特許法 第156条(審理の終結の通知)
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- 審判長は、特許無効審判以外の審判においては、事件が審決をするのに熟したときは、審理の終結を当事者及び参加人に通知しなければならない。
- 2.審判長は、特許無効審判においては、事件が審決をするのに熟した場合であつて第百六十四条の二第一項の審決の予告をしないとき、又は同項の審決の予告をした場合であつて同条第二項の規定により指定した期間内に被請求人が第百三十四条の二第一項の訂正の請求若しくは第十七条の五第二項の補正をしないときは、審理の終結を当事者及び参加人に通知しなければならない。
- 3.審判長は、必要があるときは、前二項の規定による通知をした後であつても、当事者若しくは参加人の申立てにより又は職権で、審理の再開をすることができる。
- 4.審決は、第一項又は第二項の規定による通知を発した日から二十日以内にしなければならない。ただし、事件が複雑であるとき、その他やむを得ない理由があるときは、この限りでない。
この条文の基本情報
審理の終結の通知とは何ですか?
定義審理の終結の通知とは、特許法第156条に定められた規定で、「審判長は、特許無効審判以外の審判においては、事件が審決をするのに熟したときは、審理の終結を当事者及び参加人に通知しなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 特許法第156条(審理の終結の通知)は、日本の特許法に含まれる条文です。
- 特許法第156条の条文原文は「審判長は、特許無効審判以外の審判においては、事件が審決をするのに熟したときは、審理の終結を当事者及び参加人に通知しなければならない。」で始まります。
- 特許法第156条は第六章に置かれています。
- 特許法の公布日は昭和34年4月13日です。
- 特許法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 特許法第156条の前の条は特許法第155条です。
- 特許法第156条の次の条は特許法第157条です。
- 特許法第156条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
特許法(昭和三十四年法律第百二十一号)第156条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000121 - 本サイト収録
特許法(昭和三十四年法律第百二十一号)第156条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000121/156
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点特許法156条は、審判事件が審決に熟したとき審判長が審理終結を通知する手続を定める。特許無効審判では審決の予告を経て通知され、通知後は原則20日以内に審決が下る。
Q · 特許庁から「審理の終結」という通知が来たら、もう何もできないの?
議論は終わり、まもなく審決が下る合図です
特許法156条の審理終結の通知は「議論は尽くされ、あとは審判官が結論を書くだけ」という段階を示します。特許無効審判では、いきなり終結通知は来ず、その前に164条の2の審決の予告があり、訂正請求(134条の2)で特許を救う最後の猶予が与えられます。終結通知が出ると原則20日以内に審決が下りますが、3項により必要があれば審理を再開する余地も残されています。
解説
あなたの会社の主力製品を支える特許に、競合から無効審判を申し立てられたとする。何度も書面をやり取りし、口頭審理にも出た。ある日、特許庁から一通の通知が届く。「審理の終結」。これは「議論はもう終わり、あとは審判官が結論を書くだけ」という合図だ。特許法156条はこの終結通知の手続を定めている。だが本当に効くのは2項。特許無効審判では、いきなり終結通知は来ない。その前に「審決の予告」(164条の2)という段階を挟む。予告は特許権者であるあなたへの最後通告に近い。このままだと無効になる、直したいなら今しかない、という猶予である。予告期間内に訂正請求(134条の2)をしなければ、次は終結通知、そして4項により発出日から20日以内に審決が下りる。3項で審理再開を申し立てる道は残るが、あくまで例外。通知を受け取ってからの数日が、あなたの特許の生死を分ける。
法的な位置づけ
特許法156条は審理終結の通知に関する手続規定であり、審判事件が審決をするのに熟したとき、審判長が当事者及び参加人へその旨を通知する義務を定める。特許無効審判では審決の予告を経た後に通知し、通知発出日から原則20日以内に審決がされるが、審判長は必要に応じ審理を再開できる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.届いた通知が「予告」か「終結」かを見分ける 特許庁からの通知書を開いたら、まず「審決の予告(164条の2)」なのか「審理の終結(156条)」なのかを確認する。予告なら訂正の猶予が残り、終結なら審決まで残り数日という段階に入っている
- 2.審決の予告の応答期限を最優先で確認 審決の予告なら164条の2第2項で指定された応答期間(期限)を真っ先に確認する。この期間内が訂正請求の最終チャンスであり、逆算して作業スケジュールを組む
- 3.訂正請求で無効理由をピンポイントに回避 予告の理由から、どの請求項のどの無効理由が認められそうかを読み取り、弁理士と訂正請求(134条の2)の範囲を設計する。訂正に伴う明細書等の補正(17条の5)も同時に検討する
- 4.終結後でも審理再開の上申を検討 審理終結の通知が出た後でも、看過された争点や終結前に提出できなかった正当な理由のある決定的証拠があれば、156条3項の審理再開を上申する。上申書では「なぜ今まで出せなかったか」を丁寧に説明する
よくある質問 AI による整理
Q1審理終結の通知とは何ですか?
審判事件が審決をするのに熟し、これ以上の主張・立証は原則受け付けず、あとは審判官が結論を書く段階に入ったことを当事者に知らせる通知です(特許法156条)。
Q2特許無効審判の審決はいつ出ますか?
審理終結の通知を発した日から原則20日以内です(156条4項)。ただし事件が複雑なときやむを得ない理由があるときは、但書によりこの期間を超えて延びることがあります。
Q3審決の予告が来たらどうすればいいですか?
164条の2で指定された期間内に、訂正請求(134条の2)で無効理由を回避できるかを弁理士と検討します。予告は合議体の暫定的な無効心証のサインで、訂正の最後のチャンスです。
Q4特許無効審判の流れは?
請求→答弁→口頭審理→(無効心証なら)審決の予告→訂正請求の機会→審理終結の通知→20日以内に審決、が基本の流れです。予告と終結の二段構えが特許無効審判の特徴です。
Q5審理再開の申立ては認められますか?
156条3項により終結通知後でも申立て又は職権で再開できますが、審判長の裁量です。決定的かつ終結前に出せなかった正当な理由のある証拠でないと動きにくいのが実務です。
Q6156条は商標や意匠にも準用されますか?
特許の審判手続の規定は商標法・意匠法・実用新案法の審判にも準用され、終結通知と審決の予告のリズムは同様に働きます(各法の準用規定の現行効力はご確認ください)。
Q7審決が20日を過ぎても出ないのはなぜですか?
156条4項但書が「事件が複雑」「その他やむを得ない理由」がある場合の例外を認めているためで、実務上は20日を超えて審決が下りることも珍しくありません。
Q8訂正請求の期限はいつまでですか?
審決の予告を受けた場合、164条の2第2項で指定された応答期間内が訂正請求(134条の2)の期限です。最新の運用は特許庁の指定内容でご確認ください。
この条文についての質問 AI による整理
Q1審理終結の通知が来てしまったら、もう新しい証拠を出すのは無理ですか?
原則として終結後の新証拠提出は認められませんが、156条3項により、当事者の申立てまたは審判長の職権で審理を再開できます。再開されれば新証拠も審理対象になります。実務のポイント:再開は審判長の裁量で、決定的かつ終結前に提出できなかった正当な理由がある証拠でないと動きません。だからこそ上申書では「なぜ今まで出せなかったか」を丁寧に説明するのが効く。ただ「再開してほしい」と書くだけの上申はまず通らない
Q2「審決の予告」って普通の審判でも来るんですか?
いいえ、審決の予告(164条の2)は特許無効審判に特有の制度で、156条2項もそれを前提に書かれています。拒絶査定不服審判など他の審判では予告なしに1項で終結通知が来ます。実務のポイント:予告が来るのは、合議体が「現時点なら無効審決を出す」という心証に傾いているサインです。つまり予告=特許権者にとっては黄信号。逆に請求人側から見れば、予告が出た時点で勝ちに近い。この通知の有無と内容から、双方の代理人は審決の中身をかなりの精度で予測している
間違えやすい点 AI による整理
- 「審理が終結したら、もう何も手は打てない」と思い込んでいる人が多いが、3項は終結通知の後でも、当事者の申立てまたは審判長の職権で審理を再開できると定めている。終結は確定ではない。新たな決定的証拠や、看過された争点があれば、再開を求める上申に意味がある
- 特許無効審判も他の審判と同じく、熟したらすぐ終結通知が来ると誤解されがちだが、実は無効審判だけは別建てだ(2項)。「審決の予告」という特許権者を救済するための一段階が挟まる。この違いを知っているかどうかで、特許権者が訂正で特許を生き延びさせる最後のチャンスを掴めるかが決まる
- 「審決の予告が来た=もう負けが確定」と絶望する特許権者がいるが、それは問いの立て方が逆だ。予告は『負け』の通知ではなく『訂正すれば救えるかもしれない』という制度的猶予。予告を受けた時点で訂正請求の戦略を立てられれば、無効審判をひっくり返した事例は実在する
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 手続上の位置づけ | 156条:審理終結の通知(審決の直前の区切り) | 164条の2:審決の予告(無効審判で終結の前に挟む段階) 134条の2:訂正の請求(予告を受けた特許権者の救済手段) |
| 主な機能 | 議論終了を告げ、20日以内の審決への時計を動かす | 無効心証を可視化し、特許権者に訂正の猶予を与える 請求項を減縮して無効理由を回避し特許を生き延びさせる |
| 当事者が取れる手 | 3項の審理再開を申立て又は職権発動で促す | 指定期間内に訂正するか、回避不能なら訴訟へ戦略転換 予告の理由に刺さる部分だけを狙って訂正を打つ |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は経済部智慧財産局が挙発(無効)手続を審査する行政手続型で、日本の審判のような「予告→終結→審決」の明文リズムとは制度構成が異なる
韓国も特許審判院が審判を担い、心理の終結・審決という枠組みは日本と近い。日本法の影響を受けた沿革を持つ
ドイツは特許無効を連邦特許裁判所の訴訟手続で扱い、行政審判である日本の無効審判とは審級構造が根本的に異なる
米国は PTAB の当事者系レビューで、審理終結後 final written decision を出す。手続の時限管理が厳格な点は日本と共通するが、制度は別系統
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、あなたが特許権者で、無効審判の係属中に「審決の予告」を受け取ったとしたら? それは審判合議体が「現時点では無効」と心証を固めたサインだ。164条の2第2項で指定された期間内に訂正請求をして特許の範囲を狭め、無効理由を回避できるかが勝負。この段階を見落とすと、訂正の機会を一度失う
- 無効審判を請求した側(攻める側)として、審理終結通知が出た後に決定的な先行技術文献を新たに発見した。本来なら遅すぎるが、3項の審理再開を職権または申立てで促せる余地がある。審判長が「必要がある」と判断すれば再開される。終結後でも諦めずに上申書を出すかどうかで結果が変わる
- 審理終結通知を受け取ったが、審決がなかなか来ない。4項は20日以内と定めるが、「事件が複雑」「やむを得ない理由」の但書で実務上はしばしば延びる。あと何日で審決が出るのか読めない宙吊りの時間。この間にできることは、審理再開申立ての要否を弁理士と詰めておくことだけだ
取るべき行動
被害を受けた側:特許権者(無効審判で攻められる側)の場合:1. 審決の予告が届いたら、164条の2第2項で指定された期間(応答期限)を真っ先に確認、これが訂正の最終チャンス2. 予告の理由から、どの請求項のどの無効理由が認められそうかを読み取り、弁理士と訂正請求(134条の2)の範囲を設計3. 訂正で無効理由を回避できる見込みを冷静に評価、回避不能なら審決取消訴訟や別出願での権利維持に戦略を切り替える4. 終結通知が出てしまった後でも、看過された主張があれば3項の審理再開上申を検討
訴えられた側:無効審判を請求した側(特許を潰したい側)の場合:1. 審決の予告が出たら、相手が訂正でどう逃げるかを先回りして想定、訂正後の請求項に対する無効理由を準備2. 終結通知が出た後に決定的な新証拠を発見したら、3項の審理再開を職権発動してもらうべく上申書を提出3. 審決発出は終結通知から20日以内(4項、但書で延びうる)なので、再開を狙うなら審決が出る前に動く4. 訂正で特許が生き残った場合に備え、訂正後の権利範囲に対する次の一手(別件無効審判・訴訟)も並行検討
時効(請求できる期限):審決は審理終結の通知を発した日から20日以内(4項本文)、ただし事件が複雑なときその他やむを得ない理由があるときはこの限りでない(同項但書)。審理再開の申立て(3項)は終結通知後・審決発出前に行う必要がある。審決の予告に対する訂正請求は164条の2第2項で指定された期間内(最新の運用をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
- 平成23年(2011年)改正 審決の予告制度(164条の2)の導入に伴い、156条2項が特許無効審判について別建ての終結通知ルールを定める形に改められた。予告をしないとき、または予告後に被請求人が訂正請求等をしないときに終結通知をするという現在の構造になった。改正回数全体は要人的検証
改正の年表
- 1.昭和34年(1959年) 新設:現行特許法(昭和34年法律第121号)の制定に伴い、審判における審理終結の通知と審決の期限に関する手続が定められた
- 2.平成23年(2011年) 改正:審決の予告制度(164条の2)の導入に伴い、156条2項が特許無効審判について別建ての終結通知ルールを定める形へ改正。予告をしないとき、又は予告後に被請求人が訂正請求等をしないときに終結通知をする構造となった(改正回数全体は要人的検証)
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