特許法 第48条の2(特許出願の審査)
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特許出願の審査は、その特許出願についての出願審査の請求をまつて行なう。
この条文の基本情報
特許出願の審査とは何ですか?
定義特許出願の審査とは、特許法第48条の2に定められた規定で、「特許出願の審査は、その特許出願についての出願審査の請求をまつて行なう。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 特許法第48条の2(特許出願の審査)は、日本の特許法に含まれる条文です。
- 特許法第48条の2の条文原文は「特許出願の審査は、その特許出願についての出願審査の請求をまつて行なう。」で始まります。
- 特許法第48条の2は第三章 審査に置かれています。
- 特許法の公布日は昭和34年4月13日です。
- 特許法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 特許法第48条の2の前の条は特許法第48条です。
- 特許法第48条の2の次の条は特許法第48条の3です。
- 特許法第48条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
特許法(昭和三十四年法律第百二十一号)第48条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000121 - 本サイト収録
特許法(昭和三十四年法律第百二十一号)第48条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000121/48_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点特許法48条の2は審査請求主義を定め、特許の審査は出願審査の請求を待って行われる。出願だけでは審査されず、出願から3年以内に請求しなければ出願はみなし取下げで消滅する。
Q · 特許は出願すれば自動で審査してもらえるんですか?
いいえ。別途「出願審査の請求」が必要です
特許法48条の2の審査請求主義により、特許は出願しただけでは審査されません。出願人または第三者が別途「出願審査の請求」を行い手数料を納めて初めて審査官が審査を開始します。請求できる期間は出願日から3年以内(48条の3)で、この期間内に誰も請求しなければ出願は取り下げたものとみなされ(みなし取下げ)、原則として復活しません。出願はスタートラインに立っただけで、号砲は自分で鳴らす必要があります。
解説
特許を出願した、これで自社の発明は守られたと安心している経営者は多い。だが出願しただけでは、特許庁の審査官はあなたの明細書を一文字も読まない。特許法48条の2が定めるのは、日本の特許制度の根幹をなす「審査請求主義」だ。審査は自動では始まらない。出願人または第三者が「出願審査の請求」(審査してくださいと特許庁に正式に申請し、手数料を納める手続)を別途行い、その時を待って初めて審査が動き出す。なぜこんな仕組みか。出願された発明の多くは、防衛目的や様子見で、本気で権利化するつもりがない。すべてを自動で審査すれば審査官がパンクする。だから「本当に権利が欲しいものだけ手を挙げろ」という設計になっている。そして手を挙げる期限は出願から3年(48条の3)。この3年を一日でも過ぎれば、あなたの出願はみなし取下げ(自動的に取り下げたものと扱われ、二度と復活しない)で永久に消滅する。出願日をゴールと勘違いした瞬間、時計はもう動き出している。
法的な位置づけ
特許法48条の2が定める審査請求主義とは、特許出願の実体審査を出願と同時に自動で行わず、出願審査の請求という別個の手続を待って開始する制度をいう。本気で権利化を望む出願にのみ審査資源を集中させる趣旨であり、請求は出願人に限らず第三者も行うことができる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.全出願の出願日と3年期限を一覧化する 自社の全特許出願について出願日と審査請求期限(出願日から3年)を一覧化し、満了の半年前にアラートが鳴るドケット(期限管理)の仕組みを作る。属人管理は必ず漏れるため、担当者交代でも引き継げる台帳にする
- 2.各出願を権利化・様子見・放棄に仕分ける 各出願について、市場性と事業戦略に照らし「権利化する/様子見する/捨てる」を判定する。捨てる案件はあえて審査請求せず3年で自然消滅させ、審査費用を温存する。全件一律請求はコストの無駄になる
- 3.権利化案件は審査請求書を提出し手数料を納付する 権利化する案件は出願審査請求書を特許庁に提出し、請求項数に応じた手数料を納付する。事業化が近いものは早期審査制度の利用を検討し、権利化を前倒しする
- 4.期限直前の案件を最優先で処理する 3年の満了が迫った案件を最優先で処理する。期限を一日でも過ぎるとみなし取下げで原則復活しないため、判断を保留にせず、迷う場合はいったん請求して権利を確保する
よくある質問 AI による整理
Q1特許の審査請求はいつまでにする必要がありますか?
出願日から3年以内です(特許法48条の3第1項)。この期間に出願人も第三者も請求しなければ、出願は取り下げたものとみなされ原則復活しません。
Q2審査請求をしないとどうなりますか?
3年の請求期間が経過すると、その出願は取り下げたものとみなされます(みなし取下げ)。数年の開発と出願費用が一瞬で無に帰すため、期限管理が重要です。
Q3審査請求をあえてしない戦略はありますか?
あります。市場性のない発明はあえて請求せず3年で自然消滅させ、無駄な審査費用を払わないのも正攻法です。防衛出願や様子見出願では有効な選択肢です。
Q4出願審査の請求の手数料はいくらですか?
請求項の数に応じて算定され、請求時に納付します。額は特許法等関係手数料令で定められ改定されるため、出願時の最新額を特許庁で確認する必要があります。
Q5審査請求はいったんすると取り下げられますか?
出願審査の請求は取り下げることができません(特許法48条の3第3項相当)。請求の判断は慎重に行う必要があり、いったん動いた審査は止められません。
Q6早期審査制度とは何ですか?
一定要件を満たす出願について審査を通常より前倒しで進める運用制度です。事業化が近い発明を早く権利化したい場合に、審査請求とあわせて活用されます。
Q7国際出願(PCT)の審査請求期限はどうなりますか?
国内移行した国際出願の審査請求時期には特例があります(特許法184条の17)。起算点が通常と異なるため、国内書面提出との関係を個別に確認する必要があります。
Q8分割出願の審査請求期限はどう計算しますか?
分割出願・変更出願は起算点に別途のルールがあり、原出願日を基準とする場合があります。3年経過後でも一定期間内に請求できる特例があるため個別確認が必要です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1特許って、出願したら自動で審査してもらえるんじゃないんですか?
違います。48条の2の審査請求主義により、出願とは別に「出願審査の請求」をして手数料を納めない限り、審査官は中身を一切審査しません。請求の期限は出願から3年(48条の3)で、過ぎると出願は自動消滅します。実務のポイント:スタートアップや個人発明家がこの3年期限を見落として主力特許を失う事故は珍しくない。逆に大企業は最初から請求して権利化を急ぐとは限らず、市場が育つまであえて2年以上寝かせ、競合の出方を見てから請求するタイミング戦略を取っている
Q2ライバル会社の出願を、こっちから審査請求できるって本当ですか?
本当です。出願審査の請求は出願人に限らず誰でもできます(48条の3第1項)。競合の係属中出願に第三者として請求をかければ、審査を強制的に前に進め、その権利範囲を早期に確定させられます。実務のポイント:これは攻めの常套手段で、相手がまだ明細書の補正で権利範囲を広げる余地を残しているうちに審査を始めさせ、狭い範囲で確定させてしまう、あるいは新規性欠如で拒絶に追い込む。情報提供制度と組み合わせると、こちらは表に出ずに相手の権利を削れる
間違えやすい点 AI による整理
- 「出願すれば自動的に審査される」と思い込んでいるが、48条の2の審査請求主義では、別途の請求がない限り審査官は一切動かない。出願はスタートラインに立っただけで、号砲はまだ鳴っていない。出願受理通知を「審査合格」と取り違えると、3年後に何も残らない
- 「いつ審査請求すればいいか」と悩む前に、そもそも『請求しなくてもよい』という選択肢があることに気づいていない。市場性のない発明は、あえて請求せず3年で自然消滅させ、無駄な審査費用を払わないのも正攻法の戦略だ。問いが『請求すべき前提』で立っている時点でずれている
- 「審査請求の期限は知っている」という人でも、その3年が一日でも過ぎれば原則として回復不能(みなし取下げ)で、救済の道がほぼ閉ざされることの重さを理解していない。納付忘れの『うっかり』が、数年の開発と数十万円の出願投資を一瞬で無に帰す
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 手続の性質 | 48条の2:審査を開始させる審査請求主義の原則規定 | 48条の3:審査請求の手続・3年期限・みなし取下げ 64条:出願公開(請求の有無に関わらず1年6月で公開) |
| 誰が動くか | 出願人または第三者の請求を待って審査官が動く | 出願人または第三者が請求書を提出し手数料を納付 特許庁が職権で公報に掲載 |
| 放置した場合 | 請求がなければ審査は永遠に始まらない | 3年経過で出願はみなし取下げ、原則復活不能 公開自体は避けられず、内容は第三者に知られる |
| 第三者への影響 | 第三者も請求可能、係属出願の成否を早期確定できる | 第三者請求でも起算点は出願日で共通 公開により第三者は先行技術・権利範囲を把握できる |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も発明特許について出願日から3年以内の実体審査請求を要件とし、第三者請求も認める点で日本と同じ構造。
韓国も出願から3年の審査請求期間を採用(かつては5年)。請求がなければ取下げ擬制となる点も日本と類似。
ドイツは審査請求制度の先例国だが請求期間は出願から7年と長く、日本より猶予が大きい。
米国は審査請求制度を採らず、出願により実体審査が自動的に進む。日本の審査請求主義とは根本的に異なる。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あと2か月で出願から3年。社内では誰も審査請求をしていないことに気づいていない。あなたが請求書を出さなければ、3年前に数十万円かけて出願した主力製品の特許は、来月みなし取下げで消える。出願ファイルは厚いのに、権利は紙くずになる
- 競合他社が3年前にあなたの事業領域で出願をしていたとしたら、どうする? その出願がまだ審査請求されていない場合、第三者であるあなたが審査請求をかけて、白黒を早期に確定させられる。相手が補正で権利範囲を広げる前に、こちらのタイミングで地雷を踏ませる
- 投資家から「その特許、もう審査は通ったの」と聞かれて答えに詰まる。出願はした。だが審査請求を忘れていた。出願番号はあっても、中身はまだ誰にも審査されていない
取るべき行動
被害を受けた側:あなたが出願人(権利を失うリスク側)の場合。1. 全出願の出願日と3年期限を一覧化し、満了の半年前にアラートが鳴るドケット(期限管理)の仕組みを作る。属人管理は必ず漏れる2. 各出願を「権利化する/様子見/捨てる」に仕分け、捨てる案件はあえて審査請求せず費用を温存3. 権利化する案件は審査請求書を提出し手数料を納付、事業化が近いものは早期審査制度の利用を検討4. 期限が迫った案件は最優先で処理、過ぎたら原則復活しない
訴えられた側:あなたが他社の係属中出願に脅かされている側の場合。1. 相手の出願公開公報と審査経過(特許庁の包袋情報)を確認、審査請求済みか、出願から何年目かを把握2. まだ審査請求されていないなら、第三者として審査請求をかけ、自分のタイミングで権利の成否を早期に確定させる選択肢がある3. 相手の発明が新規性を欠くと考えるなら、刊行物等の情報提供(情報提供制度)で審査官に先行技術を届ける4. 動かず3年の経過によるみなし取下げを待つ受け身戦略も状況次第で有効
時効(請求できる期限):出願審査の請求は、出願日から3年以内(特許法48条の3第1項)。この期間内に出願人または第三者の誰も請求しなければ、その出願は取り下げたものとみなされる(同条4項、みなし取下げ)。起算点は原則として出願日だが、分割出願・変更出願・国内優先権主張を伴う出願には別途の起算ルールがある(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:審査請求主義は、防衛出願・様子見出願を含む全件を一律審査する負担から特許庁を解放し、本気で権利化を望む出願に審査資源を集中させる制度設計と理解される。3年の請求期間と出願公開制度(64条)により、審査効率と第三者の予測可能性を時間で区切って調和させる点に意義があるとされる。
改正沿革 AI による整理
- 昭和45年(1970年) 特許法改正で審査請求制度を導入した際に新設された条文。それまでの全件審査主義から、出願審査の請求を待って審査を行う審査請求主義へ転換し、審査負担の軽減を図った。条文の文言が現代語化されず「まつて行なう」のまま残っているのは、導入時から実質的な変更がないことを示す
改正の年表
- 1.昭和45年(1970年) 新設:特許法改正で審査請求制度を導入した際に新設された条文。それまでの全件審査主義から、出願審査の請求を待って審査を行う審査請求主義へ転換し、審査負担の軽減を図った。条文が「まつて行なう」と旧仮名遣いのまま残るのは、導入時から実質的変更がないことを示す。
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