特許法 第8条(在外者の特許管理人)
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- 日本国内に住所又は居所(法人にあつては、営業所)を有しない者(以下「在外者」という。)は、政令で定める場合を除き、その者の特許に関する代理人であつて日本国内に住所又は居所を有するもの(以下「特許管理人」という。)によらなければ、手続をし、又はこの法律若しくはこの法律に基づく命令の規定により行政庁がした処分を不服として訴えを提起することができない。
- 2.特許管理人は、一切の手続及びこの法律又はこの法律に基づく命令の規定により行政庁がした処分を不服とする訴訟について本人を代理する。ただし、在外者が特許管理人の代理権の範囲を制限したときは、この限りでない。
この条文の基本情報
在外者の特許管理人とは何ですか?
定義在外者の特許管理人とは、特許法第8条に定められた規定で、「日本国内に住所又は居所(法人にあつては、営業所)を有しない者(以下「在外者」という。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 特許法第8条(在外者の特許管理人)は、日本の特許法に含まれる条文です。
- 特許法第8条の条文原文は「日本国内に住所又は居所(法人にあつては、営業所)を有しない者(以下「在外者」という。」で始まります。
- 特許法第8条は第一章 総則に置かれています。
- 特許法の公布日は昭和34年4月13日です。
- 特許法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 特許法第8条の前の条は特許法第7条です。
- 特許法第8条の次の条は特許法第9条です。
- 特許法第8条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
特許法(昭和三十四年法律第百二十一号)第8条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000121 - 本サイト収録
特許法(昭和三十四年法律第百二十一号)第8条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000121/8
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点特許法8条は、日本に住所も居所もない在外者は、政令で定める場合を除き、特許管理人によらなければ特許庁への手続も訴えの提起もできないと定める。特許管理人の代理権は原則として包括的である。
Q · 日本に住んでいなくても、自分で日本に特許出願できますか?
原則できません。特許管理人が必要です
特許法8条1項により、日本国内に住所も居所(法人なら営業所)もない「在外者」は、政令で定める場合を除き、日本国内に住所又は居所を有する特許管理人によらなければ、特許庁への手続も、行政庁の処分を不服とする訴えの提起もできません。特許管理人を立てれば、その者が原則として一切の手続と訴訟について本人を代理します(同条2項本文)。ただし本人が代理権の範囲を制限したときは、その制限に従います(同項但書)。国籍ではなく、日本国内の住所・居所・営業所の有無で判断される点が要注意です。
解説
海外に住んだまま、あるいは外国法人として日本で特許を取ろうとすると、ある壁にぶつかる。日本国内に住所も居所もない者(法人なら営業所がない者、これを在外者という)は、原則として日本国内に住所か居所を持つ「特許管理人」を立てない限り、出願も、補正も、拒絶査定への不服も、行政庁の処分を争う訴訟も、一切できない。あなたが在外者なら、特許管理人がいなければ特許庁はあなたの書類を受け付けないし、裁判所もあなたの訴えを門前で止める。逆に言えば、信頼できる特許管理人を一人立てた瞬間、その人があなたの代わりに日本での手続と訴訟を丸ごと動かせる。しかも代理権は包括的で、あなたが範囲を制限しない限り、一切の手続と訴訟に及ぶ。だからこそ、誰を特許管理人にするか、その権限をどこまで絞るかが、あなたの日本での知財戦略の入口を決める。
法的な位置づけ
特許法8条は在外者の特許管理人について定める規定である。日本国内に住所又は居所(法人にあっては営業所)を有しない者は、政令で定める場合を除き、日本国内に住所又は居所を有する特許管理人によらなければ、手続をし、又は行政庁がした処分を不服として訴えを提起することができない。特許管理人の代理権は、本人が範囲を制限しない限り、一切の手続及び訴訟に及ぶ包括的なものである。
手順
- 1.自分が「在外者」に当たるか判定する 国籍ではなく、日本国内に住所又は居所(法人にあっては営業所)があるかで判断する。日本国籍の海外駐在員でも在外者に当たり、外国籍でも国内に居所があれば在外者ではない。実態を弁理士に正確に伝える
- 2.政令の例外に当たらないか確認する 特許法8条1項の「政令で定める場合」(特許法施行令)に該当すれば、特許管理人によらず手続できる。PCT 経由の国際特許出願には特許法184条の11の特例もあるため、不要な選任費用を先払いしないよう先に確認する
- 3.特許管理人を選任し、代理権の範囲を制限する 日本国内に住所又は居所を有する者を特許管理人として選任する。委任状のテンプレをそのまま使うと一切の手続・訴訟に及ぶ包括代理権を渡すことになるため、放棄・取下げ・出願の変更などの重大処分は本人の個別同意事項として書面に明記する(特許法8条2項但書)
- 4.期間制限のある通知が来たら、選任を最優先で動かす 拒絶査定不服審判(特許法121条)や審決取消訴訟(同178条)には期間制限がある。特許管理人が未選任のまま期間が経過すると、手続も訴えの提起もできないまま権利を失う。通知の送達を受けた時点で選任と手続準備を同時並行で走らせる
よくある質問 AI による整理
Q1在外者とは何ですか?
日本国内に住所又は居所(法人にあっては営業所)を有しない者をいいます(特許法8条1項)。国籍は関係なく、日本国籍でも海外在住で国内に住所・居所がなければ在外者です。
Q2特許管理人になれるのは誰ですか?
日本国内に住所又は居所を有する、その者の特許に関する代理人です。実務上は日本の弁理士や特許業務法人が引き受けることがほとんどですが、条文上は住所・居所要件が中心です。
Q3特許管理人を立てないとどうなりますか?
在外者は原則として手続をすることも、行政庁の処分を不服とする訴えを提起することもできません。特許庁に書類が受理されず、訴えも適法性を争われます。
Q4特許管理人によらず手続できる場合はありますか?
あります。特許法8条1項は「政令で定める場合を除き」と規定しており、特許法施行令が定める一定の場合には在外者が自ら手続できます。
Q5特許管理人の代理権を制限する方法は?
本人が特許管理人の代理権の範囲を制限すれば、その範囲に限定されます(特許法8条2項但書)。委任の段階で放棄・取下げ等を個別同意事項に切り出すのが実務です。
Q6商標や意匠でも特許管理人は必要ですか?
必要です。商標法77条、意匠法68条、実用新案法2条の5が特許法8条を準用しており、在外者は同じ構造の代理人ゲートを通ります。
Q7特許管理人は後から変更できますか?
本人と特許管理人の委任関係の問題であり、本人が解任・変更して特許庁に届け出ることができます。変更手続の空白期間に期間制限のある手続が来ないよう注意が必要です。
Q8在外者が審決取消訴訟を起こすには何が必要ですか?
特許管理人によらなければ訴えを提起できません(特許法8条1項)。出訴期間(特許法178条)は待ってくれないため、審決の送達を受けた時点で管理人選任を最優先で進めます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1海外に住んでる日本人なんですが、自分で日本に特許出願できないんですか?
国籍ではなく、日本国内に住所か居所があるかで決まります(特許法8条1項)。海外在住で日本に住所も居所もなければ『在外者』に当たり、原則として特許管理人を立てなければ出願も訴訟もできません。実務のポイント:一時帰国中に日本国内の居所を確保できる期間があるかどうかで扱いが変わりうるので、住所・居所の実態を弁理士に正確に伝えること。形式的に『海外在住だから無理』と諦める前に、居所の有無を詰める価値がある
Q2特許管理人ってどこまで勝手に決められるんですか?放棄とかされたら怖いんですけど
特許管理人は、原則として本人のために一切の手続と訴訟を代理します(同条2項本文)。つまり制限しなければ放棄・取下げまで含む包括的な権限です。ただし本人が代理権の範囲を制限すれば、その範囲に限定されます(同項但書)。実務のポイント:実務では委任契約で重大処分を個別同意事項に切り出すのが定石。委任状のテンプレをそのまま使うと全権を渡すことになるので、放棄・取下げ・変更の条項を必ず確認する
Q3PCT で国際出願したら、最初から日本の代理人が必要ですか?
PCT 経由で日本に国内移行する国際特許出願には特例があり(特許法184条の11)、一定の段階までは特許管理人によらずに手続できる場面があります。8条の原則がそのまま全段階に及ぶわけではありません。実務のポイント:国内移行のどの手続から特許管理人が必須になるかは段階ごとに分かれるので、移行スケジュールと管理人選任のタイミングを早めに弁理士と詰めると、無駄な費用と手続の空白を避けられる
間違えやすい点 AI による整理
- 「在外者でも、日本に代理人を一人つければ手続できる」とまでは知っていても、その代理人=特許管理人の権限が原則『一切の手続と訴訟に及ぶ包括代理』であることまでは見落とされがちだ。委任状に細かく書かなくても全権が渡る、その重さを理解していないと、想定外の取下げや放棄が起きうる
- 「特許管理人がいなければ何もできない」と思われているが、政令(特許法施行令)で定める一定の場合には、在外者が特許管理人によらずに手続できる例外がある。すべての場面で特許管理人が必須だという前提そのものが、正確ではない
- 在外者を『日本人か外国人か』の国籍問題だと捉える人が多いが、本条が見ているのは国籍ではなく住所・居所(法人なら営業所)が日本国内にあるかどうかだ。日本国籍の海外駐在員でも在外者になり、外国籍でも日本に居所があれば在外者ではない。問いの立て方を間違えると判断を誤る
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 適用対象 | 特許法8条:在外者(日本国内に住所・居所・営業所なし) | 特許法9条:委任による代理人一般(在外者に限らない) 特許法184条の11:PCT 経由の国際特許出願をした在外者 |
| 代理人選任の要否 | 政令で定める場合を除き必須(立てなければ手続・訴え提起不可) | 任意(本人が自ら手続できる) 一定の段階までは特許管理人によらず手続できる特例あり |
| 代理権の範囲 | 原則として一切の手続及び訴訟(本人が制限したときはその範囲) | 委任の範囲。放棄・取下げ等は特別の授権を要する 特例の及ぶ手続の範囲は段階ごとに区分される |
| 制度趣旨 | 国内の連絡・送達先を確保し、手続の確実性を担保する | 本人の手続負担の軽減と専門家利用 国際出願人の国内移行段階での過度な負担回避 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も、境内に住所又は営業所を有しない者は代理人に委任して専利手続をしなければならないと定める。代理人資格は専利師法により規律され、代理人強制の構造は日本8条と同型
韓国も在外者に特許管理人を要求し、その代理権を包括的とする。日本法を継受した条文構造であり、代理権範囲の制限も同様に認められる
ドイツは国内に住所・営業所を有しない者に対し国内代理人(弁護士または弁理士)の選任を求める。EU 域内居住者の扱いは EU 法上の役務提供の自由との関係で調整される点が日本と異なる
米国は非居住特許権者に対し、送達受領のための domestic representative の指定を認める。指定がない場合の裁判管轄の扱いを法定する構造で、手続一般の代理強制とは設計思想が異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- アメリカのスタートアップが、自社のコア技術を日本でも押さえようと出願を決めた。だが日本に拠点はない。特許管理人(多くは日本の弁理士)を立てなければ、出願書類すら特許庁に届かない。誰を選ぶかで、その後の中間処理の質も費用も変わる
- 海外在住の日本人発明家が、自分名義で日本に特許出願していたが、拒絶査定が来た。審決取消訴訟を起こそうとしたら、特許管理人を立てていなければ訴え自体が提起できない。出訴期間は待ってくれない、残り時間で代理人選任と訴訟準備を同時に走らせることになる
- もし、あなたが日本の弁理士で、海外企業から特許管理人を引き受けてくれと頼まれたら? 代理権の範囲を契約で絞らない限り、あなたは本人の一切の手続と訴訟を代理する全権を持つ。放棄も取下げも、原則あなたの一存で動かせる立場になる
- 在外者から特許権侵害で訴えられた国内企業。相手が特許管理人を立てているか、その代理権に制限がついていないかは、相手方の足元を見る材料になる。代理権の範囲制限を本人が登録していれば、その範囲外の行為は本人に効果が及ばない
取るべき行動
被害を受けた側:あなたが在外の出願人・権利者の場合:1. 自分が本条の『在外者』に当たるか確認(国籍でなく日本国内の住所・居所・営業所の有無で判断) 2. 政令(特許法施行令)の例外に該当しないか確認、該当しなければ特許管理人を選任3. 委任の段階で代理権の範囲を必要な限度に制限し、放棄・取下げ等の重大処分は個別同意事項として書面に残す4. 拒絶査定・審決など期間制限のある通知を受けたら、訴え提起前に管理人選任を最優先で動かす
訴えられた側:あなたが特許管理人を引き受ける側、または在外者の相手方の場合:1. 引き受ける側は、自分に渡る代理権が原則包括的(一切の手続・訴訟)であることを自覚し、本人と範囲・報告義務を契約で明確化2. 相手方の立場なら、在外者が適法に特許管理人を立てているか、代理権に範囲制限がないかを確認、制限の範囲外の行為は本人に効果が及ばない可能性を主張材料にできる3. 在外者本人が直接手続・訴訟をしてきた場合は、本条違反として手続の適法性を争える
時効(請求できる期限):本条自体に固有の時効はない。ただし在外者が動かす個々の手続には期間制限があり、特に拒絶査定不服審判(特許法121条)や審決取消訴訟(同178条、審決送達から30日が原則)の期間内に特許管理人を立てて手続をしなければ権利を失う。期間の起算点は各通知の送達時(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:特許法8条の趣旨は、国内に送達先と応答主体を確保して手続の確実性と相手方の予測可能性を担保する点にあり、在外者の制度アクセスを否定するものではないと解される。代理権は包括的だが、本人の範囲制限は特許庁および相手方との関係でも効力を有する
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和34年(1959年) 新設:現行特許法(昭和34年法律第121号)の制定に伴い、在外者の特許管理人に関する規定として第8条が置かれた
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