特許権又は専用実施権の侵害に係る訴訟において、損害が生じたことが認められる場合において、損害額を立証するために必要な事実を立証することが当該事実の性質上極めて困難であるときは、裁判所は、口頭弁論の全趣旨及び証拠調べの結果に基づき、相当な損害額を認定することができる。
要点特許法 105 条の 14 は、損害の発生が認められるが金額の立証が性質上きわめて困難なとき、裁判所が証拠調べの結果に基づき相当な損害額を認定できると定める。
Q · 相手の売上が分からず損害額を証明できなくても、特許侵害の賠償は取れますか?
損害の発生さえ立証できれば、裁判所が相当額を認定します
特許法 105 条の 14 により、損害が生じたこと自体が認められ、かつ金額の立証が事柄の性質上きわめて困難な場合、裁判所は口頭弁論の全趣旨と証拠調べの結果に基づいて相当な損害額を認定できます。したがって金額を一円単位で証明できなくても賠償ゼロにはなりません。ただし前提となる「損害の発生」自体は権利者が立証する必要があり、見積もりの手がかり(市場シェア、ライセンス料率、推定販売数量)を裁判所に十分与えることが認定額の幅を左右します。
特許を侵害された側が最後に突き当たる壁は、侵害の事実ではなく金額だ。相手が何個売ったのか、自分がどれだけ売り損ねたのか、その因果を一円単位で立証するのは、肝心の帳簿が相手の手の中にある以上、ほぼ不可能に近い。ここで多くの権利者が「正確に証明できないなら賠償ゼロだ」と諦めてしまう。だがこの規定は、その諦めを裁判所の側から否定する。損害が生じたこと自体が認められ、かつ金額の立証が事柄の性質上きわめて困難なとき、裁判所は口頭弁論の全趣旨と証拠調べの結果に基づいて「相当な損害額」を自ら認定できる。つまり、あなたが完璧な金額立証に失敗しても、裁判所が空白を埋める権限を持つ。賠償が「ゼロか満額か」の博打から、「裁判所が合理的に見積もる」世界へ移る。あなたがやるべきは金額の完全証明ではない。損害が現に生じたという土台と、見積もりの手がかりを裁判所に十分与えることだ。
特許法 105 条の 14 は、特許権侵害訴訟における相当な損害額の裁量認定を定める規定である。損害の発生が認められるが、損害額の立証に必要な事実の立証が当該事実の性質上きわめて困難な場合に、裁判所が口頭弁論の全趣旨及び証拠調べの結果に基づき相当な損害額を認定できる旨を規定し、民事訴訟法 248 条の特則として機能する。
AI 輔助整理,以條文原文為準
特許権侵害訴訟で、損害の発生は認められるが金額の立証が性質上きわめて困難なとき、裁判所が相当な損害額を認定できる規定です。民事訴訟法 248 条の特則です。
「損害が生じたこと」が認められ、かつ「損害額を立証するために必要な事実の立証」が事柄の性質上きわめて困難であること、この二つが要件です。損害発生の立証は省略できません。
いいえ。損害の発生さえ立証できれば、金額を確定証明できなくても裁判所が相当額を認定します。立証困難を盾にした賠償ゼロの主張は封じられます。
実務ではまず 102 条の推定規定で算定を試み、それでも残る立証の穴を 105 条の 14 の相当額認定で埋める二段構えが定石です。最初から 14 条に頼ると認定額が低く出やすいとされます。
書類提出命令(特許法 105 条)で帳簿の開示を求め、正当な理由なく拒めば裁判所が主張を真実と認めることができます。それでも数量が確定しないとき 105 条の 14 が受け皿になります。
いいえ。裁判所は青天井ではなく、証拠調べの結果と口頭弁論の全趣旨という枠内で「相当な」額を決めます。見積もりの手がかりが薄ければ認定額も低く抑えられます。
事実審の口頭弁論終結時までに提出する必要があります。弁論終結後は市場データやライセンス料率などの新たな認定材料を追加できません。
まず「損害の発生」自体を争い、発生が認められなければ相当額認定の土俵に乗りません。認定が避けられなければ原告の見積もり前提が過大だと反証し、特許の寄与度を下げます。
満額が保証されるわけではない。前提として「損害が生じたこと」自体は立証が必要で、金額の立証が性質上きわめて困難な場合に限り、裁判所が口頭弁論の全趣旨と証拠調べの結果から相当額を認定する(特許法105条の14)。業界裏話ヒント:実務では、まず特許法102条の推定規定で算定を試み、それでも残る穴をこの条文で埋める、という二段構えが定石だ。最初からこの条文に頼ると、見積もりの幅が低く出やすい
書類提出命令(特許法105条)で帳簿の開示を求め、相手が正当な理由なく従わなければ、裁判所はその書類の記載に関する主張を真実と認めることができる。それでも数量が確定しないときに、この105条の14が相当額認定の受け皿になる。業界裏話ヒント:相手が開示を拒むこと自体が、裁判所の心証を権利者有利に傾けることがある。「出せないなら、こちらの見積もりで認定してください」という主張は、開示拒否とセットで効く
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 機能 | 特許法 105 条の 14:金額立証困難時の相当額認定 | — |
| 権利者が担う立証 | 損害の発生+見積もりの手がかり(確定額は不要) | — |
| 使う場面 | 推定・証拠収集でも金額が確定できない残余部分 | — |
| 実務上の位置づけ | 最後に立証の谷を埋める受け皿 | — |
ログインすると、他の読者と一緒にこの条文へメモを残せます。
ログインして共同ノートを始める以下は各文が単独で意味の通る客観的事実です。引用は e-Gov法令検索を基準としてください。