意匠法 第72条(偽証等の罪)
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- この法律の規定により宣誓した証人、鑑定人又は通訳人が特許庁又はその嘱託を受けた裁判所に対し虚偽の陳述、鑑定又は通訳をしたときは、三月以上十年以下の拘禁刑に処する。
- 2.前項の罪を犯した者が事件の判定の謄本が送達され、又は査定若しくは審決が確定する前に自白したときは、その刑を減軽し、又は免除することができる。
この条文の基本情報
偽証等の罪とは何ですか?
定義偽証等の罪とは、意匠法第72条に定められた規定で、「この法律の規定により宣誓した証人、鑑定人又は通訳人が特許庁又はその嘱託を受けた裁判所に対し虚偽の陳述、鑑定又は通訳をしたときは、三月以上十年以下の拘禁刑に処する…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 意匠法第72条(偽証等の罪)は、日本の意匠法に含まれる条文です。
- 意匠法第72条の条文原文は「この法律の規定により宣誓した証人、鑑定人又は通訳人が特許庁又はその嘱託を受けた裁判所に対し虚偽の陳述、鑑定又は通訳をしたときは、三月以上十年以下の拘禁刑に処する…」で始まります。
- 意匠法第72条は第八章に置かれています。
- 意匠法の公布日は昭和34年4月13日です。
- 意匠法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 意匠法第72条の前の条は意匠法第71条です。
- 意匠法第72条の次の条は意匠法第73条です。
- 意匠法第72条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
意匠法(昭和三十四年法律第百二十五号)第72条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000125 - 本サイト収録
意匠法(昭和三十四年法律第百二十五号)第72条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000125/72
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点意匠法72条は、特許庁等で宣誓した証人・鑑定人・通訳人が虚偽の陳述等をしたとき三月以上十年以下の拘禁刑を科す。審決確定前に自白すれば刑が減免されることがある。
Q · 意匠の審判で鑑定人として宣誓した後、つい話を盛ってしまったら罪になる?
罪になる。ただし確定前の自白で刑の減免の余地あり
意匠法72条により、特許庁またはその嘱託を受けた裁判所で宣誓した証人・鑑定人・通訳人が虚偽の陳述・鑑定・通訳をすると、三月以上十年以下の拘禁刑に処せられます。処罰されるのは紛争で利益を得る当事者ではなく、協力者である証人・鑑定人・通訳人です。ただし第2項により、判定の謄本が送達される前、または査定・審決が確定する前に自白すれば、刑が減軽され、あるいは免除されることがあります。気づいたタイミングが結論を大きく左右します。
解説
意匠権をめぐる審判で、デザインの専門家として鑑定意見を述べたあなたが、依頼者に有利なように事実へほんの少し色をつけた。たったそれだけで、最長十年の拘禁刑が現実の射程に入る。意匠法72条は、特許庁の手続やその嘱託を受けた裁判所で宣誓した証人、鑑定人、通訳人が虚偽の陳述や鑑定、通訳をしたとき、三月以上十年以下の拘禁刑を科す。注目すべきは捕まる相手だ。訴訟の当事者本人ではなく、呼ばれて協力した側、つまり鑑定人や通訳人こそが主役になる。だが本条には逃げ道が用意されている。2項を読めば、判定の謄本が届く前、または査定や審決が確定する前に自ら白状すれば、刑を軽くする、あるいは免除する道が開ける。嘘をついた後でさえ、確定までの時間が残された救済の窓になっている。
法的な位置づけ
意匠法72条は偽証等の罪を定める規定であり、特許庁またはその嘱託を受けた裁判所において宣誓した証人・鑑定人・通訳人が虚偽の陳述・鑑定・通訳をした場合に、三月以上十年以下の拘禁刑を科す。第2項は、判定の謄本送達前または査定・審決の確定前の自白について刑の減軽または免除を認める。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.宣誓後の虚偽に気づいたら、まず確定状況を確認 鑑定書や証言に虚偽が混じったと気づいたら、まず当該事件の判定謄本が送達されたか、査定・審決が確定しているかを確認する。意匠法72条2項の減免の窓は確定前までしか開いていない
- 2.自白の前に必ず弁護士へ相談 確定前であれば2項の自白による減軽・免除を狙えるが、自白の出し方とタイミングを誤ると逆効果になる。独断で訂正書面を出す前に、刑事に詳しい弁護士へ相談し方針を固める
- 3.確定前に手続上で訂正・自白の意思を明確化 弁護士の助言に基づき、判定謄本送達前または査定・審決の確定前に、虚偽部分の訂正と自白の意思を手続上明確にする。記録に残る形で行い、減免の前提を整える
- 4.確定後でも反省・訂正の経緯を量刑資料として残す 既に確定して2項の免除の窓が閉じている場合でも、量刑では反省や訂正の経緯が考慮される。自発的な訂正・協力の記録を整え、弁護方針に活かす
よくある質問 AI による整理
Q1意匠法の偽証罪の刑罰はどれくらい?
三月以上十年以下の拘禁刑です。罰金ではなく自由刑であり、起訴された時点で専門家としての信用に重大な影響が及びます。
Q2鑑定人が嘘をついても自白すれば許される?
免除されることがあります。意匠法72条2項により、判定謄本の送達前または査定・審決の確定前の自白で刑が減軽・免除され得ます。確定後は窓が閉じます。
Q3意匠法の偽証罪の時効は何年?
長期十年の拘禁刑にあたるため公訴時効は7年と解されます(刑訴250条、起算は虚偽行為の終了時。最新の運用は要確認)。
Q4意匠の審判で記憶が曖昧なときはどう答えるべき?
曖昧な点は「記憶が定かでない」と述べるのが安全です。宣誓後に断定して事実と異なれば、虚偽陳述として処罰対象になり得ます。
Q5通訳の訳し方をわざと変えても偽証になる?
なります。意匠法72条は虚偽の「通訳」も明示的に対象とし、相手方に不利な部分を意図的に薄める訳も処罰されます。
Q6意匠法の偽証罪は誰が告発できる?
親告罪ではないため、捜査機関が独自に捜査・立件できます。被害を受けた当事者が告発することも可能です。
Q7意匠法と特許法で偽証罪は違う?
構造はほぼ同一です。意匠法72条と特許法199条はいずれも特許庁手続での偽証を三月以上十年以下の拘禁刑で処罰します。
Q8副業で鑑定を引き受けただけでも刑事責任を負う?
負います。当事者でなくても、宣誓した鑑定人として虚偽の意見を述べれば本条の射程に入り、最長十年の拘禁刑の対象です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1当事者本人じゃなくて、頼まれて鑑定しただけでも罪になるんですか?
なります。本条72条が名指しするのは宣誓した証人、鑑定人、通訳人であって、紛争で利益を得る当事者本人ではありません。つまり協力者として呼ばれた側こそが処罰対象です。実務のポイント: 依頼者から「専門家のお墨付きが欲しい」と頼まれて鑑定書を盛る圧力は実務で珍しくありませんが、宣誓した瞬間にその責任は依頼者ではなくあなた個人に移る。報酬の何倍ものリスクを一人で背負うことになる
Q2嘘をついたと気づいてしまったんですが、もう手遅れですか?
確定前ならまだ手遅れではありません。本条2項により、判定の謄本送達前または査定・審決の確定前に自白すれば、刑が減軽され、あるいは免除されることがあります。実務のポイント: この自白による減免は刑法170条の偽証罪の自白規定と同じ構造で、立法者が「真実の回復」を処罰より優先した珍しい条文です。ただし自白の出し方とタイミングを誤ると逆効果になるため、書面を出す前に弁護士に相談するのが鉄則
Q3特許庁の話なのに、どうして裁判所が出てくるんですか?
本条が「特許庁又はその嘱託を受けた裁判所」と書いているのは、審判での証拠調べを特許庁が裁判所に委託(嘱託)することがあるためです。その場で宣誓して虚偽を述べれば、舞台が裁判所でも同じく本条が適用されます。実務のポイント: 行政機関の手続と司法手続が一本の条文でつながっている点が見落とされがち。特許庁の審判だから刑事責任は軽い、という思い込みは通用しない
間違えやすい点 AI による整理
- 「偽証で罰せられるのは訴訟の当事者だろう」と思われがちだが、前提そのものが逆。本条の主役は宣誓した証人、鑑定人、通訳人であって、紛争で利益を得る当事者本人は含まれない。協力者として一歩引いていたつもりが、最も重い刑事責任を負う立場だった
- 嘘をついた事実は知っていても、その深刻さを誤解している人が多い。これは過料や軽い処分ではなく、最低でも拘禁刑三月、最長十年という重罪だ。執行猶予が付くかどうかという以前に、起訴された時点で専門家としての信用は崩壊する
- 「いったん嘘をついたら、もう取り返しがつかない」と諦める人がいるが、本条2項は逆の選択肢を用意している。判定の謄本送達前、または査定や審決の確定前に自白すれば、刑の減軽どころか免除まであり得る。問題は嘘をついたことではなく、いつ気づいて動くかだ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 適用される手続 | 意匠法72条:特許庁またはその嘱託を受けた裁判所の審判手続 | 特許法199条:特許庁の審判手続 刑法169条:裁判所の訴訟手続 |
| 処罰対象 | 宣誓した証人・鑑定人・通訳人(当事者本人は対象外) | 宣誓した証人・鑑定人・通訳人 法律により宣誓した証人 |
| 法定刑 | 三月以上十年以下の拘禁刑 | 三月以上十年以下の拘禁刑 三月以上十年以下の拘禁刑 |
| 自白による減免 | 判定謄本送達前・査定/審決確定前の自白で減軽・免除(2項) | 確定前の自白で減軽・免除(特許法199条2項) 裁判確定前・懲戒処分前の自白で減軽・免除(刑法170条) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は証人・鑑定人・通訳人の虚偽陳述を一般刑法で処罰し、専利・商標等の手続でも適用される点で日本の構造と近い。
韓国も宣誓した証人の虚偽陳述を刑法上の偽証罪で処罰し、自白による減免規定(형법 제153조)を備える点で日本と類似する。
ドイツは宣誓の有無で『Falsche uneidliche Aussage(§153)』と『Meineid(§154)』を区別し、後者をより重く処罰する。
米国連邦法は宣誓下の虚偽陳述を偽証罪として処罰し、行政・準司法手続にも適用され得る。州法にも個別の偽証規定がある。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 意匠登録無効審判で証人として呼ばれ、記憶が曖昧なまま「以前にこのデザインを見たことがある」と断言してしまったら、どうなる? 宣誓した上での虚偽であれば、それだけで三月以上の拘禁刑の対象になる。曖昧なら曖昧と述べる、それが自分の身を守る唯一の方法だ
- デザインの専門家であるあなたが鑑定人として、依頼者の意匠は「独創的で先行例とは異なる」と宣誓の上で述べた。だが内心では既存品の焼き直しだと分かっていた。鑑定料のために良心を曲げたその一文が、あなた自身の刑事記録になる
- 通訳として外国人デザイナーの証言を訳す。相手方に不利な部分をわざと薄めて訳した。それも偽証等の罪に当たる。
- 鑑定書を提出した後で、性能データを少し盛ったことに気づいた。審決が確定するまであと十日。その期限内に自白すれば刑の免除があり得るが、過ぎれば公訴時効七年の重い罪だけが手元に残る
取るべき行動
被害を受けた側:1. 相手方の証人や鑑定人の陳述に虚偽の疑いがあれば、どの発言がどの客観証拠と矛盾するかを書面で具体的に整理する2. 矛盾を示す証拠(先行意匠の公開日、製品の実物、メール等)を審決確定前に提出し、手続内で争う3. 虚偽が明白なら、審判とは別軌道で刑事告発を検討、本条は親告罪ではないので捜査機関が動ける4. 民事的な損害があれば不法行為(民法709条)による賠償も並行して検討する
訴えられた側:1. 宣誓後の陳述や鑑定に虚偽があったと気づいたら、まず査定や審決が確定しているかを確認する2. 確定前であれば、本条2項の自白による減軽・免除を狙い、訂正の意思を手続上明確にする前に必ず弁護士に相談する3. 自白のタイミングと方法を誤ると不利になりかねないので、独断で書面を出す前に法的助言を受ける4. 確定後であっても、量刑では反省や訂正の経緯が考慮されるため記録を残す
時効(請求できる期限):本条2項の自白による減免の窓は、判定の謄本が送達される前、または査定もしくは審決が確定する前まで。これを過ぎると刑の免除の道は閉じる。偽証罪自体の公訴時効は長期十年の拘禁刑にあたるため7年(刑事訴訟法250条、起算点は虚偽陳述等の行為終了時、最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:意匠法72条2項の自白減免は刑法170条(偽証後の自白)と同趣旨であり、立法者が処罰よりも『真実の回復』を優先した規定と解される。減免を受けるには確定前の自発的な申告が要件となる。
改正沿革 AI による整理
- 令和4年(2022年)公布、令和7年(2025年6月1日)施行 刑法の懲役・禁錮を「拘禁刑」へ統合する改正に伴い、本条の刑種も「懲役」から「拘禁刑」へ変更された。改正前の解説書の「懲役」表記は現行法と一致しない
改正の年表
- 1.昭和34年(1959年) 新設:意匠法(昭和34年法律第125号)の制定により、特許庁手続における偽証等の罪が定められた。
- 2.令和4年(2022年)公布・令和7年(2025年)施行 改正:刑法の懲役・禁錮を『拘禁刑』へ統合する改正に伴い、本条の刑種も『懲役』から『拘禁刑』へ変更された。改正前の解説書の『懲役』表記は現行法と一致しない。
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