特許法 第114条(決定)
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- 特許異議の申立てについての審理及び決定は、三人又は五人の審判官の合議体が行う。
- 2.審判官は、特許異議の申立てに係る特許が前条各号のいずれかに該当すると認めるときは、その特許を取り消すべき旨の決定(以下「取消決定」という。)をしなければならない。
- 3.取消決定が確定したときは、その特許権は、初めから存在しなかつたものとみなす。
- 4.審判官は、特許異議の申立てに係る特許が前条各号のいずれかに該当すると認めないときは、その特許を維持すべき旨の決定をしなければならない。
- 5.前項の決定に対しては、不服を申し立てることができない。
この条文の基本情報
決定とは何ですか?
定義決定とは、特許法第114条に定められた規定で、「特許異議の申立てについての審理及び決定は、三人又は五人の審判官の合議体が行う。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 特許法第114条(決定)は、日本の特許法に含まれる条文です。
- 特許法第114条の条文原文は「特許異議の申立てについての審理及び決定は、三人又は五人の審判官の合議体が行う。」で始まります。
- 特許法第114条は第五章に置かれています。
- 特許法の公布日は昭和34年4月13日です。
- 特許法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 特許法第114条の前の条は特許法第113条です。
- 特許法第114条の次の条は特許法第115条です。
- 特許法第114条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
特許法(昭和三十四年法律第百二十一号)第114条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000121 - 本サイト収録
特許法(昭和三十四年法律第百二十一号)第114条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000121/114
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点特許法114条は、特許異議の申立てを三人又は五人の審判官の合議体が審理し、取消決定又は維持決定を下すと定める。取消決定が確定した特許は初めから存在しなかったとみなされる。
Q · 特許異議の申立てをして負けたら、もう裁判所では争えないの?
維持決定に不服申立ては不可。取消決定なら特許は遡及的に消滅する
特許法114条により、特許異議の申立ては三人又は五人の審判官の合議体が審理し、取消理由に該当すれば取消決定、該当しなければ維持決定を下します。取消決定が確定すると、その特許は初めから存在しなかったものとみなされます(3項、遡及効)。一方、維持決定に対しては不服を申し立てることができません(5項)。申立人が負けたときに戻り道が残るのは、利害関係者として無効審判(123条)へ切り替える場合であり、異議手続そのものの中では上訴の道がない片務的な構造になっています。
解説
競合他社が取った特許が、あなたのビジネスの前に立ちふさがっている。そこで特許異議の申立てをした。だが知っておくべき落とし穴がある。114条5項は、特許が維持された場合(維持決定)、申立てた側は一切不服を申し立てられないと定める。つまりあなたが負けたら、その手続ではそこで終わり。逆に特許権者が取り消された場合(取消決定)は、知財高裁へ出訴できる(178条)。同じ一つの手続なのに、勝者と敗者で次に進める道がまるで違う。さらに取消決定が確定すると、その特許は初めから存在しなかったとみなされる(3項、遡及効)。ライセンス料も、過去に送った警告書も、すべて足場を失う。この片務的な構造を理解せずに異議申立てか無効審判かを選ぶと、最初の一手で詰む。
法的な位置づけ
特許法114条は、特許異議の申立てについての審理及び決定手続を定める規定である。三人又は五人の審判官の合議体が審理を担い、取消理由に該当する場合は取消決定、該当しない場合は維持決定を下す。取消決定の確定により特許権は遡及的に消滅し、維持決定には不服申立ての道がない。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.特許掲載公報の発行日を確認して期限を押さえる 邪魔な特許を潰したいなら、まず特許掲載公報の発行日を確認する。特許異議の申立ては発行後6か月以内(113条)で、この期間を逃すと異議の道は閉ざされ無効審判ルートのみになる
- 2.敗訴時の戻り道を前提に入口を設計する 維持決定には不服申立てができない(5項)ことを前提に、負けたときの無効審判(123条)との二段構えを設計する。手軽さだけで異議を選ぶと袋小路に入るため、上訴の要否から逆算する
- 3.取消理由を条文に当てはめて申立書を作成する 申立理由を113条各号に正確に当てはめ、新規性・進歩性欠如などの根拠となる先行技術文献を揃えて特許異議申立書を作成し、特許庁に提出する
- 4.維持決定が出たら無効審判へ切り替える 審判官の合議体が維持決定を下しても、利害関係があれば無効審判(123条)に切り替え、その審決には審決取消訴訟(178条)まで争う道が残る。異議で引き出した特許庁の判断を無効審判の主張に流用する
よくある質問 AI による整理
Q1特許異議の申立ては誰が審理するのですか?
三人又は五人の審判官の合議体が審理と決定を行います(114条1項)。裁判官ではなく特許庁の審判官による専門的な合議体です。
Q2取消決定と維持決定の違いは何ですか?
取消理由に該当すれば特許を消す取消決定(2項)、該当しなければ特許を残す維持決定(4項)です。取消決定確定で特許は遡及消滅します。
Q3特許異議で取消決定が出たら特許はいつから無効になりますか?
取消決定が確定したとき、その特許は初めから存在しなかったとみなされます(3項)。将来だけでなく過去に遡って効力を失います。
Q4維持決定に不服がある場合はどうすればいいですか?
維持決定には不服を申し立てられません(5項)。利害関係があれば別ルートの無効審判(123条)へ切り替えて争います。
Q5特許異議の申立ては期限がありますか?
特許掲載公報の発行日から6か月以内です(113条)。この期間を過ぎると異議の道は閉ざされ、以後は無効審判のルートになります。
Q6特許異議申立てと無効審判はどちらが有利ですか?
異議は安価・匿名で簡易ですが負ければ戻り道がありません。無効審判は本格的で敗けても審決取消訴訟(178条)に進めます。
Q7特許を取り消されたくない権利者はどう防御しますか?
取消理由の通知を受けたら期限内に意見書と訂正の請求(120条の5)で対応します。クレーム減縮で取消理由を回避できる場合があります。
Q8取消決定に納得できない権利者は裁判所で争えますか?
権利者は取消決定に対し知財高裁へ審決取消訴訟を提起できます(178条)。申立人と異なり、取り消された側には裁判所の道が残ります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1他社の特許に異議を申し立てたいんですが、うちが直接困ってないと無理ですか?
できます。特許異議の申立ては『何人も』可能で、利害関係は不要です(113条)。利害関係が要るのは無効審判(123条)の方です。実務のポイント:競合は自社名を出さず、関係者やダミーを申立人にして他社特許を潰す実務がある。誰が本当に動かしているかは公報からは見えにくい
Q2異議申立てで特許が維持されたら、もう打つ手はないんですか?
異議としては打つ手がありません。維持決定には不服を申し立てられません(5項)。ただし利害関係があれば、別ルートの無効審判(123条)に切り替えられ、その審決には審決取消訴訟(178条)の道が残ります。実務のポイント:異議は安価で匿名性のある『探り』、無効審判は本気の総力戦。まず異議で相手と特許庁の反応を見てから無効審判に進む二段構えが定石
Q3特許が取り消されたら、それまで払っていたライセンス料はどうなりますか?
取消決定が確定すると、その特許は初めから存在しなかったとみなされます(3項)。既払いのライセンス料が当然に戻るわけではなく、扱いは契約条項次第です。実務のポイント:実務ではライセンス契約に『対象特許が無効・取消になった場合の料率調整や返還』の条項を入れる。これがないと、消えた特許に払い続けた金は取り戻せないことが多い
間違えやすい点 AI による整理
- 「異議申立ても無効審判も、負けたら裁判所で争える」と当然のように前提を置いて手続を選んでいる人がいる。だがその前提が誤っている。異議申立てで維持決定が出たら、申立人に不服申立ての道はない(5項)。本当の問いは『どちらが楽か』ではなく『負けたとき戻り道が残るか』だ
- 「異議申立ては利害関係がないとできない」と思われがちだが、立場は逆。異議申立ては何人もできる(113条)。利害関係が要るのは無効審判(123条)の方である。覚え違いをしている人が驚くほど多い
- 取消決定で特許が消えると知ってはいても、その『初めから存在しなかった』(3項)の重みを理解していない人が多い。既に結んだライセンス契約、送付済みの警告書、進行中の侵害交渉、その全ての法的足場が過去に遡って崩れる。単に『今後使えなくなる』ではない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 申立資格 | 特許異議(113・114条):何人も申立て可、利害関係不要 | 無効審判(123条):利害関係人に限る 取消理由の通知・訂正(120条の5):権利者側の防御手段 |
| 敗訴時の戻り道 | 維持決定に不服申立て不可(5項)、上訴なし | 審決に対し審決取消訴訟(178条)が可能 訂正が認められなければ取消決定へ直結 |
| 取消の効果 | 取消決定確定で特許は初めから不存在とみなす(3項、遡及効) | 無効審決確定で特許権は遡及消滅(125条) 訂正成立なら特許は生き残る |
| 審理主体・性格 | 三人又は五人の審判官の合議体、簡易・迅速 | 審判官の合議体、当事者対立構造の本格審理 指定期間内の書面手続 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は異議制度を廃止し、挙発(無効審査)に一本化。何人も一定事由で挙発でき、日本の異議+無効審判を統合した構造に近い
韓国も2017年に特許取消申請制度を導入。付与後の簡易な見直し手続として日本の異議制度と設計思想が近い
ドイツは付与後9か月以内の異議(Einspruch)を認める。付与後異議の淵源であり、日本の異議制度が範とした制度
米国は AIA により付与後レビュー(PGR)と当事者系レビュー(IPR)を導入。PTAB が審理する行政的見直し手続で、機能的に日本の異議・無効審判に対応
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 競合の特許で市場参入を妨げられている。異議申立てで攻めるか、無効審判(123条)でいくか。異議で負ければ不服を言えない(5項)が、無効審判なら敗けても審決取消訴訟に進める。この入口の選択が、敗けたときの戻り道の有無を決める
- あなたの特許に異議が申し立てられ、特許庁から取消理由の通知が届いた。意見書と訂正の請求(120条の5)の期限まであと数十日。ここで適切にクレームを減縮できれば特許は生き残るが、放置すれば取消決定、そして遡及消滅へ一直線
- もし、あなたがライセンス料を払って使っている技術の元特許が、第三者の異議申立てで取り消されたら? 3項により特許は初めから無かったことになる。過去に払い続けたライセンス料の扱いはどうなるのか、契約書を今すぐ開くべき場面
- 特許異議の申立ては何人もできる。利害関係すら要らない。だから競合は自社名を出さず、関係者を申立人に立てて他社特許を潰すことがある
取るべき行動
被害を受けた側:1. 邪魔な特許を潰したいなら、まず特許掲載公報の発行日を確認。異議申立ては発行後6か月以内(113条)、この期間を逃すと異議の道は閉ざされる2. 申立て前に、負けたとき(維持決定)は不服申立てできない(5項)ことを前提に、無効審判(123条)との二段構えを設計3. 申立理由を113条各号に正確に当てはめ、先行技術文献を揃える4. 維持決定が出ても、利害関係があれば無効審判へ切り替え、審決取消訴訟まで争える
訴えられた側:1. 取消理由の通知が届いたら、指定期間内に意見書と訂正の請求(120条の5)で対応、放置は取消決定に直結2. クレームの減縮や誤記訂正で取消理由を回避できないか弁理士と精査3. 万一取消決定が出たら、知財高裁への審決取消訴訟(178条)を出訴期間内に提起4. 取消決定確定の遡及効(3項)に備え、進行中のライセンス交渉や侵害警告の前提を見直す
時効(請求できる期限):異議申立て自体は特許掲載公報発行日から6か月以内(113条)。取消決定に対する審決取消訴訟は決定謄本の送達日から30日以内(178条、出訴期間は最新の条文をご確認ください)。維持決定には、期限以前にそもそも不服申立ての道がない(5項)
学説
通説:特許異議申立制度は、瑕疵ある特許を公衆参加により早期に是正する簡易・迅速な見直し手続と位置づけられる。維持決定への不服申立てを封じる5項は特許権の早期安定を図る趣旨であり、申立人の是正利益は無効審判(123条)ルートで担保されると解される。
改正沿革 AI による整理
- 平成26年(2014年)改正、2015年4月1日施行 2003年に廃止され無効審判に統合されていた特許異議申立制度を復活。何人も申し立て可能な簡易・迅速な特許見直し手続として再導入し、三人または五人の審判官の合議体による審理、取消決定、維持決定、取消決定の遡及効、維持決定への不服申立て禁止の枠組みを定めた
改正の年表
- 1.平成6年(1994年) 改正:付与後異議申立制度を導入。特許付与後に公衆が異議を申し立てられる仕組みとして整備された
- 2.平成15年(2003年) 削除:付与後異議申立制度を廃止し、無効審判に一本化。異議と無効審判の二重の負担を解消する趣旨
- 3.平成26年(2014年) 改正:特許異議申立制度を復活(施行2015年4月1日)。何人も申立て可能な簡易・迅速な見直し手続として再導入し、三人又は五人の審判官の合議体による審理、取消決定、維持決定、遡及効、維持決定への不服申立て禁止の枠組みを定めた
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