災害対策基本法 第76条(災害時における交通の規制等)
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- 都道府県公安委員会は、当該都道府県又はこれに隣接し若しくは近接する都道府県の地域に係る災害が発生し、又はまさに発生しようとしている場合において、災害応急対策が的確かつ円滑に行われるようにするため緊急の必要があると認めるときは、政令で定めるところにより、道路の区間(災害が発生し、又はまさに発生しようとしている場所及びこれらの周辺の地域にあつては、区域又は道路の区間)を指定して、緊急通行車両(道路交通法(昭和三十五年法律第百五号)第三十九条第一項の緊急自動車その他の車両で災害応急対策の的確かつ円滑な実施のためその通行を確保することが特に必要なものとして政令で定めるものをいう。以下同じ。)以外の車両の道路における通行を禁止し、又は制限することができる。
- 2.前項の規定による通行の禁止又は制限(以下「通行禁止等」という。)が行われたときは、当該通行禁止等を行つた都道府県公安委員会及び当該都道府県公安委員会と管轄区域が隣接し又は近接する都道府県公安委員会は、直ちに、それぞれの都道府県の区域内に在る者に対し、通行禁止等に係る区域又は道路の区間(次条第四項及び第七十六条の三第一項において「通行禁止区域等」という。)その他必要な事項を周知させる措置をとらなければならない。
この条文の基本情報
災害時における交通の規制等とは何ですか?
定義災害時における交通の規制等とは、災害対策基本法第76条に定められた規定で、「都道府県公安委員会は、当該都道府県又はこれに隣接し若しくは近接する都道府県の地域に係る災害が発生し、又はまさに発生しようとしている場合において、災害応急対策が的…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 災害対策基本法第76条(災害時における交通の規制等)は、日本の災害対策基本法に含まれる条文です。
- 災害対策基本法第76条の条文原文は「都道府県公安委員会は、当該都道府県又はこれに隣接し若しくは近接する都道府県の地域に係る災害が発生し、又はまさに発生しようとしている場合において、災害応急対策が的…」で始まります。
- 災害対策基本法第76条は第四節に置かれています。
- 災害対策基本法の公布日は昭和36年11月15日です。
- 災害対策基本法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月22日時点では廃止情報はありません。
- 災害対策基本法第76条の前の条は災害対策基本法第75条です。
- 災害対策基本法第76条の次の条は災害対策基本法第76条の2です。
- 災害対策基本法第76条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
災害対策基本法(昭和三十六年法律第二百二十三号)第76条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/336AC0000000223 - 本サイト収録
災害対策基本法(昭和三十六年法律第二百二十三号)第76条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月22日)https://lawplayer.com/jp/article/336AC0000000223/76
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点災害対策基本法76条は、災害時に都道府県公安委員会が道路の区間や区域を指定し、緊急通行車両以外の車両の通行を禁止・制限できると定める。隣接県の災害でも発動できる。
Q · 大地震のあと、なぜ一般の車は幹線道路を走れなくなるの?
公安委員会が緊急通行車両以外の通行を禁止できるから
災害対策基本法76条1項により、都道府県公安委員会は、災害応急対策を的確かつ円滑に行うため緊急の必要があると認めるとき、道路の区間(災害発生場所周辺では区域も)を指定し、緊急通行車両以外の車両の通行を禁止・制限できます。災害が発生しようとしている段階でも発動でき、隣接・近接県の災害も対象です。規制が行われると、同条2項により実施県と隣接・近接県の公安委員会は、通行禁止区域等を直ちに住民に周知しなければなりません。
解説
大地震の直後、幹線道路で一番の障害になるのは瓦礫より、避難しようとする一般車の列である。救急車も消防車も物資トラックも、その渋滞を抜けられない。災害対策基本法76条はこの事態に備え、都道府県公安委員会(警察を管理する都道府県の合議機関)に、道路の区間や区域を指定して緊急通行車両以外の通行を禁止・制限する権限を与えている。対象は自県の災害に限らない。隣接・近接する県の災害でも発動でき、規制をかけた県と隣の県の公安委員会には、住民へ直ちに周知する義務がある。押さえておくべき点は三つある。第一に、規制は災害が「まさに発生しようとしている」段階でもかけられる。第二に、指定された道路にいる運転者には車を区間外や道路の左側端へ移す義務が生じ(76条の2)、従わなければ警察官が移動を命じたり、自ら車を動かしたりできる(76条の3)。第三に、緊急通行車両として走るには、事前の届出と確認の手続がある。知っている人は揺れが収まった瞬間に車を出さない判断ができ、知らない人は動かない列の中で、自分の車が救急車の邪魔をしている。
法的な位置づけ
災害対策基本法76条は、災害時の交通規制を定める規定である。都道府県公安委員会は、自県又は隣接・近接県の地域に係る災害が発生し、又はまさに発生しようとしている場合、災害応急対策のため緊急の必要があると認めるときは、道路の区間又は区域を指定し、緊急通行車両以外の車両の通行を禁止・制限できる。規制を行った公安委員会と隣接・近接県の公安委員会には周知義務が課される。
よくある質問 AI による整理
Q1緊急交通路とは何ですか?
災害対策基本法76条に基づき、都道府県公安委員会が緊急通行車両以外の通行を禁止・制限するよう指定した道路の区間のことを一般にこう呼びます。
Q2災害時の交通規制はいつから始まりますか?
災害が発生したときだけでなく、まさに発生しようとしている段階でも発動できます。台風接近時など、被害が出る前に規制がかかることもあります。
Q3緊急通行車両の事前届出の方法は?
災害応急対策に従事する予定の車両について、平時に管轄の警察署等へ届け出ます。発災後の確認手続が簡素化されるため、協定締結時に済ませるのが実務上有効です。
Q4災害時の通行禁止に違反するとどうなる?
公安委員会の通行禁止等に従わない運転者には罰則の定めがあります。具体的な法定刑は改正で変わりうるため、最新の条文で確認してください。
Q5通行禁止区域で車を置いて避難してもいい?
やむを得ず車を離れる場合は、キーを付けたまま施錠せず、道路の左側端に寄せるのが原則です。警察官等が移動させる必要があるためです。
Q6隣の県の災害でも自分の県で通行止めになる?
なります。76条1項は隣接・近接する都道府県の地域に係る災害でも発動できると定めており、被害のない県でも救援ルート確保のため規制されえます。
Q7災害時の交通規制情報はどこで確認できる?
各都道府県警察のウェブサイト・SNS、日本道路交通情報センター、カーナビの交通情報などで確認できます。76条2項で公安委員会に周知義務があります。
Q8自家用車でも緊急通行車両になれる?
災害応急対策のため通行確保が特に必要な車両として政令の範囲に該当し、確認を受ければ対象となりえます。単なる私用目的では認められません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1地震のあと、車で子どもを学校に迎えに行くのってダメなんですか?
一律に禁止されているわけではありません。ただし公安委員会が通行禁止等を指定した道路や区域では、緊急通行車両以外は通行できず、運転中の車は区間外か道路の左側端へ移す義務があります(災害対策基本法76条、76条の2)。実務のポイント:多くの学校は大地震時に児童を引き渡すまで校内で保護する計画を作っています。車で急ぐより、学校の引き渡しルールを平時に確認しておく方が確実です
Q2うちの会社のトラックも災害時に走れるようにできますか?
可能性はあります。災害応急対策のため通行の確保が特に必要な車両は、政令に基づき緊急通行車両として確認を受けられます(災害対策基本法76条、同法施行令)。自治体との物資輸送協定などが根拠になります。実務のポイント:平時に警察署へ事前届出をしておくと、発災後の確認がかなり速くなります。協定を結んでも届出まで手が回っていない企業は意外に多い。総務部と配車部門のどちらが担当するかを今日決めておきましょう
間違えやすい点 AI による整理
- 「災害時は車で逃げるのが一番速い」と考えがちだが、通行禁止等がかかった区間では、一般車は区間外か道路の左側端へ車を移す義務を負う(76条の2)。都市部の大地震では車での避難そのものが渋滞の原因となり、救命活動を遅らせる要因として繰り返し指摘されてきた
- 規制は「被災した県」だけの話だと思われている。だが本条は隣接・近接する都道府県の災害でも発動でき、周知義務も隣県の公安委員会にかかる。被害がゼロの県で、ある朝いつもの通勤路が閉じていることは十分ありうる。自宅周辺の被害状況だけを見て「自分の地域は関係ない」と判断すると見誤る
- 「緊急車両」と聞くと、サイレンを鳴らす救急車や消防車だけを思い浮かべる。法律の定義はそれより広く、災害応急対策のために通行の確保が特に必要なものとして政令で定める車両も含む。物資輸送のトラックや自治体の公用車も、確認を受ければ緊急通行車両になる。逆に、赤色灯がないから自分は対象外と思い込んでいる事業者は、確認手続を受ける機会を逃している
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 76条:公安委員会による通行禁止・制限の指定と周知 | 76条の2:通行禁止等が行われた際の運転者の車両移動義務 76条の3:警察官による車両移動命令と強制移動 |
| 権限・義務の主体 | 都道府県公安委員会 | 指定区間にいる車両の運転者 警察官(不在時は自衛官・消防吏員の措置あり) |
| 発動のタイミング | 災害の発生時又はまさに発生しようとしている時 | 通行禁止等が行われたとき 車両が緊急通行車両の通行の妨げとなるとき |
| 一般市民への影響 | 指定区間・区域で一般車が通行できなくなる | 区間外や道路の左側端へ車を移す義務を負う 移動命令を受け、従わない場合は車両が移動・破損されうる |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では災害応変措置の一つとして、道路区間を指定し車両の通行を制限・禁止できる。権限主体は各級政府の災害応変センター側で、公安委員会型ではない
韓国も災害時の通行制限を一般防災法で定める。具体的な条番号と権限主体は要確認
ドイツは連邦の道路交通規則と州の災害保護法の組合せで対応する。災害時規制の主体は州・自治体が中心
米国は州知事の緊急事態宣言に伴う権限で交通規制を行うのが一般的で、州ごとに扱いが異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 震度6強の揺れが収まった直後、家族を迎えに行こうと車のキーを握った。その幹線道路は、数十分後には緊急交通路に指定されているかもしれない。走り出した車は、救命の動線を塞ぐ一台になる
- 物流会社の配車担当として、地元自治体と災害時の物資輸送協定を結んでいる。発災当日に緊急通行車両の確認を受けようとしたら、警察署の窓口に長い列ができていた。事前届出を済ませていれば、手続はずっと短く済んだはずだった
- 指定区間に入った車を路肩に寄せて徒歩で避難したら、何が起きる? キーを抜いてドアをロックしていると、警察官が車を移動させる際、やむを得ない限度で破損させることが法律上認められている(76条の3)
- 隣県で大規模な土砂災害が起き、あなたの県の国道にも通行規制がかかった。「うちの県は無事なのに」と思っても規制は有効である。県境を越える救援ルートを確保するため、隣接県の公安委員会にも発動権限がある
- 台風の上陸まであと12時間。警察が主要道路の通行制限を予告した。災害が「まさに発生しようとしている」段階でも規制は発動できる。今夜のうちに移動を済ませるかどうか、決めるのは今だ
取るべき行動
被害を受けた側:1. 被災地にいるなら、原則として車で移動しない。やむを得ず運転中に規制区間に入ったら、指示に従い区間外か道路の左側端へ車を移す2. 徒歩避難に切り替えるときは、キーを付けたまま、窓を閉め、ドアはロックしない。連絡先メモを車内に残す3. 物資輸送や医療で通行が必要なら、警察署や交通検問所で緊急通行車両の確認を受け、標章と証明書を受け取る4. 事業者は平時に事前届出を済ませ、協定書の写しを車両ごとに保管する
訴えられた側:1. 規制区間を通行して止められたら、まず通行目的を具体的に説明する。医療・救援など緊急性があれば、確認手続へ回してもらえないか尋ねる2. 標示の設置場所や規制開始時刻に疑問があれば、その場で写真と時刻を記録する3. 警察官の措置で車両が破損した場合は、損失補償の規定がある(災害対策基本法82条、最新の改正状況をご確認ください)。損傷の写真と現場の状況を保存して申し出る4. 違反で検挙された場合は、弁護士に相談し、規制の周知状況や緊急避難的な事情を整理する
時効(請求できる期限):本条自体に時効の定めはない。公安委員会の規制に従わない運転者には罰則(3か月以下の拘禁刑または20万円以下の罰金、最新の改正状況をご確認ください)があり、その公訴時効は3年(刑事訴訟法250条2項)。損失補償を求める場合も、損害発生後なるべく早く申し出るべきである
改正沿革 AI による整理
- 平成7年(1995年)改正 阪神・淡路大震災で緊急車両が渋滞に阻まれた教訓を受け、緊急通行車両以外の通行禁止・制限の仕組みと関連条文(76条の2以下)が整備されたとされる。改正の範囲と文言は人的検証が必要
- 平成26年(2014年)改正 道路管理者による放置車両移動の規定(76条の6)が設けられ、本条の規制と連動する仕組みが強化された。本条本文の改正の有無は要確認
改正の年表
- 1.昭和36年(1961年) 新設:災害対策基本法の制定により、災害時における都道府県公安委員会の交通規制権限の規定が設けられた
- 災害対策基本法 第76条の2通行禁止等の際の運転者の車両移動義務
- 災害対策基本法 第76条の3警察官による車両移動命令と強制移動
- 災害対策基本法 第76条の4警察官不在時の自衛官・消防吏員の措置
- 災害対策基本法 第76条の6道路管理者による放置車両の移動
- 災害対策基本法 第82条車両移動等に伴う損失補償(現行効力を要確認)
- 道路交通法 第39条緊急自動車の定義、緊急通行車両の中核
- 道路交通法 第4条平時の公安委員会による交通規制権限
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