受講中の講座ブックマーク無料で登録

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年7月4日読了 7 分7 分7 分

商標法 第68条の10(国際商標登録出願の出願時の特例)

クイックジャンプ
  1. 前条第一項の規定により商標登録出願とみなされた領域指定(以下この章において「国際商標登録出願」という。)に係る登録商標(以下この条において「国際登録に基づく登録商標」という。)がその商標登録前の登録商標(国際登録に基づく登録商標を除く。以下この条において「国内登録に基づく登録商標」という。)と同一であり、かつ、国際登録に基づく登録商標に係る指定商品又は指定役務が国内登録に基づく登録商標に係る指定商品又は指定役務と重複している場合であつて、国際登録に基づく登録商標に係る商標権者と国内登録に基づく登録商標に係る商標権者が同一であるときは、国際商標登録出願はその重複している範囲については、国内登録に基づく登録商標に係る商標登録出願の日にされていたものとみなす。
  2. 2.第六十八条の三十二第三項及び第四項の規定は、前項の国際商標登録出願に準用する。

この条文の基本情報

国際商標登録出願の出願時の特例とは何ですか?

定義国際商標登録出願の出願時の特例とは、商標法第68条の10に定められた規定で、「前条第一項の規定により商標登録出願とみなされた領域指定(以下この章において「国際商標登録出願」という。」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 商標法第68条の10(国際商標登録出願の出願時の特例)は、日本の商標法に含まれる条文です。
  2. 商標法第68条の10の条文原文は「前条第一項の規定により商標登録出願とみなされた領域指定(以下この章において「国際商標登録出願」という。」で始まります。
  3. 商標法第68条の10は第二節に置かれています。
  4. 商標法の公布日は昭和34年4月13日です。
  5. 商標法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
  6. 商標法第68条の10の前の条は商標法第68条の9です。
  7. 商標法第68条の10の次の条は商標法第68条の11です。
  8. 商標法第68条の10には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式商標法(昭和三十四年法律第百二十七号)第68条の10
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000127
  • 本サイト収録商標法(昭和三十四年法律第百二十七号)第68条の10(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000127/68_10

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点商標法68条の9は、国際商標登録出願が同一商標・指定商品役務の重複・同一権利者の三要件を満たす場合、その重複範囲につき国内登録の出願日にさかのぼるリプレースメントを定める。

Q · 海外展開のとき、古い日本の商標登録の出願日を国際登録に引き継げるって本当?

三要件を満たせば重複範囲で引き継げます

商標法68条の9により、国際登録に基づく登録商標が国内登録に基づく登録商標と「同一」で、「指定商品役務が重複」し、「権利者が同一」であるとき、その重複範囲については国際商標登録出願が国内登録の出願日にされたものとみなされます。これがリプレースメント(国際登録による国内登録の代替)です。20年前の日本の出願日を世界中の権利の基礎として生かせる一方、これを知らずに各国へ新規出願すれば優先日は今日の日付に上書きされます。重複しない商品役務には古い日付は及びません。

解説

海外でブランドを守るため、マドリッドプロトコル(国際登録制度)で複数国へ一気に商標を広げる。その手続の裏で、多くの日本企業が気づかないまま古い権利を捨てている。商標法68条の9はこう定める。すでに日本で登録していた商標と、後から国際登録で日本を指定した商標が同一で、指定商品役務が重複し、しかも権利者が同一人であるとき、その重複範囲については、国際商標登録出願は古い国内登録の出願日にされたものとみなす、と。専門用語で『リプレースメント(国際登録による国内登録の代替)』と呼ぶこの仕組みは、要するに、新しい器に古い出願日を丸ごと注ぎ込む装置だ。あなたが20年前に取った日本の商標登録の出願日を、世界中の権利の基礎として生かし続けられる。これを知らずに各国へ新規出願すれば、優先日は今日の日付に上書きされ、先使用者との争いで足場を失う。

法的な位置づけ

商標法68条の9は、国際登録に基づく登録商標が国内登録に基づく登録商標と同一であり、指定商品役務が重複し、かつ権利者が同一であるとき、その重複範囲につき国際商標登録出願を国内登録の出願日にされたものとみなす規定である。マドリッド協定議定書4条の2が定めるリプレースメントを国内法化したものであり、既得の優先日を国際登録へ承継させる機能を持つ。

よくある質問 AI による整理

Q1リプレースメントとは(商標)?

マドプロの国際登録が既存の国内登録を重複範囲で代替する仕組みです。商標法68条の9が根拠で、古い国内登録の出願日を国際商標登録出願に引き継がせます。

Q2マドプロで出願日の引き継ぎはできる?

できます。国際登録に基づく登録商標が国内登録と同一・指定商品役務が重複・同一権利者なら、その重複範囲は国内登録の出願日にされたものとみなされます。

Q3国際商標登録出願とは何ですか?

マドリッド協定議定書に基づき日本を指定した領域指定が、商標法上の商標登録出願とみなされたものです。68条の9のリプレースメントの前提となります。

Q4商標のリプレースメントの要件は?

①商標が同一、②指定商品役務が重複、③国内登録と国際登録の権利者が同一、の三つです。一つでも欠けると重複範囲のさかのぼりは認められません。

Q5リプレースメントの記録手続はどこにする?

効果は要件を満たせば当然に生じますが、国際登録簿への記録は別手続で、68条の9第2項が68条の32第3項・4項を準用します(最新手続は施行規則をご確認ください)。

Q6国際登録と国内登録の商標はどう違う?

国内登録は日本特許庁に直接出願した権利、国際登録は議定書経由で日本を指定した権利です。重複範囲では68条の9により国際登録が国内登録を代替します。

Q7リプレースメントの効果はいつから生じる?

三要件を満たした時点で重複範囲につき当然に生じます。特別な出訴期限や時効はありませんが、国内登録の更新を怠ると基礎を失う恐れがあります。

Q8既存の日本商標をマドプロで活用する方法は?

新規出願ではなく国際登録で日本を指定し、商標・指定商品役務・権利者を一致させれば、68条の9で古い国内登録の出願日を承継できます。名義のずれは事前統一が必須です。

この条文についての質問 AI による整理

Q1古い日本の商標登録は、もう更新しなくていいんですか?

リプレースメントが成立すれば、国際登録が重複範囲で国内登録の出願日を引き継ぐため、国内登録を維持しなくても取得済みの権利は保護される。ただし実務では、要件充足の立証リスクを避けて国内登録を併存させる戦略も多い。実務のポイント:代理人が『二重維持は無駄』と単純化して捨てさせる例があるが、係争中や要件が微妙なら残す方が安全だ。捨てる前に重複範囲が完全か必ず確認する。

Q2リプレースメントは、何もしなくても自動で効きますか?

効果は本条1項の要件(同一商標・指定商品役務の重複・同一権利者)を満たせば、重複範囲につき当然に生じる。ただし国際登録簿に記録する手続は別で、本条2項が68条の32第3項・4項を準用する。実務のポイント:効果が当然発生することと、第三者に証明できることは別物。記録手続を怠ると、侵害訴訟で優先日を主張するとき立証に手間取る(最新の手続はご確認ください)。

Q3グループ会社の名義でも『同一権利者』になりますか?

原則ならない。本条は『商標権者が同一』を要件とし、別法人格なら親子会社でも同一権利者とは扱われない。名義が旧社名と新社名で食い違うだけでも要件を欠く。実務のポイント:M&Aや組織再編、社名変更のあとは、リプレースメントを使う前に商標権の名義を統一しておくこと。この一手を飛ばすと、優先日を引き継げず権利の基礎が今日の日付に化ける。

間違えやすい点 AI による整理

  • 『国内登録と国際登録は別物だから両方維持すべき』という問いの立て方自体が誤っている。リプレースメントが成立すれば国際登録が重複範囲で国内登録の地位を引き継ぐので、問うべきは『両方維持するか』ではなく『どちらを権利の基礎に据えるか』だ
  • リプレースメントの存在を知る担当者は多いが、その効果の重さを過小評価している。これは事務手続の簡略化ではなく、侵害訴訟で『いつから権利を持っていたか』を決める優先日そのものを左右する。一度捨てた古い出願日は二度と買い戻せない
  • 『国際登録は国内登録より新しいから優先日も新しい』と思われているが、重複範囲ではリプレースメントにより国内登録の出願日までさかのぼる。新しい器に古い中身が入る
比較の観点この条文ほかの条文
優先日(出願日)の扱い68条の9(リプレースメント):重複範囲は国内登録の出願日にさかのぼる68条の8(国際商標登録出願):原則は国際登録の出願日
32条(先使用権):登録ではなく現実の使用開始時を基礎とする
成立要件商標が同一 + 指定商品役務の重複 + 権利者の同一議定書に基づく領域指定が商標登録出願とみなされること
登録出願前から不正競争目的なく周知商標を使用していたこと
効果の発生三要件充足で重複範囲につき当然に発生(記録手続は別途準用)国際登録の効果に従う
継続的使用権として個別に主張・立証が必要

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
台湾商標法(マドプロ非加盟)

台湾はマドリッド協定議定書の締約国ではないため、国際登録が国内登録を代替する直接の規定を持たない。台湾で権利を確保するには各国別の出願が必要となる。

韓国
대한민국 상표법(マドリッド議定書実施規定)

韓国も議定書締約国として国際登録による国内登録の代替(replacement)を国内法化しており、同一権利者・同一商標・重複範囲という枠組みは日本と類似する。

ドイツ
Markengesetz §§ 112 ff. / Madrid-Protokoll Art. 4bis

ドイツは IR マークに関する規定を置き、議定書4条の2のリプレースメントを実装する。EU 商標(EUTM)との併存関係も考慮される点が特徴。

アメリカ
15 U.S.C. § 1141n(Lanham Act § 74)

米国は Madrid Protocol Implementation Act により、国際登録が同一名義・同一商標・同一商品役務の合衆国登録を代替(replacement)する規定を有し、合衆国登録の利益・優先日を維持できる。

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • もし、20年前に日本で取った商標を持つあなたが、今からマドプロで30か国に展開するとしたら? 新規に出願すれば優先日は今日になるが、リプレースメントを使えば20年前の日付が世界中で生き続ける。この差が、現地の先使用者との争いで決定的になる
  • あなたは、ある中堅メーカーの国際登録より後、日本登録より前に、そっくりなマークを使い始めた。先使用権を主張しようとしたら、相手はリプレースメントで日本の古い出願日を持ち出してきた。あなたの『自分の方が先』という前提が根元から崩れる
  • 国内登録と国際登録で、権利者の名義が微妙に違う(旧社名と新社名)。それだけで『同一権利者』要件を満たさず、優先日は引き継げない。名義変更を先に済ませないと話にならない
  • 国内登録の更新期限まであと2か月。更新料を惜しんで放置するか迷っているが、リプレースメントの要件と効果を理解しないまま捨てると、取り返しのつかない優先日の喪失になりかねない

取るべき行動

被害を受けた側:1. 日本の既存登録と国際登録について、(a)商標が同一か、(b)指定商品役務が重複するか、(c)権利者名義が完全に一致するか、を一つずつ照合する。2. 名義が社名変更やM&Aでずれていれば、先に名義変更登録で統一する。3. 重複範囲を特定し、その範囲につき国内登録の出願日が引き継がれることを確認する。4. 国際登録簿への記録手続(本条2項の準用)を代理人に依頼し、後日の立証に備える。5. 国内登録を捨てるかは、要件充足の確実性と係争リスクを見て判断する

訴えられた側:1. 相手の国際登録が主張する出願日がリプレースメントで国内登録までさかのぼっているなら、まず(a)商標の同一性、(b)指定商品役務の重複、(c)権利者の同一性の3要件が本当に揃っているか精査する。2. 一つでも欠ければさかのぼりは認められず、相手の優先日は本来の国際出願日に戻る。3. 自分の使用開始が国内登録の出願日より前なら、先使用権(商標法32条)の主張余地を検討する。4. 争点は『重複範囲』の広狭。重複しない商品役務には古い日付は及ばない

時効(請求できる期限):特定の出訴期限や消滅時効はない。リプレースメントの効果は、本条1項の要件(同一商標・指定商品役務の重複・同一権利者)を満たした時点で、その重複範囲につき当然に生じる。ただし優先日の利益を確実に保全するには、国内登録の更新を怠らず、国際登録簿への記録手続(本条2項が準用する68条の32第3項・4項)を早めに踏むという実務上の時間管理が要る(最新の手続詳細は商標法施行規則をご確認ください)

学説

通説:68条の9のリプレースメントは、商標の同一性・指定商品役務の重複・権利者の同一性という三要件を満たす重複範囲につき当然に効果が生じると解されている。効果の発生と第三者への立証可能性は別であり、国際登録簿への記録手続(2項準用)を踏むことが実務上重要とされる。

改正沿革 AI による整理

  • 平成11年(1999年)頃 新設(要人的検証) マドリッド協定議定書への加入に伴い、第7章の2(議定書に基づく特例)の一部として新設されたと考えられるが、新設年・その後の改正沿革は確証がなく人的検証を要する(最新の改正状況をご確認ください)

改正の年表

  1. 1.平成11年(1999年) 新設:マドリッド協定議定書への加入(日本における効力発生は2000年3月14日)に伴い、議定書に基づく特例として国際商標登録出願に関する規定群が整備され、その一環としてリプレースメントの特例が置かれた(新設年・その後の改正沿革の詳細は最新の沿革をご確認ください)。

ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。

商標法の全文を見る所属する編章節を開く:第二節

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

次に調べる

判例を探す:条文単位の判例の紐づけは準備中です。上のカードから法令名で検索できます。裁判所「裁判例検索」で探す ›