特許法 第184条の11(在外者の特許管理人の特例)
クイックジャンプ
- 在外者である国際特許出願の出願人は、国内処理基準時までは、第八条第一項の規定にかかわらず、特許管理人によらないで手続をすることができる。
- 2.前項に規定する者は、国内処理基準時の属する日後経済産業省令で定める期間内に、特許管理人を選任して特許庁長官に届け出なければならない。
- 3.特許庁長官は、前項に規定する期間内に特許管理人の選任の届出がなかつたときは、第一項に規定する者に対し、その旨を通知しなければならない。
- 4.前項の規定による通知を受けた者は、経済産業省令で定める期間内に限り、特許管理人を選任して特許庁長官に届け出ることができる。
- 5.前項に規定する期間内に特許管理人の選任の届出がなかつたときは、その国際特許出願は、取り下げたものとみなす。
- 6.前項の規定により取り下げたものとみなされた国際特許出願の出願人は、経済産業省令で定める期間内に限り、経済産業省令で定めるところにより、特許管理人を選任して特許庁長官に届け出ることができる。ただし、故意に、第四項に規定する期間内に特許管理人の選任の届出をしなかつたと認められる場合は、この限りでない。
- 7.第四項又は前項の規定によりされた届出は、第二項に規定する期間が満了する時にされた届出とみなす。
- 8.第一項に規定する者が、特許管理人により第百八十四条の四第四項の規定による手続をしたときは、第二項から前項までの規定は、適用しない。
この条文の基本情報
在外者の特許管理人の特例とは何ですか?
定義在外者の特許管理人の特例とは、特許法第184条の11に定められた規定で、「在外者である国際特許出願の出願人は、国内処理基準時までは、第八条第一項の規定にかかわらず、特許管理人によらないで手続をすることができる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 特許法第184条の11(在外者の特許管理人の特例)は、日本の特許法に含まれる条文です。
- 特許法第184条の11の条文原文は「在外者である国際特許出願の出願人は、国内処理基準時までは、第八条第一項の規定にかかわらず、特許管理人によらないで手続をすることができる。」で始まります。
- 特許法第184条の11は第九章に置かれています。
- 特許法の公布日は昭和34年4月13日です。
- 特許法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 特許法第184条の11の前の条は特許法第184条の10です。
- 特許法第184条の11の次の条は特許法第184条の12です。
- 特許法第184条の11には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
特許法(昭和三十四年法律第百二十一号)第184条の11 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000121 - 本サイト収録
特許法(昭和三十四年法律第百二十一号)第184条の11(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000121/184_11
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点特許法184条の11は、在外者の国際特許出願は国内処理基準時後、省令所定の期間内に特許管理人を選任・届出すべきと定める。怠れば取下げ擬制となるが、故意でなければ復活の余地がある。
Q · 海外の出願人が PCT で日本に特許を出すとき、特許管理人を立て忘れたらどうなるの?
届出を怠ると通知を経て出願は取下げ擬制になる
特許法184条の11では、在外者の国際特許出願は国内処理基準時までは特許管理人なしで手続できます。しかし基準時後は経済産業省令で定める期間内に特許管理人を選任・届出する義務があり、怠ると特許庁長官の通知(3項)と追完期間(4項)を経て、なお届出がなければ出願は取り下げたものとみなされます(5項)。ただし故意でなければ6項の救済期間内に選任届を出して出願を復活できる余地があります。
解説
日本に住所も居所もない発明者やスタートアップが、PCT 国際出願で日本市場に乗り込もうとするとき、最初に立ちはだかるのがこの条文だ。原則として在外者は「特許管理人」(日本国内であなたに代わって特許庁への手続を担う代理人、実務上は弁理士)を立てなければ手続できない(特許法8条)。だが国際出願では、国内処理基準時までは管理人なしで動ける猶予が認められている。問題はその後だ。基準時を過ぎたら、経済産業省令で定める期間内に管理人を選任して届け出る義務が生じる。忘れれば特許庁から通知が来て、それでも期間内に出さなければ、あなたの国際特許出願は「取り下げたものとみなす」。数百万円の出願費用と、世界中で押さえようとした優先権が、一通の届出漏れで消える。ただし2021年の改正で、故意でなければもう一度だけ救済される窓口(6項)が残された。この最後の扉の存在を知っているかどうかが、分水嶺になる。
法的な位置づけ
特許法184条の11は、在外者である国際特許出願の出願人について特許管理人の選任・届出義務とその猶予を定める規定である。国内処理基準時までは管理人によらない手続を認め、基準時後は省令所定の期間内に管理人を選任して特許庁長官へ届け出るべきものとし、不履行の場合の通知・追完・取下げ擬制・救済という段階的効果を規律する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.PCT 段階で特許管理人を先に確保 国内処理基準時を待たず、PCT 出願の段階で日本の特許管理人(弁理士・弁護士)を確保する。基準時前に184条の4第4項の手続を管理人経由で済ませておけば、8項により2項以降の届出義務そのものが消える
- 2.国内処理基準時と各期間を施行規則で確認 国内処理基準時(184条の4)の起算点を確認し、2項の届出期間、4項の追完期間、6項の救済期間の具体的日数を最新の特許法施行規則で確認する。曖昧な省令期間を一つずつ日付に落とし込む
- 3.期間内に特許管理人を選任し特許庁長官へ届出 省令で定める期間内に特許管理人を選任し、特許庁長官宛てに選任届を提出する。まだ取下げ擬制前であれば、この一通で手続を確定できる
- 4.取下げ擬制後は6項救済を故意でない証拠とともに すでに取下げ擬制(5項)に進んでいる場合、6項の救済期間内に選任届を出し、故意でなかったことを示す客観証拠(メールの不達記録、システム障害ログ、担当者の診断書)を添える。特許庁が故意性を判断する前に提出できるかが分水嶺
よくある質問 AI による整理
Q1特許管理人とは?
在外者に代わって特許庁への手続や訴訟行為を包括的に代理する人です。日本国内に住所または居所があることが必要で、実務では弁理士や弁護士が就任します(特許法8条)。
Q2国内処理基準時とは?
PCT 国際出願が日本の国内段階に移行し、国内での審査手続の起算点となる時点です。特許法184条の4が定義し、184条の11の各期間の起算基準になります。
Q3PCT 国内移行 いつまで?
優先日から原則30か月以内に翻訳文提出などの国内移行手続が必要です。特許管理人の選任届は基準時後、経済産業省令で定める期間内に行います(施行規則を要確認)。
Q4在外者 特許管理人 必要?
原則必要です。日本に住所または居所がない出願人は特許管理人によらなければ手続できません(特許法8条)。ただし国内処理基準時までは例外的に管理人なしで手続できます。
Q5特許 取下げ擬制 とは?
所定期間内に特許管理人の選任届が出ないと、その国際特許出願を取り下げたものとみなす扱いです(184条の11第5項)。出願費用と優先権が失われます。
Q6特許管理人 届出 どこ?
特許庁長官宛てに選任届を提出します。届出は184条の11第2項・4項・6項で段階的に定められ、いずれも経済産業省令で定める期間内に行う必要があります。
Q7特許管理人 選任 期限は?
国内処理基準時の属する日の後、経済産業省令で定める期間内です。通知後の追完期間や救済期間もそれぞれ省令で定まるため、最新の特許法施行規則を必ず確認してください。
Q8特許管理人 費用 いくら?
特許事務所により異なり、選任・国内移行手続の代理報酬が発生します。金額は事案により幅があるため、依頼前に見積りを取ることが推奨されます(本記事は費用を保証しません)。
この条文についての質問 AI による整理
Q1特許管理人って、結局だれを選べばいいんですか?
実務上は弁理士または弁護士を選任します。特許管理人は在外者に代わって特許庁への手続や訴訟行為を包括的に代理する人で、日本国内に住所または居所があることが必要です(特許法8条)。実務のポイント:国内移行を扱う特許事務所は、出願代理とセットで特許管理人の就任も引き受けるのが通例です。別々に手配するより、国内移行を依頼する事務所にそのまま管理人も兼ねてもらう方が、184条の11の届出漏れリスクが激減する
Q2うっかり期限を過ぎて「取下げとみなす」になったら、もう完全に終わりですか?
2021年改正後は、終わりとは限りません。184条の11第6項により、故意に届出をしなかったと認められる場合を除き、経済産業省令で定める期間内に特許管理人を選任して届け出れば出願を復活できます。実務のポイント:ここで効くのは「正当な理由」より緩い「故意でないこと」という、出願人に有利な基準です。事務ミスやシステム障害程度なら救済される可能性が高い。諦めて再出願すると優先日を失うので、まず6項の救済可否を弁理士に確認するのが先決(最新の改正状況をご確認ください)
間違えやすい点 AI による整理
- 「締切を過ぎたら出願は消える」ことは知っていても、消滅が一段階ではなく多段階で進むことを知らない人が多い。最初の期間徒過で即取下げにはならず、特許庁の通知(3項)から追加期間(4項)、それでも徒過で取下げ擬制(5項)、故意でなければ最後の救済(6項)という四段の階段になっている。どの段にいるかで、打てる手がまったく違う
- 「取り下げたものとみなされたら、もう何もできない」と問いを立てがちだが、その問いの立て方自体が古い。2021年改正後は「故意でなかったか」が真の争点で、うっかり、事務ミス、システム障害による徒過なら6項で復活の余地がある。聞くべきは「終わったか」ではなく「故意と認定されるか」だ
- 「在外者でも日本に支店や担当者がいれば特許管理人は要らない」と思われがちだが、要否は出願人本人に日本の住所または居所があるかで決まる(特許法8条)。支店があっても、出願人が在外者である限り原則として管理人が必要になる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律内容 | 184条の11:在外者の国際特許出願における特許管理人の選任・届出義務と猶予・救済 | 8条:在外者は特許管理人によらなければ手続できないという一般原則 184条の4:国内処理基準時と書面手続の定義(本条の起算基準) |
| 特許管理人の要否 | 国内処理基準時までは管理人不要、基準時後は原則必要 | 在外者は手続全般で原則管理人が必要 要否は定めず、起算点となる時点のみを画する |
| 不履行の効果 | 通知(3項)→追完(4項)→取下げ擬制(5項)→故意でなければ救済(6項)の段階構造 | 管理人によらない手続は原則不適法 効果規定ではなく定義規定 |
| 回避・免れる手段 | 8項:管理人経由で184条の4第4項の手続を済ませれば届出義務が消える | 在外者が国内に住所・居所を得れば原則が外れる — |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も、中華民国境内に住所・営業所のない出願人に専利代理人(専利師)の委任を義務づける点で本条と趣旨を同じくする
韓国も재외자(在外者)に特許管理人の選任を義務づける。国内窓口を確保して送達・審査連絡を確実にする発想は日本と共通
ドイツは国内に住所等のない者に Inlandsvertreter(国内代理人)の選任を求める。EU 域内は緩和されるが第三国出願人には代理人選任が原則必要
米国は非居住特許権者に対し訴訟・通知の受領のための国内代理人指定を認める。出願手続自体は代理人なしでも可能な点で日本より緩やか
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 国内処理基準時が過ぎ、省令で定める期間も残りわずか。特許管理人の選任届がまだ出ていない。あと数日でこのまま期間が満了したら、あなたの出願はどうなる? 5項の取下げ擬制が口を開けて待っている。今日中に弁理士へ連絡し、選任手続を走らせるしかない
- 海外本社から日本の国内移行を丸ごと任された。省令の期間を一つ読み違えた。気付いたときには取下げ擬制の通知が届いていた
- 外国の中小メーカーの出願人で、現地代理人が日本の特許管理人選任を失念。6項の救済を求めたいが、特許庁は「故意でなかったか」を問う。メールのやり取りとシステム障害の記録が、出願の生死を分ける証拠になる
取るべき行動
被害を受けた側:1. まず自分が四段の階段のどこにいるか確認:国内処理基準時を過ぎたか、特許庁の通知(3項)が来たか、取下げ擬制(5項)まで進んだか2. まだ取下げ擬制前なら、省令で定める期間内に直ちに特許管理人を選任して特許庁長官へ届出3. すでに取下げ擬制なら、6項の救済期間内に選任届を出し、故意でなかったことを示す資料を添える4. 並行して優先権や他国出願への影響を弁理士と確認し、最悪の場合の再出願戦略も用意する
訴えられた側:1. 徒過の責任を問われたら、まず時系列とメール、指示の記録を保全し、どこで連絡が途切れたかを客観化する2. 出願人へ6項の救済可能性を即座に説明し、故意でない徒過であることを裏付ける証拠(不達記録、障害ログ、診断書)を共同で準備3. 6項の届出は救済期間内に限られるため、責任論争より先に手続を走らせる4. 再発防止として、国内移行案件では特許管理人選任日を最優先タスクに固定する
時効(請求できる期限):各期限はいずれも経済産業省令で定める期間(2項、4項、6項)で、起算点が段階的に異なる。2項は国内処理基準時の属する日の後、4項は特許庁の通知(3項)を受けた後、6項は取下げ擬制後の省令所定期間内。具体的日数は施行規則を必ず確認すること(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:184条の11は、在外出願人のアクセス保障と国内手続の確実性を両立させるため、届出義務を単発ではなく通知・追完・取下げ擬制・救済という段階構造で組み立てた規定と解される。8項の適用により届出義務そのものが消滅する点も、事前手当ての重要性を示す
改正沿革 AI による整理
- 令和3年(2021年)改正(要人的検証) 6項の救済について「故意でない限り救済」とする基準が導入されたと解されるが、改正年・新設か改正かの区別・具体的施行日に確証がないため要検証。捏造を避け total_revisions を -1とした
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める