特許法 第184条の14(発明の新規性の喪失の例外の特例)
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第三十条第二項の規定の適用を受けようとする国際特許出願の出願人は、その旨を記載した書面及び第二十九条第一項各号のいずれかに該当するに至つた発明が第三十条第二項の規定の適用を受けることができる発明であることを証明する書面を、同条第三項の規定にかかわらず、国内処理基準時の属する日後経済産業省令で定める期間内に特許庁長官に提出することができる。
この条文の基本情報
発明の新規性の喪失の例外の特例とは何ですか?
定義発明の新規性の喪失の例外の特例とは、特許法第184条の14に定められた規定で、「第三十条第二項の規定の適用を受けようとする国際特許出願の出願人は、その旨を記載した書面及び第二十九条第一項各号のいずれかに該当するに至つた発明が第三十条第二項の…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 特許法第184条の14(発明の新規性の喪失の例外の特例)は、日本の特許法に含まれる条文です。
- 特許法第184条の14の条文原文は「第三十条第二項の規定の適用を受けようとする国際特許出願の出願人は、その旨を記載した書面及び第二十九条第一項各号のいずれかに該当するに至つた発明が第三十条第二項の…」で始まります。
- 特許法第184条の14は第九章に置かれています。
- 特許法の公布日は昭和34年4月13日です。
- 特許法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 特許法第184条の14の前の条は特許法第184条の13です。
- 特許法第184条の14の次の条は特許法第184条の15です。
- 特許法第184条の14には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
特許法(昭和三十四年法律第百二十一号)第184条の14 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000121 - 本サイト収録
特許法(昭和三十四年法律第百二十一号)第184条の14(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000121/184_14
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点特許法184条の15は、PCT国際特許出願人が新規性喪失の例外を受けるための手続特例で、申出書と証明書を国内処理基準時の属する日後、経済産業省令が定める期間内に提出できると定める。
Q · 学会で発表した発明を、PCTで日本に出願するとき、新規性喪失の例外はいつまでに手続すればいいの?
国内処理基準時を起算点に、省令の定める期間内に提出します
特許法184条の15により、PCT国際特許出願の出願人が30条2項の新規性喪失の例外を受ける場合、通常の30条3項(出願時起算)ではなく、国内処理基準時の属する日後、経済産業省令で定める期間内(現行はおおむね30日とされますが最新の改正状況をご確認ください)に、申出書と証明書を特許庁長官へ提出します。前提として、公開は30条2項の猶予期間(現在1年)内でなければなりません。この特例締切を30条3項の感覚のまま見落とすと、自分の公開が引例となって拒絶されます。
解説
大学の研究室で成果を国際学会で発表した。あるいはスタートアップでクラウドファンディングに新製品を載せた。その後で特許を取ろうとする。普通なら、自分で公開した発明は新規性を失って特許にならない。だが特許法30条2項は、自分の公開なら一定期間(現在は1年、最新の改正状況をご確認ください)猶予を与える。問題はその先だ。30条3項は、出願と同時に申出の書面を出し、その後の決められた日数内に証明書を提出せよと命じる。ところがあなたがPCT(特許協力条約)経由で日本に入る国際特許出願人なら、この184条の15が別ルートを用意する。出願時ではなく、国内処理基準時の属する日後、経済産業省令が定める期間内に提出すればよい。つまり国内移行という日本独自のタイミングに締切が紐づく。この一本の締切を、通常の30条3項の感覚のまま見落とすと、せっかくの猶予が効かなくなり、自分で発表した論文が自分の特許を潰す引例に化ける。
法的な位置づけ
特許法184条の15は、国際特許出願の出願人に対する新規性喪失の例外(30条2項)の手続特例を定める規定である。通常の30条3項が出願と同時の申出および所定日数内の証明を求めるのに対し、本条は起算点を国内処理基準時の属する日とし、経済産業省令で定める期間内の書面提出を認める点で、PCT経由の出願人に現実的な手続の道を開く。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.公開の日付・内容をすべて記録する 論文・学会発表・展示・クラウドファンディング等、自己の公開をすべて日付と内容とともに記録し、後の証明書の材料とする。スクリーンショットや発表プログラムも保存する
- 2.公開が猶予期間内かを確認する PCT出願の優先日を基準に、その公開が30条2項の猶予期間(現在1年、最新の改正状況を要確認)内に収まっているかを確認する。過ぎていれば例外の土俵に上がれない
- 3.国内移行と同時に申出書・証明書を準備する 日本の国内移行手続(国内書面・翻訳文・手数料)と並行して、30条2項の適用を受けたい旨の申出書と、対象発明が適用対象であることを証明する書面を準備する
- 4.国内処理基準時を起算点に省令期間内へ提出する 国内処理基準時の属する日を確定し、その日後、経済産業省令で定める期間内(現行はおおむね30日とされるが要確認)に申出書と証明書を特許庁長官へ提出する。締切をカレンダーで二重管理する
よくある質問 AI による整理
Q1新規性喪失の例外とは何ですか?
自分で公開した発明でも、公開から一定期間内(現在1年)なら新規性を失わなかったものとして扱う救済制度です。特許法30条が根拠で、期限内の手続が必須です。
Q2学会発表した後でも特許は取れますか?
取れる場合があります。特許法30条2項の猶予期間(現在1年)内に出願し、所定の手続をすれば、自分の発表を理由に新規性を否定されずに済みます。手続を怠ると発表が引例になります。
Q3特許の猶予期間は何ヶ月ですか?
現在は公開から1年です。平成30年改正で6ヶ月から1年に延長されました。ただし国により異なり、欧州(EPC)は原則として一般的な猶予期間を認めていません。
Q4クラウドファンディングで公開すると特許は取れなくなりますか?
公開自体は新規性喪失の原因になりますが、30条2項の猶予期間内に手続をすれば救済されます。PCT経由なら184条の15の特例締切の管理が必要です。
Q5特許法30条と184条の15はどう違いますか?
30条は新規性喪失の例外そのものを定める母法、184条の15はPCT国際出願人向けに証明書等の提出期限(起算点を国内処理基準時にずらす)を定める特例です。
Q6新規性喪失の例外の証明書には何を書きますか?
公開の事実(日付・場所・内容)と、その公開が30条2項の適用を受けられる発明であることを証明します。論文・展示・公開ページ等の資料を添付します。
Q7PCT出願の日本移行の期限はいつですか?
原則として優先日から30ヶ月以内に国内移行手続(翻訳文提出・手数料納付等)を行います。この移行に関連して国内処理基準時が確定します。
Q8自分で発表した論文が特許の拒絶理由になりますか?
なります。自己の公開は最も典型的な新規性喪失の原因です。30条の例外手続をとらなければ、自分の論文が自分の出願を潰す引例になります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1PCTで出願すれば、新規性喪失例外も自動で各国に効くんじゃないんですか?
効きません。新規性喪失例外は各国の国内法マターで、特許協力条約27条は各国が独自の要件を課すことを認めています。日本では184条の15が、30条3項とは別の締切(国内処理基準時起算)を定めます。実務のポイント:国によって猶予期間も手続も全く違う。日本は1年でも、欧州(EPC)は原則として一般的な新規性喪失例外を認めず、学会発表が即致命傷になる。一つの公開で複数国の特許を同時に失わないため、PCTを出す前に守りたい国の例外制度を一国ずつ確認する
Q2国内処理基準時って、具体的にいつのことですか?
国内移行に必要な手続(翻訳文の提出や手数料の納付など)を出願人が完了した時、または国内移行期限が到来した時のいずれか、と整理されます。184条の15はこの日を起算点に証明書の提出期限を定めます。実務のポイント:この『時』は出願人の手続次第で前後に動く。あえて早く国内移行手続を済ませると基準時が早まり、例外証明書の締切も早く来る。代理人がこの起算点を意識して手続の順序を組んでいるか、最初に確認すると安全だ
間違えやすい点 AI による整理
- 「自分で発表した内容だから、自分の特許出願に影響しない」と思っている人が多い。実際は逆で、自分の公開こそが最も典型的な新規性喪失の原因だ。30条の例外規定で救われるが、その救済には期限内の手続が必須で、何もしなければ自分の発表が自分の出願を弾く
- 30条の新規性喪失例外があることは知っていても、PCT経由の場合に締切のルールが丸ごと差し替わる(30条3項ではなく184条の15が適用される)ことまで知る人は少ない。例外を使えるという安心の裏で、起算点が出願時から国内処理基準時へ移っている深刻さを見落とす
- 「例外規定さえあれば、いつ公開しても後から特許を取れる」という問いの立て方そのものが誤っている。例外は『公開を無制限に救う保険』ではなく『猶予期間という時限付きの救済』だ。公開から猶予期間(現在1年)を過ぎれば、184条の15の締切を論じる以前に、もう例外の土俵にすら上がれない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 締切の起算点 | 184条の15:国内処理基準時の属する日 | 30条3項:特許出願の時 184条の3:国内書面提出期間(優先日起算) |
| 適用対象者 | 184条の15:PCT国際特許出願の出願人 | 30条3項:通常の国内特許出願人 184条の3:国内移行する国際特許出願人一般 |
| 提出する書面 | 184条の15:申出書+適用対象を示す証明書 | 30条3項:申出書+証明書 184条の3:国内書面・翻訳文 |
| 規定の性質 | 184条の15:30条3項の手続特例 | 30条3項:新規性喪失例外の一般手続 184条の3:国内移行の枠組み規定 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も出願前の自己公開について12ヶ月の優惠期(グレースピリオド)を認める点で日本と近い。国際出願経由の手続時点は各国の国内規定による
韓国も一定期間の公知例外を認め、期間や手続要件は日本と類似する。PCT経由の場合の国内手続時点は韓国国内法に従う
ドイツ・欧州特許制度は原則として一般的な新規性喪失の例外(グレースピリオド)を認めず、公認博覧会での展示や明白な濫用に限定。学会発表が即致命傷になりうる
米国は出願前1年のグレースピリオドを広く認める。日本とは制度趣旨・要件が異なるため、多国出願では国ごとの例外制度を個別確認する必要がある
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、国際学会で発表した研究をPCT出願し、いよいよ日本の国内移行手続を進める段階に来たら? 新規性喪失例外の証明書をいつまでに出すか、あなたは答えられるか。国内処理基準時を起算点にした期間を一日でも過ぎれば、発表済みの論文が引例になって拒絶される
- スタートアップが試作品をクラウドファンディングで先行公開。半年後にPCTで日本を含む各国へ出願。日本では184条の15の締切を見落とし、自社の公開情報で拒絶された
- あなたが知財担当として、海外本社が出したPCT出願の日本国内移行を任された。本社は米国の感覚で動いていて、日本の新規性喪失例外の特例締切を誰も把握していない。翻訳文と国内書面の準備に追われるうち、この証明書の提出期限だけがすっぽり抜け落ちる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 自分の公開(論文・学会発表・展示・クラウドファンディング等)の日付と内容を全て記録し、証明書の材料にする2. PCT出願の優先日と、その公開が30条2項の猶予期間(現在1年、最新の改正状況をご確認ください)内かを確認3. 日本国内移行の際、国内書面・翻訳文と並んで、30条2項適用を受けたい旨の申出書と証明書を準備4. 国内処理基準時を起算点に、経済産業省令の定める期間内(現行は要確認)に特許庁長官へ提出。締切をカレンダーで二重管理する
訴えられた側:あなたが既に期限を過ぎたと気付いた側なら、まず国内処理基準時の正確な日付を再計算する、起算点の認定次第でまだ間に合う可能性がある。第三者として競合の例外主張を争う立場なら、相手の証明書が期間内に適法に提出されたか、その公開が30条2項の要件(権利を有する者の行為に起因する公開か)を満たすかを精査する。要件を一つ崩せば、相手の発明は自らの公開で新規性を失う
時効(請求できる期限):国内処理基準時の属する日後、経済産業省令(特許法施行規則)で定める期間内(現行は国内処理基準時の属する日後おおむね30日とされるが、最新の改正状況をご確認ください)。前提として、公開は特許法30条2項の猶予期間内(現在1年)でなければならない。起算点が出願時ではなく国内処理基準時である点に最大の注意
学説
通説:184条の15はPCT国際特許出願人が現実に30条2項の例外を利用できるようにするための手続特例であり、起算点を国内処理基準時に置くことで国際段階を経る出願人の救済と第三者の予測可能性を調整するものと解される。例外はあくまで猶予期間内の公開に限られる。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和53年(1978年) 新設:特許協力条約(PCT)加入に伴い、国際特許出願に関する特例章(184条の3以下)が新設され、国内移行手続の枠組みとともに新規性喪失例外の特例が整備された
- 2.平成30年(2018年) 改正:母法である30条の新規性喪失の例外の猶予期間が6ヶ月から1年へ延長され、本条が前提とする猶予期間の要件も実質的に緩和された
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