特許法 第184条の19(訂正の特例)
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外国語特許出願に係る第百二十条の五第二項及び第百三十四条の二第一項の規定による訂正及び訂正審判の請求については、第百二十六条第五項中「外国語書面出願」とあるのは「第百八十四条の四第一項の外国語特許出願」と、「外国語書面)」とあるのは「第百八十四条の四第一項の国際出願日における国際出願の明細書、請求の範囲又は図面)」とする。
この条文の基本情報
訂正の特例とは何ですか?
定義訂正の特例とは、特許法第184条の19に定められた規定で、「外国語特許出願に係る第百二十条の五第二項及び第百三十四条の二第一項の規定による訂正及び訂正審判の請求については、第百二十六条第五項中「外国語書面出願」とあるのは…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 特許法第184条の19(訂正の特例)は、日本の特許法に含まれる条文です。
- 特許法第184条の19の条文原文は「外国語特許出願に係る第百二十条の五第二項及び第百三十四条の二第一項の規定による訂正及び訂正審判の請求については、第百二十六条第五項中「外国語書面出願」とあるのは…」で始まります。
- 特許法第184条の19は第九章に置かれています。
- 特許法の公布日は昭和34年4月13日です。
- 特許法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 特許法第184条の19の前の条は特許法第184条の18です。
- 特許法第184条の19の次の条は特許法第184条の20です。
- 特許法第184条の19には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
特許法(昭和三十四年法律第百二十一号)第184条の19 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000121 - 本サイト収録
特許法(昭和三十四年法律第百二十一号)第184条の19(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000121/184_19
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点特許法184条の20は、外国語特許出願の訂正・訂正審判の基準を、日本語翻訳文ではなく国際出願日の外国語原文(明細書・請求の範囲・図面)に読み替えると定める。
Q · 英語でPCT出願した特許、日本語訳に書き忘れたことは訂正で後から足せるの?
翻訳文ではなく国際出願日の外国語原文が基準になります
特許法184条の20により、外国語特許出願の訂正・訂正審判の基準は、日本語翻訳文ではなく国際出願日における国際出願の明細書・請求の範囲・図面、つまり外国語原文になります(126条5項の読替え)。意味するところは二つ。翻訳で不当に狭まった権利を原文の範囲まで戻せる可能性があること、そして原文になかった事項は翻訳文に紛れていても訂正では持ち込めないこと。最後の砦は翻訳の出来ではなく、出願時の外国語原文の出来です。
解説
PCT 経由で英語の国際出願を日本に持ち込み、翻訳文を提出して特許を取得したとする。数年後、競合から無効審判を仕掛けられ、請求項を狭める訂正で防御する場面が来る。ここで権利者が見落とすのが、訂正できる範囲を測る物差しだ。通常の訂正審判では、訂正は願書に添付した明細書等の範囲を超えてはならない(126条5項)。だが外国語特許出願については、184条の20がこの物差しを読み替える。あなたの訂正が許されるか否かの基準は、日本語の翻訳文ではなく、国際出願日における国際出願の明細書、請求の範囲、図面、つまり元の外国語原文になる。意味するところは二つ。翻訳ミスで不当に狭まった権利を原文の範囲まで戻せる可能性があること。そして原文になかった事項は、翻訳文に紛れ込んでいても訂正では持ち込めないこと。最後の砦は翻訳の出来ではなく、原文の出来だ。
法的な位置づけ
特許法184条の20は、外国語特許出願における訂正の特例を定める規定である。通常は願書に添付した明細書等が訂正の基準となるが(126条5項)、本条はこれを読み替え、外国語特許出願については国際出願日の国際出願の明細書、請求の範囲または図面を基準とする。手続は翻訳文で進むが、訂正の可否を測る実体的基準は外国語原文に置かれる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
よくある質問 AI による整理
Q1外国語特許出願とは何ですか?
PCTに基づく国際出願を外国語で行い、日本の国内段階で翻訳文を提出して審査を受ける特許出願です。特許法184条の4以下が規律し、審査や公示は翻訳文を軸に進みます。
Q2特許法184条の20は何を定めていますか?
外国語特許出願の訂正・訂正審判の請求について、126条5項を読み替え、訂正の基準を日本語翻訳文ではなく国際出願日の外国語原文に置くことを定めています。
Q3誤訳訂正書とは何ですか?
翻訳文の誤りを外国語原文に合わせて直すための書面手続です。訂正審判とは別制度で、翻訳段階の食い違いを早期に原文へ寄せておくのに使います。
Q4外国語特許出願の訂正の基準は何ですか?
国際出願日における国際出願の明細書・請求の範囲・図面、つまり外国語原文です。日本語翻訳文は基準になりません(184条の20による126条5項の読替え)。
Q5国際出願日とは何ですか?
PCTに基づく国際出願が受理された日で、各指定国で出願日として扱われます。184条の20では、この日の外国語原文が訂正の物差しになります。
Q6外国語書面出願と外国語特許出願の違いは?
外国語書面出願は国内で外国語明細書を提出する制度、外国語特許出願はPCT経由の国際出願を外国語で日本に持ち込む制度です。訂正の原文基準はどちらにも及びます。
Q7訂正審判はいつ請求できますか?
特許権の設定登録後に請求できますが、無効審判係属中は原則請求できず、その間は無効審判内の訂正請求で対応します。時期的制約が場面ごとに異なります。
Q8PCT出願の翻訳文はいつまでに提出しますか?
原則として優先日から30か月以内に日本語翻訳文を提出します(国内書面提出期間)。提出しないと国際特許出願は取り下げたものとみなされます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1PCT で英語出願した特許、日本語訳に書き忘れた限定を後から足せますか?
原文の国際出願に書いてあった限定なら、訂正で取り戻せる可能性があります。184条の20により、外国語特許出願の訂正の基準は翻訳文ではなく国際出願日の外国語原文だからです(126条5項の読替え)。実務のポイント:原文になかった事項は発明として正しくても足せない。命運は出願時の英語ドラフトの精度で決まっており、翻訳段階の修正では救えない領域がある。
Q2翻訳文に誤訳があったら、訂正審判でしか直せないんですか?
いいえ。翻訳文の誤りには誤訳訂正書で直す手続が別にあります。184条の20が読み替えるのは、あくまで126条等による訂正・訂正審判の「基準」です。両者は別の制度なので状況に応じて使い分けます。実務のポイント:無効審判が始まる前に誤訳訂正で原文へ寄せておくと、いざ訂正請求するときの選択肢が広がる。後手に回るほど打てる手は減る。
Q3外国語じゃなく普通の日本語出願だと、訂正の基準は何が違うんですか?
通常の出願では訂正の基準は願書添付の明細書等そのものです(126条5項)。外国語書面出願や外国語特許出願では原文(外国語書面・国際出願原文)が基準になり、184条の20はこの読替えを国際出願へ適用します。実務のポイント:同じ発明でも、出願ルートが翻訳を介すか否かで訂正の物差しが変わる。PCT ルートを選んだ時点で、原文管理が権利防衛の一部になっている。
間違えやすい点 AI による整理
- あなたから見れば、特許の中身は手元の日本語明細書がすべてだ。だが法律から見れば、外国語特許出願の真の内容は国際出願日の外国語原文にある。この落差を知らないと、翻訳段階で消えた限定や効果を訂正で復活できることに一生気付かない。
- 翻訳文に誤りがあれば直せる、とは多くの人が知っている。だが直せる範囲が「原文に書いてあったこと」に厳格に縛られる深刻さまでは理解していない。原文にない記載は、発明として正しくても訂正では一切足せない。
- 「翻訳文を提出した後は、もう原文は関係ない」という前提で PCT 出願を扱う実務者は多い。その問いの立て方自体が誤っている。訂正の場面では、提出から何年経っても原文が基準として復活する。
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 訂正の基準となる文書 | 184条の20:国際出願日の外国語原文(明細書・請求の範囲・図面) | 126条5項(通常出願):願書添付の明細書等そのもの 184-12:外国語特許出願の補正も原文基準(対応規定) |
| 制度の性質 | 184条の20:訂正・訂正審判の基準の読替え特例 | 134-2:無効審判係属中の訂正請求手続 120-5:異議申立てにおける訂正の請求手続 |
| 適用対象 | 184条の20:外国語特許出願(PCT経由の外国語出願) | 184-4:外国語特許出願と翻訳文・原文を定義 126:訂正審判一般(通常の日本語出願を含む) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も外文本(外国語本)で出願した場合、訂正・更正の範囲を外文本の開示範囲で測る点で日本と同種の発想を採る
韓国もPCT国際特許出願について翻訳文と原文を区別し、原文を基準とする補正・訂正の枠組みを持つ
欧州特許条約70条は手続言語による原文を『verbindliche Fassung(authentic text)』とし、翻訳と原文が食い違う場合は原文が基準となる
米国では国際段階で翻訳文を提出するが、翻訳の正確性の宣誓や原文参照の枠組みがあり、原文との整合が問題になる場面がある
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 競合に無効審判を仕掛けられ、請求項を狭める訂正で生き残るしかない。だが手元の日本語明細書には頼れる限定が足りない。もし元の英語原文にその限定が書いてあったら、訂正で復活させられるのか。184条の20は、その物差しを国際出願原文に置く。
- あなたが相手の特許に基づき侵害警告を受け、無効審判で反撃する側に回ったとする。相手が訂正で逃げてきたとき、その訂正が国際出願原文の範囲を超えていれば独立した攻撃材料になる。相手の原文と訂正案を突き合わせるのが反撃の急所だ。
- 翻訳文の重大な誤りに今日気付いた。無効審判の訂正請求の指定期間は残りわずか。原文を基準に訂正案を組めるか、間に合わせられるかどうかで権利の生死が決まる。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 無効審判や異議申立てで訂正を検討するなら、まず日本語翻訳文ではなく国際出願日の外国語原文を取り寄せ、両者の食い違いを請求項ごとに洗い出す2. 翻訳で抜けた限定・効果・実施例が原文にあれば、それを根拠に訂正案を組む(184条の20が基準を原文に置く) 3. 審判官向けに原文と訳文の対比表を用意し、訂正が原文の範囲内である根拠を可視化する4. 指定期間内に訂正請求を行う。期間を逃すと選べる訂正の幅が狭まる
訴えられた側:1. 相手の特許が外国語特許出願由来か出願経過で確認する2. 相手が訂正で防御してきたら、その訂正が国際出願原文の範囲を超えていないか原文と突き合わせる3. 原文を超えた訂正は訂正要件違反として争える余地があるので、対比表で立証する4. 翻訳文だけを見て訂正の当否を判断しない。基準は原文側にある(184条の20)
時効(請求できる期限):この条文自体に消滅時効はない。訂正・訂正審判の請求には手続上の時期的制約がある。無効審判係属中の訂正請求は審判長が指定する期間内(134条の2)、訂正審判は無効審判係属中は原則請求できないなど、場面ごとに窓口が異なる。期間を過ぎると訂正の機会自体を失う(最新の運用をご確認ください)
学説
通説:184条の20は126条5項を読み替え、外国語特許出願の訂正の実体的基準を国際出願日の外国語原文に置くと解される。手続は翻訳文で進行するが、原文になかった事項の追加は新規事項追加の禁止に触れ許されない、というのが一般的理解である。
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