災害対策基本法 第69条(災害時における事務の委託の手続の特例)
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市町村は、当該市町村の地域に係る災害が発生した場合において、応急措置を実施するため必要があると認めるときは、地方自治法第二百五十二条の十四及び第二百五十二条の十五の規定にかかわらず、政令で定めるところにより、その事務又は市町村長等の権限に属する事務の一部を他の地方公共団体に委託して、当該地方公共団体の長その他の執行機関にこれを管理し、及び執行させることができる。
この条文の基本情報
災害時における事務の委託の手続の特例とは何ですか?
定義災害時における事務の委託の手続の特例とは、災害対策基本法第69条に定められた規定で、「市町村は、当該市町村の地域に係る災害が発生した場合において、応急措置を実施するため必要があると認めるときは、地方自治法第二百五十二条の十四及び第二百五十二条の十…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 災害対策基本法第69条(災害時における事務の委託の手続の特例)は、日本の災害対策基本法に含まれる条文です。
- 災害対策基本法第69条の条文原文は「市町村は、当該市町村の地域に係る災害が発生した場合において、応急措置を実施するため必要があると認めるときは、地方自治法第二百五十二条の十四及び第二百五十二条の十…」で始まります。
- 災害対策基本法第69条は第四節に置かれています。
- 災害対策基本法の公布日は昭和36年11月15日です。
- 災害対策基本法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月22日時点では廃止情報はありません。
- 災害対策基本法第69条の前の条は災害対策基本法第68条の3です。
- 災害対策基本法第69条の次の条は災害対策基本法第70条です。
- 災害対策基本法第69条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
災害対策基本法(昭和三十六年法律第二百二十三号)第69条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/336AC0000000223 - 本サイト収録
災害対策基本法(昭和三十六年法律第二百二十三号)第69条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月22日)https://lawplayer.com/jp/article/336AC0000000223/69
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点災害対策基本法69条は、災害発生時に応急措置のため必要なとき、市町村が地方自治法の通常手続によらず事務の一部を他の地方公共団体に委託できると定める。
Q · 役場が被災して動けないとき、町の仕事を隣の市に任せることはできるの?
できる。ただし災害発生後の応急措置に限られる
災害対策基本法69条により、市町村の地域に災害が発生し、応急措置の実施に必要があると認めるときは、地方自治法252条の14・252条の15の通常手続によらず、政令で定める手続で事務の一部を他の地方公共団体に委託できます。委託された事務は受託した団体の長その他の執行機関が管理・執行します。災害発生前の予防目的や、応急措置を超える長期の復旧事業には本条の特例は及ばないと解されます。
解説
庁舎が津波で流された町には、役場そのものがない。それでも避難所の運営、給水、がれきの撤去、遺体の火葬は一日も止められない。平時に市町村が自分の事務を他の自治体に任せるには、地方自治法252条の14に従って協議し、規約を定め、議会の議決を経て告示する必要がある。議員も被災し、議場も使えない発災直後に、この手続を待つ余裕はない。災害対策基本法69条は、そのための非常口として置かれている。災害が実際に発生し、応急措置(災害の拡大を防ぐために今すぐ行う救助・給水・避難対応など)に必要と認めるときに限り、市町村は政令で定める簡略な手続により、事務や市町村長等の権限の一部を他の地方公共団体に委託できる。委託された事務は、受けた側の長などが管理し執行する。あなたにとって大事なのは次の点である。被災地の窓口で別の自治体の職員が対応していても、それは越権ではなく、法律が用意したルートである可能性がある。一方で、決定を誰の名義で出すのか、問い合わせや不服申立てをどこへ出すのかは、委託の取り決めによって変わりうる。書類を受け取ったら、まず発出者の欄を確認すること。
法的な位置づけ
災害対策基本法69条は、災害発生時における市町村の事務委託の特例を定める規定である。市町村の地域に災害が発生し、応急措置の実施に必要があると認めるとき、地方自治法252条の14及び252条の15の一般規定にかかわらず、政令の定める手続により、事務又は市町村長等の権限に属する事務の一部を他の地方公共団体に委託し、その執行機関に管理・執行させることを認める。
よくある質問 AI による整理
Q1災害対策基本法69条とは何ですか?
災害が発生した市町村が、応急措置のために事務の一部を他の自治体へ委託できるとする特例規定です。地方自治法の通常の委託手続によらず、政令の定める手続で行います。
Q2災害時の事務委託はいつからできる?
市町村の地域に災害が「発生した」後に限られます。発生のおそれがあるだけの段階や平時の備えとしては、本条ではなく地方自治法252条の14の通常手続によります。
Q3災害時の事務委託に議会の議決は必要?
本条は地方自治法252条の14・15の規定にかかわらず政令の手続によるとしており、平時の議会議決を前提とする手続の特例です。具体的な手順は災害対策基本法施行令で確認が必要です。
Q4災害時に委託できる事務の範囲は?
応急措置の実施に必要な範囲で、市町村の事務又は市町村長等の権限に属する事務の「一部」です。事務の全部を丸ごと移すことは条文上予定されていません。
Q5委託された事務の処分に不服があるときはどこに申し立てる?
まず通知書の発出者と教示欄を確認します。受託団体の執行機関が処分者になりうるため、教示に従って審査請求先を選び、処分を知った日の翌日から3か月以内に申し立てます。
Q6災害時の事務委託はいつまで続く?
本条自体は期間を定めていません。目的が応急措置の実施に限定されているため、委託の取り決めで期間と終了時の引継ぎ方法を定めるのが実務上重要です。
Q7市町村は都道府県に事務を委託できる?
委託先は「他の地方公共団体」とされており、文言上は他の市町村に限られていません。ただし国の機関は地方公共団体ではないため、本条の委託先には当たりません。
Q8他の自治体が被災地の事務をするのは違法じゃない?
本条に基づく委託であれば、受託団体の長その他の執行機関が法律上の権限として事務を管理・執行するため、越権にはなりません。根拠となる委託の有無は告示等で確認できます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1隣の市の職員が出した証明書って、うちの町の証明書と同じように使えるんですか?
69条に基づいて事務が委託されていれば、受託した団体の長などがその事務を管理し執行するため、権限のある者が出した書類として扱われるのが原則である。応援職員(67条)の場合は、権限は被災した町に残る。実務のポイント:受け取る側の銀行や保険会社が書類の有効性を疑ったら、委託を告示した町の公報を示すと話が早い。告示の有無を役所に確認しておく
Q2議会を通さずに仕事を他の自治体に丸投げして、民主的にまずくないんですか?
懸念はもっともで、だから本条は災害が発生し、応急措置に必要と認める場合に限って特例を認めている。平時の委託は地方自治法252条の14により議会の議決が必要であり、69条はその例外にすぎない。実務のポイント:委託の範囲が応急措置を超えて長期の復旧事業にまで及んでいないかは、議会が再開した後に検証の対象になりうる。範囲と期間を絞った書面を残した自治体ほど、事後の追及に耐えられる
間違えやすい点 AI による整理
- 「大災害になれば県や国が市町村の仕事を全部肩代わりする」と思われがちだが、応急措置の第一の担い手は市町村である(災害対策基本法62条)。都道府県知事による代行(73条)は、市町村がその全部または大部分の事務を行えなくなった場合に限られる。69条の委託は、それより手前の段階で市町村が自分で選ぶ手段である
- 「役場が機能を失ったら、手続は止まるしかないのか」という問いの立て方自体が誤っている。法律は、役場が動けない事態を最初から想定している。応援要求(67条)、事務の委託(69条)、県による代行(73条)という段階的な代替ルートがすでに用意されている
- 住民から見れば、窓口の職員がどこの自治体の人でも同じに見える。しかし法律上は、応援で来た職員なのか、事務自体が委託されたのかで、権限を持つのが誰かが変わる。不服申立てや損害賠償の相手方を誤ると、手続が空振りに終わるおそれがある。この落差は、平時より災害時のほうが大きい
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 仕組みの性質 | 災対法69条:事務そのものを他の地方公共団体に委託 | 災対法67条:他の市町村長等に応援を求める(人や資源を借りる) 災対法73条:都道府県知事が市町村長に代わって応急措置を実施 |
| 発動の主体 | 被災した市町村が自ら選択 | 被災した市町村長等が要求 都道府県知事(市町村が全部又は大部分の事務を行えなくなった場合) |
| 権限の所在 | 受託団体の長その他の執行機関が管理・執行 | 被災市町村に残る(応援者は要求した側の指揮下で行動) 知事が市町村長に代わって実施 |
| 住民が確認すべき点 | 処分の名義人と教示欄の審査請求先 | 窓口の職員が他団体所属でも処分者は被災市町村 代行期間中の措置を誰が行ったか |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では災害時の自治体間協力は主に災害防救法上の支援要請で行われ、事務の委託は地方制度法の一般規定による。日本の69条のような災害時限定の委託手続特例は見当たらず、対照の際は留意が必要
韓国では災害時の地方自治体間の応援が法定されている。事務そのものの委託を災害時に簡略化する規定の有無は要確認
ドイツでは災害対策は州の権限で、自治体間協力は職務共助(Amtshilfe)と州法に委ねられる。連邦レベルの統一的な委託特例はない
米国では州間の相互支援協定(EMAC)や自治体間の相互援助協定が中心で、法令による事務委託よりも事前の協定ベースの協力が主流
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 大地震で町役場が倒壊し、町長は行方不明、議会は招集できない。もし隣の市に避難所運営とし尿処理を丸ごと引き受けてもらえなかったら、どうなるか。三日目には衛生状態が崩れ、関連死のリスクが一気に高まる。69条は、議会の議決を待たずにこの依頼を可能にする条文である
- あなたは近隣市の防災担当で、被災した町から火葬事務を引き受けてほしいと電話で頼まれた。引き受けた瞬間から、事務を処理するのはあなたの市の長その他の執行機関になる。協議で範囲と期間を書面に残していなければ、後で責任の所在をめぐって揉める
- 被災者向けの通知書を受け取ったら、発出者が住んでいる町ではなく、隣県の市になっていた。不服申立ての期限は通知を知った日の翌日から3か月(行政不服審査法18条)。宛先を間違えて出し直しているうちに、期限が過ぎるおそれがある
- 応援職員と委託は別物である。前者は人を借りるだけで、後者は事務を手放す
取るべき行動
被害を受けた側:1. 受け取った通知書や証明書は全ページを撮影し、発出者(どの自治体の長か)と日付を記録する2. 窓口の職員に「応援で来ているのか、事務の委託なのか」を確認する3. 決定に不服があれば、教示欄に記載された審査請求先へ出す。記載がなければ書面で問い合わせ、回答を残しておく4. 損害が生じた場合、国家賠償の相手方は事務を処理した団体になりうるため、委託の告示内容を役所に開示請求して確認する
訴えられた側:1. 委託する側は、応急措置に必要という判断の根拠を記録に残す2. 委託する事務の範囲、執行方法、期間、経費負担を相手方との協議で書面化する(災害対策基本法施行令の定めに従う) 3. 受託する側は、自分の団体の名義で処分を出すことになりうる前提で、決裁と教示文を整える4. 委託を終了する時期と、事務・記録の引継ぎ方法を最初に決めておく。終了時の混乱が住民からの苦情の最大の原因になる
時効(請求できる期限):本条自体に特定の時効はないが、一般消滅時効(民法166条、債権5年または10年)が適用される。委託事務による処分への審査請求は処分を知った日の翌日から3か月(行政不服審査法18条)、取消訴訟は6か月(行政事件訴訟法14条)。国家賠償請求は国家賠償法4条により民法724条の時効(最新の改正状況をご確認ください)
- 災害対策基本法 第62条市町村の応急措置実施責任
- 災害対策基本法 第67条他の市町村長等への応援要求
- 災害対策基本法 第68条都道府県知事等への応援要求
- 災害対策基本法 第73条知事による応急措置の代行
- 地方自治法 第252条の14平時の事務委託の一般原則
- 地方自治法 第252条の15事務委託の効果、本条で適用排除
- 地方自治法 第252条の17職員派遣、委託と異なる協力手段
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