要点意匠法 60 条の 19 は、国際登録を基礎とした意匠権の移転・放棄・処分の制限は登録しなければ効力を生じないと定め、特許法 98 条の国内登録規定を適用除外にする。
Q · 海外でまとめて登録した意匠権を売るとき、日本の特許庁に登録すれば権利は移るの?
いいえ、国際登録簿に登録しないと効力は生じません
意匠法 60 条の 19 により、国際登録を基礎とした意匠権では、移転・信託による変更・放棄による消滅・処分の制限は登録しなければ効力を生じません。しかも第 2 項で特許法 98 条 1 項 1 号・2 項の国内登録規定が適用除外となるため、効力の基準は日本の登録原簿ではなく WIPO が管理する国際登録簿になります。国内の意匠権と同じ感覚で日本の特許庁にだけ移転登録を出しても、権利は動いていない状態が生じ得ます。
海外数十か国の意匠権を、一回の国際出願でまとめて取得する。ハーグ協定のジュネーブ改正協定が開いたこの扉の先には、国内だけの意匠権とは異なる「登録」のルールが待っている。意匠法 60条の19 が定めるのは、国際登録を基礎とした意匠権の移転、信託による変更、放棄による消滅、処分の制限が、登録しなければ効力を生じないという原則だ。さらに第2項で、通常の意匠権に準用される特許法 98条1項1号・2項の国内登録規定を、まるごと適用除外にしている。つまり、あなたがこの種の意匠権を売買したり担保に入れたりするとき、効力の基準になるのは日本の登録原簿ではなく、WIPO が管理する国際登録簿の記録だ。この違いを知らずに国内の意匠権と同じ感覚で譲渡契約を結ぶと、契約書にサインしても権利はまだ動いていない、という事態が起こりうる。
意匠法 60 条の 19 は、意匠の国際登録に関するハーグ協定ジュネーブ改正協定に基づく国際登録を基礎とした意匠権について、移転・信託による変更・放棄による消滅・処分の制限の効力発生要件を定める特例規定である。第 2 項により特許法 98 条の国内登録規定は適用されず、効力の基準は WIPO の国際登録簿に置かれる。
一回の国際出願で複数国の意匠権をまとめて取得できる国際登録制度の枠組みです。日本はジュネーブ改正協定に加入しており、意匠法 60 条の 19 はこれを基礎とした意匠権の登録の効果を定めます。
ハーグ協定ジュネーブ改正協定による国際登録を土台として日本国内で効力を持つ意匠権です。国内出願を基礎とする通常の意匠権と異なり、効力の基準が WIPO の国際登録簿に置かれます。
通常の国内意匠権は特許庁の原簿で登録しますが、国際登録を基礎とした意匠権は意匠法 60 条の 19 により WIPO の国際登録簿への記録が効力発生の基準になります。
WIPO が公開する Hague Express データベースで、国際登録番号から現在の権利者や記録状況を照合できます。M&A のデューデリでは日本の原簿だけでなくここまで遡る必要があります。
ジュネーブ改正協定に基づく更新制度によって存続し、更新を怠れば意匠権そのものが消滅します。国内意匠権とは管理の起点が異なるため、更新期限の管理が重要です(最新の制度をご確認ください)。
意匠法 60 条の 19 第 2 項が特許法 98 条 1 項 1 号・2 項の国内登録規定を適用しないと定めるため、効力の土俵が日本の原簿から WIPO の国際登録簿へ移ることを意味します。
国際登録を基礎とした意匠権では、契約が先の者ではなく国際登録簿への記録が先の者が権利を握り得ます。登録が効力発生要件だからです。
画像意匠や UI デザインも意匠の対象になり、ハーグ経由で国際登録できます。その場合、将来の売却・ライセンス・担保化は意匠法 60 条の 19 の射程に入ります。
国内意匠権の移転登録は特許庁の原簿で行いますが、国際登録を基礎とした意匠権では本条2項により特許法98条の国内登録規定が適用除外になり、効力の基準が WIPO の国際登録簿に移ります(意匠法60条の19)。業界裏話ヒント:実務では、登録番号の形式で国際登録基礎かどうかが見分けられます。譲渡や担保設定の前にこれを確認しない知財担当者は意外に多く、契約後に「登録できていなかった」と慌てるケースが起こる。
契約自体が無効になるのではなく、意匠権の移転の効力が生じません(意匠法60条の19第1項)。当事者間の債権的な約束は残りますが、権利が移ったとは主張できない状態です。業界裏話ヒント:これは対抗要件ではなく効力発生要件です。不動産登記(民法177条)の感覚で「登録は後回しでも所有はこちら」と考えると痛い目を見る。登録があって初めて権利が動く構造を知る人と知らない人で、二重譲渡時の勝敗が分かれる。
大いに関係します。画像意匠やUIデザインも意匠の対象になり、ハーグ経由で国際登録すれば本条の射程に入ります。将来そのデザイン資産を売却・ライセンス・担保化するとき、国際登録簿への記録が効力の鍵になります(意匠法60条の19)。業界裏話ヒント:資金調達やM&Aで知財をまとめて移転する場面で初めてこの条文の存在に気付く会社が多い。出願時に便利さだけ考え、出口での登録手続きを設計していない例が大半です。
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 効力発生の基準 | 意匠法 60 条の 19:WIPO の国際登録簿への記録 | — |
| 特許法 98 条の国内登録規定 | 第 2 項で 1 項 1 号・2 項を適用除外 | — |
| 対象となる権利 | 国際登録を基礎とした意匠権 | — |
| 登録の性質 | 効力発生要件(登録しなければ効力を生じない) | — |
ログインすると、他の読者と一緒にこの条文へメモを残せます。
ログインして共同ノートを始める以下は各文が単独で意味の通る客観的事実です。引用は e-Gov法令検索を基準としてください。