特許を無効にすべき旨の審決が確定したときは、特許権は、初めから存在しなかつたものとみなす。
要点特許法 125 条は、無効審決が確定すると特許権は初めから存在しなかったものとみなすと定める。ただし後発的無効理由(123 条 1 項 7 号)の場合は事由発生時から将来に向かってのみ無効となる。
Q · 特許が無効になったら、その特許は「最初から無かった」ことになるの?
原則は登録時まで遡って無効、後発的事由なら事由発生時から先だけ無効
特許法 125 条により、無効審決が確定すると、その特許権は原則として登録時に遡って「初めから存在しなかった」ものとみなされます。差止めや賠償の根拠も遡って崩れます。ただし例外があり、登録後に権利者が日本で特許を持てない立場になった等の後発的無効理由(123 条 1 項 7 号)の場合は、その事由が生じた時から将来に向かってのみ無効となり、登録時までは遡りません。なお、侵害の確定判決が出た後に無効が確定しても、104 条の 4 により再審で判決を覆す主張はできません。
特許が無効だと確定した瞬間、その特許は「最初から存在しなかった」ことになる。過去にさかのぼって、一度も登録されなかったかのように扱われる。これが特許法 125 条の遡及効だ。なぜこれが武器になるのか。あなたがその特許を侵害したと警告され、ライセンス料を払ってきた、あるいは損害賠償を命じられた。ところが後にその特許が無効審判で潰れれば、相手の独占権は法律上、初めから無かったことになり、根拠ごと崩れる。ただし例外が一つある。登録後に権利者が日本で特許を持てない立場になった、または条約違反になった場合(123 条 1 項 7 号)には、遡るのは「その事由が生じた時」までで、登録時点まで戻らない。この「どこまで遡るか」の一線が、あなたが払い過ぎたか、取り戻せるか、相手の過去の権利行使が正当だったかを左右する。
特許法 125 条は、無効審決確定の効果を定める規定である。原則として、無効が確定した特許権は登録時に遡って初めから存在しなかったものとみなされる(遡及効)。例外として、登録後に生じた後発的無効理由(123 条 1 項 7 号)による場合は、その事由発生時から将来に向かってのみ効力を失い、登録時まで遡及しない。
AI 輔助整理,以條文原文為準
特許法 125 条により、無効審決が確定すると特許権は初めから存在しなかったものとみなされ、その特許に基づく差止めや独占の根拠も遡って消滅します。後発的無効理由の場合のみ事由発生時から先の無効になります。
原則は登録時(特許権発生時)まで遡り、初めから無かったとみなされます。例外は 123 条 1 項 7 号の後発的無効理由で、この場合は事由発生時から先だけが無効です。
その特許が初めから無かったとみなされるため、その特許を理由とする差止め・侵害主張の根拠は消えます。ただし別の特許や他の権利が及ぶ可能性は別途検討が必要です。
請求自体に期間制限はなく特許消滅後も可能です(123 条 3 項)。ただし侵害の確定判決を覆したいなら、104 条の 4 により判決確定前の無効確定が事実上のリミットです。
最判平成 12 年 4 月 11 日の事件で、明白な無効理由がある特許権の行使は権利濫用にあたるとした先例です。これが 2004 年の 104 条の 3(無効の抗弁)立法につながりました。
104 条の 3 は侵害訴訟の中で「無効理由がある」と抗弁して権利行使を阻む規定、125 条は無効審決が確定したときに特許権が遡って消える効果を定める規定です。
差止めの根拠が遡って消滅しますが、確定判決そのものは 104 条の 4 により再審で覆す主張ができません。確定前であれば争う余地があります。
無効審判の中で訂正請求(134 条の 2)を行い、請求項を限定して無効理由を解消できれば、特許を維持できる場合があります。権利者側の主要な防御手段です。
原則として返ってきません。125 条で特許権は遡って消えますが、ライセンシーはその間、現に特許発明を使って事業をしてきたため、既に履行されたライセンス料の返還を求めても認められないのが実務の大勢です。業界裏話ヒント:契約書に「無効確定後も既払実施料は返還しない」条項があるかが分水嶺。無い場合は不当利得(民法 703 条)で争う余地がゼロではないが、勝率は低い。交渉時にこの一文を入れるか削るかで、出口の金額が変わる
確定判決の後では、原則取り戻せません。2011 年改正で入った 104 条の 4 により、判決確定後に無効審決が確定しても、それを理由に再審で判決を覆す主張ができなくなりました。業界裏話ヒント:だからこそ勝負は判決確定「前」。侵害訴訟の係属中に無効審判を急ぎ、確定させる。確定判決を待ってから無効審判を起こすのは、最も避けるべき順序だ
原則は登録時より前、特許権が発生した時点まで遡って「初めから無かった」とみなされます。ただし例外として、登録後に権利者が特許を持てない立場になった等(123 条 1 項 7 号)の場合は、その事由が生じた時から先だけが無効です。業界裏話ヒント:この「全部遡る」か「途中から」かの違いは、過去の権利行使の正当性を左右する。後発的事由かどうかを最初に見極めるのがプロの初動だ
原則として利害関係人に限り請求できます(123 条 2 項、平成 26 年改正で「何人も」から限定されました)。特許権が消滅した後でも請求は可能です(123 条 3 項)。業界裏話ヒント:利害関係を満たす関係会社を請求人に立てて、自社の動きを相手に読ませない実務もある。相手に手の内を読ませないための定石だ
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 規定の役割 | 125 条:無効審決確定の効果(遡及効) | — |
| 発動の場面 | 無効審決が確定したとき | — |
| 時間軸の効果 | 原則登録時まで遡って消滅、後発的事由は事由発生時から先 | — |
| 回避・防御手段 | 訂正請求(134 条の 2)で無効理由を解消 | — |
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