特許法 第161条
クイックジャンプ
第百三十四条第一項から第三項まで、第百三十四条の二、第百三十四条の三、第百四十八条及び第百四十九条の規定は、拒絶査定不服審判には、適用しない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 特許法第161条は、日本の特許法に含まれる条文です。
- 特許法第161条の条文原文は「第百三十四条第一項から第三項まで、第百三十四条の二、第百三十四条の三、第百四十八条及び第百四十九条の規定は、拒絶査定不服審判には、適用しない。」で始まります。
- 特許法第161条は第六章に置かれています。
- 特許法の公布日は昭和34年4月13日です。
- 特許法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 特許法第161条の前の条は特許法第160条です。
- 特許法第161条の次の条は特許法第162条です。
- 特許法第161条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
特許法(昭和三十四年法律第百二十一号)第161条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000121 - 本サイト収録
特許法(昭和三十四年法律第百二十一号)第161条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000121/161
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点特許法161条は、拒絶査定不服審判に答弁書・訂正の請求・参加の規定を適用しないと定める。相手方のいない査定系審判であり、出願人は審査官の判断のみと向き合う。
Q · 拒絶査定不服審判に、相手方や答弁書はあるんですか?
相手方はいません。査定系審判だからです。
特許法161条により、答弁書(134条1項から3項)、訂正の請求(134条の2・134条の3)、参加(148条・149条)の規定は拒絶査定不服審判には適用されません。これらはいずれも相手方が存在する当事者系審判(無効審判など)のための手続です。拒絶査定不服審判は査定系審判であり、出願人は審判官に対して審査官の拒絶理由の誤りを論証し、必要なら補正(17条の2)で出願内容を修正することに集中します。答弁書を待つ局面も、第三者が横から介入する局面も存在しません。
解説
特許出願が拒絶査定を受けた。あなたはそれを覆すため拒絶査定不服審判を請求する。ここで知っておくべき決定的な事実がある。この審判には「相手方」が存在しない。特許法161条は、当事者系審判の手続を定めた条文群、すなわち答弁書の提出(134条1項から3項)、訂正の請求(134条の2、134条の3)、参加(148条、149条)を、拒絶査定不服審判には適用しないと定める。つまりあなたが向き合う相手は競合他社ではなく、特許庁の判断そのものだ。誰かが横から割り込んで「その特許は認めるな」と主張してくることもない。あなたの仕事はただ一つ、審判官に対して審査官の拒絶理由が誤っていることを論証し、必要なら補正で出願内容を修正することに集中すればよい。この構造を理解しているかどうかで、審判請求書の書き方が根本から変わる。
法的な位置づけ
特許法161条は、拒絶査定不服審判における当事者系手続の適用除外を定める規定である。答弁書(134条1項から3項)、訂正の請求(134条の2・134条の3)、参加(148条・149条)を適用しないと規定し、拒絶査定不服審判が相手方の存在しない査定系審判であることを条文構造の面から明確にする。
よくある質問 AI による整理
Q1査定系審判と当事者系審判の違いは?
査定系審判は出願人と特許庁の二者構造で相手方がいません(拒絶査定不服審判など)。当事者系審判は請求人と被請求人が対立します(無効審判など)。161条はこの違いを手続の適用除外で示します。
Q2拒絶査定不服審判の請求期限はいつまで?
原則として拒絶査定の謄本送達日から3か月以内です(特許法121条、在外者は別途取扱い)。この期間を過ぎると査定が確定し、出願は失効します。最新の改正状況をご確認ください。
Q3前置審査とは何ですか?
拒絶査定不服審判の請求と同時に補正がされた場合、審判に付す前に審査官がもう一度審査するしくみです(特許法162条)。補正で拒絶理由が解消すれば早期に特許査定となる可能性があります。
Q4拒絶査定不服審判で出願内容を直せますか?
直す手段は補正(17条の2)です。訂正の請求(134条の2)は161条で適用除外されており使えません。補正できる時期と範囲は法律で厳しく限定されています。
Q5なぜ拒絶査定不服審判には参加できないのですか?
拒絶査定不服審判が相手方の存在しない査定系審判だからです。161条が参加(148条・149条)の規定を適用除外しており、第三者が審判手続に加わる余地がありません。
Q6情報提供制度とは何ですか?
第三者が特許出願の審査係属中に、先行技術文献などの拒絶理由に関する資料を特許庁へ提出できる制度です。審判に参加できない第三者が、審査段階で競合出願に対抗する主要な手段です。
Q7拒絶査定不服審判と無効審判の違いは?
拒絶査定不服審判は登録前に拒絶査定を争う査定系審判で相手方がいません。無効審判(123条)は登録済み特許の有効性を争う当事者系審判で、請求人と特許権者が対立します。
Q8訂正の請求はなぜ拒絶査定不服審判で使えないのですか?
訂正の請求(134条の2)は無効審判など当事者系審判のための制度で、161条で拒絶査定不服審判には適用除外されているためです。査定系では補正(17条の2)で内容を修正します。
この条文についての質問 AI による整理
Q1拒絶査定不服審判って、誰と争うんですか?
誰とも争いません。拒絶査定不服審判は査定系審判で、相手方が存在しないのです。161条が答弁書(134条)や参加(148条)の規定を適用除外しているのはそのためで、あなたは審判官に向けて審査官の判断の誤りを論証するだけです。実務のポイント:弁理士は審判請求書を『反論書』ではなく『説得書』として書きます。叩く相手がいないので、攻撃的な文体より、審査官の論理の隙を冷静に埋める構成のほうが審判官に響く。この発想の差が結果を分けます
Q2競合の特許が審判で復活しそうなんですが、止められませんか?
拒絶査定不服審判には参加(148条、149条)が適用されないため、あなたが審判に割り込むことはできません(161条)。打つ手は二つ、審査係属中なら情報提供で先行技術を出す、登録されてしまったら無効審判(123条)で争う、です。実務のポイント:審判段階では手も足も出ないので、競合の出願は『審査段階』で監視するのが鉄則。公開公報をウォッチして審査中に情報提供を入れておけば、そもそも審判まで行かせずに潰せる可能性があります
間違えやすい点 AI による整理
- 「審判なら相手と争うものだ」という前提で審判請求書を書こうとする人がいる。だが拒絶査定不服審判にそもそも相手方はいない。立てるべき問いは『誰に勝つか』ではなく『審査官の判断のどこが論理的に破綻しているか』だ。問いの立て方自体がずれていると、どれだけ力作の主張書面を積んでも空振りに終わる
- 拒絶査定不服審判が査定系であることは知っていても、その帰結の重さを見落としている人が多い。当事者系なら相手の主張に反論する形で論点が浮かび上がるが、査定系では誰も論点を提示してくれないし、誰も邪魔もしない。論証の責任は完全にあなた側にあり、出し忘れた主張や証拠を補ってくれる者は一人もいない
- 「訂正の請求(134条の2)で出願内容を直せる」と思い込んでいると足をすくわれる。それは無効審判など当事者系のための制度で、拒絶査定不服審判には適用されない。査定系で内容を直す手段は補正(17条の2)であり、補正できる時期と範囲は厳しく限られている
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 相手方の有無 | 拒絶査定不服審判(161条):なし・査定系 | 無効審判(123条):あり・請求人と特許権者が対立 前置審査(162条):なし・審査官が再審査 |
| 答弁書(134条1〜3項) | 適用なし(161条で除外) | 適用あり 適用対象外(審査官の再検討手続) |
| 参加(148条・149条) | 適用なし(161条で除外) | 適用あり(第三者が参加可) 適用なし |
| 出願内容の修正手段 | 補正(17条の2) | 訂正の請求(134条の2) 補正(17条の2) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は拒絶(核駁)に対し、まず特許庁内の『再審查』を経て、なお不服なら訴願・行政訴訟という行政救済ルートに進む。日本の査定系審判のように審判官による準司法手続を独立に置く構造とは異なる
韓国も日本と同様、거절결정(拒絶決定)に対する不服を特許審判院での審判として扱う。日本法を範とした継受の名残りで構造が近い
ドイツは特許庁(DPMA)の拒絶決定に対し、連邦特許裁判所(BPatG)への Beschwerde(抗告)で争う。審判段階から裁判所が関与する点で、審判を特許庁内に置く日本と設計が異なる
米国は審査官の拒絶に対し、特許審判部(PTAB)への ex parte appeal で争う。相手方のいない ex parte 構造という点は日本の査定系審判と発想が近い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 競合のスタートアップが、あなたの会社の基幹技術に近い発明を出願し拒絶された。あなたは「このまま潰れてほしい」と願っている。だが拒絶査定不服審判には参加(148条)が適用されない。あなたは審判に横から介入して反論することができない。打てる手は審査係属中の情報提供か、もし登録されたら無効審判(123条)を待つことだけだ
- もしあなたの出願が拒絶され、審判を請求したのに、相手方からの答弁書がいつまでも届かず不安になったら? それは正常だ。161条が答弁書の規定(134条)を適用除外している。査定系審判に被告役はいない。来ないのが当たり前で、あなたは審判官との一対一の論証に集中すればよい
- 拒絶査定の謄本送達から3か月以内に審判を請求しないと、査定が確定して出願は終わる。残り日数を数えながら、補正と審判理由を同時に組み立てる。後から相手の出方を見て修正する局面は、この審判には用意されていない(最新の改正状況をご確認ください)
取るべき行動
被害を受けた側:1. 拒絶査定の謄本送達日から3か月以内に審判請求、この期限は厳守(特許法121条、最新の改正状況をご確認ください) 2. 審判に相手方はいないと理解し、審判請求書は『審査官の拒絶理由のどこが誤りか』を論点ごとに突く構成にする3. 出願内容を直す必要があれば審判請求と同時に補正(17条の2)、訂正請求(134条の2)は使えない4. 前置審査(162条)で審査官が再検討するルートも意識、補正で拒絶理由が解消するなら早期決着の可能性がある
訴えられた側:競合の拒絶された出願を復活させたくない第三者の立場なら、まず161条により拒絶査定不服審判への参加(148条)はできないと理解する1. 審査係属中なら情報提供で先行技術や不利な資料を提出2. それでも審判で復活し登録された場合は、無効審判(123条)で改めて争う3. 審判手続そのものには手を出せないため、審査段階と登録後の別ルートに資源を配分する
時効(請求できる期限):審判請求は拒絶査定の謄本送達日から3か月以内(特許法121条、在外者は別途の取扱い)。この期間を過ぎると査定が確定して出願は失効し、回復は極めて困難(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:特許の審判は、相手方の存在する当事者系審判(無効審判など)と、出願人と特許庁の二者で進む査定系審判(拒絶査定不服審判)に大別される。161条は当事者系固有の手続(答弁書・訂正の請求・参加)を査定系から除外することで、この二分構造を条文上明確化するものと理解されている。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和34年(1959年) 新設:現行特許法(昭和34年法律第121号)の制定に伴い、拒絶査定不服審判における当事者系手続の適用除外を定める規定が置かれた。以後の条番号整理・準用条文の改正により、除外対象条項(134条各項・134条の2・134条の3・148条・149条)が整えられている。
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める