特許法 第154条(審理の併合又は分離)
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- 当事者の双方又は一方が同一である二以上の審判については、その審理の併合をすることができる。
- 2.前項の規定により審理の併合をしたときは、さらにその審理の分離をすることができる。
この条文の基本情報
審理の併合又は分離とは何ですか?
定義審理の併合又は分離とは、特許法第154条に定められた規定で、「当事者の双方又は一方が同一である二以上の審判については、その審理の併合をすることができる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 特許法第154条(審理の併合又は分離)は、日本の特許法に含まれる条文です。
- 特許法第154条の条文原文は「当事者の双方又は一方が同一である二以上の審判については、その審理の併合をすることができる。」で始まります。
- 特許法第154条は第六章に置かれています。
- 特許法の公布日は昭和34年4月13日です。
- 特許法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 特許法第154条の前の条は特許法第153条です。
- 特許法第154条の次の条は特許法第155条です。
- 特許法第154条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
特許法(昭和三十四年法律第百二十一号)第154条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000121 - 本サイト収録
特許法(昭和三十四年法律第百二十一号)第154条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000121/154
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点特許法154条は、当事者の双方または一方が同一である二以上の審判について、その審理を併合できると定める。併合後は、さらに審理を分離することもできる(同条2項)。
Q · 別々に出した無効審判は、まとめて審理されてしまうの?
当事者が同一なら併合されうる。後で分離もされる
特許法154条1項により、当事者の双方または一方が同一である二以上の審判は、その審理を併合することができます。別々に請求したつもりでも、請求人または被請求人が共通していれば、審判合議体の裁量で一つの審理に束ねられる可能性があります。さらに同条2項は、いったん併合した審理を後から分離することも認めています。併合も分離も職権的裁量であり、当事者が申し立てても必ず通るとは限りません。複数の審判を抱える場合、請求の順序と主張の配置を事前に設計する必要があります。
解説
特許を複数持っていて、競合がその一件ずつに別々の無効審判を仕掛けてきた。あなたは三つの戦線を別々に戦うつもりでいる。ところが特許庁の審判合議体は、当事者の双方または一方が同じこれらの審判を、一つの審理にまとめる権限を持つ。それが特許法154条1項だ。併合されれば、それぞれの審判で出した証拠や主張は、事実上同じ土俵の上に並べられる。あなたが弱い主張を一件だけそっと取り下げようとしても、その痕跡は他の審判の判断材料として残りうる。さらに2項では、いったん併合した審理を後から分離もできる。有利に進んでいた審判が、不利な審判と切り離されて単独で厳しく見られることもある。複数の特許紛争を抱えたとき、相手も自分も、この併合と分離のスイッチを誰が握っているかを意識しておく必要がある。
法的な位置づけ
特許法154条は審判における審理の併合および分離を定める手続規定である。1項は、当事者の双方または一方が同一である二以上の審判について、その審理を併合できる旨を規定し、2項は、併合した審理をさらに分離できる旨を規定する。併合・分離の判断は審判合議体の裁量に委ねられ、審理の重複回避と個別審判の独立性の調整機能を担う。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.係属中の審判を当事者ベースで棚卸しする 自社が関与する審判を一覧化し、請求人・被請求人の同一性を確認する。当事者の双方または一方が同一なら、特許法154条1項による併合の射程に入る。
- 2.併合された場合の心証波及をシミュレーションする 弱い主張と強い主張が同一審理に乗った場合、合議体の心証がどう動くかを弁理士と検討する。併合が有利か不利かを先に判定する。
- 3.併合が不利なら分離を促す疎明を準備する 特許法154条2項による分離を求める場合、争点・引用例・技術分野が実質的に異なることを具体的に示す。手続の煩雑さのみを理由とする主張は通らない。
- 4.併合維持が有利なら共通争点を強調する 防御を一本化できる場合は、証拠の共通性・当事者の同一性・矛盾判断回避の必要性を示し、併合維持を働きかける。
- 5.審決後の不服申立て期限を管理する 併合審理を経た審決に不服がある場合、審決送達日から30日以内に審決取消訴訟(特許法178条3項)を提起する。一事不再理(167条)の射程も同時に確認する。
よくある質問 AI による整理
Q1審理の併合とは何ですか?
複数の審判を一つの審理手続にまとめることです。特許法154条1項が根拠で、当事者の双方または一方が同一であることが要件です。証拠調べや口頭審理を一度で済ませられます。
Q2審理の併合は誰が決めるのですか?
審判合議体が職権的裁量で決めます。当事者が併合や分離を申し立てることはできますが、申立てに拘束力はなく、合議体の判断次第です。
Q3併合された審判は審決も一つになりますか?
併合されるのは審理手続であり、事件そのものは別個のままです。実務上は同時に審決が出されることが多いものの、各審判ごとに審決が示されます。
Q4審理の分離はいつまでできますか?
特許法154条2項に期限の定めはなく、審理係属中であれば審判合議体の裁量でいつでも分離できます。審決後に分離することはできません。
Q5併合を拒否することはできますか?
当事者に拒否権はありません。争点や証拠が実質的に異なることを疎明し、分離を促すことが実務上の対応となります。
Q6当事者が違う審判も併合できますか?
できません。154条1項は「当事者の双方又は一方が同一」であることを要件とします。請求人も被請求人も異なる審判は併合対象外です。
Q7無効審判と訂正審判は併合できますか?
条文上は「二以上の審判」とのみ定め、審判の種類を限定していません。ただし実務上は同種の当事者系審判で併合されるのが通常です。
Q8併合された審判で負けたらどうなりますか?
各審判ごとに審決が出され、確定すれば特許法167条の一事不再理が働きます。不服がある場合は審決送達から30日以内に審決取消訴訟(178条3項)を提起します。
この条文についての質問 AI による整理
Q1無効審判は一気にまとめて出した方が得ですか、別々に出した方が得ですか?
ケースによります。別々に出しても、当事者が同じなら特許法154条で併合されうるので『分けたから安全』とは限りません。むしろ強い主張と弱い主張を同じ審理に乗せると、合議体の心証が全体に及ぶことがあります。実務のポイント:実務では、最も自信のある一件を先行させて確定的な勝ちを取り、その結果を踏まえて次を出す『順序設計』をする弁理士が多い。一括請求は効率的に見えて、弱点を相手にまとめて見せる諸刃の剣です
Q2一度併合されたら、もう別々には戻せないんですか?
戻せます。特許法154条2項は、併合した審理を後から分離できると定めています。ただし併合も分離も審判合議体の裁量で、当事者が申し立てても必ず通るわけではありません。実務のポイント:自分に不利な併合だと感じたら、争点や証拠が実質的に異なることを具体的に示して分離を促すのが筋。『手続が複雑になる』程度の理由では動きません。争点の独立性を疎明できるかどうかが分かれ目です
間違えやすい点 AI による整理
- 「無効審判を複数に分けて出せば、一つ負けても他で挽回できる」と考えるが、問いの立て方が違う。当事者が同じなら154条で併合されうるので、分けたつもりが同じ土俵に乗せられている。前提にした『別々の勝負』そのものが成り立っていない
- 併合という言葉は知っていても、その後に分離もできる(2項)ことの怖さまでは知らない。有利に進んでいた審判が、不利な審判と切り離されて単独で厳しく判断されることがある。併合は一方通行ではなく、いつでも切り替わるスイッチだ
- あなたから見れば「別々の特許の別々の争い」だが、審判合議体から見れば「同じ当事者の一連の紛争」。この視点の落差が、あなたの想定しない併合を生み、用意した各個撃破の戦略を崩す
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する対象 | 特許法154条:審理手続の併合・分離 | 特許法132条:複数当事者による共同審判の請求 特許法167条:確定審決の一事不再理効 |
| 適用の前提 | 当事者の双方または一方が同一である二以上の審判が係属 | 同一の特許について複数人が共同して請求・被請求 審決が確定していること |
| 判断権者 | 審判合議体の職権的裁量 | 当事者の選択(請求の主体構成) 後行審判における審理の可否として自動的に作用 |
| 戦略上の意味 | 各個撃破戦略が併合で崩れる/分離で再び切り離せる | 共同請求で立証コストを分担できる 併合一括敗訴で複数特許の再挑戦が同時に閉じる |
他国ではどう定めているか 4 か国
二以上の挙発案について、智慧財産局が適当と認めるときは合併審査・合併審定ができる。分離の明文はなく、行政庁の裁量で処理される点が日本と近い
当事者の双方または一方が同一である二以上の審判について、審判官が審理または審決を併合または分離できると定める。日本法と極めて近い構造
連邦特許裁判所の手続には民事訴訟法の規定が準用され、手続の併合(Verbindung)・分離(Trennung)は裁判所の裁量による
PTAB における複数の当事者系レビューについて、長官の裁量で consolidation / joinder が可能。日本と異なり当事者の申立て手続が明文化されている
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 競合に無効審判を2件かけたが、審理の途中で片方の主張の弱さに気づいた。今から取り下げるべきか? すでに併合されていれば、弱い方の証拠は強い方の判断にも影を落とす。次の口頭審理までに方針を決めなければならない
- あなたの特許に複数の無効審判をかけられた側。各件にバラバラの反論を準備していたところ、まとめて審理するという通知が届く。防御のストーリーを一本に束ね直す必要に迫られる
- 保有特許群への一括無効審判。各個撃破を狙ったはずが、併合一発で全戦線がつながる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 自分の特許に複数の無効審判がかかったら、まず各審判の請求人と争点を一覧化し、当事者の同一性から併合の可能性を見積もる2. 併合された方が防御を一本化できて有利なら、こちらから異議を述べない3. 逆に争点が全く異なり、一件の弱点が他に波及しそうなら、争点の独立性を疎明して分離(2項)を促す4. 確定すれば一事不再理(167条)が働くので、各審判の見通しを弁理士と精査してから方針を固める
訴えられた側:1. 複数の特許に無効審判をかける前に、併合された場合の見え方をシミュレーションする2. 最も勝率の高い一件を先行させ、確定的な勝ちを取ってから次を出す順序設計を検討する3. 弱い主張を強い主張と同じ審理に乗せると合議体の心証を損なうので、束ねるか分けるかを戦略的に選ぶ4. 相手が分離を求めてきたら、争点の共通性を主張して併合維持を働きかける
時効(請求できる期限):審理の併合・分離それ自体に当事者向けの法定期限はなく、審判合議体の職権・裁量で随時行われる。ただし併合後に出された審決に不服があるときは、審決送達から30日以内に審決取消訴訟(特許法178条3項)を提起しなければならない(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:154条の併合・分離は審判合議体の職権的裁量に属し、当事者の申立ては職権発動を促す性質にとどまる。併合されても各審判の事件としての独立性は失われず、審決は原則として審判ごとに示される。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和34年(1959年) 新設:現行特許法(昭和34年法律第121号)の制定に際し、審判手続における審理の併合および分離の規定として設けられた
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