付金の納付に要する費用が国保事業に要する費用に追加された
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