受講中の講座ブックマーク無料で登録

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年7月4日読了 7 分7 分7 分

特許法 第54条(訴訟との関係)

クイックジャンプ
  1. 審査において必要があると認めるときは、特許異議の申立てについての決定若しくは審決が確定し、又は訴訟手続が完結するまでその手続を中止することができる。
  2. 2.訴えの提起又は仮差押命令若しくは仮処分命令の申立てがあつた場合において、必要があると認めるときは、裁判所は、査定が確定するまでその訴訟手続を中止することができる。

この条文の基本情報

訴訟との関係とは何ですか?

定義訴訟との関係とは、特許法第54条に定められた規定で、「審査において必要があると認めるときは、特許異議の申立てについての決定若しくは審決が確定し、又は訴訟手続が完結するまでその手続を中止することができる。」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 特許法第54条(訴訟との関係)は、日本の特許法に含まれる条文です。
  2. 特許法第54条の条文原文は「審査において必要があると認めるときは、特許異議の申立てについての決定若しくは審決が確定し、又は訴訟手続が完結するまでその手続を中止することができる。」で始まります。
  3. 特許法第54条は第三章 審査に置かれています。
  4. 特許法の公布日は昭和34年4月13日です。
  5. 特許法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
  6. 特許法第54条の前の条は特許法第53条です。
  7. 特許法第54条の次の条は特許法第55〜63条です。
  8. 特許法第54条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式特許法(昭和三十四年法律第百二十一号)第54条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000121
  • 本サイト収録特許法(昭和三十四年法律第百二十一号)第54条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000121/54

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点特許法54条は、審査官と裁判所が、別の手続の確定まで手続を中止できると定める規定。特許庁と裁判所の矛盾判断を避けるための交通整理で、原因手続が確定すれば中止は解ける。

Q · 手続違反もしていないのに、特許の裁判が急に止まったのはなぜ?

別の手続の確定を待つための法定の中止です

特許法54条による手続の中止です。あなたのミスではありません。1項は審査官が、特許異議の決定・審決の確定や訴訟の完結まで審査を止める権限、2項は裁判所が、査定の確定まで訴訟を止める権限を定めます。特許庁の審査と裁判所の判断が同時に走ると、片方は有効・片方は無効という矛盾した結論が出かねません。それを避けるための交通整理が中止の正体で、原因となっている手続が確定すれば中止は解けます。

解説

特許を出願したが拒絶査定を受け、不服を抱えて裁判所に訴えた。ところがある日、裁判所から『本件訴訟手続を中止する』という一片の通知が届く。何も手続違反をしていないのに、あなたの裁判が止まる。特許法54条はこの『止める権限』を定める条文だ。1項は審査官の権限。審査の途中で、特許異議の申立てや別の審決、関連訴訟の結論を待つ必要があれば、それらが確定するまで審査を止められる。2項は裁判所の権限。特許をめぐる訴訟や仮差押え・仮処分の申立てがあったとき、裁判所は査定が確定するまでその訴訟を止められる。なぜこんな仕組みがあるか。特許庁の審査と裁判所の判断が同時に走ると、片方は有効、片方は無効という矛盾した結論が出かねない。それを避けるための交通整理が、この条文の正体だ。あなたの事件が『塩漬け』にされる理由は、たいていここに書いてある。

法的な位置づけ

特許法54条は特許をめぐる手続の中止を定める規定である。1項は審査官が、特許異議の申立てについての決定・審決の確定または訴訟手続の完結まで審査を中止できる旨、2項は裁判所が、訴え提起や仮差押え・仮処分の申立てがあった場合に査定の確定まで訴訟手続を中止できる旨を規定する。特許庁と裁判所の並行手続から生じる矛盾判断を回避する調整弁として機能する。

手順・フロー

AI による整理。効力は条文原文が基準です

手順

  1. 1.中止の通知で「何の確定を待つ中止か」を特定 中止の決定文を読み、待機の原因が査定(49条・51条)なのか審決なのか、関連訴訟の完結なのかを特定する。原因の種類で打つ手が変わるため、最初にここを見極める
  2. 2.待機原因となっている手続を確認し資源を集中 中止の原因となっている特許異議・審決・別訴を確認し、そちらを有利かつ早期に確定させる方向に資源を集中する。表の手続が止まっている間に、裏の本丸を動かす
  3. 3.中止を求める側は本案弁論前の早い段階で申立て 相手の無効審判や別訴を理由に54条2項の中止を求めるなら、本案の弁論が深く進む前に申し立てる。審理が大詰めになってからの中止申立ては「今さら」と退けられやすい
  4. 4.不当に長引くなら手続再開の上申を検討 中止が不当に長引くと感じる場合、原因手続の終結見込みを整理し、代理人を通じて手続再開の上申を検討する。あわせてライセンスや和解で実利を先に確保する選択肢も並行して持つ

よくある質問 AI による整理

Q1特許法54条とは何ですか?

審査官と裁判所が手続を中止できる権限を定める規定です。1項は審査官が特許異議の決定・審決確定や訴訟完結まで審査を、2項は裁判所が査定確定まで訴訟を止められます。

Q2特許の審査が止まる理由は?

特許異議の申立てや別の審決、関連訴訟の結論を待つ必要があるとき、審査官が54条1項で審査を中止できるためです。当事者の落ち度とは無関係です。

Q3特許の訴訟中止はいつまで続きますか?

法定の期間はありません。審査の中止は異議の決定・審決の確定または訴訟の完結まで、訴訟の中止は査定の確定まで続きます。原因手続が決着すれば解けます。

Q4特許の手続中止は解除できますか?

中止の原因となっている手続を確定させれば、中止事由が消え手続が動き出します。不当に長引く場合は代理人を通じ再開の上申を検討できます。

Q5特許の仮処分が止められるのはなぜ?

54条2項により、査定が確定するまで裁判所が仮処分・訴訟手続を中止できるためです。差止めを急いだつもりが特許庁の審査終了を待つ立場に逆転します。

Q6特許法54条と168条の違いは?

54条は審査・訴訟段階の中止、168条は審判と訴訟の関係・審判段階での中止を規律します。どちらも矛盾判断を避けるための調整規定です。

Q7特許の中止は申し立てれば必ず認められますか?

いいえ。条文は「必要があると認めるとき」とし、裁判所・審査官の裁量に委ねています。申立ては可能でも止めるか進めるかの最終判断は裁判所が握ります。

Q8特許の審査中止と拒絶査定は関係ありますか?

審査の中止は査定を出す前に手続を止めるものです。査定(特許法49条・51条)が確定すると中止事由が消え、中止が解除される契機になります。

この条文についての質問 AI による整理

Q1裁判が中止されたら、もう何年も動かないってことですか?

いいえ、永久ではありません。54条の中止は、待機の原因となっている手続が片づけば解けます。審査の中止なら異議の決定や審決の確定、訴訟手続の完結まで。訴訟の中止なら査定の確定まで。原因手続が早く決着すれば、中止も早く解けます。実務のポイント:止まっている本体の手続をにらんで待つより、原因になっている別手続を先に確定させに行く方が結果的に速い。実務家は中止が出た瞬間、再開の鍵がどの手続にあるかを真っ先に探す

Q2相手に仮処分で差止めを申し立てられました。これを止めることはできますか?

相手の特許の有効性に争いがあるなら、無効審判などを起こしたうえで54条2項に基づき、査定が確定するまで仮処分・訴訟手続を中止するよう求める余地があります。ただし認めるかは裁判所の裁量です(特許法168条2項以下とあわせて検討)。実務のポイント:中止申立ては本案の弁論を尽くす前の早い段階が勝負。審理が進んでからでは『今さら』と退けられやすい。差止め圧力を一旦外したいなら、無効主張と中止申立てはセットで、しかも早く出す

間違えやすい点 AI による整理

  • 『裁判が止まったのは自分のせい、何か手続をミスした』と不安になる人が多いが、54条の中止は当事者の落ち度とは無関係。裁判所や審査官が、別の手続の結論を待つ方が合理的だと判断したから止まっているだけだ。問いの立て方を『何を間違えたか』から『どの手続の確定を待っているか』に変えると、状況が正しく見えてくる
  • 中止は『当事者が申し立てれば必ず認められる』と思われがちだが、条文は『必要があると認めるとき』とし、裁判所・審査官の裁量に委ねている。申立ては可能でも、止めるか動かすかの最終判断は相手側、つまり裁判所が握る。実務上、中止すべきかの判断は事案ごとに分かれている
  • 『中止されたら手の打ちようがなく、ただ待つしかない』と諦める人がいるが、待っている間こそ、待機の原因となっている査定・審決・別訴の決着を有利に動かす勝負どころ。止まっているのは表の手続だけで、裏の本丸は動き続けている
比較の観点この条文ほかの条文
中止の主体と権限54条:審査官(1項)・裁判所(2項)による手続の中止168条:審判と訴訟の関係・審判段階での中止
民訴130条:訴訟手続一般の中止(一般規定)
中止が解ける契機特許異議の決定・審決の確定、訴訟の完結、または査定の確定審判・訴訟の相互関係に応じた確定
中止事由(天災等)の消滅
位置づけ特許特有の並行手続調整(特則)審決取消訴訟(178条)と連動する中止
民事訴訟全体に及ぶ原則規定

他国ではどう定めているか 3 か国

台湾
中華民国民事訴訟法第182条・智慧財産案件審理法

台湾も他の法律関係の確定前に訴訟手続を停止できる仕組みを持つ。知財事件では専門審理法により無効の争点を訴訟内で判断する運用もあり、日本の中止と機能的に近い調整が働く。

ドイツ
ZPO § 148(Aussetzung des Verfahrens)

ドイツは侵害訴訟と無効訴訟(Nichtigkeitsklage)が分離する二分制(Trennungsprinzip)を採り、無効の見込みが高いとき侵害訴訟を § 148で中止する運用が確立している。日本の54条2項と趣旨が近い。

アメリカ
35 U.S.C. § 315関連・裁判所の裁量的 stay

米国では PTAB の inter partes review 係属中に、裁判所が裁量で侵害訴訟を stay できる。行政審査と司法判断の矛盾を避ける点で日本の中止と機能が重なる。

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • もしあなたの会社の特許侵害訴訟が、相手の起こした無効審判を理由に半年も止められたら? 54条と兄弟条文の168条が、その『待ち時間』を生んでいる。中止が解けるのは査定や審決が確定したとき。いつ動き出すかは、別の手続の進行に握られている
  • ライバル会社の製品を止めようと仮処分を申し立てた。ところが裁判所は『あなたの特許の査定がまだ確定していない』として手続を中止する。差止めを急いだはずが、特許庁の審査終了を待つ立場に逆転する
  • スタートアップが拒絶査定不服審判と並行して訴訟を起こした。審査官は『訴訟手続が完結するまで』審査を中止。資金調達のために特許を急ぎたいのに、自分が起こした訴訟が自分の審査を止めている

取るべき行動

被害を受けた側:1. 中止の通知が届いたら、決定文で『何の確定を待つ中止か』を特定する。査定なのか審決なのか、関連訴訟の完結なのかで打つ手が違う2. 待機原因となっている手続を確認し、そちらを有利かつ早期に確定させる方向に資源を集中する。表の手続が止まっている間に裏の本丸を動かす3. 中止が不当に長引くと感じるなら、原因手続の終結見込みを整理して、代理人を通じ手続再開の上申を検討する4. 特許は技術の陳腐化が速い。事業上のタイムラインと照らし、ライセンスや和解で実利を先に確保する選択肢も並行して持つ

訴えられた側:1. あなたが仮処分や訴訟を起こされた側で、相手の特許の有効性に疑義があるなら、無効審判や異議申立てを起こしたうえで54条2項の中止を求める余地がある2. 中止は『必要があると認めるとき』の裁量。なぜ査定確定を待つべきかを、矛盾判断のリスクとして具体的に主張する3. 本案について弁論を尽くす前の早い段階で申し立てる。審理が進むほど中止は通りにくい4. 中止が認められれば、急いでいる相手の差止め圧力を一旦外し、無効の立証に時間を稼げる

時効(請求できる期限):特定の時効はない。中止は審査では特許異議の決定・審決の確定または訴訟手続の完結まで、訴訟では査定の確定まで継続し、その期間は法定されていない。中止するか否か、いつ解くかは裁判所・審査官の裁量による(最新の改正状況をご確認ください)

学説

通説:54条の中止は「必要があると認めるとき」との裁量基準に基づき、特許庁の審査・審判と裁判所の訴訟が並行する際の矛盾判断を回避する調整規定と解される。中止するか否か、いつ解くかは裁判所・審査官の裁量に委ねられ、迅速な権利実現を一時的に犠牲にしても手続の整合性を確保する趣旨とされる。

改正沿革 AI による整理

  • 要人的検証 特許異議の申立て制度は平成6年(1994年)導入、平成15年(2003年)廃止、平成26年(2014年)改正で復活(平成27年施行)。1項の『特許異議の申立てについての決定』の文言はこの制度変遷に連動して改正された可能性が高いが、改正回数・各回の文言変更の特定には条文沿革の確認が必要

改正の年表

  1. 1.平成6年(1994年) 改正:特許異議の申立て制度が導入され、付与後異議のスキームが整備された。1項の中止事由に関わる制度枠組みの基礎が置かれた(正確な文言変更は条文沿革の確認を要する)。
  2. 2.平成15年(2003年) 改正:特許異議の申立て制度が無効審判に統合される形で廃止され、異議に関する中止事由の位置づけが変化した。
  3. 3.平成26年(2014年) 改正:特許異議の申立て制度が復活(平成27年施行)。1項の「特許異議の申立てについての決定」の文言はこの復活に連動する。改正回数・各回の具体的文言はさらに条文沿革の確認を要する。

ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。

特許法の全文を見る所属する編章節を開く:第三章 審査

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

次に調べる

判例を探す:条文単位の判例の紐づけは準備中です。上のカードから法令名で検索できます。裁判所「裁判例検索」で探す ›