意匠法 第60条の14(国際登録の消滅による効果)
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- 国際意匠登録出願は、その基礎とした国際登録が消滅したときは、取り下げられたものとみなす。
- 2.前条の規定により読み替えて適用する第二十条第二項の規定により設定の登録を受けた意匠権(以下「国際登録を基礎とした意匠権」という。)は、その基礎とした国際登録が消滅したときは、消滅したものとみなす。
- 3.前二項の効果は、国際登録簿から当該国際登録が消滅した日から生ずる。
この条文の基本情報
国際登録の消滅による効果とは何ですか?
定義国際登録の消滅による効果とは、意匠法第60条の14に定められた規定で、「国際意匠登録出願は、その基礎とした国際登録が消滅したときは、取り下げられたものとみなす。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 意匠法第60条の14(国際登録の消滅による効果)は、日本の意匠法に含まれる条文です。
- 意匠法第60条の14の条文原文は「国際意匠登録出願は、その基礎とした国際登録が消滅したときは、取り下げられたものとみなす。」で始まります。
- 意匠法第60条の14は第二節に置かれています。
- 意匠法の公布日は昭和34年4月13日です。
- 意匠法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 意匠法第60条の14の前の条は意匠法第60条の13です。
- 意匠法第60条の14の次の条は意匠法第60条の15です。
- 意匠法第60条の14には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
意匠法(昭和三十四年法律第百二十五号)第60条の14 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000125 - 本サイト収録
意匠法(昭和三十四年法律第百二十五号)第60条の14(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000125/60_14
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点意匠法60条の15は、国際登録を基礎とした日本の意匠権が、その国際登録の消滅により消滅したものとみなされ、効果は国際登録簿からの消滅日にさかのぼって生ずると定める。
Q · 海外にもまとめて意匠登録したのに、WIPO の更新を一度忘れたら日本の意匠権まで消えるって本当?
本当です。基礎の国際登録が消えると日本の意匠権も消滅します。
意匠法60条の15により、国際登録を基礎とした日本の意匠権は、その基礎とした国際登録が消滅したときに消滅したものとみなされます(第2項)。出願段階なら取り下げられたものとみなされます(第1項)。しかも効果は国際登録簿から国際登録が消滅した日にさかのぼって生じます(第3項)。更新料の支払先は日本の特許庁ではなく WIPO 国際事務局であり、期限管理を一元化していないと、気付かないうちに全指定国の意匠権が一斉に失効します。
解説
自社の新しいプロダクトデザインを、ハーグ協定の国際出願で海外と日本にまとめて権利化した。手続は特許事務所に任せ、あとは安心していた。ところが数年後、WIPO の国際登録の更新を一度逃しただけで、日本の意匠権まで道連れに消える。それが意匠法60条の15の正体だ。この条文は、国際登録を基礎とした日本の意匠権が、WIPO の国際登録という一本の幹にぶら下がる枝にすぎないことを宣言する。幹が枯れれば、日本という枝も自動的に枯れる。しかも更新料を払う先は日本の特許庁ではなく WIPO 国際事務局であり、管理を一元化していないと見落としやすい。さらに効果は国際登録が消滅した日にさかのぼって発生する(第3項)ため、消滅に気付かないまま権利を主張していた期間は、実は権利が存在しなかったことになる。一本の幹の管理が、複数国の権利の生死を握る。
法的な位置づけ
意匠法60条の15は、国際登録を基礎とした意匠権および国際意匠登録出願について、その基礎とした国際登録が消滅した場合の従属的効果を定める規定である。国際登録の消滅により、出願は取下げ、意匠権は消滅したものとみなされ、その効果は国際登録簿から国際登録が消滅した日にさかのぼって生ずる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.国際登録を基礎とする自社意匠権を洗い出す 保有する意匠権のうち国際登録を基礎とするものをリスト化し、各国際登録の番号と次回更新期限を WIPO の国際登録簿で確認する。通常の国内意匠権と混在させない
- 2.更新期限を WIPO 基準で二重登録する 更新料の支払先が日本の特許庁ではなく WIPO 国際事務局である点を社内の期限管理に明記し、WIPO の更新サイクルを基準に半年前アラートを設定する
- 3.侵害警告時は相手の国際登録の存続を先に確認する 警告書・訴状記載の意匠権が国際登録を基礎とするか登録原簿で確認し、Hague Express で存続状況を調べる。更新切れなら消滅日への遡及消滅を主張する(60条の15第2項・第3項)
- 4.国際登録が消滅していれば回復可否を急ぎ確認する 自社権利ですでに国際登録が消滅している場合、WIPO の回復手続の余地があるかを速やかに確認し、消滅日以降の権利行使が遡って無効になるリスクを織り込んで対応を見直す
よくある質問 AI による整理
Q1ハーグ協定の国際意匠登録とは何ですか?
一度の国際出願で複数国の意匠権を取得・管理できる WIPO の制度です。日本では意匠法第6章の2が国内手続との接続を定め、60条の15が国際登録消滅時の従属効果を規律します。
Q2国際登録の更新料はどこに払うのですか?
日本の特許庁ではなく WIPO 国際事務局に支払います。ここが最大の盲点で、国内登録の期限管理表しか見ていないと更新を見落とし、日本を含む全指定国の意匠権が一斉に消えます。
Q3国際登録を基礎とした意匠権の更新期限はどう管理しますか?
WIPO の更新サイクルを基準に、国内意匠権の存続期間とは別の管理軸として社内カレンダーへ二重登録します。期限の半年前に仕込むと一元管理の盲点を消せます。
Q4国際登録が消滅した意匠権は復活できますか?
救済の起点は日本ではなく WIPO の国際登録回復手続です。日本の意匠権は国際登録に従属するため、日本側だけ手続をしても回復しません。回復可否は速やかに WIPO で確認します。
Q5意匠権の消滅はいつから効力が生じますか?
60条の15第3項により、国際登録簿から当該国際登録が消滅した日にさかのぼって生じます。消滅に気付かず権利行使していた期間の主張が、後から無効になり得ます。
Q6国際登録を基礎とした意匠権は通常の意匠権と何が違いますか?
存続が WIPO の国際登録に従属する点が決定的に異なります。国内で完結する通常の意匠権と違い、幹である国際登録が枯れれば日本の枝も自動的に枯れます。
Q7M&A で意匠権を買うとき何を確認すべきですか?
登録証だけでなく、国際登録を基礎とする意匠権については WIPO の国際登録簿で各登録の存続状況と次回更新期限を確認します。幹が枯れれば買った直後に権利が消えます。
Q8WIPO の国際登録の存続はどこで確認できますか?
WIPO の Hague Express データベースで誰でも無料で確認できます。侵害警告を受けたら、侵害論に入る前にまず相手の国際登録が生きているかをここで調べます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1国際登録が消えると、本当に日本の意匠権まで自動で消えるんですか?
消えます。意匠法60条の15第2項は、国際登録を基礎とした意匠権は、その基礎の国際登録が消滅したときに消滅したものとみなすと定めています。日本の特許庁で別途何か手続をしていても結論は変わりません。実務のポイント:更新料の支払先が日本の特許庁ではなく WIPO 国際事務局である点が最大の盲点です。社内の期限管理表が国内登録の基準のままだと、誰も気付かないまま全指定国の権利が一斉に失効する
Q2競合から意匠権侵害だと警告されました。相手の国際登録が切れてたら勝てますか?
相手の意匠権が国際登録を基礎としたもので、その国際登録が消滅していれば、意匠権は消滅日にさかのぼって消滅しています(60条の15第2項・第3項)。請求の土台が消えるため、有力な防御になります。実務のポイント:弁護士や弁理士でも、侵害論の検討に入る前に相手の国際登録の存続を WIPO で確認する人は意外と少ない。Hague Express データベースは誰でも無料で引けるので、警告書が来たら真っ先にここを見る
Q3まだ出願段階で国際登録が消えたら、日本での出願はどうなりますか?
意匠法60条の15第1項により、国際意匠登録出願は、基礎の国際登録が消滅したときは取り下げられたものとみなされます。審査の途中でも、出願自体がなかったことになります。実務のポイント:登録前と登録後で効果が分かれており、出願中は「取下げ擬制」、登録後は「消滅擬制」です。どの段階にいるかで取れる対応が変わるので、まず自分の権利がどの段階かを正確に把握する
間違えやすい点 AI による整理
- 「日本で登録された意匠権は、日本の特許庁に更新料を払えば維持できる」と思い込みがちだが、国際登録を基礎とした意匠権は違う。維持の鍵は WIPO 国際事務局への更新であり、日本の特許庁に何を払っても、国際登録が消えれば日本の権利も消える
- 国際登録が複数の権利の束だと知っている人でも、その消滅効果が「さかのぼる」深刻さまでは見ていない。60条の15第3項は、効果が消滅日から生じると定める。消滅に気付かず権利行使していた期間の主張は、後から根こそぎ無効になりうる
- 「どうすれば消えた意匠権を日本で復活できるか」と問う人がいるが、問いの立て方が誤っている。日本の意匠権は国際登録に従属しているため、救済の起点は日本ではなく WIPO 国際登録の回復手続にある。日本側だけ見ていても答えは出ない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 権利が消える原因 | 60条の15:基礎とした国際登録の消滅(従属効果) | 21条:存続期間の満了 48条:無効審判による無効確定 |
| 効果の起点 | 国際登録簿からの消滅日にさかのぼる(第3項) | 存続期間の満了日から将来に向かって消滅 初めから存在しなかったものとみなす(遡及無効) |
| 管理・防御の要点 | WIPO 国際事務局への更新管理が生命線 | 国内の存続期間・更新登録料の管理 無効理由への反論・訂正審判の活用 |
| 出願段階の扱い | 60条の15第1項:取り下げられたものとみなす | 60条の14:設定登録により意匠権が発生 48条:登録後の権利を対象(出願段階は対象外) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾はハーグ協定非加盟のため、国際登録に権利存続が従属する制度そのものが存在せず、設計専利は国内出願・登録で完結する
韓国はハーグ加盟国であり、国際登録を基礎とした意匠権が国際登録に従属する構造は日本と類似する
ドイツは EU 経由でハーグに加盟。国際登録の効果は EU 域内で及び、国際登録の消滅は指定域内の効果に連動する
米国は2015年ハーグ加盟。意匠は design patent として保護され、国際意匠出願の消滅・従属の扱いは実施規定で規律される
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 競合他社から意匠権侵害で警告書が届いた。だがその意匠権が国際登録を基礎としたものなら、反論を組み立てる前に相手の WIPO 国際登録が今も生きているか確認する価値がある。もし相手が国際登録の更新を怠っていれば、その意匠権は消滅日にさかのぼって消滅しており、あなたへの請求は土台ごと崩れる
- もし、あなたの会社の国際登録の更新期限まであと30日だとしたら? 更新料の支払先は日本の特許庁ではなく WIPO 国際事務局。社内の期限管理表が国内登録の基準のままなら、誰も気付かないうちに期限を越え、日本を含む全指定国の意匠権が一斉に消える
- 海外子会社が現地代理人経由で国際登録の管理を引き継いだ。引継ぎの抜けで一度の更新が漏れた。日本の本社が保有していたはずの意匠権も、その瞬間に消えていた
- デザイン資産を持つ企業を買収する。デューデリで意匠権リストを受け取ったが、その中に国際登録を基礎とした意匠権が混じっている。WIPO の国際登録簿で各登録の存続状況を確認しないと、買った直後に幹が枯れて権利が消えるリスクを抱え込む
取るべき行動
被害を受けた側:1. 自社の意匠権のうち国際登録を基礎とするものを洗い出し、各国際登録の番号と次回更新期限を WIPO の国際登録簿で確認する2. 更新料の支払先が日本の特許庁ではなく WIPO 国際事務局である点を、社内の期限管理に明記する3. すでに国際登録が消滅していれば、回復の余地があるか WIPO の手続を急いで確認する4. 消滅日以降に権利行使していた場合、その主張が遡って無効になるリスクを織り込んで対応を見直す
訴えられた側:1. 警告書や訴状に記載された意匠権が国際登録を基礎としたものか登録原簿で確認する2. 基礎であれば WIPO の Hague Express で国際登録の存続状況を調べ、更新切れ・消滅がないか確認する3. 消滅していれば、その日にさかのぼって意匠権が消滅していること(60条の15第2項・第3項)を主張し、請求の根拠を崩す4. 並行して意匠登録無効審判(意匠法48条)など他の防御も検討し、複線で構える
時効(請求できる期限):特定の消滅時効はない。国際登録の存続はハーグ協定上、定期的な更新サイクルで管理され、更新を怠れば国際登録が消滅する。意匠権消滅の効果は、国際登録簿から国際登録が消滅した日にさかのぼって生じる(60条の15第3項)。更新期限の管理が事実上の時間制限となる(最新の更新制度をご確認ください)
学説
通説:60条の15は、ハーグ協定に基づく国際登録を基礎とした意匠権の存続を国際登録に従属させる規定であり、国際登録の消滅により出願は取下げ・意匠権は消滅したものとみなされ、その効果は国際登録簿からの消滅日に遡及すると解される。救済は日本ではなく WIPO の国際登録回復手続を起点とする
改正沿革 AI による整理
- 平成26年(2014年)改正、平成27年(2015年)施行 意匠の国際登録に関するハーグ協定のジュネーブ改正協定への日本の加入に伴い、第6章の2(国際出願)の一部として新設された条文。国際登録の消滅が日本の出願・意匠権に及ぼす従属的効果を定めた
改正の年表
- 1.平成26年(2014年) 新設:意匠の国際登録に関するハーグ協定のジュネーブ改正協定への日本の加入に伴い、第6章の2(国際出願)の一部として新設。国際登録の消滅が日本の出願・意匠権に及ぼす従属的効果を明文化(平成27年施行)
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