特許法 第112条(特許料の追納)
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- 特許権者は、第百八条第二項に規定する期間又は第百九条若しくは第百九条の二の規定による納付の猶予後の期間内に特許料を納付することができないときは、その期間が経過した後であつても、その期間の経過後六月以内にその特許料を追納することができる。
- 2.前項の規定により特許料を追納する特許権者は、第百七条第一項の規定により納付すべき特許料のほか、その特許料と同額の割増特許料を納付しなければならない。ただし、当該特許権者がその責めに帰することができない理由により第百八条第二項に規定する期間又は第百九条若しくは第百九条の二の規定による納付の猶予後の期間内にその特許料を納付することができないときは、その割増特許料を納付することを要しない。
- 3.前項の割増特許料の納付は、経済産業省令で定めるところにより、特許印紙をもつてしなければならない。ただし、経済産業省令で定める場合には、経済産業省令で定めるところにより、現金をもつて納めることができる。
- 4.特許権者が第一項の規定により特許料を追納することができる期間内に、第百八条第二項本文に規定する期間内に納付すべきであつた特許料及び第二項の規定により納付すべき割増特許料を納付しないときは、その特許権は、同条第二項本文に規定する期間の経過の時に遡つて消滅したものとみなす。
- 5.特許権者が第一項の規定により特許料を追納することができる期間内に第百八条第二項ただし書に規定する特許料及び第二項の規定により納付すべき割増特許料を納付しないときは、その特許権は、当該延長登録がないとした場合における特許権の存続期間の満了の日の属する年の経過の時に遡つて消滅したものとみなす。
- 6.特許権者が第一項の規定により特許料を追納することができる期間内に第百九条又は第百九条の二の規定により納付が猶予された特許料及び第二項の規定により納付すべき割増特許料を納付しないときは、その特許権は、初めから存在しなかつたものとみなす。
この条文の基本情報
特許料の追納とは何ですか?
定義特許料の追納とは、特許法第112条に定められた規定で、「特許権者は、第百八条第二項に規定する期間又は第百九条若しくは第百九条の二の規定による納付の猶予後の期間内に特許料を納付することができないときは、その期間が経過し…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 特許法第112条(特許料の追納)は、日本の特許法に含まれる条文です。
- 特許法第112条の条文原文は「特許権者は、第百八条第二項に規定する期間又は第百九条若しくは第百九条の二の規定による納付の猶予後の期間内に特許料を納付することができないときは、その期間が経過し…」で始まります。
- 特許法第112条は第三節に置かれています。
- 特許法の公布日は昭和34年4月13日です。
- 特許法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 特許法第112条の前の条は特許法第111条です。
- 特許法第112条の次の条は特許法第112条の2です。
- 特許法第112条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
特許法(昭和三十四年法律第百二十一号)第112条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000121 - 本サイト収録
特許法(昭和三十四年法律第百二十一号)第112条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000121/112
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点特許法112条は、特許料の納付期限を過ぎても6か月以内なら割増特許料を付して追納できると定める。この期間も過ぎると特許権は期限経過時に遡って消滅する。
Q · 特許料を払い忘れたら、特許権はもう戻せないの?
6か月以内なら割増特許料を付けて追納でき、権利は維持されます
特許法112条により、本来の納付期限を過ぎても、その経過後6か月以内であれば、特許料に同額の割増特許料(原則倍額)を付して追納でき、特許権は維持されます(1項・2項)。責めに帰せない理由があれば割増分は免除されます(2項但書)。ただし、この追納期間も過ぎて特許料と割増分を納付しないと、特許権は本来の期限の経過時に遡って消滅したものとみなされます(4項)。猶予中の特許料を払い損ねた場合は初めから存在しなかった扱いです(6項)。さらに追納期間経過後は112条の2の回復制度が残されています。
解説
特許は一度取れば20年安泰、ではない。毎年の特許料(年金)を払い続けて初めて権利は生きている。うっかり納付期限を過ぎたとき、112条が最後の救命ロープになる。本来の期限が経過した後でも6か月以内なら、特許料と同額の割増分(つまり倍額)を上乗せして追納でき、権利は維持される。ここであなたが知っておくべき残酷な事実が二つある。第一に、この6か月も逃すと、特許権は期限が切れた時点まで遡って消滅したものとみなされる(4項)。昨日まで有効だったはずの権利が、過去に遡って無かったことにされる。第二に、納付の猶予を受けていた特許料を払い損ねた場合は、その特許権は初めから存在しなかったものとみなされる(6項)。ただし、あなたの責めに帰せない理由なら割増分は免除され(2項但書)、さらに112条の2には追納期間経過後の回復制度まで用意されている。終わったと決めつける前に、自分がどの救済段階にいるかを数えること。
法的な位置づけ
特許法112条は特許料の追納を定める規定であり、特許権者が本来の納付期限内に特許料を納付できなかった場合でも、その期間の経過後6か月以内であれば、特許料と同額の割増特許料を付して追納し、権利を維持できる旨を規定する。追納期間の徒過は特許権の遡及的消滅を招く。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.本来の納付期限と追納期限を特定する まず108条2項等の本来の納付期限がいつだったかを確認し、そこから6か月の追納期間が残っているかを J-PlatPat または特許事務所で照会する。カレンダーに二重登録して起算点を正確に押さえる
- 2.特許料と割増特許料を速やかに追納する 追納期間内であれば、本来の特許料に同額の割増特許料を加えて納付する。割増分は原則として特許印紙で納付する(3項)。1日でも早く動くほど遡及消滅のリスクを避けられる
- 3.責めに帰せない理由なら割増分の免除を主張する 災害・重大なシステム障害・代理人の過誤など、責めに帰することができない理由で期限内に納付できなかった場合は、2項但書により割増分の免除を主張する。障害ログや罹災証明など客観的記録を添える
- 4.追納期間も過ぎていたら112条の2の回復を検討する 6か月の追納期間も経過している場合は、112条の2の回復制度(正当な理由 + 経済産業省令で定める期間内の納付)が使えるかを弁理士に即相談する。回復後の効力制限(112条の3)も併せて確認する
よくある質問 AI による整理
Q1特許料の追納とは何ですか?
納付期限を過ぎても、その経過後6か月以内に特許料と割増特許料を納めて特許権を維持する制度です。根拠は特許法112条1項です。
Q2特許の年金を払い忘れるとどうなりますか?
6か月の追納期間内に割増分を付けて納付すれば維持されますが、それも過ぎると本来の期限の経過時に遡って特許権が消滅します(4項)。
Q3割増特許料はいくらですか?
原則として本来の特許料と同額、つまり合計で倍額です(2項本文)。責めに帰せない理由があれば割増分は免除されます(2項但書)。
Q4特許料の追納期間は何か月ですか?
本来の納付期限の経過後6か月以内です(1項)。起算点は108条2項等の本来の期限であり、1日でも早く納付するのが安全です。
Q5特許権の回復制度とは何ですか?
追納の6か月も過ぎた場合に、112条の2が定める回復制度です。正当な理由と所定期間内の納付という要件を満たせば権利を回復できます。
Q6他社特許の年金納付状況はどこで確認できますか?
特許庁の J-PlatPat(特許情報プラットフォーム)で照会できます。納付が途切れていれば、その特許は消滅または消滅予備軍と読めます。
Q7納付を猶予された特許料を払い忘れたらどうなりますか?
109条・109条の2の猶予分を追納期間内に払わないと、6項によりその特許権は初めから存在しなかったものとみなされます。
Q8追納した特許権が回復した場合、効力に制限はありますか?
112条の3により、消滅から回復までの間に一定の実施をした第三者には特許権の効力が及ばない範囲があります。弁理士と精査が必要です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1うっかり特許料を払い忘れたら、もう特許は取り戻せないんですか?
諦めるのは早い。本来の期限から6か月以内なら、特許料に同額の割増特許料を足して追納でき、権利は維持されます(112条1項・2項)。その6か月すら過ぎても、112条の2の回復制度があります。実務のポイント:回復制度の要件は近年『責めに帰せない理由』から『正当な理由』へと緩和され、ハードルが下がっています(最新の改正状況をご確認ください)。放置して諦める前に、必ず弁理士に納付状況の照会を。
Q2割増特許料って、絶対に払わないといけないんですか?
原則は特許料と同額の割増が必要です(2項本文)。ただし、あなたの責めに帰することができない理由(災害、重大なシステム障害など)で納付できなかった場合は、割増分は免除されます(2項但書)。実務のポイント:この『責めに帰せない理由』のハードルは高く、単なる多忙や社内の引き継ぎ漏れでは通りにくい。一方で代理人(特許事務所)側の手違いの扱いは事案ごとに判断が分かれます。免除を狙うなら、納付できなかった事情を示す客観的記録(障害ログ、罹災証明等)を最初から確保しておくのが鍵です。
間違えやすい点 AI による整理
- 「特許料を払い忘れても、あとで払えば元通り」と思われがちだが、追納には特許料と同額の割増分(倍額)が必要で、6か月を過ぎれば権利は遡って消滅する。「後で払えばいい」の代償は、想像より重い。
- 追納期間があること自体は知っていても、それを逃したときの遡及効の深刻さを知らない人が多い。単に「今後使えなくなる」のではなく、期限切れの時点まで遡って権利が消滅する(4項)。その間に結んだライセンス契約や、侵害として警告した相手との交渉まで、足元から崩れる。
- 「払い忘れたら、もう終わり」と諦める人がいるが、問いの立て方そのものが違う。本当に問うべきは「追納の6か月はまだ残っているか」「過ぎていても112条の2の回復要件(正当な理由)を満たせるか」だ。終わったと決めつけた瞬間に、本当に終わる。
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 適用場面 | 112条:本来の期限経過後6か月以内の追納 | 112条の2:追納期間も経過した後の回復 108条:本来の特許料の納付期限そのもの |
| 要件 | 特許料 + 同額の割増特許料の納付(2項) | 正当な理由 + 経済産業省令で定める期間内の納付 所定期間内の特許料の納付 |
| 免除・軽減 | 責めに帰せない理由なら割増分を免除(2項但書) | 回復後は112条の3で第三者への効力が制限される 109条・109条の2による猶予・減免あり |
| 怠った場合の効果 | 本来の期限の経過時に遡って消滅(4項)/猶予分は初めから不存在(6項) | 要件を満たさなければ回復不可、消滅が確定 追納制度(112条)へ移行 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も納付期限経過後6か月の補繳期間を設け、経過月数に応じた割増(比例加算)を課す点で日本と類似する。
韓国も追加納付期間と割増を定め、さらに81条の3で回復制度を置く。日本の112条+112条の2の構造と近い。
ドイツは年金の割増付追納に加え、期間徒過一般に対する原状回復(Wiedereinsetzung, § 123)で救済する。回復要件の柔軟性が特徴。
米国は維持年金の未納で失効するが、unintentional 基準による復活(revival)が広く認められ、日本より救済の間口が広い場面がある。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 管理していた特許の年金納付を、担当者の退職で誰も引き継いでいなかった。気づいたのは本来の期限から3か月後。あと3か月、特許料に割増分を足して追納すれば、まだ間に合う。今日動けば救える。
- もし、あなたの会社のコア特許が、たった一度の払い忘れで消滅していたとしたら? 競合はその技術を自由に使い始める。112条の追納期間まで過ぎていたなら、残された望みは112条の2の回復制度を満たせるかどうかだけだ。
- あなたが他社の特許に縛られて事業に踏み出せずにいる。その特許の年金が払われず、追納の6か月も過ぎれば、権利は期限切れの時点まで遡って消滅する。J-PlatPat で納付状況を照会すれば、その特許がいつ死ぬのかが読める。
- スタートアップで資金繰りが厳しく、特許料の納付を後回しにした。猶予(109条、109条の2)を受けていた分まで払い損ねると、6項によりその特許は初めから無かった扱いになる。投資家のデューデリジェンスで、これが致命傷になりかねない。
取るべき行動
被害を受けた側:1. まず本来の納付期限(108条2項等)がいつだったかを特定し、そこから6か月の追納期間が残っているかを J-PlatPat や特許事務所で照会2. 残っていれば、特許料 + 同額の割増特許料を速やかに納付する。1日でも早く動く3. 払えなかった理由が天災、重大なシステム障害、代理人の過誤など『責めに帰せない』ものなら、2項但書で割増分の免除を主張4. 6か月も過ぎていたら、112条の2の回復制度(正当な理由 + 所定期間内の納付)が使えるかを弁理士に即相談する。
訴えられた側:1. 他社特許から侵害警告を受けたら、その特許の年金が納付され続けているかを J-PlatPat で確認。納付が途切れていれば、権利は消滅または消滅予備軍だ2. 追納期間も過ぎて遡及消滅(4項、6項)していれば、警告の根拠そのものが消えている可能性がある3. ただし112条の2で回復される余地があるため、消滅を確認しても即座に大量実施へ踏み切るのは危険。回復した特許権の効力制限(112条の3)の範囲を弁理士と精査する4. 自社が使いたい技術なら、消滅が確定するのを待って参入する選択肢もある。
時効(請求できる期限):本来の納付期限(108条2項、または109条・109条の2の猶予後の期間)の経過後6か月以内が追納期間(1項)。この間に特許料 + 割増特許料を納付しないと、4項・5項・6項により遡及的に権利が消滅する。追納期間も過ぎた場合の回復は、112条の2の要件(正当な理由 + 経済産業省令で定める期間内の納付)による(最新の改正状況をご確認ください)。
学説
通説:112条は、うっかり納付を怠った特許権者に追納という救済を与えつつ、6か月という明確な期間と遡及消滅の画一的処理により第三者の予測可能性を確保する規定と理解される。割増特許料は期限を守った者との公平を保つ調整弁と位置づけられる。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.令和3年(2021年) 改正:特許権等の回復要件(112条の2系統)が『その責めに帰することができない理由』から『正当な理由』へと緩和され、追納期間経過後の救済のハードルが下がった(最新の施行状況は要確認)。
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