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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年7月4日読了 8 分8 分8 分

意匠法 第26条の2(意匠権の移転の特例)

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  1. 意匠登録が第四十八条第一項第一号に規定する要件に該当するとき(その意匠登録が第十五条第一項において準用する特許法第三十八条の規定に違反してされたときに限る。)又は第四十八条第一項第三号に規定する要件に該当するときは、当該意匠登録に係る意匠について意匠登録を受ける権利を有する者は、経済産業省令で定めるところにより、その意匠権者に対し、当該意匠権の移転を請求することができる。
  2. 2.基礎意匠又は関連意匠の意匠権についての前項の規定による請求は、基礎意匠又は関連意匠の意匠権のいずれかの消滅後は、当該消滅した意匠権が第四十九条の規定により初めから存在しなかつたものとみなされたときを除き、することができない。
  3. 3.第一項の規定による請求に基づく意匠権の移転の登録があつたときは、その意匠権は、初めから当該登録を受けた者に帰属していたものとみなす。当該意匠権に係る意匠についての第六十条の十二第一項の規定による請求権についても、同様とする。
  4. 4.共有に係る意匠権について第一項の規定による請求に基づきその持分を移転する場合においては、第三十六条において準用する特許法第七十三条第一項の規定は、適用しない。

この条文の基本情報

意匠権の移転の特例とは何ですか?

定義意匠権の移転の特例とは、意匠法第26条の2に定められた規定で、「意匠登録が第四十八条第一項第一号に規定する要件に該当するとき(その意匠登録が第十五条第一項において準用する特許法第三十八条の規定に違反してされたときに限る。」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 意匠法第26条の2(意匠権の移転の特例)は、日本の意匠法に含まれる条文です。
  2. 意匠法第26条の2の条文原文は「意匠登録が第四十八条第一項第一号に規定する要件に該当するとき(その意匠登録が第十五条第一項において準用する特許法第三十八条の規定に違反してされたときに限る。」で始まります。
  3. 意匠法第26条の2は第一節に置かれています。
  4. 意匠法の公布日は昭和34年4月13日です。
  5. 意匠法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
  6. 意匠法第26条の2の前の条は意匠法第26条です。
  7. 意匠法第26条の2の次の条は意匠法第27条です。
  8. 意匠法第26条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式意匠法(昭和三十四年法律第百二十五号)第26条の2
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000125
  • 本サイト収録意匠法(昭和三十四年法律第百二十五号)第26条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000125/26_2

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点意匠法26条の2は、冒認出願や共同出願違反で他人名義になった意匠権を、無効にせず自己名義へ移転請求できると定める。移転登録で初めから自分の権利とみなされる。

Q · 外注先に自分のデザインを勝手に意匠登録されたら、もう取り返せないの?

無効にするのではなく、自分名義への移転を請求できます

意匠法26条の2により、冒認出願(48条1項3号)や共同出願違反(同1項1号)で他人名義になった意匠権は、真の権利者が特許庁に自己名義への移転を請求できます。無効審判で消すと、公知になったデザインは自分も再登録できず権利が空中分解しますが、移転なら権利が生きたまま手に入ります。移転登録があれば、その意匠権は初めから自分に帰属していたとみなされ(第3項)、横取り期間中の補償金請求権も遡って自分のものになります。ただし基礎意匠・関連意匠の意匠権が消滅した後は請求できません(第2項)。

解説

フリーランスのデザイナーとして外注先に図面を渡したら、いつの間にかその相手が自分の名義で意匠登録していた。従来、あなたにできるのは無効審判でその登録を消すことだけだった。だがそれでは権利は誰のものでもなくなり、しかもデザインはすでに世に出て公知になっているから、あなたが改めて出願し直しても新規性を失っていて登録できない。盗んだ側も盗まれた側も、焼け野原だけが残る。意匠法26条の2は、この絶望的な構図をひっくり返す。冒認出願(他人の意匠を勝手に自分の名義で登録すること)や共同出願違反があったとき、本来権利を持つあなたは、その意匠権を消すのではなく、自分名義へ丸ごと移転するよう特許庁に請求できる。さらに移転が登録されれば、その権利は最初からあなたのものだったとみなされる(第3項)。横取りされていた数年間も、遡ってあなたの権利として扱われ、その間に発生した補償金請求権まで付いてくる。消すか、奪い返すか。その選択肢の有無が、デザインで食べていく人の生死を分ける。

法的な位置づけ

意匠法26条の2は意匠権の移転請求を定める規定であり、冒認出願(48条1項3号)または共同出願違反(48条1項1号)に該当する意匠登録について、意匠登録を受ける権利を有する者が意匠権者に対しその意匠権の移転を請求できる旨を規定する。移転登録により当該意匠権は初めから請求者に帰属していたものとみなされる。

手順・フロー

AI による整理。効力は条文原文が基準です

手順

  1. 1.自分が真の権利者である証拠を固める 自分が真の創作者または正当な承継人であることを示す証拠を集める。デザインデータの作成日時、図面、メール・チャットの履歴を保全し、職務創作なら就業規則や承継規程を用意する
  2. 2.冒認か共同出願違反かを特定する 相手の登録が冒認出願(48条1項3号)か、共同出願違反(48条1項1号、15条が準用する特許法38条)かを特定する。共有持分の移転か全部の移転かで手続きが変わる
  3. 3.相手の基礎意匠・関連意匠の存続を確認し消滅前に動く 基礎意匠・関連意匠が絡む場合は、相手の各意匠権の存続・更新状況を確認する。第2項によりいずれかが消滅した後は請求できなくなるため、消滅前に請求を打つ
  4. 4.特許庁に意匠権の移転を請求する 経済産業省令が定める手続で意匠権の移転を請求する。無効審判で消す選択肢と比較し、原則は移転(公知化を避けられ権利が生きたまま手に入る)を選ぶ

よくある質問 AI による整理

Q1冒認出願とは何ですか?

意匠登録を受ける権利のない者が、他人が創作した意匠を勝手に自己名義で出願・登録することです。意匠法48条1項3号の無効理由にあたり、真の権利者は26条の2で移転を請求できます。

Q2意匠権移転請求はいつまでできますか?

本条固有の時効期間は条文上ありません。ただし第2項により、基礎意匠・関連意匠の意匠権はいずれかが消滅した後は請求できなくなります。相手の権利満了前に動くことが救済の前提です。

Q3意匠権移転請求はどこに申請しますか?

特許庁に対し、経済産業省令が定める手続で意匠権の移転を請求します。冒認・共同出願違反の立証資料を添えて行います。無効審判とは別の救済ルートです。

Q4冒認出願は違法ですか?

権利のない者による出願として無効理由(意匠法48条1項3号)にあたり、登録は無効審判で消せるほか、真の権利者は26条の2で移転を請求できます。悪質な場合は不正競争や損害賠償の問題にもなり得ます。

Q5共同出願違反とは何ですか?

共同で創作した意匠は共同で出願すべきところ(15条が準用する特許法38条)、一方が単独名義で出願・登録することです。意匠法48条1項1号の無効理由にあたり、他の権利者は自己の持分の移転を請求できます。

Q6基礎意匠が消滅すると移転請求できなくなりますか?

はい。第2項により、基礎意匠・関連意匠の意匠権はいずれかが消滅した後は移転請求ができません。ただしその消滅が無効審判で初めから無かったとみなされた場合は例外です。

Q7退職者が勝手に意匠登録したら取り戻せますか?

在職中の職務創作なら本来は会社が権利を承継しているため、会社は登録を消すのではなく26条の2で自己名義への移転を請求できます。就業規則や職務創作規程が証拠になります。

Q8特許権にも同じ移転請求制度はありますか?

あります。特許法74条が同趣旨の移転請求を定めており、意匠法26条の2はその原型を意匠に取り込んだ規定です。いずれも2011年(平成23年)改正で新設されました。

この条文についての質問 AI による整理

Q1デザインを盗まれたら、無効審判と移転請求のどっちを使えばいいんですか?

原則は移転請求(26条の2)です。無効審判で相手の登録を消すと、そのデザインはすでに公知なので、あなたが出し直しても新規性を失っていて登録できず、権利が誰のものでもなくなります。移転なら権利が生きたまま自分のものになります。実務のポイント:冒認・共同出願違反の救済は2011年改正で移転請求が新設されるまで、無効にして終わりという片道切符しかありませんでした。だから古い解説書や経験則だけで動く人ほど、反射的に無効審判を選んで自分の首を絞める。まず移転を検討する、が現在の定石です

Q2移転してもらえたら、盗まれていた数年間のことはどうなるんですか?

移転登録があれば、その意匠権は初めからあなたに帰属していたとみなされます(第3項)。今から自分のものになるのではなく、最初から自分のものだった扱いです。さらにその意匠に係る補償金請求権(60条の12第1項)についても同様に遡って帰属します。実務のポイント:この遡及効があるからこそ、横取りされていた期間に相手が第三者から得ていた利益や、相手が行使していた権利を、自分のものとして整理し直せる。移転は「今後」だけでなく「過去」を取り戻す手段だという点を、相手側の代理人ほど警戒します

Q3相手が『自分も開発に少し関わった』と言い張ったら、共有になるんですか?

共同で創作した意匠を一方が単独名義で登録したなら共同出願違反(48条1項1号、準用特許法38条)にあたり、もう一方は自分の持分の移転を請求できます。移転後は初めから共有だったとみなされます。なお共有持分を移転するこの場面では、他の共有者の同意を要する規定(36条が準用する特許法73条1項)は適用されません(第4項)。実務のポイント:通常、共有持分の処分には他の共有者の同意が要りますが、26条の2の移転だけはこの同意のハードルを外しています。これを知らないと「相手の同意が要るから無理」と誤って諦める。条文が例外を作っている数少ない場面です

間違えやすい点 AI による整理

  • 「デザインを盗まれたら、無効審判で相手の登録を消すしかない」と多くの人が問いの立て方を誤っている。消すという発想そのものが古い。冒認や共同出願違反であれば、消さずに自分名義へ移転を請求できる(26条の2第1項)。消せば自分も新規性喪失で再登録できないが、移転なら権利がそのまま手に入る。問いは「どう消すか」ではなく「消すか奪うか」だ
  • 移転請求の存在は知っていても、その遡及効の深さを知らない人が多い。移転登録があれば、権利は初めから自分に帰属していたとみなされる(第3項)。これは登記の日からではない。横取りされていた期間に相手が得ていた補償金請求権まで、遡って自分のものとして扱われる。「今から自分のもの」と「最初から自分のもの」では、過去の侵害への請求可能性がまるで違う
  • あなたから見れば「自分のデザインだから取り戻せて当然」だが、法律から見れば話は逆向きだ。基礎意匠・関連意匠の権利は一体として扱われ、第2項により、いずれかの意匠権が消滅した後はもう移転請求ができなくなる。あなたが証拠を固めている間に相手の権利が期間満了で消えれば、正当な権利者でも永遠に奪い返せなくなる。この時間の落差が、待っていた被害者を潰す
比較の観点この条文ほかの条文
得られる結果26条の2(移転請求):権利が生きたまま自己名義に移る48条(無効審判):登録が消滅し権利は誰のものでもなくなる
—
再登録の可否移転なので新規性喪失は問題にならない無効化で公知になり自分も再登録できない
—
遡及効初めから自分に帰属したとみなされ補償金請求権も遡及(第3項)権利は初めから存在しなかったものとみなされる(49条)
—
時的制限基礎意匠・関連意匠の消滅後は請求不可(第2項)無効審判は権利存続中に請求
—

他国ではどう定めているか 3 か国

台湾
中華民国専利法第35条・第142条

台湾は真正権利者が公告後2年以内に専利権の全部または一部の移転を請求できる。設計専利にも第142条経由で準用され、日本の26条の2と近い救済だが期間制限が明確に2年と定まっている点が異なる。

ドイツ
Designgesetz (DesignG) § 9

ドイツは権利者(Berechtigter)が非権利者たる登録名義人に対し登録の移転(Übertragung)を請求できる。日本26条の2の発想の源流に近い。

アメリカ
35 U.S.C. § 256(意匠特許を含む)

米国はデザイン・パテントでも移転請求という形ではなく、発明者名の訂正(correction of inventorship)や derivation 手続で名義の争いを処理する。制度設計が根本的に異なる。

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 外注したパッケージのデザイン。納品後しばらくして、その外注先が勝手に自社名義で意匠登録していたと判明した。無効審判で消せば公知になって誰も登録できなくなる。だが26条の2なら、その登録をそのまま自分名義へ移転請求できる。消すか奪うか、最初の一手で最終結果がまるで変わる
  • あなたが冒認された関連意匠の権利を取り戻そうとしている。だが基礎意匠の意匠権が更新を逃して消滅した瞬間、第2項により、あなたの移転請求はもう通らなくなる(その消滅が無効審判で初めから無かったとみなされた場合を除く)。相手の権利の存続を見張りながら、消滅前に請求を打つ。残された時間は相手の権利管理の杜撰さ次第だ
  • 退職した元デザイナーが、在職中に作った意匠を自分名義で登録していた。職務上の創作なら本来は会社が承継しているはずだ。あなたは登録を消すのではなく、会社名義への移転を請求できる
  • もし、共同で開発したプロダクトのデザインを、共同開発者の一方が単独名義で勝手に登録していたら? 共同出願違反として意匠法48条1項1号に該当し、もう一方の権利者は自分の持分の移転を請求できる。しかも移転後は、初めから共有だったとみなされる
  • 見知らぬ会社から「その意匠権は当社のものだ、26条の2で移転を請求する」という書面が届いた。あなたは正規に登録したつもりでいる。だが相手が真の創作者で冒認を立証すれば、移転登録と同時にその権利は初めから相手のものだったことになり、あなたが払った登録料も得ていた補償金請求権も足元から崩れる

取るべき行動

被害を受けた側:1. 自分が真の創作者または正当な承継人であることの証拠を固める:デザインデータの作成日時、図面、メール・チャットの履歴、職務創作なら就業規則や承継規程2. 相手の登録が冒認(48条1項3号)か共同出願違反(48条1項1号、15条が準用する特許法38条)かを特定3. 基礎意匠・関連意匠が絡む場合は、相手の各意匠権の存続・更新状況を確認し、消滅前に動く(第2項の壁) 4. 経済産業省令所定の手続で意匠権の移転を請求。無効審判で消す選択肢と比較し、原則は移転(公知化を避けられる)

訴えられた側:1. 自分が正当な創作者または承継人であることを示す証拠を集める:独自創作の経緯、設計過程、相手の関与の有無2. 相手の冒認・共同出願違反の主張が成り立つかを精査、創作の先後と承継関係を争う3. 基礎意匠・関連意匠が関わるなら、第2項の時的制限で相手の請求が遮断されないか確認4. 移転が認められた場合、登録は初めから相手に帰属したとみなされる(第3項)ため、既払いの登録料や得ていた補償金請求権の扱いを早期に整理し、損失を試算する

時効(請求できる期限):本条の移転請求権そのものに条文上の固有の時効期間は定められていない。ただし第2項により、基礎意匠・関連意匠の意匠権はいずれかが消滅した後は請求できなくなる(無効審判で初めから無かったとみなされた場合を除く)。実務上の上限は意匠権の存続期間(令和元年改正後は出願日から25年、最新の改正状況をご確認ください)であり、相手の権利が満了すれば移転の対象自体が消える。早期に動くことが救済の前提

学説

通説:26条の2の移転請求は、冒認出願(48条1項3号)と共同出願違反(48条1項1号のうち準用特許法38条違反)という客観的に重大な瑕疵に限定される。要件を満たせば無効化を経ずに権利が移転し、第3項の遡及効により真の権利者が厚く保護される。共有持分の移転については第4項が特許法73条1項の共有者同意規定の適用を除外する点に特徴がある。

改正沿革 AI による整理

  • 平成23年(2011年)改正 特許法74条の新設と同時に、冒認出願・共同出願違反の救済として意匠権の移転請求制度を新設。無効にして終わりだった従来の片道救済に、権利を奪い返す選択肢を加えた
  • 令和 元年(2019年)意匠法改正 関連意匠制度の抜本改正(基礎意匠を起点とする関連意匠の連鎖登録を許容)に伴い、第2項の基礎意匠・関連意匠に係る移転請求の時的制限が整備された(改正の細部は最新の法令をご確認ください)

改正の年表

  1. 1.平成23年(2011年) 新設:特許法74条の新設と同時に、冒認出願・共同出願違反の救済として意匠権の移転請求制度を新設。無効にして終わりだった片道救済に、権利を奪い返す選択肢を加えた。
  2. 2.令和 元年(2019年) 改正:関連意匠制度の抜本改正(基礎意匠を起点とする関連意匠の連鎖登録を許容)に伴い、第2項の基礎意匠・関連意匠に係る移転請求の時的制限が整備された(細部は最新の法令をご確認ください)。

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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

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