要点特許法 67 条の 7 は、審査官が存続期間延長登録の出願を五つの拒絶事由で審査し、該当しなければ延長登録の査定をすると定める規定。医薬品特許を最長 5 年延ばす関所となる。
Q · 薬の特許の延長登録って、審査官はどうやって認めるか決めているの?
五つの拒絶事由に一つでも当たれば拒絶、なければ延長登録されます
特許法 67 条の 7 は、審査官が存続期間延長登録の出願を審査するルールを定めます。①処分が実施に必要だったか②権利者が処分を受けているか③延長を求める期間が実施できなかった期間を超えていないか④出願人が特許権者か⑤準用要件を満たすか、の五つの拒絶事由のいずれかに該当すれば拒絶査定となり、いずれにも該当しなければ延長登録の査定をしなければなりません。認められれば医薬品・農薬の特許は最長 5 年延び、後発品の参入時期がその分ずれます。
ある抗がん剤の特許切れが一年延びれば、製薬会社の売上は数百億円動き、あなたが安いジェネリックに乗り換えられる日も一年遠のく。その「延ばすか、止めるか」を最終判定するのが特許法67条の7だ。医薬品や農薬は、特許を取っても国の承認や登録が下りるまで何年も売れない。その「売れなかった期間」を最長5年まで特許の寿命に足し戻すのが存続期間の延長登録で、67条の7は審査官がその出願を認めるか拒絶するかの分かれ道を定めている。拒絶理由は5つ。承認がそもそも実施に必要だったか、延ばそうとする期間が実際に売れなかった期間を超えていないか、出願人が本当の特許権者か。読み解くべきは、この条文が製薬会社とジェネリックメーカーが数百億円を賭けて殴り合う土俵そのものだという事実だ。あなたが当事者でなくても、薬局で払う薬代の何割かは、この一条の判定結果で決まっている。
特許法 67 条の 7 は、存続期間延長登録の出願に対する審査官の査定を定める規定である。第六十七条第四項の政令で定める処分の必要性、権利者による処分の取得、延長期間が実施不能期間を超えないこと、出願人適格、準用要件の五つの拒絶事由のいずれにも該当しない場合に、延長登録をすべき旨の査定をしなければならないと規律する。
AI 輔助整理,以條文原文為準
医薬品や農薬が承認・登録待ちで販売できなかった期間を、最長 5 年まで特許の存続期間に足し戻す制度です。特許法 67 条第 4 項が根拠で、67 条の 7 で審査されます。
最長 5 年です。ただし実際に足せるのは、処分により特許発明を実施できなかった期間の範囲内で、その期間が 5 年を超える場合でも上限は 5 年に制限されます。
政令で定める処分を受けた日から原則 3 か月以内、かつ存続期間の満了前です。満了が迫っていれば猶予はさらに短く、一日でも過ぎると延長は一切認められません。
①処分が実施に必要と認められない②権利者が処分を受けていない③延長期間が実施不能期間を超える④出願人が特許権者でない⑤準用要件を満たさない、の五つです。
認められた延長登録を、出願時に戻って五つの拒絶事由のいずれかを突いて覆す審判です。特許法 125 条の 3 が根拠で、後発品メーカーの参入戦略として使われます。
承認を受けた用途・効能などの範囲に限定されます(特許法 68 条の 2)。同じ薬でも別の効能で使えば延長された特許の侵害にならない余地があります。
拒絶査定の謄本送達から 3 か月以内なら、拒絶査定不服審判(特許法 121 条)を請求して審判官の再審理を受けられます。期限管理が最優先です。
医薬品医療機器等法の製造販売承認や、農薬取締法の登録など、政令で定める処分です。安全性確保のために国の許可が必要な分野が対象になります。
原則は出願から20年ですが、医薬品は国の承認(医薬品医療機器等法)が下りるまで何年も販売できません。その「売れなかった期間」を最長5年まで特許に足し戻すのが67条第4項の延長登録で、67条の7はそれを認めるかを審査官が判定します。業界裏話ヒント:延長は自動ではなく出願制で、期限を逃すと一日も延びません。先発メーカーの法務が最も神経を使うのがこの出願期限の管理で、ここでミスした特許は本来取れたはずの延長を丸ごと失います。
大きく関係します。延長登録が認められると、その薬の特許は最長5年延び、後発品の参入もその分遅れます。ただし延長された特許権の効力は承認を受けた用途の範囲に限られる(68条の2)ので、効能や剤形が違えば参入できる余地もあります。業界裏話ヒント:ジェネリックメーカーは延長登録の有効性を延長登録無効審判で攻めます。一号(処分の必要性)で崩せれば参入が数年早まるため、ここは数百億円規模の攻防になります。
あります。拒絶査定の謄本が届いてから3か月以内なら拒絶査定不服審判(121条)を請求でき、審判官による再審理を受けられます。拒絶理由のどの号が根拠かで反論の組み立てが変わります。業界裏話ヒント:実務で最も争いになるのは三号の「実施できなかった期間」の長さで、治験をいつ始めたかの起算点を数か月ずらせるかが延長期間を左右します。知財高裁の大合議でこの起算点が争われた経緯があり、専門の弁理士や弁護士はこの一点に注力します。
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|---|---|---|
| 条文の役割 | 67 条の 7:延長登録出願の査定(拒絶/登録の分岐) | — |
| 誰が使うか | 審査官(出願の可否を判定) | — |
| 効力の限定 | 拒絶事由に該当しなければ延長登録 | — |
| 争う手段 | 拒絶査定不服審判(121 条) | — |
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