要点特許法 184 条の 21 は、PCT 国際出願で受理官庁の拒否や国際事務局の認定により国際出願日が認められなかったとき、特許庁長官に当否を審査させ救済を求められる規定である。
Q · PCT 出願で受理官庁に「国際出願日は認めない」と拒否されたら、もう優先日は取り戻せないの?
いいえ、特許庁長官への申出で覆せる場合があります
特許法 184 条の 21 により、受理官庁の拒否・宣言や国際事務局の認定で国際出願日が認められなかった場合でも、経済産業省令で定める期間内に特許庁長官へ申出をすれば、その判断の当否を条約と特許協力条約に基づく規則に照らして審査させられます。長官が「不当」と決定すれば、その国際出願は本来国際出願日となるはずだった日にされた日本の特許出願とみなされ、優先日が回復します。外国語出願の場合は、申出時に明細書等の日本語翻訳文の提出が必要です。
特許の世界では、出願日が一日ずれただけで権利そのものを失う。先願主義のもとでは、同じ発明を一日早く出した者が勝つ。あなたが PCT という国際ルートで世界中に特許を出願したとき、その入口を管理する受理官庁や国際事務局が「この出願は国際出願日を認めない」「取り下げられたものとみなす」と判断したら、あなたの優先日は一瞬で消える。多くの出願人はここで諦める。だが特許法 184 条の 21 は、その判断が条約とそのルールに照らして本当に正しかったのかを、日本の特許庁長官に審査させる救済の扉を用意している。長官が「その拒否は不当だ」と決定すれば、あなたの国際出願は、本来国際出願日となるはずだった日に出された日本の特許出願として生き返る。失われたはずの優先日が戻ってくる。この一条を知っているかどうかが、数億円の価値を持つ発明の生死を分けることがある。
特許法 184 条の 21 は、PCT 国際出願について受理官庁による拒否もしくは宣言、または国際事務局による認定がされた場合に、出願人が特許庁長官へ条約 25 条(2)(a)の決定を求めて申出できる救済手続を定める規定である。長官が当該判断を条約及び特許協力条約に基づく規則に照らして不当と決定したときは、その国際出願は本来の国際出願日にされた特許出願とみなされる。
AI 輔助整理,以條文原文為準
特許協力条約に基づき、一つの出願手続で多数の国に同時に特許出願したのと同じ効果を得られる国際ルートです。各国の受理官庁または国際事務局を入口として手続が進みます。
出願書類の方式不備、手数料の未納認定、必要な要素の欠落などを受理官庁が理由とした場合です。ただしその判断が誤っていることもあり、184 条の 21 で覆せる余地があります。
経済産業省令で定める期間内です。特許協力条約に基づく規則を踏まえた短い期間で、通知の受領を起算点とします。徒過すると原則として回復できないため、通知到達後は直ちに弁理士へ相談すべきです。
実際には取り下げていないのに、条約上取り下げられたものとみなされる宣言のことです。この宣言がされると国際出願日が失われますが、184 条の 21 の申出で当否を争えます。
受理官庁の拒否・宣言や国際事務局の認定について、指定国の官庁が条約と規則に照らして再審査する義務を定めています。184 条の 21 はこれを日本国内で実現する規定です。
同じ発明を他社が先に出願していれば権利を取得できず、最悪の場合、自分の発明で他社の特許を侵害する側に回ります。優先日の喪失は権利そのものの喪失に等しい深刻さです。
受理官庁は国際出願を最初に受け付ける各国の官庁、国際事務局は WIPO の中枢機関です。184 条の 21 は両者の判断(拒否・宣言・認定)いずれも救済の対象としています。
長官の決定は行政処分にあたり得るため、次の不服申立てや行政訴訟の可否を検討します。あわせて 184 条の 20 の決定みなし規定との適用場面の違いも確認すべきです。
あります。184 条の 21 第 1 項の申出で、特許庁長官に拒否、宣言、認定の当否を審査させられます。長官が不当と決定すれば、本来の国際出願日に出された日本の特許出願として扱われます(4 項)。業界裏話ヒント:この救済は PCT ルートの最後の安全網ですが、省令で定める期間が極めて短い。通知を受け取った瞬間に弁理士へ、が鉄則で、期間を徒過すると回復は原則きかない
いいえ。2 項により、明細書、請求の範囲、図面中の説明、要約その他省令で定める書類の日本語翻訳文を申出の際に提出しなければなりません。翻訳がなければ申出自体が不適法とされうる。業界裏話ヒント:拒否通知から期限までに翻訳を間に合わせるのは至難。優先日の高い重要案件では、拒否リスクを察知した時点で翻訳に着手しておく実務家もいる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 救済の対象 | 184 条の 21:受理官庁の拒否・宣言、国際事務局の認定(条約 25 条) | — |
| 判断主体 | 特許庁長官が条約・規則に照らし正当か否かを決定 | — |
| 審査基準 | 条約及び特許協力条約に基づく規則に照らした正当性(裁量ではない) | — |
| 認められた場合の効果 | 本来国際出願日となるはずの日にされた特許出願とみなす(優先日回復) | — |
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