実用新案法 第6条の2(補正命令)
クイックジャンプ
- 特許庁長官は、実用新案登録出願が次の各号の一に該当するときは、相当の期間を指定して、願書に添付した明細書、実用新案登録請求の範囲又は図面について補正をすべきことを命ずることができる。
- 一その実用新案登録出願に係る考案が物品の形状、構造又は組合せに係るものでないとき。
- 二その実用新案登録出願に係る考案が第四条の規定により実用新案登録をすることができないものであるとき。
- 三その実用新案登録出願が第五条第六項第四号又は前条に規定する要件を満たしていないとき。
- 四その実用新案登録出願の願書に添付した明細書、実用新案登録請求の範囲若しくは図面に必要な事項が記載されておらず、又はその記載が著しく不明確であるとき。
この条文の基本情報
補正命令とは何ですか?
定義補正命令とは、実用新案法第6条の2に定められた規定で、「特許庁長官は、実用新案登録出願が次の各号の一に該当するときは、相当の期間を指定して、願書に添付した明細書、実用新案登録請求の範囲又は図面について補正をすべきこと…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 実用新案法第6条の2(補正命令)は、日本の実用新案法に含まれる条文です。
- 実用新案法第6条の2の条文原文は「特許庁長官は、実用新案登録出願が次の各号の一に該当するときは、相当の期間を指定して、願書に添付した明細書、実用新案登録請求の範囲又は図面について補正をすべきこと…」で始まります。
- 実用新案法第6条の2は第二章 実用新案登録及び実用新案登録出願に置かれています。
- 実用新案法の公布日は昭和34年4月13日です。
- 実用新案法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 実用新案法第6条の2の前の条は実用新案法第6条です。
- 実用新案法第6条の2の次の条は実用新案法第7条です。
- 実用新案法第6条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
実用新案法(昭和三十四年法律第百二十三号)第6条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000123 - 本サイト収録
実用新案法(昭和三十四年法律第百二十三号)第6条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000123/6_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点実用新案法6条の2は、出願が物品性の欠如など四つの事由に該当するとき、特許庁長官が相当の期間を指定して明細書等の補正を命じられると定める。期間内に補正しなければ出願は却下される。
Q · 実用新案を出願したら特許庁から補正命令が届いた。これは何で、無視したらどうなる?
形式不備を期間内に直すよう命じる手続で、放置すると出願が却下されます
実用新案法6条の2の補正命令は、特許庁長官が出願の形式的要件(物品性、不登録事由、記載要件、必要事項の記載)に不備を認めたとき、相当の期間を指定して明細書等の補正を命じる手続です。実用新案は無審査登録制度のため中身の新規性・進歩性は審査されず、この四つの形式点だけがチェックされます。指定された期間内に補正しなければ出願は却下され、それまで確保していた出願日(先願の地位)も失います。期間管理を誤ると権利化の道そのものが閉ざされます。
解説
特許庁に実用新案を出願すると、半年ほどで登録される。早い、安い、確実に紙の権利が手に入る。だがここに大きな誤解が潜んでいる。特許庁長官がチェックするのは、この6条の2に並ぶ四つの形式的な点だけだ。物品の形状・構造・組合せに関するものか、公序良俗に反しないか、請求の範囲が明確で必要事項が書かれているか。つまり、あなたの考案が本当に新しいか、進歩性があるかは一切審査されない。形式さえ整っていれば登録される無審査主義、それが実用新案だ。6条の2の補正命令は、その数少ない関門。ここで指定された期間内に補正しなければ、あなたの出願は却下される。逆に言えば、この四つさえクリアすれば、中身がどうであれ「実用新案権者」になれてしまう。本当の問題は、その権利を誰かに行使しようとした瞬間に始まる。
法的な位置づけ
実用新案法6条の2の補正命令とは、特許庁長官が実用新案登録出願について、物品性の欠如、不登録事由への該当、記載要件の不備、必要事項の記載が不明確であることのいずれかを認めたとき、相当の期間を指定して明細書・実用新案登録請求の範囲・図面の補正を命じる手続をいう。無審査登録制度における基礎的要件の審査を担う数少ない形式的関門である。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.補正命令の四つの号のどれに該当したかを特定する 届いた補正命令を読み、第一号(物品性の欠如)・第二号(不登録事由)・第三号(記載要件の不備)・第四号(記載が著しく不明確)のどれを指摘されたかを切り分ける。号によって対応方針がまったく異なる
- 2.第一号(物品性)なら特許への出願変更を検討する 考案の本質が方法やソフトウェアの可能性がある場合、実用新案では守れない。出願変更により特許で権利化する道を検討し、間に合うかを早急に判断する
- 3.第三号・第四号なら指定期間内に明細書・請求の範囲を補正する 記載要件の不備・記載不明確の指摘には、指定された相当の期間内に明細書や請求の範囲を補正する。広すぎて不利な請求項はこの機会に減縮し、登録への道を確保する
- 4.自力で難しければ弁理士に相談する 補正書の作成は専門技術であり、弁護士ではなく弁理士に相談する。指定期間は厳守し、延長は限定的と心得て日付を起算点に管理する
よくある質問 AI による整理
Q1実用新案の補正命令とは何ですか?
特許庁長官が出願の形式的な不備(物品性、不登録事由、記載要件、記載不明確)を認めたとき、相当の期間を指定して明細書等の補正を命じる手続です。実用新案法6条の2が根拠です。
Q2実用新案の補正命令の期間はどのくらいですか?
特許庁長官が指定する「相当の期間」が定められます。延長が認められる場合もありますが限定的なので、指定された日付を起算点として厳格に管理する必要があります。
Q3実用新案は無審査って本当ですか?
本当です。新規性・進歩性は審査されず、6条の2の四つの形式要件だけがチェックされる無審査登録制度です。登録は有効な権利を意味しません。
Q4ソフトウェアは実用新案で登録できますか?
原則できません。実用新案が守れるのは物品の形状・構造・組合せだけで、方法やソフトウェアそのものは6条の2第一号で補正命令の対象となり登録できません。特許での出願を検討すべきです。
Q5実用新案技術評価書とは何ですか?
実用新案法12条に基づき、登録された考案が本当に有効かを特許庁が評価する書面です。無審査を補完する仕組みで、権利行使の前に取得すべき重要な書類です。
Q6実用新案で却下されたらどうなりますか?
補正命令に期間内に応じず却下されると、その出願は失われ、確保していた出願日(先願の地位)も消えます。同じ考案を後から出し直しても先を越されるおそれがあります。
Q7実用新案登録済みの表示は信用できますか?
鵜呑みにはできません。6条の2の形式審査を通っただけで独自性は未審査です。技術評価書の有無を確認しないと、本当に有効な権利かは判断できません。
Q8実用新案から特許に変更できますか?
可能です。実用新案登録に基づく特許出願という制度があり、早く権利化したうえで実体審査のある特許に切り替える合わせ技として使われます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1実用新案って、特許と何が違うんですか?
最大の違いは審査です。特許は新規性・進歩性まで実体審査しますが、実用新案は6条の2の形式審査だけで登録されます(無審査主義)。対象も物品の形状・構造・組合せに限られ、方法や物質は守れません。存続期間も出願から10年と短い。実務のポイント:だからこそ実用新案の登録番号は『有効な権利』を意味しません。本当に有効かは技術評価書(12条)を取らないと分からず、これを知らずに『登録済み』を過信する人が後を絶ちません
Q2補正命令を無視したら、どうなりますか?
指定期間内に補正しなければ、出願は却下されます。それまで確保していた出願日(先願の地位)も失い、同じ考案を後から出し直しても、その間に他人が同じものを出願していれば先を越されます。実務のポイント:補正命令は『直せるチャンスを与えられた』状態です。却下されてから争うより、期間内に請求の範囲を減縮して登録に持ち込む方が圧倒的に楽。期限管理ができずに却下される人が一定数いるのが実情です
Q3登録できたら、もう真似されても安心ですよね?
そこが落とし穴です。登録は6条の2の形式審査を通っただけで、有効性は保証されていません。権利を行使する前に必ず技術評価書を取り、有効の見込みを確認してください。実務のポイント:評価書を取らずに警告状を送り、後で権利が無効になると、相手に与えた損害の賠償責任(実用新案法29条の3)を負うことがあります。攻めたつもりが払う側になる、これは弁理士が必ず釘を刺す実務の鉄則です
間違えやすい点 AI による整理
- 「登録された=法的に有効な権利を手に入れた」と思い込みがちだが、6条の2は中身を審査しない。登録は形式要件を満たした証明にすぎず、新規性も進歩性も一切保証しない
- 補正命令を「ちょっとした書類の不備の指摘」と軽く見る人がいる。実はこれを指定期間内に正さなければ出願は却下され、それまで確保していた出願日(先願の地位)まで失う。深刻度は書類不備どころの話ではない
- あなたから見れば「登録番号を持つ正当な権利者」だが、相手方の弁理士から見れば「無審査で通っただけで、技術評価書もまだ取っていない人」。この見え方の落差が、警告状を送った瞬間にあなたを一気に不利な立場へ押し込む
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 審査の性質 | 6条の2:形式的要件のみの審査(補正命令) | 3条:新規性・進歩性等の実体的登録要件 12条:技術評価書による有効性判断 |
| 対象 | 物品性・不登録事由・記載要件・記載明確性 | 考案の中身(新規性・進歩性) 登録後の考案の有効性 |
| タイミング | 登録前(出願審査段階) | 登録前(ただし実用新案では未審査) 登録後(権利行使前の確認) |
| 怠った場合の効果 | 期間内に補正しなければ出願却下 | 要件不充足でも登録自体は阻止されない(無審査) 評価書なしの権利行使は29条の3の賠償リスク |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も新型専利は形式審査のみで、不備があれば期間を定めて申復・補正を通知する点で日本と同じ無審査型。実体的有効性は別途争われる。
韓国も実用新案について方式審査・補正命令の仕組みを持ち、特許法を準用する。無審査登録から実体審査への制度変遷の歴史も日本と類似する。
ドイツの実用新案(Gebrauchsmuster)も登録手続で形式的要件を審査し、不備があれば申立て(Beanstandung)を行う。実体審査を経ない『非審査権利』である点が日本制度の源流。
米国に実用新案制度はないが、特許審査における拒絶理由通知・補正要求が機能的に対応する。ただし米国は実体審査を行う点で無審査の実用新案とは性質が異なる。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 個人で考案した便利グッズを実用新案で出願した。三週間後、特許庁から補正命令が届く。請求の範囲が不明確だという。指定された期間を一日でも過ぎれば出願は却下、先願の地位も消える。あと数十日のうちに、明細書のどこをどう直すかを決め、補正書を書き上げなければならない
- もしあなたが出願したのが「物の作り方」や「アプリの仕組み」だったら、どうなるか。実用新案が守れるのは物品の形状・構造・組合せだけ。方法やソフトウェアそのものは6条の2第一号で補正命令の対象になり、結局は登録できない。本来は特許で出すべきだったという取り違えは、想像以上に多い
- 競合があなたの製品そっくりの実用新案を登録した。だがその登録は中身を審査されていない。慌てる必要はない。技術評価書を取れば、本当に有効かどうかが見えてくる
- 取引先から「うちは実用新案登録済みだ、真似するな」と警告状が届いた。登録番号があっても、それが有効な権利とは限らない。無審査で形式だけ通っただけかもしれない。製造を止める前に、相手が技術評価書を持っているかを確認するのが先だ
取るべき行動
被害を受けた側:1. 補正命令の四つの号のどれに該当したかを特定する2. 一号(物品性)なら考案の本質が方法やソフトの可能性があり、特許への出願変更を検討3. 三号(明確性・単一性)・四号(記載不備)なら、指定期間内に明細書・請求の範囲を補正、不利な広すぎる請求項は減縮する4. 自力で難しければ弁理士(弁護士ではなく弁理士)に相談、補正書の作成は専門技術。指定期間は厳守し、延長は限定的と心得る
訴えられた側:1. 相手の登録は無審査かもしれない、まず実用新案技術評価書の提示を求める2. 評価書がない、または新規性なし等の低い評価なら、相手は迂闊に権利行使できない(29条の3の責任を負うため) 3. 自ら特許庁に実用新案登録無効審判を請求する道もある4. 慌てて製造や販売を止める前に弁理士に相談、無審査ゆえに無効化できる余地は特許より広い
時効(請求できる期限):補正命令には特許庁長官が指定する「相当の期間」が定められる。この指定期間内に補正しなければ出願は却下されうる。期間の延長が認められる場合もあるが限定的なので、指定された日付を起算点として厳格に管理すること(最新の運用状況をご確認ください)
学説
通説:6条の2の補正命令は無審査登録制度における基礎的要件の審査を担うものであり、実体的登録要件(新規性・進歩性)の審査ではない。登録は形式要件充足の証明にとどまり、権利の有効性は技術評価書(12条)と権利者の責任(29条の3)によって事後的に担保される。
改正沿革 AI による整理
- 平成5年(1993年)公布、平成6年(1994年)施行 無審査登録制度の導入。それまでの実体審査を廃止し、特許庁長官による基礎的要件の審査(補正命令)へと制度を転換した。6条の2はこの形式審査の中核を成す。なお総改正回数は人的検証を要する
改正の年表
- 1.平成5年(1993年)公布・平成6年(1994年)施行 改正:無審査登録制度の導入。それまでの実体審査を廃止し、特許庁長官による基礎的要件の審査(補正命令)へと制度を転換。6条の2はこの形式審査の中核を成す。総改正回数は人的検証を要する。
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める