特許法 第113条(特許異議の申立て)
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- 何人も、特許掲載公報の発行の日から六月以内に限り、特許庁長官に、特許が次の各号のいずれかに該当することを理由として特許異議の申立てをすることができる。この場合において、二以上の請求項に係る特許については、請求項ごとに特許異議の申立てをすることができる。
- 一その特許が第十七条の二第三項に規定する要件を満たしていない補正をした特許出願(外国語書面出願を除く。)に対してされたこと。
- 二その特許が第二十五条、第二十九条、第二十九条の二、第三十二条又は第三十九条第一項から第四項までの規定に違反してされたこと。
- 三その特許が条約に違反してされたこと。
- 四その特許が第三十六条第四項第一号又は第六項(第四号を除く。)に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたこと。
- 五外国語書面出願に係る特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項が外国語書面に記載した事項の範囲内にないこと。
この条文の基本情報
特許異議の申立てとは何ですか?
定義特許異議の申立てとは、特許法第113条に定められた規定で、「何人も、特許掲載公報の発行の日から六月以内に限り、特許庁長官に、特許が次の各号のいずれかに該当することを理由として特許異議の申立てをすることができる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 特許法第113条(特許異議の申立て)は、日本の特許法に含まれる条文です。
- 特許法第113条の条文原文は「何人も、特許掲載公報の発行の日から六月以内に限り、特許庁長官に、特許が次の各号のいずれかに該当することを理由として特許異議の申立てをすることができる。」で始まります。
- 特許法第113条は第五章に置かれています。
- 特許法の公布日は昭和34年4月13日です。
- 特許法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 特許法第113条の前の条は特許法第112条の3です。
- 特許法第113条の次の条は特許法第114条です。
- 特許法第113条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
特許法(昭和三十四年法律第百二十一号)第113条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000121 - 本サイト収録
特許法(昭和三十四年法律第百二十一号)第113条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000121/113
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点特許法113条は、何人も特許掲載公報の発行から六月以内に限り、特許庁長官へ特許異議を申し立てられると定める。請求項ごとに申立てが可能で、期間経過後は無効審判のみが残る。
Q · 競合の特許、後から潰すことはできるの?
登録から六月以内なら誰でも異議を申し立てられます
特許法113条により、何人も特許掲載公報の発行の日から六月以内に限り、特許庁長官に特許異議を申し立てられます。利害関係の立証は不要で、ダミー名義でも動けます。二以上の請求項があれば請求項ごとに申立て可能です。ただし六月の窓は延長されず、経過後に同じ特許を潰すには、利害関係を立証して特許無効審判(123条)を起こすしかありません。競合の特許公報を監視できるかが勝敗を分けます。
解説
競合他社が、あなたの製品とそっくりな技術で特許を取った。もう打つ手はないと思うかもしれない。だが特許掲載公報が発行されてから六月以内なら、あなたは特許庁長官に「この特許はそもそも与えるべきではなかった」と申し立てられる。それが特許異議の申立てだ。最大の武器は二つ。第一に「何人も」申し立てられる、つまり利害関係がなくてもよく、ダミー名義を立てて匿名同然で動ける。第二に審理は書面中心で、相手と法廷で対峙する無効審判より負担が軽い。ただし致命的な制約がある。六月という窓は一度閉じれば二度と開かない。その後に同じ特許を潰したければ、利害関係を立証して特許無効審判(特許法123条)を起こすしかなく、ハードルは一気に跳ね上がる。競合の特許公報を監視しているかどうかで、相手の独占を止められるか否かが決まる。
法的な位置づけ
特許法113条は特許異議の申立てを定める規定であり、何人も特許掲載公報の発行の日から六月以内に限り、特許が新規性・進歩性欠如や記載不備等の取消理由に該当することを理由として、特許庁長官に対しその取消しを求めることができる付与後レビュー制度を規律する。利害関係を要する特許無効審判(123条)と異なり、申立人適格を問わない点に特徴がある。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.特許掲載公報の発行日を確認し残り日数を逆算 標的特許の特許掲載公報の発行日を特定し、そこから六月の起算点を定めて締切までの残り日数を逆算する。窓は延長されないため、まず時間軸を把握する
- 2.取消理由に合う先行技術文献を収集 新規性・進歩性欠如なら29条、記載不備なら36条など、申立理由に合う先行技術文献・公知資料を収集する。各文献の公開日が標的特許の出願日より前であることを必ず確認する
- 3.請求項ごとに申立てを設計 二以上の請求項がある場合、潰したい請求項ごとに取消理由と証拠を組み立てる。事業の障害となる請求項を優先し、除去という発想で証拠を構成する
- 4.弁理士と申立書を作成し特許庁長官へ提出 弁理士と特許異議申立書を作成し、六月の窓が閉じる前に特許庁長官へ提出する。窓が閉じた後は利害関係を立証して特許無効審判(123条)へ切り替えるしかない
よくある質問 AI による整理
Q1特許異議申立とは何ですか?
特許掲載公報の発行から六月以内に限り、誰でも特許庁長官に対し特許の取消しを求められる付与後レビュー制度です。書面審理が中心で、利害関係の立証は不要です(特許法113条)。
Q2特許異議申立の期限はいつまでですか?
特許掲載公報の発行の日から六月以内です。この期間は不変で延長されません。経過後は利害関係人による特許無効審判(123条)のみが残り、ハードルが上がります。
Q3特許異議申立は誰でもできますか?
できます。条文は『何人も』と定めており、利害関係の立証は不要です。ダミー名義や代理人名義で申し立てることも実務上可能で、匿名性の高い無効審判より使いやすい制度です。
Q4特許異議申立にはどんな理由が必要ですか?
新規性・進歩性の欠如(29条)、記載不備(36条)、条約違反、先願との抵触などが取消理由です。理由に合う先行技術文献や公知資料を、標的特許の出願日前の公開日で揃える必要があります。
Q5特許異議申立に必要な書類は何ですか?
特許異議申立書と、取消理由を裏付ける先行技術文献・証拠です。文献の公開日が標的特許の出願日より前であることを証明できる資料も添えます。弁理士に作成を依頼するのが一般的です。
Q6特許異議申立をされたらどう対応すればいいですか?
取消理由通知を受けたら意見書の提出期限を最優先で確認し、訂正の請求(120条の5)で取り消されそうな請求項を減縮・削除して防御範囲を立て直します。申立人主張の技術的差異も精査します。
Q7特許異議で特許はどのくらい取り消されますか?
取消しの成否は先行技術の質と請求項の記載次第で、事案により大きく異なります。単純な確率では測れず、まず標的請求項ごとに勝ち筋を分析することが重要です。
Q8特許異議申立の費用はどのくらいですか?
口頭審理を伴う無効審判より軽く、書面審理が中心のため負担が小さいのが特徴です。特許庁への手数料に加え弁理士報酬がかかり、請求項数や証拠量で変動します。
この条文についての質問 AI による整理
Q1異議申立と無効審判、どっちを使えばいいんですか?
六月の窓の中で、利害関係の立証を避けたいなら異議申立(特許法113条)。窓を過ぎた、または口頭審理で徹底的に争いたいなら無効審判(123条)です。異議は書面審理で費用も軽い。実務のポイント:実務では『まず匿名同然で異議を試し、ダメなら本名で無効審判』という二段構えがよく使われる。異議で相手の特許の弱点と訂正後の防御線を観察してから、無効審判で本丸を突く戦略が組める
Q2名前を出さずに競合の特許を潰せるって本当ですか?
異議申立は『何人も』できるので、ダミー会社や代理人名義で申し立てれば、誰が背後にいるか相手に直接は分かりにくい。無効審判は利害関係人に限られ匿名性が低い。実務のポイント:申立人名自体は記載しますが、ダミー法人や事務所名義を使うのが実務の常套手段。相手に手の内を見せず、取引交渉中の相手の特許だけ静かに削るといった使い方ができる
Q3異議で特許が維持されたら、もう打つ手はないんですか?
異議で維持決定が出ても、別途あなたが無効審判(特許法123条)を起こす道は残っています。ただし新たな先行技術が鍵で、同じ証拠の蒸し返しは制限されることがあります。実務のポイント:異議の維持決定に対して申立人は不服を申し立てられず、出訴できるのは取り消された特許権者側だけ。だから本気で潰すなら、最初から無効審判を選ぶか、異議では切り札を温存しておくのが上級者の発想
間違えやすい点 AI による整理
- 「特許に異議を出すには、侵害で訴えられているなど利害関係が必要」と思われがちだが、異議申立は『何人も』できる。利害関係の立証は不要だ。これは利害関係人に限定される特許無効審判(特許法123条)との決定的な違いである
- 異議申立ができること自体は知っていても、その窓が六月で完全に閉じることの深刻さを多くの人は理解していない。閉じた後に同じ特許を潰すには無効審判しかなく、利害関係の立証コストと時間が一気に跳ね上がる。『いつでもできる』制度ではない
- 「異議が認められれば相手にダメージを与えられる」と考えて申し立てる人がいるが、問いの立て方が逆だ。異議の主目的は相手を攻撃することではなく、自社の事業の前に立ちふさがる障害特許を消すこと。攻撃ではなく除去という発想で証拠を組まないと、肝心の請求項だけ生き残る
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 申立人適格 | 113条 特許異議:何人も(利害関係不要) | 123条 無効審判:利害関係人に限定 120条の5訂正の請求:特許権者側の防御手段 |
| 期間 | 特許掲載公報の発行から六月以内(延長不可) | 期間制限なし(設定登録後いつでも) 取消理由通知後の意見書提出機会に対応 |
| 審理方式 | 書面審理中心、費用負担が軽い | 口頭審理が可能、当事者対立構造 請求項の減縮・削除による防御 |
| 不服申立て | 維持決定に申立人は不服申立て不可、取消決定は特許権者が知財高裁へ出訴可 | 審決に対し双方が知財高裁へ出訴可 訂正の可否は異議・審判の中で判断 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は2003年に専利異議を廃止し挙発(無効宣告)に一本化。日本のような六月限定の付与後異議は現存せず、挙発は期間制限が緩い点で異なる
韓国も付与後異議を廃止し無効審判に統合。利害関係人による無効審判が主軸で、日本の『何人も・六月』型の付与後レビューとは構造が異なる
ドイツの付与後異議は特許公告から九月以内。日本の再導入制度が参照した源流の一つで、期間が九月とより長い点が相違
米国の付与後レビュー(PGR)は特許付与から九月以内で PTAB が審理。当事者系の色彩が強く、書面中心の日本の異議とは手続構造が異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 競合が先月、あなたの主力製品の核心技術で特許登録された。特許掲載公報の発行日はすでに二か月前。残り四か月で先行技術文献を集め、異議申立書を仕上げなければ、その特許はあなたの事業の前に居座り続ける。窓が閉じれば、次は利害関係の立証から始める無効審判しか残らない
- もし、自社が取得した特許に、見ず知らずの第三者から異議が申し立てられたら? 申立人は名乗らずダミー名義かもしれない。だが背後にいるのはほぼ確実に競合だ。あなたは取消理由通知を受けて、訂正の請求(特許法120条の5)で請求項を削り、生き残りを図ることになる
- スタートアップが大手の障害特許に異議申立。書面審理だから出張も法廷での対面もない。費用も無効審判の数分の一で済む
- 特許で守られていると安心していた新製品。発売直後、誰かが先行技術を引っ提げて異議を申し立て、請求項の一部が取り消された。守られていたはずの権利範囲が、ある日突然縮む
取るべき行動
被害を受けた側:1. 標的特許の特許掲載公報の発行日を確認し、六月の起算点を特定して残り日数を逆算2. 申立理由(新規性・進歩性欠如なら特許法29条、記載不備なら36条)に合う先行技術文献・公知資料を収集、その公開日が標的特許の出願日より前であることを必ず確認3. 二以上の請求項があるなら、潰したい請求項ごとに申立てを組み立てる4. 弁理士と申立書を作成し特許庁長官へ提出。窓が閉じた後は利害関係を立証して無効審判(123条)に切り替えるしかない(最新の運用をご確認ください)
訴えられた側:1. 特許庁からの異議申立通知および取消理由通知を受領したら、意見書の提出期限を最優先で確認2. 取り消されそうな請求項を分析し、訂正の請求(特許法120条の5)で減縮・削除して防御範囲を立て直す3. 申立人の挙げた先行技術が本当に新規性・進歩性を否定するか、技術的差異を弁理士と精査4. 取消決定が出たら知的財産高等裁判所へ出訴できるが、維持決定に対して申立人側は不服を申し立てられない点を踏まえ、交渉余地を読む
時効(請求できる期限):特許掲載公報の発行の日から六月以内(特許法113条)。この期間は不変で延長されない。経過後は特許異議の申立てはできず、利害関係人による特許無効審判(123条)のみが残る
学説
通説:特許法113条の特許異議は、瑕疵ある独占の早期是正を目的とする公衆審査型の付与後レビューであり、実体的取消理由は無効審判と共通するが、申立人適格を『何人も』へ広げ書面審理を基本とする点で権利安定と是正のバランスを図った制度と解される。
改正沿革 AI による整理
- 平成26年(2014年)改正、平成27年(2015年4月1日)施行 平成15年改正でいったん廃止され特許無効審判に統合されていた特許異議申立制度を再導入。『何人も・特許掲載公報の発行から六月以内』に申し立てられる付与後レビュー制度として、現行113条が新設された
改正の年表
- 1.平成15年(2003年) 削除:旧特許異議申立制度を廃止し、特許無効審判に統合。付与後の争い方を無効審判に一本化した
- 2.平成26年(2014年) 改正:特許異議申立制度を付与後レビューとして再導入し、現行113条を新設。『何人も・特許掲載公報の発行から六月以内』の書面審理型手続として整備(施行は平成27年〔2015年〕4月1日)
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