災害対策基本法 第73条(都道府県知事による応急措置の代行)
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- 都道府県知事は、当該都道府県の地域に係る災害が発生した場合において、当該災害の発生により市町村がその全部又は大部分の事務を行なうことができなくなつたときは、当該市町村の市町村長が第六十三条第一項、第六十四条第一項及び第二項並びに第六十五条第一項の規定により実施すべき応急措置の全部又は一部を当該市町村長に代わつて実施しなければならない。
- 2.都道府県知事は、前項の規定により市町村長の事務の代行を開始し、又は終了したときは、その旨を公示しなければならない。
- 3.第一項の規定による都道府県知事の代行に関し必要な事項は、政令で定める。
この条文の基本情報
都道府県知事による応急措置の代行とは何ですか?
定義都道府県知事による応急措置の代行とは、災害対策基本法第73条に定められた規定で、「都道府県知事は、当該都道府県の地域に係る災害が発生した場合において、当該災害の発生により市町村がその全部又は大部分の事務を行なうことができなくなつたときは、当該…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 災害対策基本法第73条(都道府県知事による応急措置の代行)は、日本の災害対策基本法に含まれる条文です。
- 災害対策基本法第73条の条文原文は「都道府県知事は、当該都道府県の地域に係る災害が発生した場合において、当該災害の発生により市町村がその全部又は大部分の事務を行なうことができなくなつたときは、当該…」で始まります。
- 災害対策基本法第73条は第四節に置かれています。
- 災害対策基本法の公布日は昭和36年11月15日です。
- 災害対策基本法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月22日時点では廃止情報はありません。
- 災害対策基本法第73条の前の条は災害対策基本法第72条です。
- 災害対策基本法第73条の次の条は災害対策基本法第74条です。
- 災害対策基本法第73条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
災害対策基本法(昭和三十六年法律第二百二十三号)第73条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/336AC0000000223 - 本サイト収録
災害対策基本法(昭和三十六年法律第二百二十三号)第73条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月22日)https://lawplayer.com/jp/article/336AC0000000223/73
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点災害対策基本法73条は、災害で市町村が全部又は大部分の事務を行えなくなったとき、都道府県知事が警戒区域設定等の応急措置を市町村長に代わって実施する義務を定める。
Q · 災害で役場が機能しなくなったら、立入禁止や資材の使用は誰が決めるの?
全部又は大部分の事務が止まったら、知事が四つの応急措置を代行します
災害対策基本法73条によると、災害で市町村が全部又は大部分の事務を行えなくなった場合、都道府県知事は応急措置を市町村長に代わって実施しなければなりません。対象は、警戒区域の設定(63条1項)、土地・建物・資材の一時使用や収用(64条1項)、工作物の除去(64条2項)、住民等への従事命令(65条1項)の四つに限られます。避難指示の代行は60条で別に定められています。知事は代行の開始と終了を公示します。
解説
役場が津波で流され、町長とも職員とも連絡がつかない。そのとき町の「立入禁止」を誰が決めるのか。答えは都道府県知事である。しかも条文は「できる」ではなく「しなければならない」と書いており、知事には代わりに動く義務がある。ただし、知事が引き継ぐのは強い権限四つに限られる。警戒区域を決めて立入りを制限する権限(63条1項)、土地・建物を一時的に使ったり資材を使用・収用したりする権限(64条1項)、応急措置の邪魔になる工作物を取り除く権限(64条2項)、住民を応急作業に就かせる命令(65条1項)の四つだ。避難指示の代行は60条に別の定めがあり、本条の担当ではない。知事は代行を始めたときと終えたときに、その旨を公示(役所が公式に広く知らせること)しなければならない。家の前に張られたロープや、倉庫から資材を持ち出した命令が誰の名前で出たのかは、公示を見ればたどれる。名前が分かれば、あとで損失補償(82条)を求める相手も分かる。
法的な位置づけ
災害対策基本法73条は、市町村長が持つ応急措置の権限を都道府県知事が代わりに行う義務を定めた規定である。災害で市町村が全部又は大部分の事務を行えなくなった場合、知事は63条1項、64条1項及び2項、65条1項に基づく応急措置の全部又は一部を市町村長に代わって実施する。代行の開始と終了は公示しなければならず、細目は政令に委ねられている。
手順
- 1.処分の内容と名義を記録する 土地・建物・資材の使用や工作物の除去、従事命令を受けたら、日時、担当者名、処分の名義(市町村長か知事代行か)を写真とメモで残す
- 2.代行の開始・終了の公示を確認する 都道府県の公報やウェブサイトで、73条2項に基づく代行開始・終了の公示を探し、自分が受けた処分の日時が代行期間の内か外かを照らし合わせる
- 3.損害額の証拠をそろえる 使用された重機や資材については稼働時間、日報、燃料の領収書を整理する。除去された工作物については、被災前と除去後の写真を集める
- 4.補償を請求する 64条の処分による損失は82条、従事命令中の負傷は84条に基づいて補償を請求する。窓口は処分の名義と政令の定めで確認し、処分を受けた日を起算点として記録しておく
よくある質問 AI による整理
Q1災害対策基本法73条とは何ですか?
市町村が災害で機能を失ったとき、都道府県知事が市町村長の応急措置の権限を代わりに行使するよう義務づけた規定です。対象は警戒区域の設定、応急公用負担、従事命令などです。
Q2知事の代行はどんなときに始まりますか?
市町村が「全部又は大部分の事務」を行えなくなったときです。一部の部署が止まった程度では要件を満たしません。発動の時点は条文だけでは一義的に決まりません。
Q3知事が代行できる応急措置は何ですか?
63条1項の警戒区域の設定、64条1項の土地・建物・資材の一時使用や収用、64条2項の工作物の除去、65条1項の従事命令の四つです。この範囲を超えた権限は代行の対象外です。
Q4知事の代行が始まったことはどこで確認できますか?
知事は代行の開始と終了を公示しなければなりません(73条2項)。都道府県の公報やウェブサイトで公示の日付を確認すれば、処分が代行期間内に行われたかどうかが分かります。
Q5警戒区域に無断で入ると違法ですか?
63条1項に基づく立入りの禁止・制限に違反すると、116条により罰金又は拘留の対象となりえます。区域を設定したのが知事による代行であっても、この点は変わりません。
Q6従事命令で作業中にけがをしたら補償はありますか?
従事命令に従って作業し、けがをした場合は84条の損害補償の対象になりえます。従事した事実を証明できるよう、命令書は書面で受け取って保管しておきましょう。
Q7知事の代行は義務ですか、任意ですか?
義務です。条文は「実施しなければならない」と定めています。要件を満たせば、知事は代行するかどうかを選べず、応急措置の全部又は一部を引き受けることになります。
Q8代行中に受けた処分の補償窓口はどこですか?
処分の名義が市町村長か知事代行かと、政令の定めによって窓口が変わりえます。まず公示の日付と処分の名義を照らし合わせて確認するのが先決です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1役場が壊滅したら、避難指示って誰が出すんですか?
避難指示は60条の系統で動き、市町村長が事務を行えない場合に知事が代わりに出す定めも同条の中にある(項番号は改正で動いているため最新の条文を確認)。73条が扱うのは、警戒区域、応急公用負担、従事命令の代行である。実務のポイント:避難指示に従わなくても罰則はないが、警戒区域への立入りには罰則がある(116条)。どちらが出ているかで、自宅に戻る判断の重みはまったく違う
Q2県に重機を勝手に使われたんですけど、お金はもらえますか?
64条1項の処分によって損失を受けた場合は、82条に基づいて損失補償を請求できる。代行で行われた処分でも、補償を受ける権利は消えない。実務のポイント:補償額は使用期間と稼働実績の証拠で決まる。混乱期の行政側の記録は抜けや誤りが多い。自分で残した写真、日報、燃料の領収書が交渉の土台になり、記録がない部分はほぼ認められない
Q3県の代行って、いつまで続くんですか?
法律に期間の上限はない。市町村が事務を回復した時点で代行は終わり、知事はその終了を公示しなければならない(73条2項)。実務のポイント:終了の公示が出ると、同じ現場でも処分の名義が市町村長に戻る。公示の直前と直後に受けた処分は窓口が分かれる可能性があるので、それぞれの日付を分けて記録しておくと後の手続が詰まらない
間違えやすい点 AI による整理
- 役場が動かなくなれば県が何でも代わりにやってくれる、と思われがちである。実際に本条で知事が代わりに行うのは、63条1項、64条1項・2項、65条1項の応急措置に限られる。避難指示は60条の別ルートで動く。避難所や食料などの救助は、災害救助法上もともと知事の仕事である
- 「代行」が手伝いではなく義務だという点は知られていても、発動のハードルの高さはあまり知られていない。要件は、市町村が「全部又は大部分の事務を行うことができなくなった」ことであり、一部の部署が動かない程度では足りない。どの時点で発動すべきかは条文から一義的に決まらず、実務上も判断の幅がある
- 住民から見れば「県の人が来て資材を持っていった」だけである。法律から見ると、それは市町村長の権限を知事が代わりに使った処分だ。この見え方のずれを放置したまま補償の請求や不服申立てを出すと、相手方や窓口を取り違えて手続が空回りし、時間だけが過ぎていく
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の内容 | 73条:市町村の機能喪失時に知事が応急措置を代行する義務 | 60条:避難指示等と、市町村長が事務を行えない場合の知事による代行 63条:市町村長による警戒区域の設定(代行の対象となる元の権限) |
| 対象となる措置 | 63条1項、64条1項・2項、65条1項の応急措置 | 避難のための立退きの指示など 警戒区域への立入りの制限・禁止、退去命令 |
| 違反時の罰則 | 本条自体に罰則はない(代行による措置の違反は元の規定に従う) | 避難指示に従わなくても罰則はない 立入制限違反は116条で罰金又は拘留 |
| 権限の所在を確かめる手段 | 代行の開始・終了の公示(73条2項) | 60条に定める公示・通知の手続 警戒区域を設定した者の名義 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では各級政府が緊急応変措置を担い、下級機関が対応できない場合は上級政府が支援する構造をとる。日本のように代行の開始・終了を公示する明文の仕組みとは書きぶりが異なる
韓国も市郡区の長に危険区域の設定や応急負担の権限を与えている。上級機関の関与は中央・地域の災害安全対策本部の体系の中で整理されている
ドイツでは災害防護は州の権限であり、下位の行政機関が対応できないときは上位の官庁が指揮を引き継ぐ仕組みが州法ごとに定められている
米国では州の要請を受けて連邦が支援する仕組みであり、日本のように上位の機関が下位の機関の権限を代わりに行使する構造とは異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし役場ごと被災して町長と連絡が取れないまま、自宅の周りに立入禁止のロープが張られたら、それは誰の命令なのか? 県の公示を確認すれば、知事が代行して警戒区域を決めたものかどうかが分かる。名義が分からないままでは、一時立入りの許可を誰に求めればよいかも決まらない
- 地元で建設会社を経営するあなたのもとに県の職員が来て、ヤードの重機と資材を応急措置に使うと告げた。代行による64条1項の処分であれば拒めない。その代わり、損失補償を請求する権利が残る。使い始めた時刻の写真と稼働時間の記録が、補償額を決める唯一の根拠になる
- 崩れたあなたのブロック塀が道路をふさぎ、県が撤去した。塀はもう戻らない。残るのは、除去された物件の扱いと補償をめぐる手続だけである
- 発災から三日目、自治会長のあなたに県から応急作業に就くよう命令が届いた。作業中にけがをしたら、民間保険とは別に84条の損害補償の対象になりうる。命令書は必ず書面で受け取って保管すること。口頭の指示だけで動くと、従事した事実を後から証明できない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 土地・建物・資材を使われたり、工作物を取り除かれたりしたら、日時、担当者名、処分の名義(市町村長か知事代行か)を写真とメモで残す2. 県の公報やウェブサイトで、代行の開始と終了の公示を確認する3. 損失補償は82条に基づいて請求する。窓口が市町村か県かは、政令の定めと処分の名義で確かめる4. 従事命令で作業中にけがをしたら、84条の補償を検討する。命令書は捨てずに保管する
訴えられた側:1. 警戒区域への立入りを指摘されたら、まず区域を決めた名義と公示の有無を確認する2. 63条1項の禁止・制限に違反した場合の罰則は116条(10万円以下の罰金又は拘留、最新の改正状況をご確認ください)である3. 貴重品や薬の回収など切実な事情があるなら、無断で入らずに一時立入りの許可を求める4. 代行期間外の命令や、四つの権限の範囲を超える命令であれば、その根拠を書面で問いただす
時効(請求できる期限):本条自体に特定の時効はない。損失補償の請求は地方公共団体に対する金銭債権であり、地方自治法236条の5年の消滅時効が問題になりうる(実務上の扱いは要確認)。起算点の争いを避けるため、処分を受けた日を必ず記録しておく。代行の始まりと終わりは、知事の公示の日付が基準になる
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和36年(1961年) 新設:災害対策基本法の制定に伴い、市町村が機能を失った場合に知事が応急措置を代行する規定として設けられた。条文の旧仮名遣い(「行なう」「なつた」)は制定当時の表記である
- 災害対策基本法 第63条警戒区域設定、代行対象の権限
- 災害対策基本法 第64条応急公用負担・工作物除去、代行対象
- 災害対策基本法 第65条住民等の従事命令、代行対象
- 災害対策基本法 第60条避難指示と知事代行の別ルート
- 災害対策基本法 第82条応急公用負担に対する損失補償
- 災害救助法 第13条知事の救助事務の市町村への委任(逆方向の移動)
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