意匠法 第60条の18(意匠権の登録の効果の特例)
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- 国際登録を基礎とした意匠権の移転、信託による変更、放棄による消滅又は処分の制限は、登録しなければ、その効力を生じない。
- 2.国際登録を基礎とした意匠権については、第三十六条において準用する特許法第九十八条第一項第一号及び第二項の規定は、適用しない。
この条文の基本情報
意匠権の登録の効果の特例とは何ですか?
定義意匠権の登録の効果の特例とは、意匠法第60条の18に定められた規定で、「国際登録を基礎とした意匠権の移転、信託による変更、放棄による消滅又は処分の制限は、登録しなければ、その効力を生じない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 意匠法第60条の18(意匠権の登録の効果の特例)は、日本の意匠法に含まれる条文です。
- 意匠法第60条の18の条文原文は「国際登録を基礎とした意匠権の移転、信託による変更、放棄による消滅又は処分の制限は、登録しなければ、その効力を生じない。」で始まります。
- 意匠法第60条の18は第二節に置かれています。
- 意匠法の公布日は昭和34年4月13日です。
- 意匠法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 意匠法第60条の18の前の条は意匠法第60条の17です。
- 意匠法第60条の18の次の条は意匠法第60条の19です。
- 意匠法第60条の18には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
意匠法(昭和三十四年法律第百二十五号)第60条の18 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000125 - 本サイト収録
意匠法(昭和三十四年法律第百二十五号)第60条の18(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000125/60_18
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点意匠法60条の19は、国際登録を基礎とした意匠権の移転・放棄・処分の制限は登録しなければ効力を生じないと定め、特許法98条の国内登録規定を適用除外にする。
Q · 海外でまとめて登録した意匠権を売るとき、日本の特許庁に登録すれば権利は移るの?
いいえ、国際登録簿に登録しないと効力は生じません
意匠法60条の19により、国際登録を基礎とした意匠権では、移転・信託による変更・放棄による消滅・処分の制限は登録しなければ効力を生じません。しかも第2項で特許法98条1項1号・2項の国内登録規定が適用除外となるため、効力の基準は日本の登録原簿ではなく WIPO が管理する国際登録簿になります。国内の意匠権と同じ感覚で日本の特許庁にだけ移転登録を出しても、権利は動いていない状態が生じ得ます。
解説
海外数十か国の意匠権を、一回の国際出願でまとめて取得する。ハーグ協定のジュネーブ改正協定が開いたこの扉の先には、国内だけの意匠権とは異なる「登録」のルールが待っている。意匠法60条の19が定めるのは、国際登録を基礎とした意匠権の移転、信託による変更、放棄による消滅、処分の制限が、登録しなければ効力を生じないという原則だ。さらに第2項で、通常の意匠権に準用される特許法98条1項1号・2項の国内登録規定を、まるごと適用除外にしている。つまり、あなたがこの種の意匠権を売買したり担保に入れたりするとき、効力の基準になるのは日本の登録原簿ではなく、WIPO が管理する国際登録簿の記録だ。この違いを知らずに国内の意匠権と同じ感覚で譲渡契約を結ぶと、契約書にサインしても権利はまだ動いていない、という事態が起こりうる。
法的な位置づけ
意匠法60条の19は、意匠の国際登録に関するハーグ協定ジュネーブ改正協定に基づく国際登録を基礎とした意匠権について、移転・信託による変更・放棄による消滅・処分の制限の効力発生要件を定める特例規定である。第2項により特許法98条の国内登録規定は適用されず、効力の基準は WIPO の国際登録簿に置かれる。
よくある質問 AI による整理
Q1ハーグ協定とは何ですか?
一回の国際出願で複数国の意匠権をまとめて取得できる国際登録制度の枠組みです。日本はジュネーブ改正協定に加入しており、意匠法60条の19はこれを基礎とした意匠権の登録の効果を定めます。
Q2国際登録を基礎とした意匠権とは?
ハーグ協定ジュネーブ改正協定による国際登録を土台として日本国内で効力を持つ意匠権です。国内出願を基礎とする通常の意匠権と異なり、効力の基準が WIPO の国際登録簿に置かれます。
Q3意匠権の移転登録はどこで行いますか?
通常の国内意匠権は特許庁の原簿で登録しますが、国際登録を基礎とした意匠権は意匠法60条の19により WIPO の国際登録簿への記録が効力発生の基準になります。
Q4WIPO の国際登録簿はどう確認しますか?
WIPO が公開する Hague Express データベースで、国際登録番号から現在の権利者や記録状況を照合できます。M&A のデューデリでは日本の原簿だけでなくここまで遡る必要があります。
Q5意匠の国際登録の存続期間は?
ジュネーブ改正協定に基づく更新制度によって存続し、更新を怠れば意匠権そのものが消滅します。国内意匠権とは管理の起点が異なるため、更新期限の管理が重要です(最新の制度をご確認ください)。
Q6特許法98条の適用除外とはどういう意味ですか?
意匠法60条の19第2項が特許法98条1項1号・2項の国内登録規定を適用しないと定めるため、効力の土俵が日本の原簿から WIPO の国際登録簿へ移ることを意味します。
Q7意匠権を二重譲渡したらどちらが勝ちますか?
国際登録を基礎とした意匠権では、契約が先の者ではなく国際登録簿への記録が先の者が権利を握り得ます。登録が効力発生要件だからです。
Q8画像意匠は国際登録できますか?
画像意匠や UI デザインも意匠の対象になり、ハーグ経由で国際登録できます。その場合、将来の売却・ライセンス・担保化は意匠法60条の19の射程に入ります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1国内の意匠権を譲渡するのと、何がそんなに違うんですか?
国内意匠権の移転登録は特許庁の原簿で行いますが、国際登録を基礎とした意匠権では本条2項により特許法98条の国内登録規定が適用除外になり、効力の基準が WIPO の国際登録簿に移ります(意匠法60条の19)。実務のポイント:実務では、登録番号の形式で国際登録基礎かどうかが見分けられます。譲渡や担保設定の前にこれを確認しない知財担当者は意外に多く、契約後に「登録できていなかった」と慌てるケースが起こる。
Q2国際登録簿に記録しないと、譲渡契約そのものが無効になるんですか?
契約自体が無効になるのではなく、意匠権の移転の効力が生じません(意匠法60条の19第1項)。当事者間の債権的な約束は残りますが、権利が移ったとは主張できない状態です。実務のポイント:これは対抗要件ではなく効力発生要件です。不動産登記(民法177条)の感覚で「登録は後回しでも所有はこちら」と考えると痛い目を見る。登録があって初めて権利が動く構造を知る人と知らない人で、二重譲渡時の勝敗が分かれる。
Q3うちはソフトウェアの画面デザインを国際登録しただけ。こんな細かい話、関係あります?
大いに関係します。画像意匠やUIデザインも意匠の対象になり、ハーグ経由で国際登録すれば本条の射程に入ります。将来そのデザイン資産を売却・ライセンス・担保化するとき、国際登録簿への記録が効力の鍵になります(意匠法60条の19)。実務のポイント:資金調達やM&Aで知財をまとめて移転する場面で初めてこの条文の存在に気付く会社が多い。出願時に便利さだけ考え、出口での登録手続きを設計していない例が大半です。
間違えやすい点 AI による整理
- 「意匠権の移転は契約で成立し、登録は対抗要件にすぎない」と思いがちだが、本条は違う。国際登録を基礎とした意匠権では、登録しなければ移転の効力そのものが生じない(効力発生要件)。誰に対抗できるかという話ではなく、そもそも権利が動かない
- 「日本の特許庁に登録すればいい」という前提が、そもそも崩れている。国際登録を基礎とした意匠権では、第2項が特許法98条1項1号・2項の国内登録規定を適用除外にしており、効力の土俵は WIPO の国際登録簿に移っている。問いを「どこに登録するか」から組み立て直す必要がある
- 国際登録制度の便利さは知っていても、その裏側のコストを知らない人が多い。一回の出願で多国をカバーできる代わりに、移転・担保・放棄のすべてが国際登録簿の記録に縛られる。管理を一つ間違えると、複数国の権利が同時に空回りする深刻さがある
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 効力発生の基準 | 意匠法60条の19:WIPO の国際登録簿への記録 | 意匠法36条(特許法98条準用):特許庁の登録原簿 特許法98条:日本の登録 |
| 特許法98条の国内登録規定 | 第2項で1項1号・2項を適用除外 | 準用により適用 そのまま適用 |
| 対象となる権利 | 国際登録を基礎とした意匠権 | 通常の(国内基礎の)意匠権 特許権・実用新案権等 |
| 登録の性質 | 効力発生要件(登録しなければ効力を生じない) | 効力発生要件(準用) 効力発生要件 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾はハーグ協定非加盟だが、設計專利の移転・信託・質権設定について智慧財産局への登録を対抗要件とする点で同種事項を規律。効力発生要件とする日本の60条の19とは登録の性質が異なる。
韓国もハーグ加盟国で、国際登録を基礎とした意匠権の制度を持つ。具体の条番号は要確認。
ドイツは EU 共同体意匠および国内 DesignG に加え、ハーグ協定に基づく国際意匠の効力規定を持つ。
米国は2015年にジュネーブ改正協定に加入。国際意匠出願の効力等を Title 35の Hague 実施規定で定める。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 買収先のデザイン資産を精査していたら、主力製品の意匠権が国際登録を基礎としたものだった。もし国内の意匠権と同じつもりで、移転の登録を日本の特許庁だけに出したら効力は生じるのか。答えは否。WIPO の国際登録簿への記録がなければ、その移転は効力を生じない
- 資金繰りのため、保有する国際登録基礎の意匠権に処分の制限(担保)を設定した。だが国際登録簿に記録しなければ、その制限は効力を生じない。書類上は設定済みでも、法的には何も動いていない
- 国際登録の更新期限まであと数週間。更新を怠れば意匠権そのものが消滅し、その上に乗せた移転や担保の前提が土台ごと崩れる。国内意匠権の更新とは管理の起点が違う、その差が命取りになる
- あなたが国際登録基礎の意匠権を二重に譲渡してしまった場合、最終的に勝つのは契約が先の者ではなく、国際登録簿への記録が先の者になりうる。早く契約した相手より、早く登録した相手が権利を握る
取るべき行動
被害を受けた側:1. 取得しようとする意匠権が国際登録を基礎としたものか、登録番号の形式と権利の沿革を真っ先に確認する2. 国内の特許庁原簿だけでなく、WIPO の国際登録簿(Hague Express データベース)で現在の権利者と記録状況を照合する3. 譲渡契約には、国際登録簿への移転記録を効力発生の条件として明記する4. 記録完了を確認するまで対価の全額支払いを留保する
訴えられた側:1. 自社の意匠ポートフォリオを国内基礎と国際登録基礎に分類し、管理台帳を分ける2. 移転・担保設定・放棄を行う際、国際登録基礎のものは国際登録簿への記録を必ずセットで手続きする3. 特許法98条の国内登録規定が適用除外であることを前提に、社内の知財管理フローを見直す4. 二重譲渡リスクを避けるため、契約日と登録記録日の時系列を証拠化しておく
時効(請求できる期限):本条に特定の時効はない。ただし権利移転等の効力は国際登録簿への記録時を基準とし、国際登録の存続期間(ジュネーブ改正協定上の更新制度)と連動する。権利存続中はいつでも登録の有無が効力を左右する(最新の更新制度をご確認ください)
学説
通説:意匠法60条の19第1項の「登録しなければ、その効力を生じない」との文言から、国際登録を基礎とした意匠権の移転等については、登録は対抗要件ではなく効力発生要件と解される。第2項の適用除外により効力判断の基準は国際登録簿に置かれる。
改正沿革 AI による整理
- 平成26年(2014年)改正、平成27年(2015年)施行 意匠の国際登録に関するハーグ協定のジュネーブ改正協定への加入に伴い、第6章の2(ジュネーブ改正協定に基づく特例)が新設され、本条もこのとき新設された。国際登録を基礎とした意匠権の登録の効果について特例を定めた
改正の年表
- 1.平成26年(2014年) 新設:意匠の国際登録に関するハーグ協定ジュネーブ改正協定への加入に伴い、第6章の2(ジュネーブ改正協定に基づく特例)が新設され、本条もこのとき新設。平成27年(2015年)施行。国際登録を基礎とした意匠権の登録の効果について特例を定めた。
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