要点特許法 155 条は、審判請求の取下げの可否と制限を定める規定である。審決確定前なら取下げできるが、相手方の答弁書提出後は相手方の承諾が必要となる。
Q · 無効審判って、一度起こしたら途中でやめられないんですか?
答弁書提出前なら自由、提出後は相手の承諾が必要です
特許法 155 条により、審判請求は審決が確定するまで取り下げられます。ただし相手方が答弁書(134 条 1 項)を提出した後は、相手方の承諾がなければ取り下げられません。承諾を得られないまま審決が確定すると、167 条の一事不再理により、同一の事実・証拠では二度と同じ無効審判を起こせなくなります。なお特許無効審判は請求項ごとの部分取下げができますが(3 項)、訂正審判の取下げは全請求一括のみです(4 項)。
競合他社の特許を潰そうと無効審判を起こした。ところが、相手の答弁書が特許庁に届いた瞬間、形勢が反転する。特許法 155 条 2 項により、答弁書提出後は相手方の承諾なしに請求を取り下げられなくなるからだ。なぜこれが効くのか。無効審判は審決が確定すると一事不再理(167 条)が働き、同じ事実と証拠では二度と争えなくなる。形勢が悪いと見て途中で降りたい請求人を、相手方は「承諾しない」と言って土俵に縛りつけ、自分に有利な審決を確定させられる。逆に請求人の側も、答弁書が出る前なら自由に引っ込められる。3 項では請求項ごとの部分取下げ、4 項では訂正審判の全件一括取下げという、攻め方の細かい設計まで用意されている。引き際の一手が、特許の生死を分ける。
特許法 155 条は審判の取下げを定める手続規定であり、審判請求は審決確定までは取下げが可能であるが、相手方の答弁書提出後は相手方の承諾を要すると定める。特許無効審判では請求項ごとの部分取下げを認め、訂正審判では全請求一括の取下げのみを認めるという非対称な設計を採る。
AI 輔助整理,以條文原文為準
審決が確定するまでは取り下げられます(155 条 1 項)。ただし相手方の答弁書提出後は相手方の承諾が必要です(2 項)。答弁書が出る前が自由な撤退の窓です。
相手方が 134 条 1 項の答弁書を提出した後からです(155 条 2 項)。それ以前なら請求人は単独で自由に取り下げられます。この一線が事実上の締切になります。
無効審判の審決が確定すると、同一の事実および証拠に基づいて二度と同じ審判を起こせなくなる効力です(167 条)。取下げに失敗すると再挑戦の道が閉ざされます。
審決が確定するまでは取り下げ可能です(155 条 1 項)。ただし相手方の答弁書が出た後は承諾が必要になるため、実務上は答弁書提出が自由撤退の締切です。
できません。訂正審判の取下げは全ての請求について一括で行う必要があります(155 条 4 項)。請求項ごとの部分取下げは無効審判にのみ認められます(3 項)。
審判を管轄する特許庁に提出します。方式は特許法施行規則に従います。答弁書提出後は相手方の承諾書の添付が必要になる点に注意してください。
取下げにより審判は初めから係属しなかったものとなり、特許は無効審決を受けずに存続します。一事不再理も生じないため、別途要件を満たせば再度の請求も可能です。
ライセンス交渉の圧力として使われますが、答弁書のタイミングを誤ると撤退できず不利な審決を確定させ、交渉カードを失うリスクがあります。手続段階の管理が重要です。
審決が確定する前なら取下げ自体は可能ですが、相手方が答弁書(134 条 1 項)を出した後は、相手の承諾がないとやめられません(155 条 2 項)。承諾なしに突き進んで審決が確定すると、167 条の一事不再理で同じ事実・証拠では二度と争えなくなります。業界裏話ヒント:実務では「答弁書が出る前に勝てるか見極める」のが鉄則。経験ある弁理士は、証拠が固まらないうちは本気の主張を温存し、引き際の窓を残しておく。素人が手の内を全部出し切ってから引こうとすると、もう逃げ場がない
無効審判なら違います。二以上の請求項について無効審判を起こした場合、155 条 3 項で請求項ごとに取り下げられます。勝てない請求項だけ落として、強い請求項に集中できる。ただし訂正審判は逆で、4 項により取下げは全請求について一括でしかできません。業界裏話ヒント:無効審判は分割して各個撃破、訂正審判は一蓮托生。この非対称を知らないと、訂正審判で一部だけ直そうとして全部やり直しになる。攻めと守りで取下げの自由度が真逆だと覚えておく
状況次第です。あなたが特許権者で特許が有効と確信できるなら、あえて承諾せず審決を確定させれば、167 条で同じ相手の再攻撃を封じられます。逆に長期化を避けたいなら承諾して畳む手もある。業界裏話ヒント:承諾を渋るのは、将来また同じ相手や仲間に無効審判を起こされるのを防ぐため。一回の有効審決は、確定すれば同一事実・証拠の範囲で再請求の盾になる。だから強い特許ほど、相手の撤退をわざと許さない判断がある
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 155 条:審判の取下げの可否と制限 | — |
| 作用するタイミング | 審判係属中(審決確定まで) | — |
| 当事者への効果 | 答弁書提出後は相手方の承諾がなければ取下げ不可 | — |
| 部分・一括の別 | 無効審判は請求項ごと、訂正審判は全件一括 | — |
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