意匠法 第70条(詐欺の行為の罪)
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詐欺の行為により意匠登録又は審決を受けた者は、一年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金に処する。
この条文の基本情報
詐欺の行為の罪とは何ですか?
定義詐欺の行為の罪とは、意匠法第70条に定められた規定で、「詐欺の行為により意匠登録又は審決を受けた者は、一年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金に処する。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 意匠法第70条(詐欺の行為の罪)は、日本の意匠法に含まれる条文です。
- 意匠法第70条の条文原文は「詐欺の行為により意匠登録又は審決を受けた者は、一年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金に処する。」で始まります。
- 意匠法第70条は第八章に置かれています。
- 意匠法の公布日は昭和34年4月13日です。
- 意匠法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 意匠法第70条の前の条は意匠法第69条の2です。
- 意匠法第70条の次の条は意匠法第71条です。
- 意匠法第70条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
意匠法(昭和三十四年法律第百二十五号)第70条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000125 - 本サイト収録
意匠法(昭和三十四年法律第百二十五号)第70条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000125/70
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点意匠法70条は、詐欺の行為により意匠登録又は審決を受けた者を一年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金に処する。欺く相手は特許庁であり、保護法益は登録制度への信頼である。
Q · 意匠登録の出願書類を少し盛って書いただけで、犯罪になることがあるって本当?
本当です。特許庁を欺いて登録を得れば意匠法70条の罪になります
意匠法70条は、詐欺の行為により意匠登録又は審決を受けた者を、一年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金に処します。公開済みのデザインを「新規」と偽る、架空の創作経緯や使用実績を捏造するなど、特許庁の審査官・審判官を欺く行為が対象です。被害者は個人ではなく国の登録制度そのもので、財産的被害がなくても成立します。法人の業務として行われれば両罰規定(73条)で会社にも罰金が及び、不正に得た登録は無効審判(48条)で取り消されます。
解説
意匠の出願書類に、実際には他社のカタログで公開済みのデザインを「未公開の新しい創作だ」と偽る資料を添えて登録を通した。あるいは無効審判の場で偽の使用実績を提出し、有利な審決を引き出した。これが意匠法70条の「詐欺の行為」だ。ここで多くの人がつまずく。この罪を「他人のデザインを盗んで登録した罪」だと思い込むのだ。違う。欺かれる相手は特許庁の審査官・審判官であり、被害者は国が運営する登録制度そのものである。財布を抜かれた個人がいるわけではない。だからこそ立件は地味だが、成立すれば一年以下の拘禁刑または百万円以下の罰金。さらに法人ぐるみなら両罰規定(73条)であなたの会社にも罰金が科され、不正に得た登録は無効審判で根こそぎ消える。出願書類の一行の盛りすぎが、登録の喪失と前科の二重パンチに化ける。なお2025年6月施行の改正で刑は「懲役」から「拘禁刑」に変わった、古い解説書の表記はもう正確ではない。
法的な位置づけ
意匠法70条の詐欺の行為の罪は、虚偽の資料や捏造した証拠により特許庁を欺き、本来受けられない意匠登録又は審決を受けた者を処罰する罪である。保護法益は当事者間の財産ではなく審査・審判制度の信頼性にあり、財産的被害の有無を問わず成立しうる。法定刑は一年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金である。
よくある質問 AI による整理
Q1意匠法70条の詐欺の行為の罪とは何ですか?
特許庁を欺いて意匠登録や審決を受ける罪です。公開済みデザインを新規と偽る、架空の創作経緯や証拠を捏造するなど、審査・審判を欺く行為が対象で、財産被害がなくても成立します。
Q2意匠法70条の罰則はどのくらいですか?
一年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金です。法人の業務として行われた場合は両罰規定(73条)で会社にも罰金が科され、不正に得た登録は無効審判で取り消されます。
Q3意匠法の詐欺の行為の罪に時効はありますか?
公訴時効は3年です(刑訴法250条2項)。起算点は出願時ではなく、詐欺の行為により意匠登録又は審決を受けた時点から数えます。
Q4意匠法70条は法人にも適用されますか?
実行者個人が処罰されるほか、法人の業務として行われれば両罰規定(73条)により法人にも罰金が科されます。代行に丸投げしても本人や会社が免責されるとは限りません。
Q5意匠法70条と69条侵害罪の違いは何ですか?
69条は他人の意匠権を侵害する罪で被害者は権利者、70条は特許庁を欺く罪で被害者は国の登録制度です。戦う条文も立証構造も時効も異なります。
Q6詐欺で取った意匠登録はどうなりますか?
無効審判(48条)で取り消され得ます。さらに行政的な登録取消とは別ルートで70条の刑事責任が同時進行し、登録が消えても刑事責任は自動消滅しません。
Q7拘禁刑とは何ですか?
従来の懲役と禁錮を一本化した自由刑で、2025年6月施行の刑法改正で導入されました。意匠法70条も「一年以下の懲役」から「一年以下の拘禁刑」に表記が改められました。
Q8特許法や商標法にも同じ詐欺の罪はありますか?
あります。特許法197条、商標法79条、実用新案法60条にほぼ同文の詐欺の行為の罪が並び、工業所有権の出願全般に同じリスクが共通します。
この条文についての質問 AI による整理
Q1他人のデザインをそっくり真似て自分名義で意匠登録したら、これって70条の詐欺ですか?
原則として違います。70条が罰するのは特許庁を欺いて登録を得る行為で、たとえば公開済みの意匠を「新規」と偽る、架空の創作経緯を捏造するといった審査を欺く類型です。単に他人のデザインに似ているだけなら、無効審判で登録を消すか、相手が権利者なら侵害(69条)の問題になります。実務のポイント:実務では70条単独での立件は少なく、無効審判で登録を潰す行政ルートが主戦場です。刑事は証拠が固いときの追い打ちとして使う、と知っておくと交渉の組み立てが変わります
Q2出願書類を作ったのは代行業者です。盛った記載があっても、頼んだ私は無関係ですよね?
そうとは限りません。出願人本人が虚偽の記載を認識し、あるいは指示していれば、本人が70条の主体になりえます。さらに会社の業務として行われれば両罰規定(73条)で法人にも罰金が及びます。代行に丸投げした、では免責されない場面があります。実務のポイント:知財不正は『誰が書いたか』より『誰の故意で通したか』で責任が決まります。出願前に内容を本人が確認した記録を残すことが、皮肉にも『故意なき過失だった』という防御の証拠にもなる。提出前チェックの記録は二重の意味で効きます
Q3詐欺で登録を取っても、どうせ無効審判で消えるなら刑事まで来ないのでは?
別ルートです。無効審判は登録という権利を行政的に消す手続、70条は個人を処罰する刑事手続で、両者は独立して動きます。登録が無効になっても刑事責任が自動的に消えるわけではありません。実務のポイント:登録を自主的に放棄しても、それは反省の情状にはなっても犯罪の成立そのものを消しません。だからこそ、問題が表に出る前の段階、つまり提出前の是正だけが本当の意味でリスクを消せる唯一のタイミングです
間違えやすい点 AI による整理
- 「他人に意匠を真似されたから70条で訴えたい」という人がいるが、その問いの立て方そのものが的を外している。70条が罰するのは他人を欺く行為ではなく、特許庁を欺いて登録や審決を引き出す行為だ。真似された被害は侵害罪(69条)や民事の差止・損害賠償(民法709条)で攻める領域であって、70条の射程ではない
- 「罰金が百万円なら、最悪払えば終わり」と軽く見られがちだが、本当の打撃は罰金ではない。詐欺で得た登録は無効審判で消え、両罰規定(73条)で会社にも罰金が及び、何より知財不正の前科は取引先審査やライセンス交渉で致命傷になる。金額の小ささに目を奪われると、失うものの大きさを見誤る
- 「詐欺で登録を取っても、後で無効にされるだけ」という理解は半分しか合っていない。無効審判による登録の消滅と、70条の刑事責任はまったく別ルートで同時進行する。登録が消えれば刑事もチャラ、ではない。行政的に権利を失ったうえで、なお個人が刑事被告人になる、その二重構造の深刻さを多くの人が見落とす
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 罰する行為 | 70条:特許庁を欺いて意匠登録又は審決を受ける | 69条:他人の意匠権を侵害する 71条:登録に関する虚偽の表示をする |
| 保護法益 | 登録・審判制度への公的信頼 | 個別の意匠権(私的財産権) 取引の安全・表示への信頼 |
| 被害者 | 国の審査・登録制度(特許庁) | 意匠権者本人 一般取引者・消費者 |
| 法定刑 | 一年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金 | 十年以下の拘禁刑又は千万円以下の罰金 一年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金 |
他国ではどう定めているか 2 か国
台湾は設計(外観)を専利法で扱うが詐欺取得に特化した罰則は限定的で、公務員に虚偽を登載させる一般刑法の罪が機能的に近い対照となる
米国は USPTO 等の連邦機関に対する虚偽陳述を一般的に処罰する。出願における重大な不正は inequitable conduct として特許・意匠の権利行使不能をも招く
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 競合が突然、あなたの主力商品とそっくりのデザインで意匠登録を取り、警告書を送ってきた。だが調べると、その登録は出願日より前にあなたが展示会で公開していた形状だった。相手が「自分の新規創作」と偽って出願したのなら、それは70条の詐欺の行為に当たりうる。無効審判で潰すだけでなく、刑事告発という別のカードがテーブルに乗る
- もし、あなたの会社の知財担当者が成果を急いで、出願書類に存在しない試作実績や架空の創作経緯を書き足していたとしたら? 登録が通っても安心はできない。後で発覚すれば、担当者個人が70条で問われ、会社も両罰規定で罰金を負う。社内の出願プロセスに第三者チェックがあるか、今夜にでも確認したくなる話だ
- デザイナーが審判で偽の証拠を出した。審決は有利に出た。だが相手側がその証拠の捏造を立件し、刑事告発に動き始めた。残された時間は公訴時効まで
- あなたが被疑者として警察から任意で事情を聞かれた。「出願書類のこの記載は事実と違いますね」と問われている。ここで何を話すかが、起訴か不起訴かの分水嶺になる
- EC で売るために急いで意匠を押さえたい。代行業者が「公開済みでも大丈夫、こう書けば通る」と耳打ちしてきた。その一言に乗った瞬間、あなたは70条の入口に立っている。通る通らない以前に、通し方が罪になる類型がここにある
取るべき行動
被害を受けた側:1. 競合の登録が詐欺の行為で得られた疑いがあれば、まず出願経過(包袋)を特許庁で取得し、虚偽記載や捏造証拠の痕跡を特定する2. 並行して無効審判(意匠法48条)を請求し、登録自体の取消しを狙う3. 詐欺の行為が明白なら、証拠を固めたうえで刑事告発を検討、ただし立証のハードルは高いので弁理士と弁護士の双方に相談4. あなた自身の先行公開や創作の証拠(日付入りカタログ、展示記録)を保全、これが無効審判でも刑事でも武器になる
訴えられた側:1. 任意の事情聴取を受けたら、答える前に弁護士に相談、知財と刑事の両方に通じた人を選ぶ2. 「詐欺の行為」は特許庁を欺く故意が要件、書類の誤りが単なる過失や認識不足にとどまるなら故意の不存在を主張する余地がある3. 出願経過全体を精査し、どの記載が問題視されているか、それが審査結果に実際に影響したかを検証4. 登録の無効審判リスクと刑事リスクを切り分け、無効を受け入れて刑事の故意を争うなど、戦線を分けて対応
時効(請求できる期限):公訴時効は3年(長期5年未満の拘禁刑にあたる罪、刑事訴訟法250条2項)。起算点は犯罪行為が終わった時、すなわち詐欺の行為により意匠登録または審決を受けた時。出願時ではなく登録・審決の成立時から数える点に注意(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:意匠法70条の保護法益は当事者間の財産ではなく、意匠登録の審査・審判制度に対する公的信頼であると解される。したがって財産的損害の発生は要件ではなく、特許庁を欺いて登録又は審決を受けたという一点で既遂に達する。故意(特許庁を欺く認識)を要し、単なる過失や認識不足は本条の対象外とされる。
改正沿革 AI による整理
- 令和4年(2022年)公布、令和7年(2025年6月1日)施行 「懲役」と「禁錮」を「拘禁刑」へ統合する刑法等改正に伴い、本条の自由刑の表記が「一年以下の懲役」から「一年以下の拘禁刑」に改められた。罰金・刑期の上限自体は変更なし
改正の年表
- 1.昭和34年(1959年) 新設:現行意匠法(昭和34年法律第125号)の制定に伴い、詐欺の行為により意匠登録又は審決を受けた者を処罰する規定を整備。特許法・商標法・実用新案法の同趣旨規定と並ぶ
- 2.令和4年(2022年)公布・令和7年(2025年6月1日)施行 改正:刑法等の一部改正により「懲役」と「禁錮」を「拘禁刑」へ統合。本条の自由刑表記が「一年以下の懲役」から「一年以下の拘禁刑」に改められた。刑期・罰金額の上限自体は不変
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