障害者の雇用の促進等に関する法律 第5条(事業主の責務)
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全て事業主は、障害者の雇用に関し、社会連帯の理念に基づき、障害者である労働者が有為な職業人として自立しようとする努力に対して協力する責務を有するものであつて、その有する能力を正当に評価し、適当な雇用の場を与えるとともに適正な雇用管理並びに職業能力の開発及び向上に関する措置を行うことによりその雇用の安定を図るように努めなければならない。
この条文の基本情報
事業主の責務とは何ですか?
定義事業主の責務とは、障害者の雇用の促進等に関する法律第5条に定められた規定で、「全て事業主は、障害者の雇用に関し、社会連帯の理念に基づき、障害者である労働者が有為な職業人として自立しようとする努力に対して協力する責務を有するものであつて、そ…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 障害者の雇用の促進等に関する法律第5条(事業主の責務)は、日本の障害者の雇用の促進等に関する法律に含まれる条文です。
- 障害者の雇用の促進等に関する法律第5条の条文原文は「全て事業主は、障害者の雇用に関し、社会連帯の理念に基づき、障害者である労働者が有為な職業人として自立しようとする努力に対して協力する責務を有するものであつて、そ…」で始まります。
- 障害者の雇用の促進等に関する法律第5条は第一章 総則に置かれています。
- 障害者の雇用の促進等に関する法律の公布日は昭和35年7月25日です。
- 障害者の雇用の促進等に関する法律について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 障害者の雇用の促進等に関する法律第5条の前の条は障害者の雇用の促進等に関する法律第4条です。
- 障害者の雇用の促進等に関する法律第5条の次の条は障害者の雇用の促進等に関する法律第6条です。
- 障害者の雇用の促進等に関する法律第5条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
障害者の雇用の促進等に関する法律(昭和三十五年法律第百二十三号)第5条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/335AC0000000123 - 本サイト収録
障害者の雇用の促進等に関する法律(昭和三十五年法律第百二十三号)第5条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/335AC0000000123/5
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点障害者雇用促進法5条は、全ての事業主に、障害者の能力の正当な評価、適当な雇用の場の提供、適正な雇用管理と職業能力の開発を行い雇用の安定を図る努力義務を課す。
Q · 障害者雇用促進法5条の「事業主の責務」って、具体的に会社は何をすればいいの?
人数を満たすだけでなく、評価・配置・育成まで行う努力義務
障害者雇用促進法5条は、全ての事業主に、障害者である労働者の能力を正当に評価し、適当な雇用の場を与え、適正な雇用管理と職業能力の開発・向上に関する措置を行うよう努める責務を課しています。罰則のない努力義務ですが、合理的配慮の提供義務(36条の3)や解雇の有効性が争われる場面で、事業主が本来何をすべきだったかを測る基準として参照されえます。従業員数にかかわらず全事業主が対象です。
解説
障害者雇用の話になると、多くの会社は「法定雇用率(民間企業は2026年7月から2.7%)を満たしたか」だけを見る。だが第5条が事業主に求めているのは人数ではない。能力を正当に評価すること、適当な雇用の場を与えること、適正な雇用管理を行うこと、そして令和4年(2022年)改正で明確化された職業能力の開発・向上。つまり「雇う」の後に「育てる」までが責務に含まれている。本条は努力義務(守らなくても直ちに罰則はないが、守るよう努める法的責務)であり、本条だけを根拠に昇進や配置を裁判で請求するのは難しい。それでも軽く見るのは危険だ。合理的配慮の提供義務(36条の3)や解雇の有効性が争われる場面で、本条の理念は「この会社は本来何をすべきだったか」を測る物差しとして持ち出されうる。障害のある当事者にとっては、配慮や研修の機会を求めるときの根拠の言葉になる。人事担当者にとっては、数合わせの採用が後で自社の首を絞める理由がここにある。
法的な位置づけ
障害者雇用促進法5条は事業主の責務を定める規定であり、全ての事業主に対し、社会連帯の理念に基づき、障害者である労働者の能力の正当な評価、適当な雇用の場の提供、適正な雇用管理および職業能力の開発・向上に関する措置を通じて、その雇用の安定を図るよう努める義務を課す。罰則を伴わない努力義務規定である。
手順
- 1.在籍する障害のある社員の業務と評価を棚卸しする 障害のある社員ごとに、現在の担当業務、評価基準、評価面談の有無を一覧化し、業務が与えられていない、評価されていない状態がないかを確認する
- 2.本人と面談し配慮と育成の希望を聞き取る 本人と個別に面談し、働くうえでの支障と必要な配慮、伸ばしたい能力や希望する業務を聞き取る。実施できない配慮は過重な負担の理由を具体的に説明し記録する
- 3.個別の育成計画を文書化する 担当業務の段階的な拡大、研修の受講、支援機関(ジョブコーチ等)の活用を含む育成計画を作成し、本人と共有する。採用前・配置前に作ることで数合わせでないことの証明になる
- 4.定期的に見直し経緯を記録する 半年ごとなど定期的に評価・配置・配慮の内容を見直し、変更の経緯を記録する。不調や休職が続く場合も、解雇の前に配置転換や勤務時間調整を試したことを残す
よくある質問 AI による整理
Q1障害者雇用促進法5条とは?
事業主の責務を定めた条文です。障害者の能力を正当に評価し、適当な雇用の場を与え、雇用管理と職業能力の開発に努めることを全事業主に求めています。
Q2事業主の責務 努力義務 違反したらどうなる?
本条違反だけで罰則はありません。ただし合理的配慮義務違反や解雇無効が争われる場面で、本条の責務を果たしていたかが事業主に不利な事情として考慮されえます。
Q3障害者雇用 仕事がない 違法?
直ちに違法とは言えませんが、能力を評価せず業務を与えない状態は本条の「適当な雇用の場」「能力の正当な評価」の趣旨に反します。労働局への相談対象になりえます。
Q4障害者雇用 職業能力の開発 義務はいつから?
令和4年(2022年)改正で本条に明記され、令和5年(2023年)4月1日に施行されました。育成も事業主の責務に含まれることが明確化されています。
Q5障害者の能力の正当な評価とはどういう意味?
障害を理由に一律に低い評価をせず、本人の実際の能力に即して業務・処遇・評価を決めることです。評価基準の明示や面談の実施が実務上の手がかりになります。
Q6障害者雇用 研修から外される できる?
障害を理由に研修や教育訓練から排除することは、差別禁止規定(35条)に抵触しうるうえ、本条の職業能力の開発の責務にも反します。書面で受講を要望できます。
Q7障害者雇用の事業主責務 小規模企業も対象?
対象です。本条は「全て事業主」を名宛人とし、雇用率義務(43条)の規模要件とは関係なく、障害のある社員を雇うすべての会社が責務を負います。
Q8社会連帯の理念とは?
障害者の職業的自立を本人や家族だけの問題とせず、社会全体で支えるという考え方です。事業主が雇用の場を提供する責務の根拠として本条に掲げられています。
この条文についての質問 AI による整理
Q1うちは従業員30人なんですけど、障害者雇用って関係あります?
雇用率の義務(43条)は2026年7月から常用労働者37.5人以上の事業主が対象なので、30人なら雇用義務はない。ただし第5条は「全て事業主」と定めており、規模に関係なく責務を負う。合理的配慮(36条の2、36条の3)も全事業主の義務だ。実務のポイント:社員が増えて対象規模を超えると、その年の6月1日時点から報告義務が始まる。成長企業ほど採用計画が後手に回る
Q2障害者手帳は持ってないけど、うつ病で配慮をお願いできますか?
できる場合がある。本法の「障害者」(2条1号)は手帳の有無ではなく、長期にわたり職業生活に相当の制限を受けるかどうかで判断され、合理的配慮(36条の3)の対象になりうる。実務のポイント:手帳が必要になるのは雇用率に算入するときの話だ。人事が「手帳がないと対応できない」と言ったら、雇用率の話と配慮の話を混同している可能性が高い
Q3納付金を払ってれば、障害者を雇わなくても法律上は問題ないんでしょ?
違う。納付金(53条以下、常用労働者100人超の事業主が対象で、不足1人につき原則月額5万円)は罰金ではなく負担の調整であり、払っても雇用義務は消えない。未達が続けば雇入れ計画の作成命令(46条)、改善がなければ企業名の公表(47条)に進む。実務のポイント:公表された企業名は報道され、採用ブランドや ESG 評価に響く。納付金より公表のほうが高くつく
Q4農園で障害者を雇ってくれる代行サービス、使っても平気?
違法と断定された仕組みではないが、厚生労働省は、雇用率達成だけを目的に事業と無関係な作業に従事させる形態に懸念を示し、実態把握を進めている。本条の「能力の正当な評価」「職業能力の開発」と噛み合うかが問われる。実務のポイント:契約前に、自社業務とのつながりと本人のキャリアの道筋を説明できるか確かめる。説明できないなら、それが答えだ
間違えやすい点 AI による整理
- 「努力義務だから守らなくても問題ない」と考える人事担当者は多いが、問いの立て方そのものがずれている。本条は単独で罰則を生む条文ではなく、合理的配慮の義務(36条の2、36条の3)や解雇の有効性判断の背後にある基準として働く。直接罰せられないことと、紛争で効いてこないことは全く別の話だ
- 法定雇用率を達成すれば障害者雇用は合格だと会社は考える。だが法律から見れば、雇用率は入口の数字にすぎず、本条は能力評価、雇用管理、職業能力の開発まで射程に入れている。会社の目には「達成済み」、法律の目には「責務の途中」。この落差が、配属先で放置された社員の訴えという形で表に出る
- 障害者雇用は大企業の話だと思われているが、雇用率の義務(43条)が常用労働者37.5人以上に限られるのに対し、本条は「全て事業主」を名宛人としている。従業員5人の会社でも、障害のある社員を雇えば同じ責務を負い、合理的配慮の義務も免れない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 5条:能力評価・雇用の場・雇用管理・育成という雇用の「質」 | 43条:法定雇用率による雇用の「量」 36条の3:雇入れ後の合理的配慮の提供 |
| 法的性格 | 努力義務(罰則なし) | 法的義務(未達で雇入れ計画作成命令・企業名公表) 法的義務(過重な負担となる場合を除く) |
| 対象となる事業主 | 全ての事業主 | 常用労働者が一定規模以上の事業主(2026年7月から37.5人以上) 全ての事業主 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も定額進用(雇用率)制度を採り、進用した障害者には同工同酬を求める。日本と同様に量の義務と処遇の規律を組み合わせる構造
韓国も同じく事業主の責任を独立条文で定め、雇用義務率制度と負担金制度を併用する点で日本と構造が近い
ドイツは重度障害者に能力を最大限活用できる雇用や職業訓練への優先的配慮を求める権利を認め、日本の努力義務より強い構成をとる
米国は雇用率制度を持たず、差別禁止と合理的配慮の義務を中心とする。量の確保ではなく権利保障型の設計
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 雇用率未達の指摘を受け、急いで障害者を3名採用した。だが配属先には任せる業務がなく、3名は一日中シュレッダー作業だけ。半年後、うち1名が「戦力として見られていない」と労働局に相談した。人数は満たしても、本条の「能力の正当な評価」と「適当な雇用の場」が空白のままだった
- もし、入社5年目に発達障害の診断を受けたあなたが、上司に業務指示の書面化を頼んだのに「手帳がないなら特別扱いはできない」と断られたら、どうなる? 本法の「障害者」は手帳の有無で決まらない。合理的配慮の対象になりうるし、本条の責務を示して人事に再検討を求める余地がある
- 障害者雇用状況報告の提出期限まであと10日。6月1日時点の人数を数え直したら、短時間勤務者のカウント方法を誤っていて、法定雇用数に1人足りなかった。人数の帳尻よりも、在籍者が実際にどんな仕事をしているかを説明できる準備が先だ
- 人事課長であるあなたが、農園型の障害者雇用代行サービスの営業を受けた。「御社の業務は一切変えずに雇用率を達成できます」という説明が魅力的に聞こえる。その「業務を変えない」こそが、本条の趣旨と衝突しかねない
- 精神障害のある社員の休職と復職が繰り返されている。会社は解雇を検討しているが、配置転換や勤務時間の調整を一度も試していない。この状態で解雇すれば、労働契約法16条の解雇権濫用の判断で、配慮を尽くさなかった点が不利な事情として扱われうる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 任される業務がない、評価面談がない、研修から外されているといった事実を日付つきで記録する2. 上司ではなく人事部や相談窓口(36条の4で事業主に整備が求められている)に、必要な配慮と育成機会を書面で要望する3. 対応がなければ都道府県労働局の総合労働相談コーナーやハローワークに相談し、助言・指導や調停の利用を検討する4. 解雇や雇止めを告げられたら、署名せずに弁護士や労働組合に相談する
訴えられた側:1. 障害のある社員ごとに、担当業務・評価基準・育成計画を文書で整える2. 配慮の申出には本人と話し合い、実施できない場合は過重な負担である理由を具体的に説明し記録する3. 休職や不調が続く場合も、解雇の前に配置転換、勤務時間の調整、支援機関(ジョブコーチ等)の活用を試し、その経緯を残す4. 代行サービスを使うなら、自社事業とのつながりと本人のキャリアを説明できるか事前に精査する
時効(請求できる期限):本条自体に特定の時効はないが、一般消滅時効(民法166条、債権5年または10年)が適用される。未払賃金の請求は3年(労働基準法115条及び附則143条による当分の間の扱い)、不法行為による賠償請求は知った時から3年(民法724条)。事業主側は毎年6月1日時点の障害者雇用状況を7月15日までにハローワークへ報告する必要がある(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:本条は努力義務規定であり、単独で労働者に具体的な請求権を与えるものではない。もっとも、合理的配慮義務(36条の2・36条の3)や解雇権濫用法理の判断において、事業主が尽くすべき措置の内容を示す解釈指針として機能しうる
改正沿革 AI による整理
- 令和4年(2022年)改正、令和5年(2023年)4月1日施行 事業主の責務に、適当な雇用の場の提供と適正な雇用管理に加え、職業能力の開発及び向上に関する措置が含まれることを明確化する改正。雇用の量から質の向上へと政策の重心を移した
改正の年表
- 1.昭和35年(1960年) 新設:身体障害者雇用促進法として制定
- 2.昭和62年(1987年) 改正:法律名を障害者の雇用の促進等に関する法律に改め、対象を身体障害者から障害者全般へ拡大
- 3.令和4年(2022年) 改正:事業主の責務に職業能力の開発及び向上に関する措置が含まれることを明確化(令和5年4月1日施行)
- 障害者の雇用の促進等に関する法律 第3条基本的理念、職業生活の機会確保
- 障害者の雇用の促進等に関する法律 第4条障害者自身の自立への努力義務
- 障害者の雇用の促進等に関する法律 第36条の3雇入れ後の合理的配慮の提供義務
- 障害者の雇用の促進等に関する法律 第43条法定雇用率による雇用義務
- 障害者の雇用の促進等に関する法律 第53条障害者雇用納付金の徴収
- 障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律 第13条雇用分野は雇用促進法に委ねる調整規定
- 労働契約法 第16条解雇権濫用法理、配慮不足の評価場面
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