要点意匠法 55 条は、無効審判で潰れた意匠権が再審で回復しても、無効審決の確定後・再審請求の登録前に善意でした製造や輸入等には効力が及ばないと定める規定である。
Q · 無効になった意匠を使っていたら再審で権利が復活した。今まで作った分は侵害になるの?
再審請求の登録前の善意行為なら効力は及びません
意匠法 55 条により、無効審判で消滅した意匠権が再審で回復しても、無効審決の確定後から再審請求の登録前までに善意で行った輸入・製造・取得・建築・画像作成には、回復した意匠権の効力は及びません。ここでの善意とは『再審で復活すると知らなかった』という事実状態を指します。ただし免責されるのは登録前の過去の行為だけで、登録後も事業を続けるには別に 56 条の中用権が必要です。
あなたの会社が、ある人気製品のデザインを参考に自社製品を量産し始めたとする。理由は単純で、その意匠登録は無効審判で一度潰れていたからだ。ところが数か月後、相手が再審で争い、意匠権が復活した。潰れたはずの権利が、過去に遡って生き返る。普通に考えれば、復活後のあなたの製造はすべて侵害になりそうだ。だが意匠法55条はそうはさせない。無効の審決が確定してから再審請求が登録されるまでの「隙間」に、善意(ここでの善意とは「再審で復活するとは知らなかった」という意味であって、親切のことではない)で輸入・製造・取得した物品、建築物、画像には、復活した意匠権の効力は及ばない。つまり、潰れた権利を信じて動いた者を、後出しの復活から守る安全装置である。この一条を知っているかどうかで、復活の通知が届いた夜の対応が真逆になる。
意匠法 55 条は回復意匠権の効力制限を定める規定であり、無効審判で消滅した意匠権が再審により回復した場合に、無効審決の確定後から再審請求の登録前までの間に善意でされた輸入・製造・取得・建築・画像作成等の行為には、回復した意匠権の効力が及ばない旨を規定する。遡及効の例外として善意の第三者の地位を保護する規定である。
無効審判で消滅した意匠権が再審で復活しても、その効力を過去の善意行為に及ばせない仕組みです。意匠法 55 条が根拠で、遡及効から善意の実施者を守ります。
権利は過去に遡って回復します。ただし無効審決確定後・再審請求登録前の善意の実施は、意匠法 55 条により効力が及ばず免責されます。
登録前の善意行為は 55 条で免責されますが、登録後の実施には回復した意匠権が及びます。事業を続けるなら 56 条の中用権が別途必要です。
再審請求の登録前に善意で製造した在庫は、回復した意匠権の効力が及ばず侵害品になりません。ただし登録後に作る一個目からは保護が切れます。
55 条は登録前の過去の行為を免責し、56 条は登録後も継続実施できる中用権を認めます。過去と未来の役割が分かれ、実務では両者をセットで主張します。
適用されます。2020 年施行の改正で建築物・画像が意匠登録の対象になったことに伴い、本条の効力制限も建築物、画像、画像記録媒体等に拡大されました。
保護を主張する実施者側に立証責任があります。実施開始時に再審の係属がなかったことを示す原簿の閲覧履歴や社内稟議の日付が有力な証拠になります。
無効審決の確定後、再審で復活すると知らずに使い始めた場合は 55 条で保護されます。ただし係争継続を知りつつ始めると悪意とされ、保護は受けられません。
違います。法律の善意は「知らなかった」という意味で、親切や悪気の有無とは無関係です。意匠法55条の善意とは「再審でこの意匠権が復活するとは知らなかった」状態を指します。係争が続いていることを知りつつ製造を始めたら、誠実なつもりでも『悪意』とされ保護されません。業界裏話ヒント:善意かどうかの立証責任は保護を主張する実施者側にあります。実施開始時に再審の係属がなかったことを示す記録を残してあるかどうかで、結論が割れます
55条が守るのは『再審請求の登録前』の過去の行為だけです。登録後も製造を続けたいなら、別に56条の通常実施権(中用権)が必要になります。55条で過去が免責されても、それだけで未来の事業継続は保証されません。業界裏話ヒント:実務では55条と56条をセットで主張するのが鉄則。55条だけで安心していると登録日の翌日から侵害状態に陥り、設備投資が無駄になる。中用権は相当の対価が必要になる点も見落とされやすい
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 保護する時間軸 | 意匠法 55 条:再審請求の登録『前』の過去の善意行為を免責 | — |
| 効果 | 回復した意匠権の効力が及ばない(過去分の免責) | — |
| 適用の前提 | 無効審決確定後・再審請求登録前 + 善意 | — |
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