障害者の雇用の促進等に関する法律 第3条(基本的理念)
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障害者である労働者は、経済社会を構成する労働者の一員として、職業生活においてその能力を発揮する機会を与えられるものとする。
この条文の基本情報
基本的理念とは何ですか?
定義基本的理念とは、障害者の雇用の促進等に関する法律第3条に定められた規定で、「障害者である労働者は、経済社会を構成する労働者の一員として、職業生活においてその能力を発揮する機会を与えられるものとする。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 障害者の雇用の促進等に関する法律第3条(基本的理念)は、日本の障害者の雇用の促進等に関する法律に含まれる条文です。
- 障害者の雇用の促進等に関する法律第3条の条文原文は「障害者である労働者は、経済社会を構成する労働者の一員として、職業生活においてその能力を発揮する機会を与えられるものとする。」で始まります。
- 障害者の雇用の促進等に関する法律第3条は第一章 総則に置かれています。
- 障害者の雇用の促進等に関する法律の公布日は昭和35年7月25日です。
- 障害者の雇用の促進等に関する法律について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 障害者の雇用の促進等に関する法律第3条の前の条は障害者の雇用の促進等に関する法律第2条です。
- 障害者の雇用の促進等に関する法律第3条の次の条は障害者の雇用の促進等に関する法律第4条です。
- 障害者の雇用の促進等に関する法律第3条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
障害者の雇用の促進等に関する法律(昭和三十五年法律第百二十三号)第3条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/335AC0000000123 - 本サイト収録
障害者の雇用の促進等に関する法律(昭和三十五年法律第百二十三号)第3条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/335AC0000000123/3
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点障害者雇用促進法3条は、障害者である労働者が経済社会を構成する労働者の一員として、職業生活で能力を発揮する機会を与えられるとする基本的理念を定める。罰則はない。
Q · 障害者雇用促進法3条って、罰則もないのに何の意味があるの?
罰則はないが、差別禁止と合理的配慮を読む際の解釈の軸になる
障害者雇用促進法3条は、障害者である労働者が労働者の一員として能力を発揮する機会を与えられるという基本的理念を定めます。条文自体に罰則や直接の請求権はありませんが、事業主の差別禁止(34条・35条)や合理的配慮の提供義務(36条の2・36条の3)の内容を判断する際の物差しになります。法定雇用率(43条)を数字の上で満たしても、能力発揮の機会という理念に沿った運用かどうかは別に問われます。
解説
条文はたった一文で、語尾も「ものとする」と柔らかく、罰則もない。そのため多くの会社の人事担当者は、飾りの理念条項として読み飛ばす。だが読み飛ばしてよい条文ではない。本条が示した「労働者の一員として能力を発揮する機会」という物差しは、事業主の差別禁止(34条、35条)や合理的配慮(障害に応じて職場が行う個別の調整)の提供義務(36条の2、36条の3)を読むときの解釈の軸になる。障害のある労働者として職場に求めるのは「恩恵としての雇用」ではなく「能力を発揮できる条件」だと言える根拠が、ここにある。しかも差別禁止と合理的配慮の対象となる「障害者」に、障害者手帳は要件とされていない(2条1号)。手帳がなくても、心身の障害で長期にわたり職業生活に相当の制限を受けていれば該当しうる。会社側にとっては、法定雇用率(2026年7月から民間2.7%)を数合わせで満たしても、本条の理念に沿った運用をしているかは別に問われることになる。
法的な位置づけ
障害者の雇用の促進等に関する法律第3条は、同法の基本的理念を定める規定であり、障害者である労働者が経済社会を構成する労働者の一員として、職業生活においてその能力を発揮する機会を与えられるものとする。罰則を伴わない理念規定であるが、事業主の差別禁止及び合理的配慮提供義務の解釈指針として機能する。
よくある質問 AI による整理
Q1障害者雇用促進法3条とは?
障害者である労働者が、労働者の一員として職業生活で能力を発揮する機会を与えられるという、同法の基本的理念を定めた条文です。
Q2障害者雇用促進法の基本理念は何条?
障害者である労働者側の理念は3条、障害者本人の職業的自立の努力は4条、事業主の責務は5条に定められています。三つを合わせて読むのが一般的です。
Q3障害者雇用促進法3条に違反すると罰則はある?
ありません。3条は理念規定で、違反を直接罰する規定はありません。ただし差別禁止や合理的配慮の義務違反は、助言・指導・勧告の対象になります。
Q4法定雇用率2026年 いくら?
民間企業の法定雇用率は2026年7月から2.7%です。常用労働者37.5人以上の事業主に、障害者を1人以上雇用する義務が生じます。
Q5障害を理由に不採用にするのは違法?
募集・採用で障害者に障害者でない者と均等な機会を与えないことは34条で禁止されています。能力を確かめる前に障害を理由に排除するのは問題になります。
Q6障害者雇用のトラブルはどこに相談できる?
都道府県労働局やハローワークに相談できます。労働局では紛争解決の援助や調停の手続を無料で利用でき、訴訟の前段階として活用されています。
Q7障害者雇用促進法3条から直接請求できる?
3条は理念規定のため、それだけを根拠に採用や賃金を請求することは難しいです。実際の請求は34条・35条・36条の3などの具体的義務に引き直して行います。
Q8障害者雇用代行ビジネスは違法?
違法と断定された仕組みではありません。ただし能力を発揮する機会という3条の理念に沿うかが国会で問題にされ、実務上の評価は分かれています。
この条文についての質問 AI による整理
Q1障害者手帳を持ってないんですけど、会社に配慮をお願いしてもいいんですか?
お願いできる。差別禁止と合理的配慮の対象となる障害者は、2条1号で「長期にわたり職業生活に相当の制限を受ける」心身の障害がある者と定められており、手帳の所持は要件ではない。手帳が問題になるのは、法定雇用率に算入する場面である。実務のポイント:人事が「手帳がないと対象外」と答えるのは、雇用率の算定ルールと混同している場合が多い。診断書や主治医の意見書を添えると話が進みやすい
Q2うちは法定雇用率を達成してるから、もう何も言われないですよね?
雇用率の達成(43条)と、差別禁止(34条、35条)や合理的配慮(36条の2、36条の3)は別々の義務である。人数を満たしていても、個々の労働者への配慮を欠けば、助言、指導、勧告の対象になりうる。実務のポイント:行政指導の入口は雇用率でも、実際の紛争は個別の配慮をめぐって起きることが多い。会社を守るのは採用人数よりも、配置後の面談記録が残っているかどうかである
Q3合理的配慮って、会社はどこまでやらないといけないの?
「過重な負担」にならない範囲で講ずる義務がある(36条の3ただし書)。過重かどうかは、事業活動への影響、実現の難しさ、費用、企業規模、財務状況、公的支援の有無などから総合的に判断される(合理的配慮指針)。実務のポイント:障害者作業施設設置等助成金などの助成金を使えば負担が軽くなるため、「費用が高い」という断り方は通りにくい。会社側も、まず助成金を申請できるか調べておくのが得策である
間違えやすい点 AI による整理
- 「障害者には採用してもらう権利があるのか」という問いの立て方そのものがずれている。本条は特定の企業に採用を義務づける条文ではなく、機会の保障を理念として示すにとどまる。実際に争える論点は、「募集・採用で均等な機会が与えられたか」(34条)、「申出に応じた配慮があったか」(36条の2)に置き換えたときに初めて形になる
- 法定雇用率の存在は知っていても、未達の代償は「お金で済む」と考えている会社は多い。実際には、障害者雇用納付金(常用労働者100人超の事業主が対象で、不足1人あたり原則月5万円)に加えて、雇入れ計画の作成命令(46条)があり、勧告に従わなければ企業名の公表(47条)まで進む。採用ブランドが受ける打撃は、納付金の額とは比べものにならない(最新の改正状況をご確認ください)
- 会社から見れば「好意で配慮してあげている」でも、法律から見れば、合理的配慮は過重な負担にならない限り講ずべき義務である(36条の3)。恩恵のつもりで一方的に打ち切った配慮が、そのまま義務違反の証拠になる。この認識のずれが、紛争で会社を追い詰める
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の性質 | 3条:基本的理念(障害者である労働者の能力発揮の機会) | 5条:事業主の責務(努力義務) 36条の3:採用後の合理的配慮の提供義務 |
| 誰に向けた規定か | 社会全体・制度全体の目標を示す | 事業主(雇用の場の提供と適正な雇用管理) 事業主(個々の障害者である労働者への措置) |
| 違反したときの効果 | 直接の罰則・請求権なし | 直接の罰則なし(努力義務) 過重な負担でない限り義務。助言・指導・勧告の対象(36条の6) |
| 実務での使われ方 | 配慮の範囲や差別の有無を判断する解釈の物差し | 雇用管理体制の整備を求める根拠 労働者が具体的な調整を求める直接の根拠 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は平等権益の保障に加え、公的機関・一定規模以上の民間事業主に定額進用(雇用割当)を課す。日本と同様、割当制度と差別禁止の二本立て
韓国も義務雇用率と負担金の制度を持ち、日本の雇用率・納付金制度と構造が近い
ドイツは一定規模以上の事業主に重度障害者の雇用義務を課し、未達成時は調整負担金(Ausgleichsabgabe)を徴収する。割当制度の代表例
米国は雇用率制度を持たず、差別禁止と合理的配慮(reasonable accommodation)を中心とする。日本の36条の2以下はこの発想を取り入れている
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 適応障害で休職し、復職面談で人事に「前と同じフルタイムができないなら、退職も考えてほしい」と言われた。手帳は持っていない。それでも短時間勤務からの段階的な復帰を申し出て、会社に話し合いを求めることはできる。会社は過重な負担でない限り、配慮を検討する義務を負う(36条の3)
- あなたは人事課長で、面接中に応募者へ「障害があるなら、うちの業務は難しいと思いますよ」と言ってしまった。能力を確かめる前に出たこの一言は、募集・採用で均等な機会を与えなかったこと(34条)を示す材料として、録音に残りうる
- 内定後に聴覚障害を伝えたら、「対応できない」という理由で入社研修の日程が保留になった。この場合どうなるのか? 採用後の待遇での差別(35条)と合理的配慮の不提供(36条の3)の両面から、労働局やハローワークに相談できる
- 発達障害の同僚が、会議での口頭指示だけでは仕事が回らないと悩んでいる。指示をチャットで文字にして残す。それだけでも合理的配慮になりうる
- 契約更新まであと30日の時点で、障害を理由に更新しないとほのめかされた。今週中に、言われた日時と言葉をメモに残し、配慮を求めた経緯をメールで送っておくこと。更新拒絶の理由を後から書き換えられる前に、記録を固めておく必要がある
取るべき行動
被害を受けた側:1. 困りごとと必要な調整(勤務時間、指示の出し方、設備、通院への配慮)を具体的に書き出す2. 手帳の有無にかかわらず、メールなど記録に残る形で会社に配慮を申し出る3. 断られたら、理由と代わりの措置を示すよう求める4. 解決しなければ、都道府県労働局またはハローワークに相談し、紛争解決の援助や調停を検討する
訴えられた側:1. 申出を受けたら放置せず、本人と話し合う場を設け、記録を残す2. 過重な負担にあたるかは、費用、企業規模、業務への影響、助成金の有無で検討し、断る場合は理由と代わりの措置を説明する3. 相談窓口を決め、プライバシーに配慮した体制を整える(36条の4) 4. 雇用率対策を外部に委託する場合も、本人の業務内容と能力発揮の実態を説明できるか点検する
時効(請求できる期限):本条自体に特定の時効はないが、一般消滅時効(民法166条、債権は知った時から5年、または権利を行使できる時から10年)が適用される。差別的取扱いを不法行為として争う場合は、損害と加害者を知った時から3年(民法724条)。雇止めや解雇を争う場合は、時効よりも通知を受けた直後に記録を確保できるかが結果を左右する(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:3条は理念規定であり、これ自体から個々の労働者の具体的な請求権は生じない。ただし34条以下の差別禁止・合理的配慮規定や指針を解釈する際の指針として機能し、「能力発揮の機会」という目的に照らして義務の範囲が判断される
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和35年(1960年) 新設:身体障害者雇用促進法として制定。身体障害者の雇用促進を目的とする制度が始まる
- 2.昭和62年(1987年) 改正:法律の題名を「障害者の雇用の促進等に関する法律」に改め、対象を身体障害者以外の障害者にも広げる
- 3.平成25年(2013年) 改正:障害者権利条約の批准に向け、雇用分野での差別禁止と合理的配慮の提供義務を新設(2016年施行)。精神障害者を法定雇用率の算定基礎に加える(2018年施行)
- 障害者の雇用の促進等に関する法律 第4条障害者本人の職業的自立の努力
- 障害者の雇用の促進等に関する法律 第5条事業主の雇用の場提供と雇用管理の責務
- 障害者の雇用の促進等に関する法律 第34条募集・採用での差別禁止
- 障害者の雇用の促進等に関する法律 第36条の3採用後の合理的配慮提供義務
- 障害者の雇用の促進等に関する法律 第43条法定雇用率による雇用義務
- 障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律 第13条雇用分野は雇用促進法に委ねる調整規定
- 障害者基本法 第19条雇用促進施策の基本方針
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