商標法 第68条の35(商標権の設定の登録の特例)
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第六十八条の三十二第一項又は第六十八条の三十三第一項の規定による商標登録出願については、当該出願に係る国際登録の国際登録の日(国際登録の存続期間の更新がされているときは、直近の更新の日)から十年以内に商標登録をすべき旨の査定又は審決があつたときは、第十八条第二項の規定にかかわらず、商標権の設定の登録をする。
この条文の基本情報
商標権の設定の登録の特例とは何ですか?
定義商標権の設定の登録の特例とは、商標法第68条の35に定められた規定で、「第六十八条の三十二第一項又は第六十八条の三十三第一項の規定による商標登録出願については、当該出願に係る国際登録の国際登録の日(国際登録の存続期間の更新がされてい…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 商標法第68条の35(商標権の設定の登録の特例)は、日本の商標法に含まれる条文です。
- 商標法第68条の35の条文原文は「第六十八条の三十二第一項又は第六十八条の三十三第一項の規定による商標登録出願については、当該出願に係る国際登録の国際登録の日(国際登録の存続期間の更新がされてい…」で始まります。
- 商標法第68条の35は第三節に置かれています。
- 商標法の公布日は昭和34年4月13日です。
- 商標法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 商標法第68条の35の前の条は商標法第68条の34です。
- 商標法第68条の35の次の条は商標法第68条の36です。
- 商標法第68条の35には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
商標法(昭和三十四年法律第百二十七号)第68条の35 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000127 - 本サイト収録
商標法(昭和三十四年法律第百二十七号)第68条の35(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000127/68_35
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点商標法68条の34は、国際登録の変更出願について、国際登録の日から10年以内に登録すべき旨の査定があれば、第18条第2項の登録料納付を前提とせず設定登録をする特例である。
Q · セントラルアタックで国際商標登録が消えたあと、変更出願した日本の権利は登録料を払わないと登録されないの?
10年以内の査定なら登録料前提を飛ばして設定登録されます
商標法68条の34は、第68条の32・第68条の33の変更出願について、もとになった国際登録の日(更新時は直近の更新日)から10年以内に登録すべき旨の査定または審決が出れば、第18条第2項が求める登録料納付という通常の前提を飛ばして商標権の設定登録をすると定めます。セントラルアタックや議定書廃棄で国際登録が崩れても、日本の権利だけは元の時間軸を保ったまま登録まで到達させる安全網です。10年の起算点は日本での出願日ではなく国際登録の日である点に注意が必要です。
解説
マドリッドプロトコルで一度に何十か国へブランドを登録した。効率的だ。だが、その国際登録は最初の5年間、日本の大本の登録(基礎登録)に運命を握られている。誰かがその日本の登録を潰せば、セントラルアタックと呼ばれる連鎖で、指定した国々の権利が同時に揺らぐ。そこで使う命綱が第68条の32や第68条の33の変更出願、つまり日本での権利を国内出願として救い出す手続だ。そして第68条の34は、その救い出した出願がきちんと登録までたどり着くための特例を定める。国際登録の日(更新されていれば直近の更新日)から10年以内に登録すべき旨の査定または審決が出れば、第18条第2項が求める登録料納付という通常の前提を飛ばして、商標権の設定登録がされる。国際ルートが崩れても、日本の権利だけは元の時間軸を保ったまま生き残らせる、その最後の一手がここにある。
法的な位置づけ
商標法68条の34は、マドリッド協定議定書に基づく国際商標登録出願が取消しまたは議定書廃棄により失効した後の変更出願(第68条の32・第68条の33)について設定登録の特例を定める規定である。国際登録の日から10年以内に登録すべき旨の査定または審決があれば、第18条第2項の登録料納付を前提とせず商標権の設定登録がされる。
よくある質問 AI による整理
Q1セントラルアタックとは何ですか?
国際登録が最初の5年間、本国の基礎登録に従属し、基礎登録が異議や不使用取消で消えると国際登録も同範囲で取り消される連鎖のことです。マドリッド協定議定書6条が根拠です。
Q2国際商標登録の従属期間は何年ですか?
国際登録の日から5年間です。この間は基礎登録に従属しセントラルアタックの危険があり、5年経過で国際登録が独立します。攻防の山場はこの5年に集中します。
Q3変更出願はいつまでに出さないといけませんか?
国際登録の取消し等の日から3か月以内です(マドリッド協定議定書9条の5)。各指定国の官庁へ別々に手続が必要なため、救う国の優先順位を即決する必要があります。
Q4マドリッドプロトコルのデメリットは何ですか?
一度に多数国へ登録できる反面、最初の5年は基礎登録に従属し、基礎登録が崩れるとセントラルアタックで指定国の権利が連鎖で揺らぐ点です。
Q5変更出願をすると元の出願日は失われますか?
失われません。変更出願は元の国際登録の日を引き継ぐため、権利の時間軸は維持されます。後願者として割り込む戦略は通用しにくくなります。
Q6基礎登録が取り消されると国際登録はどうなりますか?
国際登録も同じ範囲で取り消され、指定した国々の権利が連鎖で揺らぎます。これがセントラルアタックで、救済策が各国での変更出願です。
Q7第68条の34の特例が使えないのはどんな場合ですか?
登録すべき旨の査定または審決が、国際登録の日から10年を過ぎて出た場合です。出願しても、この10年の壁を越えると特例の設定登録は使えません。
Q8国際商標登録の存続期間は何年ですか?
10年で、更新が可能です。第68条の34の10年要件は、この存続期間の周期と国内権利の時間軸をそろえる仕組みになっています。
この条文についての質問 AI による整理
Q1国際登録しておけば、海外のブランドは安全じゃないんですか?
最初の5年間は別です。国際登録は日本の基礎登録に従属し、基礎登録が異議や不使用取消で消えると、セントラルアタックで国際登録ごと巻き添えになります。ただし救済として第68条の32の変更出願があり、第68条の34がその出願の設定登録を後押しします。実務のポイント:弁理士は基礎登録が独立する「国際登録から5年」の日を必ず把握していますが、依頼者から聞かれない限りこの危険期間をわざわざ説明しないことが多い。更新管理表にこの独立日を書き込んでいるかが、リスク管理の分かれ目です。
Q2変更出願したら、また登録料を払い直すんですか?
通常の国内出願なら第18条第2項で登録料を納めて初めて設定登録されますが、変更出願に基づくこの登録では、第68条の34が「第18条第2項にかかわらず」設定登録すると定めます。国際登録の日から10年以内に登録すべき旨の査定が出ることが条件です。実務のポイント:この特例は国際登録の存続期間(10年周期)と国内権利の時間軸を揃える仕組みなので、国内出願の感覚で「料金を払って登録」というステップを前提に組むと読み違えます(最新の改正状況をご確認ください)。
Q310年以内って、いつから数えるんですか?
日本での出願日ではなく、その出願のもとになった国際登録の日(更新されていれば直近の更新日)から数えます。第68条の34はこの起算点をはっきり定めています。実務のポイント:変更出願は元の国際登録の日を引き継ぐので、見かけの出願日が新しくても権利の時間軸は古い国際登録に縛られます。残り時間を国内の出願日基準で勘違いすると、10年の壁を越えて特例が使えなくなる落とし穴があります。
間違えやすい点 AI による整理
- 国際登録さえ済ませれば海外のブランドは安泰だと思われているが、最初の5年間は日本の基礎登録が生命線。基礎登録が異議や不使用取消で消えれば、セントラルアタックで国際登録ごと巻き添えになる。
- セントラルアタックの存在を知っている人でも、その後の変更出願に取消の日から3か月という短い期限があり、しかも指定国ごとに各国官庁へ手続が要ることまでは見落としがち。知っていても、動き出しが遅れれば救えない。
- 「登録料を払えば登録される」という前提でスケジュールを組む人がいるが、変更出願に基づくこの登録では、第68条の34により第18条第2項の登録料納付という前提自体が外れる。問いの立て方がそもそも国内出願の常識とずれている。
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 設定登録の前提 | 登録料納付を前提とせず登録(国際登録の日から10年以内の査定が条件) | 第18条第2項:登録料納付が前提 第40条:登録料の額・納付 |
| 対象となる出願 | 第68条の32・第68条の33の変更出願(救済出願) | 通常の商標登録出願全般 — |
| 時間軸の起算点 | 国際登録の日(更新時は直近の更新日)から10年 | 日本での出願日を基準に審査 — |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾はマドリッド協定議定書に非加盟のため、国際登録の変更出願に対応する制度は存在しない。台湾企業が国際的な商標保護を得るには各国へ個別に出願する必要がある。
韓国もマドリッド議定書加盟国として、国際登録の取消し後に国内出願へ変更する救済制度を有する。
ドイツもマドリッド議定書に基づき国際登録の国内変更(Umwandlung)を認める。
米国は保護の拡張を米国国内出願へ変更(transformation)する規定を持ち、元の優先日を維持する。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 海外展開のために組んだ国際商標登録。ある日、競合があなたの日本の基礎登録に異議を申し立て、それが認められたら? 国際登録は同じ範囲で取り消され、指定した国々の権利が連鎖で揺らぐ。残された猶予は取消の日から3か月、この間に各国で変更出願を出さなければ、積み上げた海外ブランドが白紙に戻る。
- あなたは変更出願で日本の権利を救い出した。あとは登録を待つだけ、と思っていないか。登録すべき旨の査定が国際登録の日から10年を過ぎて出ると、第68条の34の特例は使えない。出願したことに安心せず、審査のスピードと10年の壁を同時に見張る必要がある。
- ある国がマドリッド協定議定書を廃棄した。あなたの国際登録のうち、その国に関する部分が宙に浮く。第68条の33の変更出願と第68条の34の登録特例が、その権利を国内ルートで拾い上げる。
- 他社の買収を検討し、相手の主力ブランドを調べたら国際登録から3年目だった。基礎登録がまだ独立しておらず、第三者の異議一本で広域の権利が崩れうる状態。この脆弱性を見抜けるかどうかが、ブランド価値の値付けを左右する。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 国際登録が取り消された、またはその恐れがある通知を受けたら、取消の日を起算点に3か月以内という変更出願の期限を最優先で確認2. 指定国ごとに権利の事業価値を評価し、救う国の優先順位を即決3. 日本については第68条の32(または廃棄なら第68条の33)の変更出願を出し、元の国際登録の時間軸を維持4. 登録すべき旨の査定が国際登録の日から10年以内に出れば、第68条の34により通常の登録料前提を飛ばして設定登録される点を弁理士と確認(最新の改正状況をご確認ください)
訴えられた側:1. 相手の国際登録が基礎登録に従属する5年以内なら、基礎登録への異議や不使用取消の申立てがセントラルアタックの起点になりうる2. ただし相手は第68条の32・第68条の33の変更出願で各国の権利を救い出せるため、連鎖崩壊は一時的な打撃にとどまることを織り込む3. 日本での変更出願は元の時間軸を保持するため、後願者として割り込む戦略は通用しにくい4. 攻撃の費用対効果を、相手の変更出願コストと比較して冷静に試算
時効(請求できる期限):第68条の34自体に時効はないが、前提となる時間軸が二つ。変更出願は国際登録の取消し等の日から3か月以内(標章の国際登録に関するマドリッド協定の議定書 第9条の5)。そして登録すべき旨の査定または審決が、国際登録の日(更新時は直近の更新日)から10年以内であることが本条適用の要件。
改正沿革 AI による整理
- 平成11年(1999年)法律第41号、平成12年(2000年)施行 日本のマドリッド協定議定書加入に伴い、第7章の2「国際商標登録出願等」の一部として新設。国際登録の取消し・議定書廃棄後の変更出願について、第18条第2項にかかわらず設定登録をするという特例を定めた。以降の改正有無は人的検証が必要
改正の年表
- 1.平成11年(1999年) 新設:日本のマドリッド協定議定書加入に伴い、第7章の2「国際商標登録出願等」の一部として新設。国際登録の取消し・議定書廃棄後の変更出願について、第18条第2項にかかわらず設定登録をする特例を定めた。平成12年(2000年)施行。
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