特許法 第163条
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- 第四十八条、第五十三条及び第五十四条の規定は、前条の規定による審査に準用する。この場合において、第五十三条第一項中「第十七条の二第一項第一号又は第三号」とあるのは「第十七条の二第一項第一号、第三号又は第四号」と、「補正が」とあるのは「補正(同項第一号又は第三号に掲げる場合にあつては、拒絶査定不服審判の請求前にしたものを除く。)が」と読み替えるものとする。
- 2.第五十条及び第五十条の二の規定は、前条の規定による審査において審判の請求に係る査定の理由と異なる拒絶の理由を発見した場合に準用する。この場合において、第五十条ただし書中「第十七条の二第一項第一号又は第三号に掲げる場合(同項第一号に掲げる場合にあつては、拒絶の理由の通知と併せて次条の規定による通知をした場合に限る。)」とあるのは、「第十七条の二第一項第一号(拒絶の理由の通知と併せて次条の規定による通知をした場合に限るものとし、拒絶査定不服審判の請求前に補正をしたときを除く。)、第三号(拒絶査定不服審判の請求前に補正をしたときを除く。)又は第四号に掲げる場合」と読み替えるものとする。
- 3.第五十一条及び第五十二条の規定は、前条の規定による審査において審判の請求を理由があるとする場合に準用する。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 特許法第163条は、日本の特許法に含まれる条文です。
- 特許法第163条の条文原文は「第四十八条、第五十三条及び第五十四条の規定は、前条の規定による審査に準用する。」で始まります。
- 特許法第163条は第六章に置かれています。
- 特許法の公布日は昭和34年4月13日です。
- 特許法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 特許法第163条の前の条は特許法第162条です。
- 特許法第163条の次の条は特許法第164条です。
- 特許法第163条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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- 正式書式
特許法(昭和三十四年法律第百二十一号)第163条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000121 - 本サイト収録
特許法(昭和三十四年法律第百二十一号)第163条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000121/163
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点特許法163条は、前置審査(162条)に通常審査の規定を準用する。除斥・補正却下・拒絶理由通知・特許査定の各規定が読み替えのうえ適用され、原審査官による再審査が進む。
Q · 拒絶査定不服審判を出すと、案件はまず誰が見るの?
通常審査の規定を前置審査に準用する手続規定です
特許法163条は、前置審査(162条)に通常審査の規定を準用する手続規定です。補正を伴う拒絶査定不服審判を請求すると、案件はまず原審査官に差し戻されて再審査されます。本条は除斥(48条)・補正却下(53条・54条)を準用して中立性と手続を整え、新たな拒絶理由を発見すれば拒絶理由通知(50条・50条の2)で反論の機会を与え、請求に理由ありとするときは特許査定(51条・52条)を準用して審判を経ず直接登録へ導きます。
解説
特許出願が拒絶査定を受けたとき、多くの人は審判官との長い戦いを覚悟する。だが特許法には抜け道に近い仕組みがある。拒絶査定不服審判を請求すると同時に明細書や特許請求の範囲を補正すると、その案件はいったん審判官の手に渡る前に、あなたを落とした当の審査官へ差し戻される。これが前置審査だ。本条はその再審査を動かすルールブックで、通常審査の規定を借りてくる。核心は第3項。補正後の発明を見た審査官が今度は登録できると判断すれば、審判を経ずに直接特許査定を出せる。つまりあなたの逆転は、審判廷ではなく、最初に拒絶した審査官のデスクで決まることが多い。本条はその一連の手続が公正に回るよう、除斥や拒絶理由通知の規定まで丁寧に接続している。
法的な位置づけ
特許法163条は、拒絶査定不服審判の請求と同時に補正がされた案件を原審査官に差し戻す前置審査(162条)の手続を補充する準用規定である。除斥・補正却下・拒絶理由通知・特許査定など通常審査の諸規定を読み替えて準用し、前置審査が公正かつ通常審査と整合的に運用されるよう接続する役割を担う。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.拒絶査定到達から3か月以内に審判請求と補正を同時に行う 拒絶査定の謄本送達から3か月以内(特許法121条1項、在外者等は延長あり)に、拒絶査定不服審判の請求と明細書等の補正を同時に提出する。補正を伴う請求でのみ前置審査(162条)が開始する
- 2.補正は審判官でなく原審査官を読み手として組む 前置審査で最初に判断するのは原審査官である。新規の主張を足すより、前回の拒絶理由通知で示された引用文献との相違を正面から解消する形で請求項を補正すると、審査官が自説を維持しにくくなり前置の段階で特許査定に傾く
- 3.前置審査での拒絶理由通知に必ず応答する 前置審査で審判請求に係る査定と異なる拒絶理由が通知された場合(本条2項・50条準用)、意見書提出の機会があるので必ず応答する。無応答は不利な再審査結果に直結する
- 4.特許査定が出なければ審判用に主張を組み直す 前置審査で特許査定に至らない場合、審査官の報告(164条)が審判記録に残る。その報告内容を踏まえ、審判廷での主張・証拠を再構成して審判官の審理に備える
よくある質問 AI による整理
Q1前置審査とは?
補正を伴う拒絶査定不服審判の請求があったとき、審判官の審理に入る前に原審査官へ案件を差し戻して再審査させる手続です。特許法162条が根拠で、163条が準用規定を定めます。
Q2前置審査の期間はどのくらい?
案件により異なり、本条に固有の法定期間はありません。一般に審判廷での審理より短期間で結論が出る傾向があり、補正の質によって特許査定までの時間が変わります。
Q3前置審査と拒絶査定不服審判の違いは?
前置審査は原審査官による再審査、審判は審判官による審理です。補正を伴う審判請求はまず前置審査に入り、ここで特許査定が出れば審判廷に上がらず決着します。
Q4前置審査で再び拒絶されたらどうなる?
特許査定しないときは審査官の報告(164条)が審判記録に残り、案件は審判官の審理に進みます。前置で示された判断が、その後の審判の出発点になります。
Q5特許法163条は何を準用していますか?
1項で除斥(48条)・補正却下(53条・54条)、2項で拒絶理由通知(50条・50条の2)、3項で特許査定(51条・52条)を、いずれも読み替えのうえ前置審査に準用します。
Q6前置審査に審査官の除斥はありますか?
あります。本条1項が除斥(48条)を準用するため、利害関係のある審査官は前置審査の再審査から外れ、最低限の中立性が担保されます。
Q7前置審査中に第三者は情報提供できますか?
刊行物等提出書(情報提供)により先行技術を提出すれば、再審査する審査官の判断材料になります。競合の権利化を防ぐにはこの段階の対応が重要です。
Q8前置審査で新たな拒絶理由が見つかったら?
審判請求に係る査定と異なる拒絶理由を発見した場合、本条2項が拒絶理由通知(50条)を準用するため、出願人は意見書で反論する機会を与えられます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1拒絶査定を受けたら、もう特許は取れないんですか?
取れる可能性は十分あります。拒絶査定不服審判を請求し、同時に補正をすれば前置審査(162条)に入り、本条3項が準用する51条により、審査官が再評価して直接特許査定を出せます。実務のポイント:補正を伴う審判請求のかなりの割合が、審判廷に上がる前にこの前置審査で特許査定に至っています。審判イコール長期戦と身構える前に、補正の質で前置の段階で決着させるのが実務の定石です。
Q2同じ審査官がもう一度見るなら、また落とされるだけじゃないですか?
そうとは限りません。審査官は補正後の発明を見直し、前回の拒絶理由が解消されていれば特許査定を出します。また本条1項が準用する除斥規定(48条)により、利害関係のある審査官は再審査から外れます。実務のポイント:審査官が前回示した引用文献との違いを補正で明確に潰すと、自らの拒絶理由を維持しにくくなります。新しい論点を足すより、前回言われたことに正面から答える補正のほうが前置では通りやすい、というのが現場感覚です。
間違えやすい点 AI による整理
- 前置審査の存在は知っていても、それが「同じ審査官による再審査」だという重みを見落としている人が多い。あなたを拒絶した審査官が、自分の判断を覆すかどうかを決める。だからこそ補正は、新しい主張を足すより、その審査官が前回示した拒絶理由を正面から潰す形で組む方が通りやすい。誰が読むかで補正の書き方が変わる
- 「審判を請求すれば審判官が判断してくれる」という前提自体がずれている。補正を伴う請求では、最初に判断するのは審判官ではなく前置審査の審査官だ。審判官の心証を狙って書いた主張書面が、まず別の読み手の机に届く。問いの立て方を変える必要がある
- 前置審査で特許査定が出なければ無駄足だと思われがちだが、実は逆。ここで通らなかった理由は審査官の報告(164条)として審判記録に残り、その後の審判で審判官が読む。前置で何を言われたかが、次の戦いの出発点を決めている
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 判断する主体 | 前置審査(163条準用):原審査官が再評価 | 拒絶査定不服審判(通常ルート):審判官の合議体 初回審査(47条以下):審査官の最初の審査 |
| 開始の前提 | 補正を伴う拒絶査定不服審判の請求(162条) | 拒絶査定不服審判の請求(121条) 特許出願 |
| 結論が出るまでの速さ | 短期で決着しやすい(審判廷に上がらない) | 前置を経ない場合は長期化しやすい 出願順に審査、案件により長短 |
| 登録への直結性 | 51条準用で審判を経ず直接特許査定が可能 | 審決で審判官が特許査定すべき旨を判断 特許査定または拒絶査定 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も拒絶(不予専利)処分に対し再審査を請求でき、原則として原処分機関が再度審査する点で前置審査に近い機能を持つ
韓国は2009年改正で再審査(재심사)を導入。拒絶決定に対し補正とともに再審査を請求でき、原審査官系統が再評価する構造が前置審査に類似する
ドイツは審判(Beschwerde)に対し原審の審査部が自己救済(Abhilfe)できる制度を持ち、不服を受けた原部門が再考する点で機能的に近い
米国は審判(appeal)前後に継続審査請求(RCE)や審査官の再考会議があり、原審査官系統での再評価という発想は共通するが手続構造は大きく異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 出願した発明が進歩性なしで拒絶された。補正で請求項を限定し、拒絶査定不服審判を請求したら、案件はどこへ行く? 答えは審判廷ではなく、あなたを落とした審査官のもとへの差し戻し。前置審査だ。ここで通れば数か月、審判まで行けば一年以上かかることもある。最初の一手で時間軸が二倍変わる
- 競合他社が出願した特許を監視していて、一度拒絶査定が出たので安心していた。だが相手が補正して審判請求すると、前置審査で静かに特許査定が出ることがある。審判の公開審理を待っていると、知らぬ間に競合の権利が成立している
- 拒絶査定の謄本が届いて3か月。この期間内に審判請求と補正を出さなければ、出願は確定的に失われる。前置審査という再考の機会も、その期限を守った者だけに開く
取るべき行動
被害を受けた側:1. 拒絶査定の謄本到達から3か月以内に、拒絶査定不服審判の請求と明細書等の補正を同時に行う2. 補正は新規主張の追加より、前回の拒絶理由(引用文献との相違)を正面から解消する形で組む。読み手は前回の審査官だと意識する3. 前置審査で特許査定が出れば登録へ、出なければ審査官の報告(164条)を踏まえて審判の主張を組み直す4. 前置で新たな拒絶理由が通知された場合(50条準用)、意見書提出の機会があるので必ず応答する
訴えられた側:1. 監視対象の出願が拒絶査定を受けても監視を解かない。補正と審判請求で前置審査に入る可能性がある2. 前置審査の段階で刊行物等提出書(情報提供)により先行技術を提出し、再審査する審査官の判断材料に加える3. 前置で特許査定が出てしまった場合は、登録後の特許無効審判(123条)で争う準備に切り替える4. 審査経過(包袋)を継続的にチェックし、権利化のタイミングを逃さない
時効(請求できる期限):本条自体に固有の期間はないが、前提となる拒絶査定不服審判の請求は拒絶査定の謄本送達から3か月以内(特許法121条1項、在外者等は延長あり)。この期間内に補正を伴う請求をした場合のみ前置審査が開始する(最新の改正状況をご確認ください)。
学説
通説:本条は前置審査(162条)に通常審査の規定を準用する技術的規定であり、迅速な権利化と判断の中立性を両立させる趣旨。除斥(48条)の準用は同一審査官による再審査への中立性の疑念に応える装置と理解される。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和45年(1970年) 新設:前置審査制度の導入に伴い、前置審査に通常審査の諸規定を準用する規定が整備された。補正を伴う審判請求案件を原審査官に再審査させ、審判官の負担を軽減する趣旨
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