詐欺の行為により意匠登録又は審決を受けた者は、一年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金に処する。
要点意匠法 70 条は、詐欺の行為により意匠登録又は審決を受けた者を一年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金に処する。欺く相手は特許庁であり、保護法益は登録制度への信頼である。
Q · 意匠登録の出願書類を少し盛って書いただけで、犯罪になることがあるって本当?
本当です。特許庁を欺いて登録を得れば意匠法 70 条の罪になります
意匠法 70 条は、詐欺の行為により意匠登録又は審決を受けた者を、一年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金に処します。公開済みのデザインを「新規」と偽る、架空の創作経緯や使用実績を捏造するなど、特許庁の審査官・審判官を欺く行為が対象です。被害者は個人ではなく国の登録制度そのもので、財産的被害がなくても成立します。法人の業務として行われれば両罰規定(73 条)で会社にも罰金が及び、不正に得た登録は無効審判(48 条)で取り消されます。
意匠の出願書類に、実際には他社のカタログで公開済みのデザインを「未公開の新しい創作だ」と偽る資料を添えて登録を通した。あるいは無効審判の場で偽の使用実績を提出し、有利な審決を引き出した。これが意匠法70条の「詐欺の行為」だ。ここで多くの人がつまずく。この罪を「他人のデザインを盗んで登録した罪」だと思い込むのだ。違う。欺かれる相手は特許庁の審査官・審判官であり、被害者は国が運営する登録制度そのものである。財布を抜かれた個人がいるわけではない。だからこそ立件は地味だが、成立すれば一年以下の拘禁刑または百万円以下の罰金。さらに法人ぐるみなら両罰規定(73条)であなたの会社にも罰金が科され、不正に得た登録は無効審判で根こそぎ消える。出願書類の一行の盛りすぎが、登録の喪失と前科の二重パンチに化ける。なお2025年6月施行の改正で刑は「懲役」から「拘禁刑」に変わった、古い解説書の表記はもう正確ではない。
意匠法 70 条の詐欺の行為の罪は、虚偽の資料や捏造した証拠により特許庁を欺き、本来受けられない意匠登録又は審決を受けた者を処罰する罪である。保護法益は当事者間の財産ではなく審査・審判制度の信頼性にあり、財産的被害の有無を問わず成立しうる。法定刑は一年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金である。
特許庁を欺いて意匠登録や審決を受ける罪です。公開済みデザインを新規と偽る、架空の創作経緯や証拠を捏造するなど、審査・審判を欺く行為が対象で、財産被害がなくても成立します。
一年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金です。法人の業務として行われた場合は両罰規定(73 条)で会社にも罰金が科され、不正に得た登録は無効審判で取り消されます。
公訴時効は 3 年です(刑訴法 250 条 2 項)。起算点は出願時ではなく、詐欺の行為により意匠登録又は審決を受けた時点から数えます。
実行者個人が処罰されるほか、法人の業務として行われれば両罰規定(73 条)により法人にも罰金が科されます。代行に丸投げしても本人や会社が免責されるとは限りません。
69 条は他人の意匠権を侵害する罪で被害者は権利者、70 条は特許庁を欺く罪で被害者は国の登録制度です。戦う条文も立証構造も時効も異なります。
無効審判(48 条)で取り消され得ます。さらに行政的な登録取消とは別ルートで 70 条の刑事責任が同時進行し、登録が消えても刑事責任は自動消滅しません。
従来の懲役と禁錮を一本化した自由刑で、2025 年 6 月施行の刑法改正で導入されました。意匠法 70 条も「一年以下の懲役」から「一年以下の拘禁刑」に表記が改められました。
あります。特許法 197 条、商標法 79 条、実用新案法 60 条にほぼ同文の詐欺の行為の罪が並び、工業所有権の出願全般に同じリスクが共通します。
原則として違います。70条が罰するのは特許庁を欺いて登録を得る行為で、たとえば公開済みの意匠を「新規」と偽る、架空の創作経緯を捏造するといった審査を欺く類型です。単に他人のデザインに似ているだけなら、無効審判で登録を消すか、相手が権利者なら侵害(69条)の問題になります。業界裏話ヒント:実務では70条単独での立件は少なく、無効審判で登録を潰す行政ルートが主戦場です。刑事は証拠が固いときの追い打ちとして使う、と知っておくと交渉の組み立てが変わります
そうとは限りません。出願人本人が虚偽の記載を認識し、あるいは指示していれば、本人が70条の主体になりえます。さらに会社の業務として行われれば両罰規定(73条)で法人にも罰金が及びます。代行に丸投げした、では免責されない場面があります。業界裏話ヒント:知財不正は『誰が書いたか』より『誰の故意で通したか』で責任が決まります。出願前に内容を本人が確認した記録を残すことが、皮肉にも『故意なき過失だった』という防御の証拠にもなる。提出前チェックの記録は二重の意味で効きます
別ルートです。無効審判は登録という権利を行政的に消す手続、70条は個人を処罰する刑事手続で、両者は独立して動きます。登録が無効になっても刑事責任が自動的に消えるわけではありません。業界裏話ヒント:登録を自主的に放棄しても、それは反省の情状にはなっても犯罪の成立そのものを消しません。だからこそ、問題が表に出る前の段階、つまり提出前の是正だけが本当の意味でリスクを消せる唯一のタイミングです
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 罰する行為 | 70 条:特許庁を欺いて意匠登録又は審決を受ける | — |
| 保護法益 | 登録・審判制度への公的信頼 | — |
| 被害者 | 国の審査・登録制度(特許庁) | — |
| 法定刑 | 一年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金 | — |
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